「これは何かの罠だ、そうに違いない」
男は岩肌に背を預けながら、もとい脱力しながらそう呟く。
彼の眼前、そこには一つの大きな壷が置いてあった。
男は岩肌に背を預けながら、もとい脱力しながらそう呟く。
彼の眼前、そこには一つの大きな壷が置いてあった。
「いくらなんでも、こんなあからさまな支給品とかないでしょ。
僕か、僕が悪いのか? あんな展開書いた僕がいけないのか?
でもあれはあれで好評だったじゃないか!」
僕か、僕が悪いのか? あんな展開書いた僕がいけないのか?
でもあれはあれで好評だったじゃないか!」
この男はアリーナを分裂の壷にぶち込んだ作者である。
なお、今後は彼の事をアリ2作者と呼ぶ。
彼がこのゲームが始まって直ぐに支給品を調べたら、この壷が出てきたのだ。
まさに因果応報、何かの作為を感じられずにはいられない。
なお、今後は彼の事をアリ2作者と呼ぶ。
彼がこのゲームが始まって直ぐに支給品を調べたら、この壷が出てきたのだ。
まさに因果応報、何かの作為を感じられずにはいられない。
「でもお生憎様だよ。
この壷に入った者がどうなるかなんて、生み出した僕が一番よく知っている。
主催の思い通りにはいかせないよ」
この壷に入った者がどうなるかなんて、生み出した僕が一番よく知っている。
主催の思い通りにはいかせないよ」
壷を使ったが最後、正反対の性格に分裂したアリーナは、
数多くの疑心フラグを撒き散らし散っていった。
しかも死して尚残る飛び切りの奴である。
「そうとも、こんな壷いらないよね。下手なマーダーが増えても困るしね」
数多くの疑心フラグを撒き散らし散っていった。
しかも死して尚残る飛び切りの奴である。
「そうとも、こんな壷いらないよね。下手なマーダーが増えても困るしね」
突然の殺し合いと言う異常な出来事により、本来の壷の使い方すら忘れてそう結論する。
確かに現時点では他にアイテムはないとはいえ、持っている価値は十分にあるはずである。
だが、男はそんな判断すら下せない程に精神が参っていた。
「そうと決まれば、早く使えるアイテムを探しに行かなきゃ」
支給品の地図を手に取り近くでアイテムが手に入りそうな場所を探す。
「よし、とりあえずここに行こう」
彼は壷をその場に捨て置いて、誰にも見つからないように慎重に歩き出した。
確かに現時点では他にアイテムはないとはいえ、持っている価値は十分にあるはずである。
だが、男はそんな判断すら下せない程に精神が参っていた。
「そうと決まれば、早く使えるアイテムを探しに行かなきゃ」
支給品の地図を手に取り近くでアイテムが手に入りそうな場所を探す。
「よし、とりあえずここに行こう」
彼は壷をその場に捨て置いて、誰にも見つからないように慎重に歩き出した。
◆ ◆ ◆ ◆
さて、アリ2作者が去っていった後、そこに一人の少年が近づいていた。
ガラガラガラガラガラ!
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
いや、正確には一人の少年が岩石を伴い落ちてきたと言った方が正しいだろう。
そして見事に、都合良く、展開ありきだが、『たまたま』そこに捨ててあった壷の中にジャストフィットした。
「いっててて……ってなんだ、転落の次は真っ暗闇かよ!」
そして見事に、都合良く、展開ありきだが、『たまたま』そこに捨ててあった壷の中にジャストフィットした。
「いっててて……ってなんだ、転落の次は真っ暗闇かよ!」
ガラガラガラガラ!
そして未だ続く騒音。
「うおぉぉぉぉぉ、何が起こったか分からんが兎に角逃げなければ!」
「うおぉぉぉぉぉ、何が起こったか分からんが兎に角逃げなければ!」
ゴンッ☆
「ぐおぉぉぉ、頭に響いた~!
馬鹿野郎、そっちは今落ちてきたばっかの崖だろ」
「真っ暗なんだからわかんねーよ!
