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野試合 のもじTHEアキカン・クイーン・ヘッド

名前 魔人能力
日谷創面 アゲンスト・トーフ
のもじTHEアキカン・クイーン・ヘッド 超強奪拘束裁判~DP奪取ver

採用する幕間SS
『のもじTHEアキカン・クイーン・ヘッド』の能力その他のネタバレ
(特殊空間は対象の心の中に設置されていたという設定公開)
裏SSスターター『そして運命のベルが鳴る』
(敗戦者集合。クイーンyamaokaる。)
裏SSスターター2『究極至高で始まるDP戦略~本物の能力バトルを教えて』
野試合決定。クイーン猛ける。)

試合内容


◆=====keepout==keepout==keepout====
『―ここから先は撮影禁止だ―』
バチッッッン
「うわ」
試合の経過をカメラ撮影していた大会カメラマン・結昨日映は突如のブラック
アウトを受け、撮影中の特殊空間から放り出された。
突然のことに頭を振り、絶句する映。拍子に揃えた金髪が乱れる
―あのヒトは今確かにこちらを見た。あれ私の能力って発動中見れる性質のものだっけ。
「一体、何を…」

==================================================================
 keep・out-keep・out-keep・out keep・out-keep・out-keep・out
==================================================================

◆boy meet girlで始まるDP戦略
池松は思う。この試合を定義するとしたら何と評するべきであっただろうか
有りふれた野試合の一つとしすますべきか、或いは愛弟子の修練の場と見るべきか
それとも何時か来るべき戦いに備えた模擬戦、約束された却本作り(ブック)
あるいは…そう

「gots-and-death:「獲得と死」という意味の英語)」

†††

静観とした1km平方のホームセンターに店内放送が鳴り響く。

【日用品からゾンビ撃退グッズまで☆コマンド―御用立つユキノマーケット
なんでも揃うユキノマーケット。営業時間は朝十時から夜十一時まで】

ここはトーナメント第一回戦第四試合にて三つ巴の死闘が繰り広げられた地、
『モルグ街の殺人』ボルネオ、『英検四十段』池松叢雲、そして『現転校生』の
不動昭良の3名による死合。関係者の中ではこの戦いを大会中ベストバウトとして
あげるものも多い。彼らにとってホームセンター『ユキノマーケット』はある意味、
聖地とでもいうべき場なのだ。

その中をひと組の若い男女が歩いていた。
無人の店内を照らす照明の下、互いを意識してか微妙に距離を開けて通路を歩いていく。
その歩みがマーケットの中央付近に来て止まる。

少女側、阿野次のもじはケンケンパーとリズムよくスキップで歩を進めるとくるりと
向き直り、立ち止まっていた少年のほうを向く。

「マップ中央到着!
しかし日谷君に試合前に一緒に行きませんか?と声かけられるとは!
お姉さん驚いちゃった。まさかナンパされてしまうとは!このリハク一生の不覚」

向き直り正面から話しかけられた少年、日谷創面はそののもじの混ぜっ返しに苦笑
して返す。
「いや、僕たち、同い年でしょうに。それにこれは先生に言われ、クイーンさんの
申し入れの意味を色々考えた結果ですよ。”コレでアッテマスか”クイーンさん?」

親しみすら感じる呼びかけに、頭上に帽子を掲げた、のもじが頭を少し傾ける。
彼女の被っているアキカン帽子、もといクイーンアキカンヘッドの使う魔人能力『超
強奪拘束裁判』は対象の心に『特殊空間』を作り、そこに飛び込んでいくという能力
である。そして今回対戦相手である創面に対し、クイーンは池松を通じその能力を
事前に説明していた。

わざわざ試合前に対戦相手に能力効果とその結果”何が起こる”かを伝えたのだ。
なお申し入れ内容を簡単に纏めると

【申し入れ内容】
1・『創面VSクイーン』と指定したタイマンバトル
2・原則非公開、撮影許可しない場所もでるという
3・クイーンの魔人能力『超強奪拘束裁判』の詳細公開
4・勝ったらDPを貰う。他のことは、私は一向に構わん!
ということになる。

「今回の件、感謝しています。なので、その厚意に全力で応えたいと思っている。
それがオレの結論です。」

ぐっと手を握り締める少年。感謝の意を前面に押し出すことに聊かの躊躇もない。
そのツンのない対応にのもじの顔が微妙にひきつる。
…おいおい、何しやがったのあの女王様。

「いや…あの人、そんな甘っちょろい人じゃないと思うんだけど。鬼教官だよ。
あと女王、別に自分の能力秘密にしているわけじゃないらしいから」
ただ、心の中にあるとバラすと皆判で推したように――で――という見当外れの
反応するから、鬱陶しい。とは本人の談だ。
一応、相手にもそのことは伝えておく。

「肝に銘じます。ハイ、ではこちらの準備はOKですから、いつでもどうぞ」
そう伝えた彼は眼を閉じる。静かに頬笑み、自然体のそこには何の気負いも
見られなかった。

「うんじゃ私が言うのも何だけど『お気をつけて』ね。
では今日も元気よくも行ってみましょう☆
『 D・P・戦・略 』~」

―パ~~~~~フゥ~~~~~~~~―
どこかで遠くて近い場所、そこで懐かしい豆腐屋の笛の音が響き渡った。

◆番外戦『日谷創面(本人)VSクイーンのもじ』開始
―特殊空間―
そして。女王の朗々とした声が空間に響き渡る。

『きっと行き先も決めないまま、盗んだバイクで走り出す十五の窃盗犯に告ぐ』

創面が眼を開けると、そこは特殊空間だった。
ユキノマーケットの床パネルに商品棚や展示品、ゴンドラが幾つか点在している。
これは対象の視界に移っているものが反映されるという能力説明通りとみていいだろう。
どうやら特殊空間へ無事引き込まれたようだ。

