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第二回:nico&松井 - (2007/01/07 (日) 21:04:36) の編集履歴(バックアップ)


土場藩国では、ファンブルのことをヤガミハウスという。
言葉の由来はかつて摂政が中心となりチーム分けをする時、その場にいた
ほぼ全員が国歌にも残るほどの勢いでファンブルと出しまくり「ここの家の主はヤガミか!」
とツッコミを入れられたことが始まりである。
その後、時は流れファンブルを出す人、もしくはファンブルが多発する場所を「ヤガミハウス」と言うようになった。

さて、ファンブルハウスの主であるヤガミの語源であるが、
これは実に難しい。
諸説入り乱れており、かつてファンブルを出して国を滅ぼした藩王の魂の故郷が「矢上の里」であったからとか、
本当に「ヤガミ」という人物がファンブルを出しまくって国を傾けたとか、
憶測の域を出ない説が流布されている。
真実は誰にもわからないが、まあ土場藩国でファンブルといったら「ヤガミ」であった。

その「ヤガミ」が土場藩国にやってきた。
摂政であるしらいし裕が拾ってきた八神という少年だ。彼が国についたときそれはもう大騒ぎであった。
時の藩王が「矢上の里」を魂の故郷としているせいもあるが、元来祭り好きの国民である。
「ファンブルネ申キター」
「神降臨」
などと楽しい野次と共に国賓として暮らすことになった。
しかし、ここで噂が流れる。
藩王が八神少年の転売を画策しているというのである。
そこに立ちあがった2人の戦士がいた。nicoと松井。である。
歩くのもめんどくせ、と常に転がりながら移動している藩王を足で押さえつけて抗議する。

「ちゃんと世話するから!」
「散歩にも連れて行くから!!!」

この抗議、どう見ても捨て犬を拾った扱いなのだが、仕方ない。
八神少年は、犬っぽいというかミニチュアダックスっぽいというか、アホっぽ……いや。
まあそういう系統の顔立ちの子だ。

「え~じゃあ、一緒に散歩にいっといでよー」
とりあえず足どけてくれないと移動できないな、と思いつつ藩王がダルそうに答える。
ついでに、犬なら燃料掘って来てくれないかなーと思いつつ二人を送り出した。

そもそもコレが何かの間違いであったのだ。
とはいえ、彼らがトラブルに巻き込まれている間、
藩王はウマー棒片手に 「親御さんの連絡先は?」 「君の家金持ち?」と
なんで聞いてこなかったのかとしらいしを小一時間問い詰めていたのであるが。
それはまた別の話である。

彼女たち2人が、八神の散歩コースに選んだ裏山から「オズル」が現れたという連絡が入ったのは、
それから30分もたたないうちであった。

オズル―――
かつて第四世界で採用されていた北欧の神の名を持つ森林戦用重機動歩兵。
何もしらないものがいたら、機神と思うその兵器は、
誰にも知られず、誰にも気づかれずにひたすら潜んでいたのであろう。
いつの間に国内に仕込まれていたのか、どうしてここにいるのか
そんなことは今考えても仕方ない。
重要なのは今2名の命が危険に晒されているそれだけで十分であった。

この情報にもっとも早く反応したのは八神である。
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