それより狭いんだよ、もっと向こう行け!」
「無茶言うな、これ以上動けねーんだよ!」
「くそっ、言い争ってても仕方ねぇ、早くここから逃げるぞ!」
「それもそうだな、じゃあいっせーので向こうに転がるぞ!」
馬鹿野郎、そっちは今落ちてきたばっかの崖だろ」
「真っ暗なんだからわかんねーよ!
それより狭いんだよ、もっと向こう行け!」
「無茶言うな、これ以上動けねーんだよ!」
「くそっ、言い争ってても仕方ねぇ、早くここから逃げるぞ!」
「それもそうだな、じゃあいっせーので向こうに転がるぞ!」
「「いっせーの……」」
「「 お 前 は 誰 だ ー ! ! ! ! ! 」」
◆ ◆ ◆ ◆
壷を捨て、アイテムを探しに歩いていたアリ2作者だが、先ほどいた場所で轟音が響くのを耳にする。
「な……なんだ!!?」
戦闘が起こったのかもしれないと思い、直ぐにその場から走って逃げる。
何もアイテムを持ってない彼にとって、戦闘に巻き込まれる事は死も同然である。
だが、逃げども逃げども一向に止む気配のない轟音。
というか、心なしかだんだん大きくなっているような……?
何もアイテムを持ってない彼にとって、戦闘に巻き込まれる事は死も同然である。
だが、逃げども逃げども一向に止む気配のない轟音。
というか、心なしかだんだん大きくなっているような……?
ゴロンゴロン!
「いてっ、もっと響かないように転がれって!」
「それはお互い様だ!」
「それはお互い様だ!」
あれ……ちょ、何これ、デジャヴ?
アリ2作者は恐る恐る後ろを振り向く。
…と、何と言う事か、自分が捨てたばかりの壷が転がってくるではありませんか!
しかも中から二つの声のオマケつきで。
アリ2作者は恐る恐る後ろを振り向く。
…と、何と言う事か、自分が捨てたばかりの壷が転がってくるではありませんか!
しかも中から二つの声のオマケつきで。
「うわぁぁぁぁぁ、失明は嫌だぁぁぁぁぁ!!!」
もはや警戒なんて忘れて慌てて逃げ出した。
というか、そんな余裕もない。
というか、そんな余裕もない。
「誰かいるのか!?」
「おーい、俺たちを出してくれー!」
「おーい、俺たちを出してくれー!」
しかしゴロゴロと追いかけてくる壷入り男。
壷から逃げ出そうと懸命に走るが、勢いに乗った壷は段々早くなってくる。
その距離が少しづつ少しづつ近づいていき、ついには……
壷から逃げ出そうと懸命に走るが、勢いに乗った壷は段々早くなってくる。
その距離が少しづつ少しづつ近づいていき、ついには……
ドンガラガッシャーン!
◆ ◆ ◆ ◆
「あれ、何か今大きな音が聞こえたような…」
「そうですかー?
僕は何も聞こえませんでしたけどー」
海岸に座る美少女2人、もとい美少年と美少女。
ツキノとネスカである。
「いや、アタシこの通りエルフ耳なんで、人より耳がいいんですよね」
そう言って自分の耳を触りながら答えるネスカ。
「へー、凄いですねー」
と、ネスカの耳を掴むツキノ。
「そうですかー?
僕は何も聞こえませんでしたけどー」
海岸に座る美少女2人、もとい美少年と美少女。
ツキノとネスカである。
「いや、アタシこの通りエルフ耳なんで、人より耳がいいんですよね」
そう言って自分の耳を触りながら答えるネスカ。
「へー、凄いですねー」
と、ネスカの耳を掴むツキノ。
「だらっしゃああああああああああああああ!!!」
「ひでぶっ!」
「ひでぶっ!」
盛大に吹っ飛ぶツキノ、さながらギャグ漫画のようである。
「エルフ耳は敏感ってのは常識でしょうがああああああああ!!!」
「うわあああああああ、スイマセンスイマセン、ホントスイマセン!