『ダンゲロスポイントを手に入れろ。DPなくして自由なし』

目線を先に向けると階段から、先ほどののもじと同じ顔の女性が下りてくる。
顔だけでなく身体も同じはずだが、醸し出している雰囲気はお気楽女子高生の
それではない、立ち振る舞いは『威厳』に満ち、相手を見下ろす眼をしていた。
今回のコーディネートはおなじみのアキカン帽子、黒のハイレグスーツにコートを
羽織っており、更に「ミス○○」とかがよく付けるタスキを肩から掛けている。
ただし書かれている内容は

『Iam GyaiAN(私は強奪者です)』だった。

全く意味が分からない。
さきの口上から考えてまさかこの場でリサイタルでも始める気なのだろうか。
それとも最近見たTVCMに何か影響されたのだろうか、どちらにしろ
ジェネレーションギャップは確実に感じる内容だった。
そして、このタイミングでロクロからの毎度の混ぜっ返しが入る。

「馬子にもシュゲイシャ衣装だな。ソメン」
その声に自分の恰好を改めて見ると服装がかなり変わっている。
手首から先と足以外全く露出のない白のシュゲイシャのコスに店のエプロン。
日谷豆腐店の正装だ。ロクロの声が空間に響く。
「しかし特殊空間は心の中って説明はふかしじゃないみたいだな。ソメン。
憑依中に綺麗に分離された+実在化ってのはオレも初めての経験だぜ」
声は空間に響いていた。そう『真横』から『リアル』に声が聞こえている。
階段を歩む女王から視線を外さず、小声でささやく。

「もう一度確認だ。ロクロ、手を出すなよ。今回は俺”一人”の戦いだ」
同じ顔の相棒はにやりと笑って返事を返した。
「あいよ、判ってるよ。ただ負けたら仇は討つぜ。寧ろ負けろ即負けろ」
そう、空間に連れ込まれた瞬間。彼らは完全に分離していたのだ。

†††
クイーンアキカンヘッドの魔人能力『超強奪拘束裁判~DP奪取ver』は効果範囲で
条件を満たしている人間がいると発動時2名目とし捲き込まれ拘束されるケースが
ある。これは普通、能力発動時第三者が巻き添えを喰うという理解の仕方でいいの
だが、ごくごくまれに例外が発生する。
その一つは対象の心の中に複数の精神が存在した場合だ。心の内側に存在する精神
が、もし二つあり、精神とDPが別々として独立していれば別個の存在と認定される。
これはのもじとクイーンが最初にDP戦略を唱えた時、女王とのもじ本人、二人の
のもじ姿が同時に存在した現象と同じものである(プロローグSS参照)

創面は改めて自分と同じ容姿のロクロを改めて見やる。映像や鏡ではない自分の姿を
見るのは初めてだ。ただ髪は逆立ち、緑色に染めていたし、雰囲気もわりと派手で
どこか華があり到底同一人物とは思えない。服装もどちらかというと陶芸家という
より奇術師という感じのケレン味のある恰好だ。
ロクロも創面を見てニヤリと笑う。どうしようもなく邪悪な笑顔だった
「くくく、じゃお前の『成長』見届けてやるよ」

現在のところ創面に憑依したロクロを切り離す術は確立されていない(ミキサー大帝
がいれば別だがミート君のバックドロップに敗れ、既にお亡くなりになっている)
例え、表に出ずとも彼にロクロが憑依している以上自ずと、どこかメンタルに
影響が出る。つまり彼が純粋に自分自身の力を図るためには、この手の特殊能力を
活用するしかないということになる。
修行の場の提供。彼がいったクイーンの『厚意』とはこういうことだった。

女王が箱の上に降り立ち、二人に宣告する。
『ふむ、もう少しおたつくと思ったが、落ち着いたものだな。
で、どうする? わらわは二人かかりでも一向に構わんが?』

タイマン勝負を試合条件に盛り込んでおいて図々しい物言いとしかいいようがな
いが重度のシスコンであり第―級のツンデレである創面にはある確信がある。
この人は自分と同じ『ツンデレ』タイプに違いないと。

だから、創面が一歩前に進み、最初の宣言を行う。
「いえ、俺一人の力でアナタに挑ませて頂きます。そして」
『…そして?』
「そして勝たせて頂きます。」

   SHOW!(鍛錬の結果を見せるという意味の英語)

ここで彼は初めて構えをとる。ピンと張りつめた池松直伝の英国紳士ジェントル
マンの構えだ。それをみたクイーンが笑う。
「いい構えだ『come one』(かかってらっしゃい)。
こちらも予告通り、全力で手加減してやるよ」

