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【千秋の日記 】
私は顔が真っ赤になっていた…裏路地で、藤岡におかしな事をされたからだ。
藤岡は「おかしな事はしない」って…そう言ったので油断してこのざまだ。
私は恥ずかしくなったので、藤岡に電車へ向かうように命令した。
藤岡は「おかしな事はしない」って…そう言ったので油断してこのざまだ。
私は恥ずかしくなったので、藤岡に電車へ向かうように命令した。
「藤岡…急におかしな事するなんてずるいぞ…。」
「えっと…ご…ごめんね。」
「……別にいいけど…」
「えっと…ご…ごめんね。」
「……別にいいけど…」
まぁ最初に誘ったのは私だし、文句は言えないんだけど…
もう少しムードと言うか…いきなりだったから驚いてあまり覚えていなかった。
もう少しムードと言うか…いきなりだったから驚いてあまり覚えていなかった。
駅のホームに到着し、私たちは電車に乗った。
行きと違い電車がガラガラだ…藤岡が気を使って普通列車とやらにしてくれたらしい。
行きと違い電車がガラガラだ…藤岡が気を使って普通列車とやらにしてくれたらしい。
「藤岡!見てみろ! この車両は私たちの貸し切りだぞ!!」
「あはは、そうみたいだね。」
「やっぱり私は、遅くてもこっちの方が広々していて好きだ!」
「あはは、そうみたいだね。」
「やっぱり私は、遅くてもこっちの方が広々していて好きだ!」
そう言ったものの、貸し切りの車内で私は藤岡の横にぴったりひっついていた。
…そう、前みたいに寝たふりをして、藤岡の肩へ頭を乗せたかったからだ。
私は寝たふりをするタイミングを計っていた。
…そう、前みたいに寝たふりをして、藤岡の肩へ頭を乗せたかったからだ。
私は寝たふりをするタイミングを計っていた。
…と、その時予想外の出来事が起きた。
先に私の肩に頭をのせ、藤岡が寝てしまったのだ…そう言えば確か昨日は寝てないとか言ってたな…
それに帰りはずっと私が乗っていたし…疲れたのかな?
先に私の肩に頭をのせ、藤岡が寝てしまったのだ…そう言えば確か昨日は寝てないとか言ってたな…
それに帰りはずっと私が乗っていたし…疲れたのかな?
予定とは違ったが、私は藤岡とひっつけて悪い気分ではなかった。
しばらくすると電車の揺れで崩れ落ち、藤岡は私の足に頭を乗せて横たわった。
肩から落ちたのにぐっすりと寝ている…よほど疲れていたのだろうか……
しばらくすると電車の揺れで崩れ落ち、藤岡は私の足に頭を乗せて横たわった。
肩から落ちたのにぐっすりと寝ている…よほど疲れていたのだろうか……
「藤岡…今日はありがとう。楽しかったよ…」
私は藤岡の髪を撫でながら、寝ている藤岡にお礼を言った。
…その時私は裏路地での藤岡の不意打ちを思い出した。
今の藤岡はそれはもう恐ろしいほどに無防備だ…車両は貸し切り…私は意を決した。
…その時私は裏路地での藤岡の不意打ちを思い出した。
今の藤岡はそれはもう恐ろしいほどに無防備だ…車両は貸し切り…私は意を決した。
「…こ……これは仕返しだからな…!」
「……スースー…」
「…………」
「……スースー…」
「…………」
『…ちゅっ……チュッ……んっ…も…もう一回……チュッ…』
うん、3回もしておけば…まぁ、私の勝ちだろう。
満足した私は、藤岡の髪を触りながらいつの間にか一緒に眠っていた…
満足した私は、藤岡の髪を触りながらいつの間にか一緒に眠っていた…
【藤岡の日記】
『…ゃくさん…! ……お客さん!!』
「……ん? …はぃ?」
「……ん? …はぃ?」
気がつくとオレは知らないおじさんの声で目を覚ました。
どうやらいつの間にか寝ていたらしい…
しかしココは何処だ…? …なんだか頭の辺りは、妙に柔らかくて気持ちいい。
顔をこすってみてもスベスベしていて……
どうやらいつの間にか寝ていたらしい…
しかしココは何処だ…? …なんだか頭の辺りは、妙に柔らかくて気持ちいい。
顔をこすってみてもスベスベしていて……
「……んっ…!」
「…?」
「…?」
上を見てみると千秋ちゃんの寝顔があった。
千秋ちゃんの膝枕で寝ていた事に気が付き、オレは飛び起きた。
…と同時に見たことのない風景と知らないおじさんに気づいた。
千秋ちゃんの膝枕で寝ていた事に気が付き、オレは飛び起きた。
…と同時に見たことのない風景と知らないおじさんに気づいた。
「あの…すみません。ここは何処でしょうか?」
「…だから、終点ですよ。」
「はぁ………えぇぇぇ?!!」
「…だから、終点ですよ。」
「はぁ………えぇぇぇ?!!」
慌てて飛び出すと外は真っ暗、時刻は7時前。
オレは慌てて千秋ちゃんを起こした。
オレは慌てて千秋ちゃんを起こした。
「千秋ちゃん! 千秋ちゃん!!」
「ん…ふぁ~……どうした藤岡もう着いたのか?」
「いや、着いたどころか通り過ぎてたんだ…。」
「そうかそうか……なっ!? …どう言……イタッ!!」
「ん…ふぁ~……どうした藤岡もう着いたのか?」
「いや、着いたどころか通り過ぎてたんだ…。」
「そうかそうか……なっ!? …どう言……イタッ!!」
慌てて立ち上がろうとした千秋ちゃんを背負い、オレは急いで反対方面の電車に飛び乗った。
ココからだと快速でも1時間…駅に着くのは8時頃だ。
ココからだと快速でも1時間…駅に着くのは8時頃だ。
駅に到着してオレは千秋ちゃんを背負ったまま南家へ走った。
結局千秋ちゃんの家に到着したのは8時20分だった…
結局千秋ちゃんの家に到着したのは8時20分だった…
「遅くなりました! ごめ…」
「千秋! どこ行ってたの? お友達の家に電話してもいないし、心配したんだよ?!」
「ハルカ姉さま…えっと……」
「…千秋、その足どうしたの? …それに藤岡君まで……」
「その…そこで足を挫いて動けなくなっていた所を藤岡が助けてくれたんです!」
「…そうなの?」
「千秋! どこ行ってたの? お友達の家に電話してもいないし、心配したんだよ?!」
「ハルカ姉さま…えっと……」
「…千秋、その足どうしたの? …それに藤岡君まで……」
「その…そこで足を挫いて動けなくなっていた所を藤岡が助けてくれたんです!」
「…そうなの?」
…これはどう答えればいいんだろう……
千秋ちゃんに口裏を合わせるべきか…本当の事を言うべきか……
千秋ちゃんはオレと出かけた事を内緒にしているんだろうか…?
千秋ちゃんに口裏を合わせるべきか…本当の事を言うべきか……
千秋ちゃんはオレと出かけた事を内緒にしているんだろうか…?
「えっと…」
「藤岡! 今日はありがとう。助かったよ! お前も気をつけて帰れよ! じゃあな!!」
「藤岡! 今日はありがとう。助かったよ! お前も気をつけて帰れよ! じゃあな!!」
『バタン!』
千秋ちゃんはそう言って扉を閉めた。
オレはなんだか釈然としないまま家へ帰った。
オレはなんだか釈然としないまま家へ帰った。
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