焼畑農業の問題と新型農法の考察

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d_va

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焼畑農法の意義とは
、酸性に近い土地を植物を燃やした灰をまぜることで
灰が中和剤となり土壌が改良される。
ここに根菜類を栽培し主食とする。
というのが基本路線である。

ただし、今後は以下のような問題が出てくるだろう。

その1
人口増加により作物栽培増加のため過剰な焼畑農業が行われ
森林の回復能力を超えてしまい砂漠化が進む。

その2
焼き畑の際発生する煙による健康被害の拡大。
おとなならまだしも、児童に被害が及んでは悲惨である。

その3
知識のない焼畑農法による、山火事の発生や人的被害の発生。
可能性は少ないが、今度急速に食料が必要になった場合発生する可能性がある。

1~3に加え、耕作期間が過ぎたあとは、地力を回復させるために
耕作期間の倍以上の期間が必要であり、
やせた土地の土壌改善が目的とはいえ、焼畑だけでは
大量に食料を補給することができないだろう。

また、森を急速に伐採することにより、海産物の生産量の激減が予想される。

海と森は兄弟である。
豊かな森が、豊かな海洋資源を作っているのは近年の研究で
明らかになってきている。
海洋のプランクトンの栄養は森にたくわえられている養分であり
森を失うことは、海の恵みを喪失させることに直結する。

今すぐに焼畑をやめることは難しいだろうが、
土場では、焼畑から脱却し、豊かな農業事業を行うことを推奨する。

まず、新型農法は、土づくりから開始する。
土地に肥料を撒き、栄養のある土をつくるのだ。栄養のある土ならば
焼畑をしてわざわざ灰をまぜなくともよい。

栄養としては、森林からでる落ち葉を腐らせたものや、
家畜の糞尿、また川魚などの死骸、なたね油の搾りかすなど
さまざまなものが使用できる。

土づくりの方法

1)肥料をいれるワクを用意し、ワラ、枯れ草、落ち葉、野菜クズや
植物性油のしぼりかすなどを入れ、充分に水を吸わせ、踏み固める
※20~30cmに踏み込んだら石灰窒素や尿素を薄くふりかける。
ここで十分にしめらせる、というのは握ると水がでる程度のことを示す。

2)1の作業を何層も繰り返し、枠いっぱいになったらビニールで覆い、
雨水の流入と乾燥を防ぐ。

3)発酵が進むと量がへるので、別の枠に入れてさらに発酵させる。
乾いていたら少量の水で湿らせ、今度は苦土石灰や消石灰を薄くまき、積み重ねる。

4)3の作業を繰り返す。

/*/

また、同じ作物を同じ土地で作り続けると、土地が痩せ、病気になりやすくなったり
収穫量が減ったりする。これを連作障害というが、この障害さえなければ
土地は常に豊かな作物を実らせるだろう。
簡単な答えである。
「同じ作物を作らなければよい」

わが国の場合、中核となる小麦は避暑地や、研究施設での調査の結果、
[5年おき]に作付けするのが、連作障害の出ない最短期間であると判明している。

5年間というのは実に長い。
1年育てるとして残り4年はどうするのか。
別の作物をつくるのである。

サトウダイコン(ビート)は
わずかながら土中に養分をためることが可能であると判明した。
これを、小麦の後に植える。

その後、とうもろこしをうえ、そのあと馬鈴薯(じゃがいも)を植える。
じゃがいもは痩せた土地でも育つので最後にまわし、その後
クローバーを植えて、地力を1年回復させる。

この輪作農法のほかにもう1つ、新しい取り組みを取り入れることを強く推奨する。
それは家畜、とくにブタを飼うことである。
馬鈴薯のあとのクローバー畑にて、ブタを飼うのである。

ブタはクローバーを食べてフンをし、大地を掘り返すことで土中の
生物の反応を活性化させ、豊かな土地を作る。
また、食料を作るうえで出たカス(ビートのしぼりカスなど)を
土地あるいは、ブタに与えることでさらに豊かな土地とすることが可能であろう。

この豊かな土地が次の年の作物の収穫量を増大させるのである。
またほどよく引き締まったブタは、食肉として販売することが可能である。

昔の小さな農家であれば不可能であったが、重農政策後の
大きな土地を持つ農家であれば、5種類の作物をつくることで
連作障害を打破し、焼畑に頼らない農業経営が可能だと考える。
また小さな土地を持つものに対しては、土地をよせあって、
大規模化・組織化を推奨する。

以上の、計画によって農家が得る利点は以下である。

  • 焼畑後の荒れた土地の再利用が可能になる。
  • 年毎の豊作・不作のリスクが低くなる(1つの作物が不作でもほかで巻き返しが利く)
  • さとうという高付加価値商品の取り扱いが可能になる。
  • 羊以外の新しい商品の開発が可能になる。
  • 収入を安定させることで、新しい商品作物への投資や
 ジェントルラットからの農業機械の導入が容易になる。

技術に関しては国に問い合わせてくれればきちんと指導し、
不足のないように取り計らうことを約束する。

/*/各作物の紹介/*/

1)小麦
藩国要点の豊かな小麦畑に代表される作物。
パン・パスタ・うどんなど用途は広い。

2)ビート(さとうだいこん)
北国で生産できる数すくない砂糖の一種。
絞り汁から砂糖を抽出する。試験的に作られたものは
ハニーキッチンに納入され、好評だった。
絞りカスは家畜の飼料のほか、肥料としても活用可能。

3)とうもろこし
ここで生産するとうもろこしは、基本的に「家畜の飼料」として
栽培することを目的としている。絞って油を抽出することも可能で、
それぞれの農家の家畜数によってさまざまな活用が期待できる。

面白い使い方として、乾燥した種子をサラダ油で熱しフタをして
一定の圧力をかけると、ハジけて雪のようなふわふわとした
食べ物になる。
これは「ポップコーン」と呼ばれ、塩味やキャラメル味をつけることで
子供たちによろこばれるおやつとなると期待されている。

4)ばれいしょ(ジャガイモ)
条件さえ整えば年に3回収穫可能。
土に埋めておけばあまり世話をしなくても収穫可能である。
芽の部分に毒があるので、調理するときにはきちんと除去すること。
毒性はきわめて低いが、苦味がでて味が落ちる。
痩せた土地でも育つが連作するととたんに病気になりやすくなるので
連作は厳禁とされている。
品種によって食感や甘みが異なり、今後も研究して
「サラダ向け」「揚げ物向け」「ふかし芋向け」など
料理に合わせた品種を売り出していきたい。

5)クローバー
別名シロツメクサ 家畜のエサまっしぐらの土地に植えるものだが。
春先には白くきれいな花が咲き、子供たちの遊び場としても
活用可能であろう。

さらに、ミツバチを飼い養蜂業を営めばさらに利益があがるものと予想される。

以上、弓下嵐。
土づくりに関しては農夫アイドレス着用の弓下嵐が指導していく予定。