番外戦『日谷創面(本人)VSクイーンのもじ』試合開始。

†††

正面から戦うと決めた創面は、余計な小細工は使わなかった。
自分を拘束する手錠をト―フアゲインストで軟化しもぎ取ると礫代わりに女王に
向かい放つ。これで彼はいつも通り自由に動くことができる。
石田やミドをあれほど苦しめた手錠拘束は彼の能力の前に全く意味をもちない。
相性とはかくも無常だ。

 礫はだまし討ちが通じるとは思わなかったので下手な偽装はせず、挨拶代わりの
一撃として放ったわけだが、これに対し、クイーンはワゴンに突っ込んであった
フライパン(980円の値札が付いている)を引っこ抜くと綺麗に全て、受け止める。
そのまま身を翻し、崩れた手錠の鉄くずをフライパンに纏めるとテニスラケット
のように散弾のように討ち返してくる。

フライパンによる挨拶返し。

創面はこの散弾をアゲインストで再軟化させつつ手のひらで撃ち払う。

「?」

ここで創面にとって少し意外なことが起る。撃ち払った手に明確な「痛み」が
走ったのだ。ダメージは発生しないはずなのに。
クイーンのほうをみると何やらにやりと笑っている。
なるほど手錠は「肉体を使った直の格闘攻撃ではないので」DP奪取とならず
通常通りダメージや痛みが、対象にいくということなのだろう。

ルールというほどではないが、バットで殴れば普通に痛いし、極論、刀で首を
斬り落とせばDPの取り合い中でも死亡する。そういうこともできるわけだ…
「ひとつひとつの行動に意思が感じられる。これは…」

†††

モニター室。
「えげつないなぁ」

試合の様子を確認していた立会人役の結昨日司は、ぼそりと呟く。むろんそれは
クイーンの試合運びに関してである。たしかに創面自身を鍛えるという一面もあ
るだろう。だがタイマン宣言での戦力分断といい、他のことといい実にえげつない。
今の「肉体攻撃以外は通常ダメージがいく」ということを知らせたのも見方を
変えれば『のもじの身体』に被害をいくことを示すことで創面の武器攻撃を
封じ込めたといえるのだ。これで同級生の体を傷つけず戦える手段がある限り
創面は『肉弾戦』に拘るだろう。相手の心理をよく見極めている。

「流石、海千山千サウザント。それはいいのだけど、問題は…」
対象の彼があまりに易々と心理誘導されている点だ。
彼の善良な性格は好感が持てるものだし、人の善意を疑わない姿勢も美徳だ。
だが司も小野寺塩素に彼が催眠術を仕掛けられた一件はしっていたし、その他
裏事情にもそれなりに精通している。

だから確信もある、彼のような暗示にかかりやすいタイプでは裏の苛烈な戦い、
『あの連中』相手にはとても生き残れない。彼女は疑念を持つ、彼の『暗殺者
としての適性』に。自分が極度のツンデレだからといって相手がそうだとは
限らない。ツンのあとヤンだったらその時点でぶっさされて終わりなのである。

その横で、池松叢雲は無言で自らの弟子を注視し続けていた。

†††

日谷創面の能力は大まかに分けて3つ。
彼固有の魔人能力「アゲインストトーフ」
父親『日谷頭夫』及びロクロよりティーティングされているシュゲイシャ技術。
そして身体操作術『英語』

英語に関しては、池松より「暫定六段」の認定を受けるほどの力量を持っ
ている。では『英語』とは何か。
一般には発音と同時に正確な動作を繰り出すスキルと認識されているが、
突き詰めていえば、身体のコントロール技術全般である。
発音ばかりが注視されるが、その基点はあくまで呼吸である。

動作と呼吸をどこまで調和させれるかどうかが胆で、発音は全身にその
『命令』を行き渡らせる合図のようなものだ。
波紋疾走をオート強化した系統技術とでもいうべきか。
なので、よくいえば非常に身体が素直な反応をする(悪く言えば、暗示に
かかり易い)体質の創面と英語発声との相性は極めてよかった。

彼が池松叢雲の超速読英語を吸収し、耐えきったこと
そして 彼が、英語と出会いその熟練者を師と仰ぐことになったのは
ある意味必然といえた。
そして
それ故に彼は地獄を見ることになる。

=========================

異変は最初の一撃から発生した。
両者の構えは、創面が、英国紳士スタイル
それを女王は半身で片手掌を突き出すスタイルで迎え撃った。

「蹴(shu)」
女王に向かい放たれた。最初の彼の蹴りは綺麗に空を斬る

「…!?」
空振りに慌て相手の位置を確認するとその場から一歩も動いていない。
裂ぱくの気合をのせた蹴りである。それがまるですり抜けたかのように
かわされた。

そして次の一撃。
「謝(sha)!(感謝という意味の英語)」
十分なスピードと威力の載った正拳突きも女王をすり抜ける
いや、ぽつりと何か呟くと同時に数ミリという単位で見切られ彼女に
回避されている。

「打!謝!」
突きは空を切り、タックルはすかされ地面に叩きつけられる。
手のひらを突き出しこちらの攻撃に綺麗にカウンターを合わせられた。

「廻(shoo)」
地面に手をつけ回廻蹴を放ち、相手を牽制し、態勢を立て直す。
英語には自分の魔人能力も上乗せしてある、いかなガードも無意味な
必殺の一撃となるはずだった。
それがあたらない。

