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90偵察」を以下のとおり復元します。
*偵察

**作戦
◆機体の安定性を生かして確実に足場を確保して移動する
◆姿勢を低くして見つからないようにする
◆犬・犬妖精の野性的な感覚能力により、地下でも方向を見失わない
◆犬・犬妖精の野性的な感覚能力により、周囲と異なる場所の発見が行いやすい
◆犬の野性的な感覚能力により、警戒能力も優れている

◆ダンボールのセンサーと歩兵の目視により複数の視点により捜索できる
◆科学的な捜索だけでなく、ダウジングなども併用して捜索する
◆機体の装甲を信頼しているので装甲を前面に展開する事により安心して移動できる
◆歩兵(整備兵)が随伴している事により、センサーなどでは確認しにくい所も確認できる
◆怪しいところは歩兵が先行する事により、隠密的な行動も可能である

◆主和は「バトルメードisナンバー1」で坑道に救出に行った事があり、地下での行動は経験がある
◆るしにゃん国などの情報供与により、敵との遭遇の可能性は十分に想定して行動している



***SS1 国としてのやる気
「おまえらにおねがい、500おくわんわんかせげ!」
 藩国にいる全員に妙な発言が出たのは、広島から帰った直後であった。
土場空き缶藩王、通称缶王のおふれである。
#ref(http://trpg-2maho.sakura.ne.jp/relm/data/rel_0172.jpg)


「500億?」
 国にもどってきた一同ハァ?という顔をしている。もとから国に居残っていたものも渋い顔だ。
「なにやってるんです、あの空き缶」
 雑草の一つ上から見事に灰皿に昇進した、というのに相変わらず国では空き缶よばわりの藩王である。
「追伸、よめもらう。リングかう。とありますね」
 どうみてもひらがなと誤字だらけの紙切れをみながらシュワがつぶやいた。
「おうさま、もしかしてリンクゲートを指輪の一種だとおもってるんじゃ」
 そもそも藩王って結婚できないって話だったよね、というのを言わないのは舞踏子としてのやさしさだろうか。
「いや、そのまさかだろ」
 空き缶の脳の大きさを考えてみろ、と続けた時点で全員が沈黙した。
 考えたくはない。自国の藩王がここまでバカだとは思いたくない。
「で、藩王の冗談はさておき」
(さておくんだ‥)
(スルー技能10だな、アイツ)
 冗談にしたい気持ちは全員だが、
「そこ、ひそひそ話しない。これをみろ」
 バンと1枚のビラを全員の前に出す。
『マジックアイテムゲット大作戦~君も略奪系考古学者を目指さないか~』
『遺跡にもぐって、一攫千金!』
 いろいろ怪しい言葉が並んでいる。
 ビラを出した当人以外は全員沈黙のままだ。どうみてもあやしすぎる。
「マ、マジックアイテム?」
「遺跡って暗い上に危険じゃないの?」
 なんとか思いとどまらせようと口を開きまくるが時すでに遅し。
「ちなみにお前らに拒否権はない、もう申請してきた」
「ちょ!」
「横暴尚書キタコレ」
「いやまあボーナスとか出るよ。たぶん」
 地位ある割に、横暴と言われると弱かった。
「おれもいくし」
 そういうと、くるくると地図を広げた。
「作戦もあるし」
「えーと、わたしもでるの?」
「マジックアイテムには乙女のキ…」
「あ、いくね!」

(即決だ)
(即決だ)
(即決すぎる)
(ヤガミおそるべし)

「ま、まあ。やる気になってくれたんならそれで(国庫負担大丈夫かな)」
それぞれの思惑を胸に、問題の遺跡へと出発していくのであった。

(あさぎ)

***SS2 ザ・作戦会議
「で、I=Dコレか」
 地下の遺跡の前で作戦確認をしつつ、今回のI=Dを見る。
「わー、ダンボルだーダンボルー」
 妙にかわいい名で呼ばれるが、帝国では割と不遇な機体と呼ばれるダンボールである。
その前で約1名がきゃっきゃと機体に触れていた。
 土木作業専用の機体と言われるが、はじっこの方にらくがきがされていた。
『なんかわかんないけどとりあえずほるよ!』
 書いた存在を思い浮かべそっと文字に触れてみる。藩王にすら重械扱いされている。
本当に不遇な機体で、あとやっぱり汚い字だなぁと思いふけっていると背後で作戦説明が始まったようだった。
「しょうがないだろ、コレしか使えないんだから。で、まず犬の能力でマッピングだ」
 全員の能力を統合して作戦を遂行するぞ、と確認を取る。
 パイロットコパイともに丁寧に説明していくが、しかし。
「…うう、美しくない。整備のしがいが…」
 一人頭をかかえる整備士がいた。
「あー、おちこんでるー。やっぱりフェザーもってきたかったねぇ」
 国の独自I=D、つい最近新型が開発されたフェザーワルツを思い出す。
「整備で死ぬから、死ぬから」
「あの白い機体が泥に汚れるのはなぁ」
「ま、フェザーを生かせるアイテムゲットしてかえろうね」
 ぽんぽんと整備士のシュワの肩をたたきつつ、遺跡内部を見る。
「ワクテカの中身と似たようなモンかね?」
 毎年演習に出かけている、藩国の古代遺跡と似ているところがないか聞いてみる。
土場軍の慣例として新兵の肝試しとして、ワクテカ遺跡内部の一部をマッピングさせるというのがあった。
「どーかなぁ。あそこの門番、角砂糖で買収できるから」
「あ、ウラワザだ」
「ずっこい、ずっこい。おれあの門番と3時間耐久おいかけっこしたぜ」
「俺、もっていったプリン食われた」
 それぞれ昔の思い出があるらしい。ふと懐かしい気分に襲われたが、ここでがんばらねば、
なんとなく国としてまずい。
「じゃあ、みんな生きて帰ろう。で、いいものもらって帰ろう」
「おー」
「ま、仕方ないか」
「じゃあまあ一応」
 まともに反応するの1名である。軽くヘコむ犬尚書。
「が、がんばるから。わたしがんばるから」
 全員の結束はそれなりだが、事前の作戦説明はバッチリである。
「えーと、で、おれなにすんのー」
「いやだからマッピング…」
 バッチリである(たぶん)