うっかり忘れてました、っていうか女性の耳をいきなり触るなんて何してんだ俺ええええ!」
すっかり疲弊しながら「もういいです」と言うネスカ。
もはや諦めの境地である、この人のうっかりは一生直るまい。
「それよりさっきの音ですけど……どうしますかネー」
「あー、じゃあお詫びと言ってはなんですけど、僕が見に行きますね?」
そういうや否や早速走っていくツキノ。
「うわあああああああ、スイマセンスイマセン、ホントスイマセン!
うっかり忘れてました、っていうか女性の耳をいきなり触るなんて何してんだ俺ええええ!」
すっかり疲弊しながら「もういいです」と言うネスカ。
もはや諦めの境地である、この人のうっかりは一生直るまい。
「それよりさっきの音ですけど……どうしますかネー」
「あー、じゃあお詫びと言ってはなんですけど、僕が見に行きますね?」
そういうや否や早速走っていくツキノ。
ああ……疲れた。
そういえばまだ始まって直ぐなんだっけ。
こんなんでアタシ生き残れるかな。
あれ、そう言えば何か忘れてるような……?
そういえばまだ始まって直ぐなんだっけ。
こんなんでアタシ生き残れるかな。
あれ、そう言えば何か忘れてるような……?
「って、音の場所伝えてねええええええええええええ!!!」
◆ ◆ ◆ ◆
壷の体当たりを受けて吹っ飛んだアリ2作者。
そしてその衝撃により壷が壊れ、無事に外に出れた男二人。
そしてその衝撃により壷が壊れ、無事に外に出れた男二人。
「いやぁー、外の空気は美味いぜ」
「ホントだな、生きてて良かったぜ」
「うあぁぁぁ、僕の左目がぁ~」
「ホントだな、生きてて良かったぜ」
「うあぁぁぁ、僕の左目がぁ~」
窮屈な壷から出れた喜びで二人はやけにハイテンションだ。
ハイテンションな彼等には、もちろんもう一人の片目に壷の破片が刺さった男には気がつかない。
ハイテンションな彼等には、もちろんもう一人の片目に壷の破片が刺さった男には気がつかない。
「崖から落ちて目の前が真っ暗になった時はもう終わりかと思ったね」
「全くだ、神様ってのは居るもんだなぁ、まさかみんな無傷とは!」
「血だ…僕の、俺の血!」
「全くだ、神様ってのは居るもんだなぁ、まさかみんな無傷とは!」
「血だ…僕の、俺の血!」
チラチラとアリ2の方を見ながらもそんな事を口にする二人。
どうやら、気がついていても知らない振りをしようとしていたらしい。
何が起こったか分からなかった彼等にも、自分達の体当たりでこうなった事くらいは分かったのだろう。
どうやら、気がついていても知らない振りをしようとしていたらしい。
何が起こったか分からなかった彼等にも、自分達の体当たりでこうなった事くらいは分かったのだろう。
「ところで逃げるのに必死でお互い自己紹介してなかったな、俺は浩平」
「おお、そういえばそうだったな、俺は祐一だ。よろしくな」
「……血がー、血がー、いてぇぇーよぉ!」
「おお、そういえばそうだったな、俺は祐一だ。よろしくな」
「……血がー、血がー、いてぇぇーよぉ!」
自分達に都合の悪い事は知らぬ存ぜぬという事か。
あくまでアリ2の声をスルーする。
だが、耳障りなのも確かで……
あくまでアリ2の声をスルーする。
だが、耳障りなのも確かで……
「じゃあ祐一、あいつを何とかしてやれよ。やったのはお前だろ?」
「おい浩平、何言ってんだ。俺は転がってただけであれは事故だ。
それに俺に責任あるんなら、お前にも責任あるだろ?」
「いやいやいやいや、俺もお前も悪くない」
「だよなー」
「おい浩平、何言ってんだ。俺は転がってただけであれは事故だ。
それに俺に責任あるんなら、お前にも責任あるだろ?」
「いやいやいやいや、俺もお前も悪くない」
「だよなー」
だが、対処しようと思ってもどうしようもない。
生憎と失った目を復元するなんて方法は知らない。
そう思って、知らない振りして立ち去ろうとした二人だが……