―当たらなければどうとでもないを実践されている!?
自分にはダメージの実感はない、が、自分の衣服が少しずつ解け、露出して
いくのが判った。いつものように自分にダメージが返るような無茶な戦い方
はできない。それをすれば、恐らく瞬間自分の負けが確定する。

創面の浅く繰り返す呼吸音だけが、静かに空間に響き渡っていた。

†††

ウィィンウィィンウィィン。
―なるほどな。池松が私が彼女の立場なら『真っ向からの正面突破』を挑む
といってた意味はこれか。確かに池松には教えることのできないロジックだ。
しかし、マジでそれを実行するか…おっかねぇ女だな…

ロクロは試合が始まるとともに周囲を物色するためうろつき、今は展示用に
置かれている。マッサージチェアに横たわり、ゆったり観戦モードに入っていた。
手錠をされた手は頭の後ろに回し”ごちゃごちゃ”している。
そして彼は女王の『完全見切り』の正体にも行き当たってた。

―今頃お前は「力の差がありすぎる」「ロクロなしだとオレはこの程度なのか」
とか思ってるかもしれねぇが、違うんだな、コレガ。
てめぇは確実につええよ。
そして実はダメージを喰らうほど確実に相手を追いつめている。
現状の膠着状態のままなら、隠し玉がない限り負けるのは女王様のほうだろう。
あの女は正面から堂々向かい討ってきているんじゃねぇ、正面から向かい合う
ことでしか対応できないんだ。
気付けよ、勝ちてぇなら『いつも通り』やればいいってことを。
『いつも通り』な。

†††

―力量の差がありすぎる
―ロクロがいないと自分はダメなのか
何度目かの空振りの後、頭を過った考えを頭を振って払拭する。
ちらりと相方のほうをみやると有ろうことかマッサージチェアを起動させ、
おぅとかふぅとか吐息を漏らしている。自分で手を出すなといっておいて
なんだが、リラックスしすぎだろオイと突っ込みをいれざるをえない。

既にこちらの攻撃が完全に見切られている。
それは創面も理解している。
決定的だったのが、英検士の肺活量を活かした空気弾による眼つぶし攻撃を
した際、今まで不明瞭だった彼女の呟き、完全に聞き取れたこと。

「吹(FU)!(吹きかけるという意味の英語)」
『…吹(FU…』

こちらの発声をほぼ同時に感知し、その語彙を口にしていたのだ。
空弾の攻撃事体は眼を閉じることで無効化され、次の一撃も眼をつぶったまま
きちんとかわされ、ご丁寧にカウンターの拳底まで喰らった。

そして振り出しに戻る。
以降、意識して彼女の声を拾うようにしていたが、やはり発声がこちらと
同時ほぼシンクロしている。完全に読み切られているといっていい。

だが肝心の原因が判らない。
全く崩せない…
まるで大岩を相手に打ち込みをしているような感覚。

「…うっ」
不意に重圧が襲いかかってきた。気が付くと小柄な彼女が酷く大きく見える。
上に向けられ手の平は御釈迦様の手のように大きく山のように…

「これは…」
幻視。
この感覚、自分の師匠相手に何度か味わったことのある感覚。
そして同時に自らの誤りも悟る、
彼女は自分と同類のツンデレではなかった。いやツンデレかもしれないが、彼女は

「……師匠級(マスタークラス)。」

地獄のシゴキ魔だった。

『ここから先、仲間は助けに来ない。勇気づける声援もない。そして都合のよい
回想シーンも入らない。何故ならお前が選択しようとしている道は栄光への道
ではなく、ただただ当てもない困難が続く”至難”へと至る道なのだから』

―いつもなら姉のことを思い出すんだが
―彼女はそれすら許してくれそうになかった。

===================================

英語の極意は『呼吸』である。
英語とは正しい発音を全身に行き渡らせる。ほんの僅かな差ではあるが、
概ね、順は思考(意識)・呼吸・発声・動作 となる。

ではもし呼吸音を正確に聞き取り、なおかつ語彙を識別するできる人間がいたと
したらどうだろう。その人間はいち早く英検士の動きを察知できるのではないか。
更にそれに口の微妙な動きから動作の基点、発声を読みとる動体視力が
付随すればどうだろう。
また顔とは別に対象の全体像を把握できる二組目の目があったらどうだろうか。

のもじは、実際に呼吸音の些細な違いすら聞き分けれる異常聴覚を所有している。
そして、彼女たちはその気になればのもじとクイーン二視点を同時に維持できる
特殊性をもっている。

故に英検士相手の攻撃を見切ることができる。

答えはNOだ。

英検士の”所有する”語彙は最低でも軽く1000を超える。
プロ英検士ともなれば万を超えるだろう。
Sの始まりで始まる語彙だけでもとんでもない言葉になるのだ。
それを全て識別し、正しく予測動作をこなすことはクイーンにもできない。

だからこそ答えはYESだった。

英検士の”所有する”語彙は最低でも軽く1000は超える。
彼の師ともなれば百万を超えるだろう。
では先月まで「英語」の世界と無縁だった一介の魔人高校生だった日谷創面が
使いこなせる「語彙」はどの程度か。
恐らく50にも満たない。

