マスター・ファントム・ペイン

■キャラクター名:マスター・ファントム・ペイン
■ヨミ:マスター・ファントム・ペイン
■性別:男性
■武器:“悪しき英語(イーヴィリッシュ)


特殊能力『アウトサイダー』

この世の理の“外側(アウトサイド)”を歩く者。
通常の人間としての彼はとうに故人だが、この能力により霊体のような意識体として宇宙を自由自在に彷徨っており、任意の座標でいつでも“受肉”することができる。

受肉した肉体は生前のものとは異なるこの能力特有の化身(アバター)であり、通常の生命活動は行っていないいわば動く死屍であるがハイレベルな頑強さと俊敏性を持つ優れた物理干渉用の依代である。

受けた身体ダメージの自然回復能力は持ち合わせないが、肉体を放棄して再受肉しなおせば完全な身体が瞬時に手に入る。
肉体を放棄した直後に他の場所に受肉することで、まるで瞬間移動能力のように応用することも可能。
破棄された肉体は青白い炎をあげながら瞬く間に崩壊、消滅する。

物理法則を超越して全宇宙を思うがままに渡り歩くこの能力のため、副次的に千里眼や心眼、霊視に未来予知と呼ばれる力も手にしており、第4の壁すら認識し打破が可能。


設定

古からの言い伝えによれば、“ゴッド・ハンド”と呼ばれる5人の“悪しき英語(イーヴィリッシュ)”の始祖たちのひとりともされる恐るべきエルダー・イーヴィリッシュ・マン。

本来の邪名(イヴィルネーム)は単に“ファントム・ペイン”だが、ゴッド・ハンドのメンバー5人は特別に畏怖と敬意をこめて“マスター”の名を冠して呼ばれる。

200年以上前に“悪しき英語(イーヴィリッシュ)”をめぐる考え方の対立から、“悪しき英語(イーヴィリッシュ)”による世界征服を目指すゴッド・ハンドのリーダー格であるマスター・ダーケストと、“悪しき英語(イーヴィリッシュ)”は秘して世の人々に害なさぬよう適切に管理するべきとする彼、マスター・ファントム・ペインとの間で激しい抗争が起こり、その闘いは今もなお散発的に続いている。
本来ならとうに故人となっているはずだが死後に魔人能力に覚醒したことによって半ば仙人のような存在となって自由気ままに世界をさすらっている。


全身から陽炎のような蒼い闘気をゆらめかせ、屍人の顔のように青白いガイ・フォークス・マスクと黒髪のセミロングボブのウィッグを被り、背中に白文字で“MOTH TO A FLAME”と書かれた漆黒の空手道着を身にまとう。手足には黒いレザーグローブと、靴底がまるで天狗が履いている一本歯下駄のようなデザインをしたブーツを着用している。
素肌が一切露出しない格好をしているが、その仮面の下の素顔は二目と見れないおぞましい悪夢的な相貌であり、目撃した者はSANチェック必須だという。

“マスター”の尊称を受けるに相応しい冠絶した“悪しき英語(イーヴィリッシュ)”の達人の中の達人で、クラシックなオーソドックス・スタイルの構えからデヴィルメイクライな凶々しい発音とともに繰り出される技の数々は一挙手一投足全てが絶妙無比であるが、常にまるで本気を出していないような振る舞いで、『対峙した相手が全身全霊を尽くせば勝算が見える』程度の強さに加減して闘うことを好む。圧倒的な力で有無を言わさず相手を倒そうとしないのは曰く、「フフフ、そういうのはもう飽きたのだよ……」らしい。

魔人能力の特性により不滅とも言える存在だが、自身が認めた相手との闘いにおいては能力を多用した“チート”は好まず正々堂々(フェアプレー)をモットーとしており、通常なら致命的となるはずの攻撃を受けた場合は相手を讃えながら潔く敗北を認め引き下がる。


