遠い宇宙から、地球侵略を狙う悪の機械生命体『ジャマキナ』が地球に潜入した。
人間同士を争わせて、地球に混乱を巻き起こし、地球を支配しようとする『ジャマキナ』の前に、立ちはだかるヒーローがいた。
無双勇者『ドデカイザー』である。

これは、宇宙にはびこる悪と戦う、
無双勇者ドデカイザーと仲間達の物語である。





よう!俺、五台山カケル! 
正義の巨大ロボ、ドデカイザーと一緒に悪の機械生命体『ジャマキナ』と戦う小学五年生さ!


今日はドデカイザーと水族館へ行くことになった!
水族館にいる山乃端一人ってお姉ちゃんがジャマキナの仲間らしい。
先週やっつけたジャマキナの手先がそう言ってたから間違いないぜ!
地球人なのに悪の手先になるなんてなんて悪いやつなんだ。
絶対に許さないぜ!











諏訪理恵は目を覚ますと、いつものようにメイド服に着替えると、リビングに降りていった。
リビングではすでに山乃端一人が食事の準備をしていた。

「昨日、突如現れた巨大ロブスター兵器に「私は正義だ」と名乗る少女が――」

テレビではニュースキャスターが昨日の出来事を伝えている。
理恵はそれを横目で見ながら、自分の分の食事の前の椅子に着席する。
着席すると同時に、諏訪理恵は一人からチラシを手渡された。

「世界の鮫展?」

チラシによると近所の水族館で開催されるらしい。
この水族館はショッピングモールが併設されており、いつも人だかりができている。

「そう、世界中から集められた鮫たちを見られる凄い展示なの。一緒にいかない?」
「問題ありません」

一人が望むなら理恵はどこへでもついていく。
それがあの日誓ったことだ。

「浅葱さんも一緒だけどいいよね」
「それも問題ありませんが」

浅葱和泉。近所に住む山乃端一人の学校の先輩である。
得体のしれないところもあり、今の状況でどこまで信用できるのかわからない。
だが、一人と二人きりになっていることも多く、襲うつもりがあるならすでに襲っているだろうと理恵は判断した。


準備をすると二人で家を出発した。

「やぁ、ヒトリちゃん」

暫くして、浅葱和泉が合流した。こちらに手を振っている。

「浅葱さん、うちの理恵です」
「諏訪理恵です。よろしくお願いします」
「ワタシは浅葱和泉。ヒトリちゃんの先輩だね」

理恵と和泉が自己紹介をする。
自己紹介を終えると理恵は品定めをするように浅葱和泉の姿を見つめていた。

「おや、ワタシを警戒している?なるほど、ワタシが恋人をとっちゃうかもしれないものね」
「違います」
「最近は世間もそういうものに理解を示しているよ」
「違うといっているでしょう」

理恵が否定する。
そうであればよかった思ったことがない訳ではないが、事実ではない。

「でもリエちゃん、キミもヒトリちゃんに消えられると困るんだろう」

いつの間にか理恵に近づいていた和泉が、理恵の耳元で囁いた。

「キョウスケちゃんによるとあの子は人気者らしいからね。」
「あなたも鏡助に忠告を?」
「ふふふ。そうだね」

まだ信用できないが、利害は一致しているようだと理恵は判断した。
保留し、とりあえず水族館に向かうことにした








テロリストに依頼された一四一四は爆弾を仕掛けるついでに水族館を歩き回っていた。
ちなみに先ほど、ショッピングセンターでチンピラ魔人3人組に絡まれたので、派手に爆殺したばかりである。

「C4に逆らうやつは許さないのだ(ドヤッ)」

気分がいいのか楽しげに笑う四一四。目的の展示室にたどり着くと展示物に手際よく爆弾を仕掛けていく。

「帰ったら一兄にセクハラしよう♪爆破~爆破~♪」

鼻歌を歌いながら、四一四が展示室を立ち去っていく。








「いくぜ!ドデカイザー!!悪の協力者をやっつけろ!!」

ドデカイザーがXLドデカリバーを振り下ろした。

「何の話ですか?」

理恵がXLドデカリバーを箒で受け止める。
一人と和泉と一緒に歩いていたら突然襲われた。
全く心当たりがない。
そもそもこいつは何者なのか?鏡助が言っていた一人を狙う人間の一人だろうか?