そして彼の師は「英検の極意は一瞬・一閃・一呼吸」という持論があり、
連撃ではなく一撃の冴えにすべてをかける人間だ。
故に直弟子である彼も、自然影響を受け、一撃に傾倒する傾向が存在した。
つまりクイーンは創面に限って言えば呼吸音と表情からその動きをほぼ
間違いなく特定できた。そして単発の大技ほど見切り易いものはない。

原因はどちらかでなく、最初から、君と僕、二人の間にあった。
クイーンは敵味方ともよく理解していたし、創面はまだそこまで及んでいない。
それが全ての差として現れている。

自分に何が出来、何が出来ないのかを識る。相手が何を出来、出来ないかを
把握する。その中で己が出来ることを選択し、実践する。
その経験と反復がモノをいう、その繰り返しの果て、確たる自分を確立した
ものを人は『師匠(マスター)』と呼ぶのだ。

「先生」とは達人を指す言葉ではない。先を生きる者のことを指していうのだ。

◆RocknRoll(岩と渦という意味の英語)

姉の回想シーン入れるなこのシスコン野郎とディスられた彼は混迷の極に
陥っていた。まさかメタ視点から封じ手がくるとは思わなかったからだ。
悔しいけどアネキ以外のことなんて…と彼は思う
いや割と思いだすことは多かった。どこからだろう、最初は小野寺塩素の
脅迫をうけて大会にででティッシュに包まれて負けて、先生に遇って
そして…先日ようやく勝った。勝ったよな、オレ。

「そうだよな…」
今、彼の中で答えが出た。瞑想を解き、もう一度、構え直す。
構えがより大股に重心をより低くなっている。
今までの師匠譲りの英国紳士スタイルではない、もっと若々しい荒削りの構え。

「『いつも通り』やれることをする。それだけだ。手芸の「極意」は…」

そして最大の差異、閉じられていた拳が大きく、鉤爪上に開かれている。
そして幾度目かの宣言を行う。

「創造性! ”豆腐流”
Rouga・fu-fu-ken(豆腐はふぅふぅして食べましょうという意味の英語)」

「牙(Ga!)」

飛びかかるように放たれる一撃。
それを女王は大きく後退し回避した。見切りではなく、大きく後退する。

その一撃に、
ロクロがニヤリと笑い
池松は、SOUDAと頷き
クイーンがRockと呟いた。

判らないことがあっても直ぐに解決しなくてはいけないわけでない。
判らないときは判らないままで良い。それよりもまず、すべきことがある。
それは、今、自分にできる何かをするという当たり前の積み重ね。
自分なりにできることを只ひたすら繰り返す、その中で解決策を見つけていく。

”豆腐流”、それは彼が今までの戦いで『いつも通り』やっていた積み重ね
の中、掴み得た自分だけの何か。
もう、都合の悪いことを押し付けたり、代わって貰ったりはしない。そして
押し付けられたりもしない。

「牙(Ga!)」

指先に能力のポテンシャルを集めたその牙は、床に大きなひっかき傷を残す。
恐らく鋼鉄すら引き裂く威力だろう。そして掴めばそれは必殺の握撃となる。

「牙(Ga!)」「牙(Ga!)」「牙(Ga!)」「牙(Ga!)」「病(shi)」「牙(Ga!)」
「牙(Ga!)」「病(shi)」「牙(Ga!)」

クイーンは攻撃の予測を100%できている。
ただ、彼は攻撃を届かすためリーチを精一杯伸ばした。どういう働きか実際に
指自体も伸びている。戦闘のまっただ中でこの変更大きい。
読み切れず回避動作は必然、大きなものとなる。
更に読まれやすい曲線軌道を補うため、攻撃を単発でなく連撃に切り替えて
きている。これでは今までのようにカウンタ―は合わせられない
ロクロの回転技術も生きていた。攻撃を繰り返すたびその一撃の鋭さと早さは
増し、ローリング・ストーンならぬストーム(暴風雨)を形成していったのだ。

クイーンは舌打ちするとバックステップで距離を取り、体操選手のように
全力で階段を駆け上がり間合いをとる。完全な退避行動だった。
衣装は大きく裂けている。受けたのは一撃だが、クイーンの放ったカウン
ター数発分の威力はある。地力の差は明らかか…呟き、タスキをぴんと
跳ねる動作をする。どうやら強奪者(Gyaian)が、入れ替わったようだ。

階段下の創面が上を見上げ静かに告げる。

「次で決めます。」

クイーンに応える余裕はない。そして、しばしの間があった。

「…震脚(sing-cat)」

『…!?』
次の瞬間、激しい揺れが彼女を襲った。

†††
震脚(sing-cat)。
英語検定において、足で地面を強く踏み付ける動作技法を意味する。

ト―フアゲインストの力により階段下部部分がト―フ化されており、それが
震脚で揺らされたのだ。そしてクイーンは固定されている階段の上の踊り場、
最上段にいる。結果高層ビルの上層にいるようにより大きくの震動を受けていた。
踏みとどまれず片膝をつく。
そして震脚の揺れをモノともせず滑るように駆けあがってくる人間が一人。
いや、滑るようにでなく実際に滑っている。
能力で足の裏にかかる摩擦系数を調整し、震脚による揺れの”波”にのって
一気に駆け上がってきたのだ。
震動の波乗り…英語とシュゲイシャ技術、そして魔人能力の応用を融合させた
SUGOWAZAである。

