田母神 クレス
■キャラクター名:田母神 クレス
■ヨミ:たもがみ・くれす
■性別:女性
■武器:
特殊能力『ダモクレスの剣』
他者とクレスの立場、地位・肩書を入れ替える能力。
例えば、その辺の庶民と田母神財閥の令嬢という立場を入れ替えれば、彼女は庶民と認識され、入れ替えた相手が令嬢と認識される。
オリンピックの金メダリスト、ノーベル賞受賞者などの地位も得ることができるが、それに相当する能力が得られるわけではない。
性別は補正される。
能力の発動には両者の同意が必要。ただし、死者に対しては同意は必要ないが、生前に彼女が出会ったことのある人間である必要がある。
設定
田母神財閥の令嬢で後継者候補の一人。20才。
涼しげな顔をした長い黒髪の美少女。
周囲の人間に幼少のころより命を狙われてきたため人間不信気味で他者を信用できない。
自分に友好的に接してくる人間もいつか裏切ると思っているが故に、他者と協力はしても心を許すことがない。
彼女を羨ましいと思う人間は嫌い。
財閥の跡取り娘である自分の立場を羨ましいといった人間と立場を入れ替え、彼らの死後、それを元に戻すことを繰り返してきた。
田母神財閥の令嬢といえば、誰もが羨む何不自由のない生活を恵まれた人生を送っていると世間の人間は思っているのだろう。
だから、皆、私のことを羨ましいという。
それが私には疎ましかった。
◆◆◆◆
中学時代のある日、昼食に毒を入れられた。
犯人は兄だった。
田母神財閥の膨大な財産のために後継者候補の一人である私を殺そうとしたのだ。
大切な妹だと、私のことを可愛がってくれていたのに。
それまでも私の命を狙う人間はいたが、家族にまで命を狙われるとは思わなかった。
事件は、田母神家が絡んだ今までの事件がそうだったように内輪で隠ぺいされた。
それからは誰も信用できなかった。家族さえも私の敵だった。
いや、家族こそが私の敵だった。
私には信用できる人間なんていない。
なのに、そんな私を皆が羨ましいという。
本当にふざけた話だと思った。
誰も本当の私の事なんて知らないくせに。
私はこんな家に生まれたくなんてなかったのに。
みんな地獄に落ちればいいと思った。
彼らに私の苦しみを味わわせたかった。
苦しんで死ねばよいと思った。
そうして世界のすべてが恨めしく感じた、その時―――
気が付けば、私は魔人になっていた。
◆◆◆◆
あれからもわたしはずっと田母神財閥の令嬢を続けている。
皆、私のことを羨ましいという。
何人もの人間が貴方のような人生を送ってみたいと言っていた。
だから、彼らに私は問うた。
「いいですよ。私の事がそんなに羨ましいなら変わってみますか?」と。
私の問いに、もちろんみなが了承した。
私でも大財閥の令嬢になれると皆が狂喜乱舞した。
常人であればたどり着けないであろう金も名誉も彼らには魅力的に映っただろう。
けれど、もちろんそれは最初だけだった。
自分の命が脅かされることに気付くと、皆が私に元に戻すように懇願した。
時には土下座をし、時には涙を流して、皆が私にそれを訴えた。
その姿を見るのが私にはとても気持ちがよかった。
きっともう二度と、彼らが私を羨ましがることはないだろう。
世界の醜さは何も変わらなかったが、それでも心が晴れ渡るようだった。
不毛。だから何だというのだ。
それは私にとってこの地獄のような世界で唯一の最高の娯楽なのだ。
第一私は彼らの望みをかなえただけだ。何が悪い。
◆◆◆◆
今日も私の前に私が羨ましいという人間がいる。
だから、私は今日もこう問いかけるのだ。
「私と変わりますか?」と。
山乃端一人を殺す理由
山乃端一人が気に入らなかった。
最終更新:2022年03月12日 22:16