(あさぎ)

***SS3 広島からの応援
一方そのころ。

夜明けの船のトップデッキにたくさんのBallsと空き缶がいた。
Ballsたちは夜明けの船の修理作業に忙しく動き回っているのだが、空き缶は全く違う。本人的にはBallsと踊っている気であった。
「おれは、ワクテカうまれ、どばそだちー
 まるそうなヤツはだいたいともだちー」
くるくるとBallsに合わせて回転する。
実は藩王、Ballsに何度か再資源化されそうになっており、どう考えても一方通行の友情である。
本人がソレに気づいていないのはある意味幸せなことなのかもしれない。

「とどけ、とどけおーえんとどけ」

くるくると回りつつ、青い空を見上げる。
ネコリスが見えるならいいのになーと思いつつ、以前ポチ王女が開いたゲートが
残っていたらそこから情報届くのになと思ったのである。

「あれ、おうさまなにしてるのー?」

同じように夜明けの船に乗り込んでいる国民の顔を見る。
広島戦の男盛の余波で精神的ショックが大きい国民も数多くいたが、
そろそろ各自日常を取り戻し始めていた。

もっともクルーの一部はひきこもって出てこないという事態はおこっているが。

「みんなも、おどる?」
周囲をキョロキョロ見回すと、ヒマなのかそこら辺に人がいた。
スカートなのにもかかわらず足を広げてタバコを吸っているものや
遠吠え通信の練習をしているものが集まってくる。
「なんだその奇妙な踊りは、それで敵を倒す気か? 
 根源力30万以下は見るだけで死ぬヤツ目指せ」
「ちがうよー、えっとね。国でみんながアイテムさがしなの」
「あー、なんかそんなんあったな」
 すっかり忘れてたわ。と薄情な対応である。
「応援するの?」
「うん!こうくるくるまわってドーンってしたらとどくよ!とどくよ!!」
「いや、そこは踊らなくてもいいだろ」
 冷静にツッコミを入れるものもいるが、おおむね応援には好意的である。
「広島戦じゃ、応援い助けられたしな」
「俺らも応援するか?」
「じゃあみんなよんでくるねー」
 夜明けの船に乗っている全員で声をそろえたら、なにか届くかもしれない。
 遠い地においても国を思う心は同じ、というように広島にいる全員が、
遺跡のアイテム探しメンバーに応援を送り始めるのだった。

(あさぎ)

***SS4
 暗い闇の中を一台の人型戦車が走る。
 そしてそれに一人の歩兵が続く。
 戦車とその随伴歩兵、戦車の集中的な運用が出来ない状況でよく見られる光景である。
 歩兵が主な戦力の戦場では数少ない戦車は救世主として扱われる事が度々見られるが、戦車にも戦車の弱みがある。

 戦車の火力、装甲は歩兵とは比較にならないほどのものであり、敵にとっての悪魔、味方にとっての軍神として扱われるが、小回りという面では戦車は歩兵に劣る。
 戦車は足回りを破壊されれば固定砲台にしかならず、避けて通ればいいだけのものに成り下がり、実際にそれを行おうとする歩兵も(非常にまれだが)いるとの事である。
 また、足回りなどの破壊のほかにも、肥大化する火力の発達により歩兵でも戦車に損害を与える兵器の出現も戦車にとっては無視できない問題であろう。
 防御的な意味のほかにも戦車による攻撃を効率化するためには戦車以外の協力が必要だと考えられる。 
 そして、何よりも戦車の中からでは観測できない情報が戦車にとって非常に重要なものなのである。
 それは戦車の機能上仕方がないことではあるのだが、ハードウェア的な問題点はソフトウェア=運用方法で補うのが戦術というものであろう。
 そして、それらの問題点を補う一つの回答として出されたものが戦車随伴歩兵である。
 戦車に歩兵が伴う事により、それらの問題点を人の手でカバーするという原始的ではあるが効率的な解決策であった。

 土場の歩兵は不遇であると言われている。
 I=D国家としての方向性を見出し、主な職業アイドレスはパイロット系統で占められ、歩兵はかろうじて整備士として戦場に立つ事を許されているのが現状である。
 無論、整備士としての役割は戦局を左右するほどに重要ではあるが歩兵としての役割を求められる割合は低い。
 それらの鬱屈を晴らすべく、土場の歩兵は戦車に続いて走るのである。
 「オレ達はI=Dの面倒を見てやってるんだ!歩兵としても整備士としても!」
 それが彼らの矜持であり、それを見せる絶好の機会が巡ってきたのである。
 羅幻王国の地下への出撃は作戦内容・部隊編成上、歩兵が必要であると思われたが、花形職業であるバトルメードは今回の出撃には歩兵としては参加ができなかったのである。
 
 「さて、最近はI=Dばかりいじってて体もなまってる事だし少し運動するかな」
 戦車と併走しながら誰とも言わずに呟いた独り言が闇の中に消える。
 土場の歩兵に活躍の機会は巡ってくるのであろうか?。

(1008字:主和)

**イラスト

**RP

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