そして、予告した”次”を用意する。
―SHOU-Tei―
これが彼の用意したフィニッシュブローだ。

クイーンを確実に吹き飛ばしRINGOUTするための技、そうすれば彼の同級生の
全裸公開というshockingは回避される。
当然相手にはこの技の予測はされているだろうが、今のように動きを封じた上で
放てば、かわすことはできない。スピードにのった一撃はガード下からでも
容易に外まで彼女を吹き飛ばすだろう。
そして蹲る彼女に肉薄しつつ眼を向ける。そして彼女の肩にある『それ』に
眼が―眼に入ってしまった。自然、その文字を目で追い…

―?SHO…

クイーンが、明瞭な発言でフィニッシュブローを唱えた。

『 SHOW- RYU- KEn- DIE!!!!』
「 SHOW -RYU- KEn- DIE!!!(”死の覚悟を示す渾身の一撃”という意味の英語)」

―え?

そして必殺の一撃が虚空に向かって放たれた。

白き手芸者、飛翔す。
助走をつけたその一撃は、クイーンの頭上を飛び越し、宙を舞った。その勢いは高く
遠く…それは受け入れる先がないほど遠く。下にあるは暗黒の淵、あとは落ちていくのみ。
衝撃的なその展開に、創面の驚きは、より色濃いものとなる。

―全く訳がわからない。一体何が。

天をつかみ損ねた少年は落ち往くままRingOutさせようとした盤上の女王を見やる。
そこには大岩はなく、
うねりを上げる大渦と波が幻視されいていた。

時に大岩のように揺るぎなく、時に大渦のように引き寄せ、うねりヒトを惑わす存在。
そして彼は知る。その概念を―

―これが
―これが…rocknroll!!

そこで創面の意識は途絶えた。

†††

対戦相手のRINGOUTを確認するとクイーンはタスキの表裏を元に戻す。
『Iam GyaiAN』のタスキの裏には『SHOW-RYU-KEn-DIE!』と書かれていた。
創面が技を繰り出す瞬間、読み込んでしまったのはこの文章だ。
技を出す直前目で追ってしまい、その言葉を思考(意識)してしまった。

そしてそこに被せるように女王の発音『SHOW-RYU-KEn-DIE』

今まで創面相手にシンクロした技名を聞かせてきたのはこのためでもあった。
わざと意識させ聞かせて来たllisteningを前倒しして更に聞かせる。
そのことにより創面はSHO-TEIを出すところを本来だす必要のない大技英語
を発し繰り出してしまったのだ。

意識がその言葉に気を盗られ、発せられた英語に釣られて発音してしまった
その時、英語は暴発する。
…暴発はアーケード版ではよくあること。

呼吸は極意だ。だが、意識と発音を操作してしまえばそれは覆る。
無論、この方法は英語を使わない人間でないと使えない。
当然池松も使えない。寧ろ、対池松用の切り札といってもいい奇手だった。

階段を下りてくるクイーンを、ロクロは拍手で迎えた。
「すげぇ。まさかあんなアホな手で倒すなんて想定外だぜ。
絶対お前、頭おかしいだろ」

手放しの称賛である。クイーンは、ふっ、それほどでもないと答えると
そのまま宝箱をごそごそ漁りだす。

『あ、拍手で手錠外れてるのばらしてるぞ。…おっとあったあった。
これがないと次へ進めん』
何気ない返答に、おっと、とさり気無く両手を頭の後ろに隠すロクロ。
対してクイーンは上半身を箱に突っ込んだ状態のまま動きを止めている。

両者の間にイヤーな感じの間が落ちる――
先に動いたのはクイーンのほう、宝箱から取り出した一枚の紙をその態勢の
まま頭上に掲げひらひらと翻す。
その一動作で、さてぶっ殺すかと。チェアから引っこ抜き組みた暗器用のバネや
釘。それを挟みこんでいたロクロの手が止まる。

「…おい、なんで手前がそんなもの持ってるんだ。」
『ちょっとした裏技を使った。道案内に必要なんでな。そして宿主である
貴様の『許可』があればわらわも”ここから先”に降りることができる。
デートの誘いだ。
ちょっとわらわに付き合え、きっと面白いモノを見せてやる。』

そういってクイーンは、まるで「ここからが本番だ」といわんばかりに
物騒にほほ笑んだ。

◆日谷創面(深層心理:最下層行き)
『くくく、腕をくんでおでかけだな』
「って、ふざけんな落ちていく方向はこっちでいいのかよ」

ロクロの叫び声に、ああ、間違いないと返答を返す、女王。
女王が手元の「一万円」をなぞるとくいと反応がある。そして落ちていく最中、
ロクロに会議室の池松との顛末、協議した内容を伝えておく―裏事情だ。

『今回の一件。話を聞いて、まず最初に引っかかったのは小野寺塩素の一件だ。
経緯は能力「謀略リスクヘッジ」でシュゲイシャ次期後継者を1万円で買収。
その後、その万札で催眠術をかけ、トーナメントの死闘を強制だったな』
「…どこがおかしいんだ」
『シュゲイシャの次期後継が、単発の洗脳で死にかけるまで命令にほぼ絶対服従。
そんな軟な家系は二代で潰れる。後継ぎが催眠術にかかり易い体質なのに
対策を何故とっていない。変だよな…わざとそうしているならともかくとして』
「…」