博覧強記。古今東西あらゆる教養に通じ、特に戦略、戦術眼において卓越している。
常に飄々とした掴みどころのない態度で、過度に芝居がかった口調を好む。
お節介な世話焼きの一面があり、対峙した相手の能力、資質、戦闘スタイルを一目見て瞬時に洞察し的確なアドバイスをするなど何かと未熟な相手の潜在能力を引き出そうとする。世界中に、唐突に現れた彼に半ば強引に指導された結果、才能を開花させた者が多数いるという。
だが、“悪しき英語(イーヴィリッシュ)”だけは基本的に教えたがらず、優れた資質と確固たる覚悟がある者が望んだ時にのみ教授することがある。教え子は褒めながら谷底に叩き落として伸ばすタイプ。
教え子の成長を見るのが喜び。完全に孫の成長に目を細めるおじいちゃん。

悪しき英語(イーヴィリッシュ)”の使い手とは思えないほど本質的には善良な常識人であり、真っ当な倫理観の持主。彼が認めた人物の頼みや危機であれば協力することは厭わない。

好物はカステラと、熱いダージリンを注いだお茶漬け。

魅惑のバリトンヴォイスの持ち主。

「さぁ、ボーイ。邪武(ジャイブ)の時間といこうじゃないか」
「粗削りな技だな。精妙にはほど遠い……。だが資質は十分か。いいセンスだ」
「ファントム・ペイン・スクールの開講だ。準備はいいかね? フフフ、私の授業(レッスン)は少々厳しい(デッドリー)ぞ……」
「ゆくぞ……《DEATHTROY(デストロイ)》ッ!!!」
「フム……これがトドメ(フィニッシュ・ブロー)になるか。《FREEDAMNED(フリーダム)》ッ!!!」
「よぉし、今回も私の勝ちだな。まだまだ修行が足りんな未熟者め……。そんなことより腹が減ったな。さぁ、飯にしよう。このフォートナム&メイソンの熱々のダージリンを注いだ茶漬けを唐人菜漬けと一緒にな。フフフ、この唐人菜漬けはこの私が一年前に手ずから漬けた自信作でな。美味いぞ〜〜。フフフ……」

★“悪しき英語(イーヴィリッシュ)

“英語”のダークサイド。
呪詛をこめた凶々しい闇の英単語“邪語(ジャーゴン)”の発声とともに繰り出される悪名高き暗黒戦技。
単なる出来損ないの英語、ブロークン・イングリッシュと解釈される場合もあるが、実態は単純な破壊力や速さにおいては正規の英検士たちのあやつる英語を上回る。
特徴的な技のひとつとして、コークスクリューのごとく抉るように打ち込んだ拳をインパクトの瞬間に親指を下向きにした、いわゆるサムズダウンの形にする打撃法などがある。
強大な力の代償として、行使すればするほど使い手の身体を徐々に蝕み、命を削ってゆく。マスター・ファントム・ペインは依代を破棄し受肉しなおせばこの侵蝕をリセット出来るため、実質このデメリットを克服している。
悪しき英語(イーヴィリッシュ)”の起源については使い手たちの間でも諸説あり、矛盾し混乱した伝承が多く定かではないが、一説によると通常の英語よりはるか太古からすでにその力は存在しており、それを危険なダークサイドの要素をそぎ落とし秩序化したものが現代の我々の知る英語だとされ、地獄の底に堕とされた12の翼を持つ黒き龍が世界全てを呪って吐き散らす呪詛こそが原初の“悪しき英語(イーヴィリッシュ)”だとする説もある。



山乃端一人を殺す理由

曰く、「友人のミスターUに頼まれたからだよ。フフフ……」とうそぶくがまるで本気で殺そうとしている風には見えず、殺害の格好のチャンスがあっても山乃端一人とカジュアルに雑談を楽しんだり、一緒に茶漬けをむさぼったりしている。彼にとっては悠久の時を生きる気まぐれの暇潰しなのかもしれない。
最終更新:2022年03月05日 11:52