「山乃端一人って姉ちゃんがジャマキナの仲間だってな!!」
「違います。何ですか?ジャマキナって?」

箒をドデカイザーに振り下ろしながら理恵が聞き返した。
ドデカイザーはドデカイージスでそれを受け止めた。
和泉は一人の隣でこちらに手を振っている。
二人ともドデカイザーと戦っていると新手が来たときに守り切れないし、妥当かと理恵は判断した。

「とぼけても無駄だぜ!!俺は聞いたんだ!!ジャマキナの仲間だって!!」
「誰が言ったんですか?それ」
「俺が先週倒したジャマキナが言ってた」
「明らかに適当な嘘では」

呆れる理恵。
その時、水族館の中を爆発音が響き渡った。

「なんだ」
「何?」

展示室の方だ。
全員で走って向かった。展示室にたどり着く。
そこには鮫と白衣を着た初老男性がいた。


「フハハハハハハ!よく来たな五台山カケル!吾輩はドクターシャーク!!ジャマキナの科学者よ!!」

ドクターシャーク。
表向きは水族館のアドバイザーとして協力している善良な博士だが、その正体はジャマキナの仲間である科学者魔人である。


「ジャマキナだって!!じゃあ山乃端の姉ちゃんは!!」
「ただの一般人よ!!騙されおったな!!フハハハハハハ!!!」
「くっ騙された!絶対に許さないぜ!!」

ドデカイザーを操縦しながら悔しがるカケル。

「そして、そいつはメカキメラダブルヘッド魔人シャーク2。こいつを極秘にここに運び込み、東京に解き放つ!
恐るべき計画よ」

世界の鮫展のどさくさに紛れて、秘密裏に搬送されてきたメカキメラダブルヘッド魔人シャーク2。
これが狂気の科学者魔人ドクターシャークによって作られた恐るべき殺戮兵器。


「さあ行け!!メカキメラダブルヘッド魔人シャーク2!!!!人間どもを襲うのだ!!」

メカキメラダブルヘッド魔人シャーク2をけしかけるドクターシャーク。
だが、

「待て、なぜこちらに向かう、お前が襲うべきは向こうのぎゃあああああああああああああ」

メカキメラダブルヘッド魔人シャーク2の暴走により、ドクターシャークは食われた。
悪の科学者の末路であった。

メカキメラダブルヘッド魔人シャーク2が展示室を飛び出した。
メカキメラダブルヘッド魔人シャーク2が水族館に遊びに来た人々に襲い掛かる。
次々と鮫のエサになっていく民衆たち。

「くっ俺がジャマキナに騙されさえしなければ!!」

サメを追って、展示室を飛び出そうとする一行。

その時だった。
やつらが宇宙から降りてきたのだ。



宇宙から降りてきた無数の精子たち。

降りてくる。
降りてくる。
降りてくる。
降りてくる。

災害が。悲劇が。怪物が。
悪夢の精子軍団が。


「ついに来たな、ジャマキナ!!」
「ジャマキナ?あれが?」

なんとジャマキナの正体は精子だったのか?

今回降りてきたのはメカ・精子であることはいうまでもないだろう。
メカ・精子は機械生命体の精子である。


そしてドデカイザーは転校生だったのだ!!

五台山カケルの設定に書かれている。
遠い宇宙から悪の機械生命体『ジャマキナ』を追っている最中に
ジャマキナの罠にかかって地球に墜落しちゃったんだ!

これが山之端一人を守るために地球に向かう『楽園』の転校生たちが地球に向かったことを指すには明らかだろう。


何?諏訪理恵はドデカイザーの攻撃を受け止めてたじゃないかって?それが想いの力なのだ。
想いの力が高まれば転校生の攻撃だって受け止められるのだ。いいね?



「悪かったな姉ちゃん!ジャマキナの連中に騙されちまった!!本当の計画はこれだっていうのによ!」

本当にジャマキナなのか疑問に思うところもあったが、その場にいた全員が空気を読んで黙っていた。
どっちにせよ、精子災害はどうにかしないといけない。

「俺は地球を守らないといけねえ!!どれだけ絶望的だとしてもな」
「カケル……」

山之端一人の仲間たちが見守る中、ドデカイザーが飛ぶ。
宙から襲い来る精子たちに向かって。

「デカランチャー!!」

ドデカイザーの両肩から、連発ミサイルが発射される!!そして精子に向かって飛ぶ!!

「いくぜ!ドデカイザー!!俺たちの戦いはこれからだ!!!」

五台山カケルの勇気が世界を救うと信じて!



注1・サメは精子に飲み込まれて死にました。
   転校生すら壊滅させる精子災害に勝てるわけがないので妥当だと思います。

注2・C4ちゃんは爆破テロに満足したので家に帰りました。
  今頃は兄の一一にセクハラをしているところでしょう。
  たまたま爆破テロに巻き込んでしまっただけなので、今回はこれで終わりです。





次回予告

よう!俺、五台山カケル! 
正義の巨大ロボ、ドデカイザーと一緒に悪の機械生命体『ジャマキナ』と戦う小学五年生さ!

遂に侵略してきた悪の機械生命体『ジャマキナ』
でも、俺とドデカイザーはあんな奴らに負けたりなんてしねぇ!!
正義の心でやっつけてやるんだ!

そうだろドデカイザー!!

次回『無双勇者『ドデカイザー』VS悪夢の精子軍団2』!!絶対見てくれよな!!
最終更新:2022年02月26日 23:59