『二点目。
日谷創面の時折見せる凶暴性だ。陽物をもぎとったりロケットパンチ。終いには
同世代の女の子の頭をぐちゃりだ。昨日まで平和を甘受してきた魔人男子学生の
メンタリティの域を軽く突破しすぎている。あれは何だ?」
「たぶん書き手の趣味なんzy…(どぎゃ)…資質とかか?」
『本人の資質は善良なツンデレ男子生徒。シュゲイシャの修行も途中放棄したの
なら、あの凶行ぷりは可笑しい。最初は取りついた物のケの影響かと思ったが、
凶行に当の熟練手芸者のお前スラ、ドン引きしている有様だし、違うよな』

『三点目。
利害の一致と一周回ってまた小野寺塩素。小野寺塩素は「おっかない女」なんだろ
なら創面を1万円で買収しただけで終わりなどというミスを犯すとは思えん』
「???」
『わらわなら、日谷家全体と取引する。お子さんをプロディ―スさせて頂きます。
段取りは全て整えてます。サポート体制も万全☆さあ宿敵・雲類鷲製薬の
『雲類鷲 殻』打倒に向け、私と専属契約を!―口説くならそのあたりかな。』

誑かすよりプロディ―スのほうが断然リスクは少ない。
『以上のことから、わらわの結論は』
ここでふぅとため息をつく。美しい。大人しく、美少女美少女していれば、月刊
ダンゲロスの表紙を飾れそうな勢いのアンニュイな溜息であった。

『日谷創面に定期的に暗示をかける存在があり、暗示が掛かり易い体質になっていた。
小野寺塩素は事前にそのことを把握した上でそれにのっかって催眠術をかけ
トーナメント参加をけしかけた。だ。』

ロクロが呆れたようにいう。
「でその検証をするため、こいつの中に潜ってきているというわけか、ご苦労なこったな。
ちなみに一応聞いとくと。女王様の説だと黒幕は小野田塩素ともう一人。誰だ」
『日谷商店店主・日谷頭夫。創面の父親だ。今回の件はその二人の共謀とみている。
匂い的にはもう一人くらい噛んでそうだが…、とりあえずメインはそこだろう』

ここで足が地面就く。どうやら目的地に到着したようだ。
女王は引き続き一万円札を操ると、迷いもなく歩きだす。
『…そんな他人事で大丈夫か、ここまで話が及んでお前の転生憑依「ちょっと対象、
間違えちゃった、てへ☆失敗失敗」で済むとは思ってないだろう。』
「済ますつもりだったんだが、まーそうそう偶然が重なるわけねぇもんな。
うわーおー、このロクロさまが、嵌められたわけか」
『どうやったか知らんが多分誘導されたんだろうな。役割は息子を育てるための
餌といったところか…大した親バカだ。ん、ここのようだな』

荘厳な雰囲気の扉を指さす。そしてクイーンはその扉を開く
『見るがよい。これが暗示の正体。創面の奥底に眠る呪縛『日谷家の重圧』を!!』


             『日谷家次期当主としての重圧』
 

              ノ|t/ノー''从,,
           从''"::::::::::::::::::::::::::::ツ、
          、i:::::;;;ミ从从从从彡:::::}、
、          ミ:::::彡;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;"フ:::7}    
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 キ  ',_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;~' 、 :::::::`''ーー " ::;r'";;;;:::::::;;;;;;;;;;ノ――'ー-'--
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             【菌王様こと  A・オリゼー像】
「でかっツツ!!!そして、なんじゃこりゃー」
『……………(ぶちっ』
それは体長でロクロの5~6倍ある。創面の奥底に眠る強大な存在。こうなってほしいと
いう親のエゴ。それは正に天を掴もうとする覇者の姿であった。

驚愕をあらわにするロクロ。まさかの存在に地面に突っ伏し膝を折る女王。そのまま床を叩く
『普通手芸関係の神かなんかの神像だろ。なんで世紀末覇王の菌王なんか設置されてるんじゃ!
そもそも豆腐に菌つかわんだろ!
どんだけ、わらわが突っ込みなしのシリアス路線で今回ひっぱったんとおもってるのだ--』
「気持ちはスゲー判るが、もうそこは割り切れよ。てーかオレこいつ育てるための餌なわけか」
激情する女王。そして宥める陶芸家。…なんだこの絵ヅラ。

「で、どうすんだ。このデカブツ、ヤッチマウノカコレ、オイ」
『いや池松との話し合いでは、あくまで存在の確認だ。最終的には本人の問題だしな。
ヤッチマウと多分影響で創面が、ぶっ壊れる』
「ああ、やっぱそうか、じゃ帰…」

そう、いいかけた陶芸家をぴっと手を挙げて呼びとめる女王。
その指には例の万札が挟まっている。そして、もう一度同じセリフを繰り返す。
『いや池松との話し合いでは、あくまで存在の確認だ。最終的には本人の問題だしな。
 …
 …でもなー
わらわ達的にはぶっちゃけ関係ない話ではある。いやホレお前も喰われるのいやだろう。
で、ここに丁度いい玩具(pinsatu)もあるし、念のためにこのデカブツに対催眠の『保険』
をぶちこんでから帰ろうかなーと思うんだが、さて、お前はどう思う、陶芸家?』

