哀敷 明来夜

■キャラクター名:哀敷 明来夜
■ヨミ:カナシキ アクヤ
■性別:男性
■武器:哀しきオーラ。これにより同類の人間の大雑把な居場所が把握できると本人は思っている。


特殊能力『貴様に何がわかる』

 哀敷の周辺で「かつて経験した悲しい過去」を思い出そうとすると、「全然知らないおっさんがカップ焼きそばの湯切りに失敗した」ような、全く無関係の他人の記憶に上書きされた上でその場の全員と共有される。

★基本的な流れ
誰かが「黙れ!貴様に俺の何がわかる!」と言う
 ↓
「全然知らないおっさんが缶ジュースのプルタブを開けようとしたら親指を痛めた」等の全く無関係のクソみたいな記憶の幻視をその場の全員が共有
 ↓
「お前……そんな悲しい過去があったのか(えっ?あれっ?これそんな悲しい出来事かな?)」となる。

※過去を思い出そうとするだけで発動するため、実際の能力の運用は多岐にわたる。

 全く無関係の記憶を共有した人たちは一瞬「お前……そうだったのか」という気持ちになるけど、すぐに(あれ?なんかしょうもないな……)となる。なぜなら、そういう能力だからである。

 これにより、哀敷の周囲で「かつて経験した悲しい過去」を思い出すことは出来なくなる。
「いやいや!俺の体験したのはこんなことじゃないって!!」と無理に思い出そうとするたびに「食べようと思ってたみかんが腐ってた」「なんか胃の調子が悪い」「高いところに登ったら犬に吠えられた」等のカスみたいな悲しい記憶ばかりが脳内に去来する。
 そのうち「マジで俺の悲しい記憶ってこいつらと同レベルなのか……?」と自信を無くしてしまう。
 哀敷から距離を置くと(少なくとも戦場から離れると)しだいに本来の記憶が戻る。

 哀敷の前では、恋人を喪った壮絶な過去や迫害を受けた生い立ち、実験生物だった等の強い動機もすべて「タンスの角に小指をぶつけた」「買ったばかりの靴下に穴が空いた」「通りすがりに臭いと言われた」等のしょうもない記憶に上書きされて無力化する。
 愛ゆえに狂った人も「どっかの知らんおっさんが冷蔵庫が中々閉まらなくて警告音が鳴り続けたゆえに狂った人」になるし、周囲からバケモノ呼ばわりされため人類に復讐しようとするエスパーも「無関係の若い兄ちゃんが酔ってて目の前にガラスがあることに気づかなくて思いっきりぶつかったため人類に復讐しようとするエスパー」になる。問答無用でそうなる。
 お前らに悲しいことがあったのはもうわかった。もうわかったから。
 悲しい出来事とそれでも戦えるってのは別だから。人間って心が折れると一人ではなかなか立ち直れないと思うし、お前らがそれでも本当に戦えるっていうなら、こういう動機でも十分戦えてしまっていいはずだ。ほらかかってこいよ。by哀敷


設定

 過去に悲しい出来事があって悪人にならざるを得なかった、いわゆる「哀しき悪役」のことが虫唾が走るほど嫌いな青年。他人の同情を誘おうとする態度が気に食わないばかりか、自分のやってることだけを棚に上げて「片方の手しか差し出さない」その舐めた態度に強い不信感を覚える。

 十代後半くらいの見た目。季節に関わらずフード付きのコートを着込んでいる。ストレートヘア。

 いわゆる「哀しき悪役」を心の底から否定する以外はごく普通の好青年だったが、実際に自分が「悪に堕ちるほど耐えがたい壮絶な過去」を経験してしまったことで完全にバグる。
 自身の身に起きた壮絶な過去を否定することも肯定することもできず、心の防衛反応として現在の魔人能力が目覚めた。

 この能力により、彼の記憶は常に「月曜日にジャンプ買い忘れた」「椅子まだ修理してない」「半年くらい彼女いない」「なんで俺一人で動物園にいるんだろう」などの知らない人たちの記憶で渦巻いている。自分自身の過去に何があったのかはもう思い出せないが、その方がいいかもしれない。
 今でも「哀しき悪役」のことは蕁麻疹が出る程嫌い。そのため、日夜「哀しき悪役」を探し出しては苛烈な制裁を加えた後、金品を巻き上げてから仲直りの写真をSNS上にアップロードしている。

 巻き上げた金品は心的外傷を受けた子供たちを支援する団体に寄付している。

 自分の能力で能力者・非能力者問わず精神的デバフをかけてひたすらボコボコにする。その間自分の心も痛いらしい。「哀しき悪役」のメンタルを痛めつけるための嘘かもしれない。かとおもいきや「哀しき悪役」をボコボコにするためなら無謀な策も強行するちょっとヤバいめの執念も発揮する。
 戦闘は喧嘩スタイルの発展型だが、実戦で鍛え抜かれた暴力は極近接での間合いにおいて致死の威力を誇る。

 いつか心のまっすぐなヒーローに一切の同情なく退治されたいと願っている。同情してくるような偽物のヒーローはノーサンキューらしい。


山乃端一人を殺す理由

 これだけ狙われる可能性の高い女の子なら絶対に「哀しき悪役」が出てくるだろうがよ~~~~~!!!どこだ「哀しき悪役」~~~!出てこい、ぶっ殺してやる~~~~!!
 もちろんこんな危ないやつに近づく「哀しき悪役」などいないのだが、哀敷は血眼になって「哀しき悪役」を探し続ける。どこだ~~~~どこに隠しやがった~~~~~!
 こんなやつの近くに置いておくと山乃端一人が危ない。かかってきやがれ~~~
最終更新:2022年03月12日 22:17