生憎と失った目を復元するなんて方法は知らない。
そう思って、知らない振りして立ち去ろうとした二人だが……
「おい待てよ、おまえら……」
左目を押さえながらゆらりと立ち上がるアリ2作者。
その恐ろしい気配に祐一&浩平の顔は引きつる。
その恐ろしい気配に祐一&浩平の顔は引きつる。
「「やっぱお前がなんとかしろー!」」
「逃がすか、ぶっ殺す!」
「逃がすか、ぶっ殺す!」
【開始数十分後/F-5 右下の海岸あたり】
【アリ2作者@FFDQロワ3rd】
[状態]:左目失明
[装備]:無し
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:ゲームには乗らない
1:祐一&浩平をぶっ殺す
2:使えるアイテムを集める
[備考]
※自分の血を見ると性格が豹変
[状態]:左目失明
[装備]:無し
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:ゲームには乗らない
1:祐一&浩平をぶっ殺す
2:使えるアイテムを集める
[備考]
※自分の血を見ると性格が豹変
【祐一&浩平@ハカロワ1】
[状態]:分裂
[装備]:無し
[道具]:支給品一式(ランダムアイテム不明)
[思考]
1:アリ2作者から逃げる
[備考]
※祐一も浩平も、自分達が同一人物だと知りません。
※片方が死ねば、もう片方も死にます。
[状態]:分裂
[装備]:無し
[道具]:支給品一式(ランダムアイテム不明)
[思考]
1:アリ2作者から逃げる
[備考]
※祐一も浩平も、自分達が同一人物だと知りません。
※片方が死ねば、もう片方も死にます。
【開始数十分後/F-6 海岸】
【ツキノ(書き手)@ギャルゲロワ】
[状態]:脛部と腹部にダメージ、アンリミテッドうっかりワールド展開中
[装備]:ハクオロのお面@ギャルゲロワ、ドライヤー
[道具]:支給品一式(地図なし)
[思考]
基本:ロワイアルからカレイ道に脱出してやるZE!
1:聞こえた音の方へ偵察(どっちへ向かってるかは不明)
2:信用できそうな人に会いたいなあ
3:とりあえずネスカさんと行動したい
[備考]
※天然搾り100%のうっかり
※ぱっと見少女に見える美麗の少年
※毒入り紅茶@FFDQ3rdは地面にブチまけられました。
[状態]:脛部と腹部にダメージ、アンリミテッドうっかりワールド展開中
[装備]:ハクオロのお面@ギャルゲロワ、ドライヤー
[道具]:支給品一式(地図なし)
[思考]
基本:ロワイアルからカレイ道に脱出してやるZE!
1:聞こえた音の方へ偵察(どっちへ向かってるかは不明)
2:信用できそうな人に会いたいなあ
3:とりあえずネスカさんと行動したい
[備考]
※天然搾り100%のうっかり
※ぱっと見少女に見える美麗の少年
※毒入り紅茶@FFDQ3rdは地面にブチまけられました。
【ネスカ(描き手)@FFDQロワ3rd】
[状態]:この人マジヤバイどうしよう。
[装備]:虫取りアミ
[道具]:支給品一式(地図なし)、ねとらじ放送キット、核爆弾@魔界塔士Sa・Ga
[思考]
基本:とりあえず脱出したい
1:ツキノを追っかける。
2:今後をどうするか切実に考える。
3:マトモな人に会いたい
4:FFDQロワの人に会いたい
[備考]
※ジョブ:物真似師 アビリティ:!黒魔法、!スケッチ、格闘
※黒スーツエルフ耳の長い黒髪の女性
[状態]:この人マジヤバイどうしよう。
[装備]:虫取りアミ
[道具]:支給品一式(地図なし)、ねとらじ放送キット、核爆弾@魔界塔士Sa・Ga
[思考]
基本:とりあえず脱出したい
1:ツキノを追っかける。
2:今後をどうするか切実に考える。
3:マトモな人に会いたい
4:FFDQロワの人に会いたい
[備考]
※ジョブ:物真似師 アビリティ:!黒魔法、!スケッチ、格闘
※黒スーツエルフ耳の長い黒髪の女性