池松もこっそり裏切るンかい。この提案に陶芸家は呆れたように女王様をみやる。
この位置からはしゃがみこんだ彼女を見ることはできないが、きっと満面邪悪な笑みを
浮かべているだろう―賭けてもいい。この提案に腕組みしつつ返事を返す
「一応確認だ。それ女王様に全然メリットない話だ。なんでそんなことするんだ」

この質問に我が意をいたりと手を腰にあてて胸を張って陶芸家に向き直る女王。
ふっ愚問だなと、すげー晴れ晴れとした笑顔でこう答えた。

『そんなこときまっている。わらわが生まれた、千と一年前から決まっている。

いいオンナは世界の宝(みんなのもの)。

そして、いいオトコは全てわらわのものだ。―今唾をつけておかないで如何する』

陶芸家は爆笑した。
なんだコノ女王様、結局、最初から最後まで無茶苦茶(ジャイアン)で通していたわけか。
その笑いを承諾と受け取ったのかくるりと背を向け『デカブツ』を見据えると指を鳴らす。

『さてスッキリキッパリ回答したところで、一つぶっ込んでくるか』

!!外宇宙CQC・七拾式「ロシアンティーを一杯。ジャムでなくママレードでもなく蜂蜜で」 !!
  …ホォォォォォォッォオォ 小宇宙の高まりを感じる…

『援護しろ、陶芸家!』
「くくく。おうよ、ぬかるなよ、女王。」


ROCK ♪ ROCK  ♪

  ♪ ROCK in the herat~~~~~~♪(#1)


クイーン達の戦いはこれからだ!!

◆貴方と 私 で始まるDP戦略
創面が眼を開けると、そこは人口照明が差す現実。
どうやらモトの場所に戻ってきたようだ。確か、最後、技を放ってそれが暴発して
そして…
「オレは…また負けたのか」
一体何度めだろう。そして身体が全く動かない。どうも能力の後遺症のようだ。
その顔を覗き込む少女。
こちらが意識を戻したのを知って心配そうな顔が瞬間笑顔になる。

「おう、眼が覚めた若いの、大義であった。泣きながら寝ているヒト始めて
見たから心配したよ。でもなんでか最後、寝ながら爆笑してたけど」
いわれて見ると頬がぬれてる感覚がある。凄く悲しいことがあったような
それが吹き飛ぶようなバカバカしことがあったようなそんな不思議な感覚。

「…」
のもじはそんな創面を覗き込んだ姿勢のままニヤニヤ笑って見ている。
―あれ・・・・・・・・・・・・・何か嫌な予感がする。
そういやこの態勢はまさか、さっきから頭だけ妙に柔らかいと思ったら
もしや、これは。いけない。この態勢は。

「のもじさん、ギブ、ギブアップです。ちょ、姉さんとか見ているのだぞ」
「はははは、敗者に選択の権利はない。
大人しく、ナランチャが呼びに来るまで頭を預け、待つがよい。」

ええええええええ~
無人の店内に創面の悲鳴とのもじの笑い声が響いた。

なお、呼びにくる係の人(ナランチャ)
女神「はーい、オレは見てなーい何にも見てないゾーと、もうちょい待機~♪」

†††

「ああくそう、ぴくりとも動かねぇーー」
『深層までダイブしたあげく、派手にドンパチ。そして急浮上。
 素人は普通は疲労困憊で口もきけなくなるんだが、本当にタフだな、貴様』
「って手前ぇ嵌めやがったな」
『お前は骨が折れそうなのでズルさせて貰った。それじゃDPごっちゃんです。頂くぞ』

―――――――――― (バタン)=閉廷=(バタン) ――――――――――――

       (日谷創面:ボッシュートにより戦闘不能。現在、膝枕中)
       (ロクロ :”美味しいところを持ってかれた。アイツはグルメじゃないなんでも
              コンコンコン♪”により戦闘不能。)
       (クイーンのもじ:『gots-and-death』によりDPget)
                                               (完)

#1
)『 Rock 』
【名詞】
1a【不可算名詞】 岩,岩石; 岩盤,岩床,岩壁
 b【可算名詞】 (個々の)岩,岩石,岩山.
2【可算名詞】 《主に米国で用いられる》 石,小石.
3【可算名詞】 [しばしば複数形で] 岩礁,暗礁.
4[単数形で] 堅固な支え,よりどころ.
5【不可算名詞】 [個々には 【可算名詞】] 《俗語》 宝石; (特に)ダイヤモンド.
6【不可算名詞】 《俗語》 コカイン,クラック 《麻薬》.

【動詞】 【他動詞】
1
a〈…を〉(前後[左右]にやさしく)揺り動かす,揺する.
b〔+目+補〕〈…を〉揺すって〈…〉させる.
c〔+目+to+(代)名〕〈…を〉揺すって〔…に〕させる.
2
a〈地震・爆弾などが〉〈…を〉揺さぶる,振動させる.
b〈…を〉(感情的に)強く動かす,動転させる.

【自動詞】
1(前後[左右]にやさしく)揺れる
2振動する.
3〔+with+(代)名〕〈人などが〉〔興奮・感動などで〕動揺する,感動する.
4ロックンロールを踊る.

【名詞】
1【可算名詞】 揺れ,動揺.
2【不可算名詞】
a ロック音楽
=rock 'n' roll.

転じて俗語で『最高!』という意味を持つ英語。


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最終更新:2011年11月22日 01:13