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夜空に百円玉が煌いて……

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匿名ユーザー

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 夜空を見つめ、男はため息を深々とついた。
 黒く癖のないまとめられた髪を持ち、鼻筋の通った甘いマスク。
 科学者然とした佇まいに、知性と情熱を持つ瞳が憂いに満ちていた。
 彼の右手の黒いグローブを脱ぐと機械の義手が現れた。微かなモーター音を上げ、五指を握ったり開いたりしている。
 古い街灯の下、黒いロングコートを着用した中程度の背丈をピンと伸ばしている。
 彼はライダーロワにおいて一、二を争うほど作品を投下し、まとめサイトを運用している男。
 書き手ライダー四号の称号を持つ彼の名は◆E1yyNEjdEc。ライダーロワ七人の書き手の重鎮だった。

「殺し合えか。仮面ライダーたちに殺し合いをさせた罰が当たったのか?」
 ため息をつき、再び月を見る。金にぼんやりと輝いているそれは綺麗で、しばし時を忘れてしまった。
 彼の支給品の、ヘルメットに似た物を持ち上げる。
「俺に縁のあるライダーマンマスクが支給されるとはな。笑うしかないな」
 目の前に青く輝く、口元を露にせざるえない、強化スーツと一体になったマスクを見つめた。
 カセットアームを持たない自分ではすぐにでも強力なマーダーの餌食になるだろう。
「それにしても、パロロワバトルロワイアル……俺は他のパロロワを余り知らないんだよな……」
 しょうがないことではある。ライダーロワの運営に必死で他のロワを勉強する暇もないのだから。
 ライダーロワのラジオのときに関わったときしか交流はない。
 そのときのアドバイスはまとめを見やすくするためにかなり役に立った。
 ため息をついているだけではしょうがないので、他にも何かないかデイバックを探ろうとしたときだった。
「動くな」
 首筋に冷たい金属の感触が当たる。心臓が飛び跳ね、両手をあげて武器を持たないことを示す。
 同時に警戒を怠っていた自分の迂闊さを呪った。
(そういえば、ライダーマン・結城丈二も似たよう目に遭っていたな)
 その時は助かったが、自分の場合はどうなるか想像つかない。
 沈黙がその場を支配し、時間が停止したような気がした。だがそれは所詮錯覚だ。 その証拠に風が頬をなぶって、虫の音が聞こえている。
 数分ほどそうしていたころだろうか。さすがに気の長い◆E1yyNEjdEcも焦れてくる。
「あなたの目的はなんだ? 対主催者か? 優勝か?
 できれば俺に協力して欲しい。俺は首輪を外せる技術や能力を、持った者を捜している」
「お前はその技術者が見つかると思っているのか?」
「それならば自分で外す方法を考えるしかない」
 沈黙が再び訪れた。
 男はやがて胸元を探り、一枚のコインを取り出した。日本人には馴染みの深い百円玉である。

 コインが弾かれ、夜空をクルクルと華麗に舞いながら上昇する。古い人工の、古ぼけた街灯の光を弾き、◆E1yyNEjdEcの頭上を越えていく。
 丸い銀の光をあらゆる方向に、数瞬だけ反射させてすぐ瞬いて消える。
 やがてコインは上昇運動の力を失い、一瞬停滞。頂点に上り詰め、後は落ちるのみだった。
 コインの回転が地面に落ちる瞬間、◆E1yyNEjdEcの目にはコマ送りにコインが落ちていく様子が見えてしまった。
 それは錯覚だっただろう。そのコインが自分の運命を決めるかもしれないと、本能で悟ったのだ。
 異常な集中力の中、コインが一回りするたびに地面へ近付いてくる。
 後三回転すれば地面に激突する。それを◆E1yyNEjdEcは認識してしまった。

 ―― 一回転目

 ◆E1yyNEjdEcのこめかみから汗が浮き出てくる。

 ―― 二回転目

 汗が目尻の辺りまで移動し、瞳が僅かに揺れ始める。

 ―― 三回転目

 とうとうコインは地面に激突し、数回転したかと思うとその動きを終えた。
 甲高い音を数回上げたコインは『表』を出していた。

「……そうだな。それも悪くない」

 男は呟き、銃を下げた。自分の提案に乗ってくれたことに嬉しくなり、勢いよく振り返る。


 黒髪を後ろに流してオールバックにした、学生服の端正な顔立ちをしている男がいた。
 手に提げている銃はイングラムM10。漫画版バトルロワイアルでも桐山が使っていた短機関銃である。
 男はやがて自分のデイバックからカバンを放りだした。
「これは……カイザのベルト!?」
「お前のものか?」
「いいや、違う。けど、彼らなら……」
 ◆E1yyNEjdEcの脳裏に浮かぶのは、自分とともにライダーロワを盛り上げていくほかの六人の書き手。
 考えたくはないが、彼らのうち誰かがともに参加しているとすれば、自分よりもうまく使ってくれるだろう。
 同時に、このベルトは誰にも渡せない。説明書を見ると『オルフェノク』ではなく、『能力者』であれば使えるようになってある。
 もし一般人に渡してしまったら死なせてしまう。優勝を狙うマーダーに渡しても、殺戮が行われるだろう。
 ベルトをカバンへ入れなおし、立ち上がる。
「行こう。そして首輪を解除し、この場を脱出しよう」
 無言で男は先を行き、◆E1yyNEjdEcは慌てて肩を並べる。
「ところで君の名を聞かせてもらえないか?」
「◆7jHdbxmvfI」
「よろしく頼む。◆7jHdbxmvfI」
 短く告げられ、二人は夜道を歩く。


 ◆E1yyNEjdEcは二つ知らない。◆7jHdbxmvfIにとって、ゲームに乗るか、優勝を狙うかはどうでも良かった。
 彼はただコインの裏表で結果を決めただけに過ぎなかった。
 そのお互いの認識の齟齬が、何をもたらすかは分からない。
 そしてもう一つ、知らないことがあった。
 ◆E1yyNEjdEcと◆7jHdbxmvfIには共通の知り合いがいる事を。

【ゲーム開始数十分後/E-1の道路/一日目】

【◆E1yyNEjdEc@ライダーロワ】
[状態]:健康
[装備]:ライダーマンマスク@ライダーロワ。
[道具]:支給品一式、カイザドライバー(装備全部付属)@ライダーロワ。
[思考]
基本:首輪を解除できる手段を持つ参加者を探す。もしくは自分で解除する。
1:ライダーロワの書き手と合流してカイザドライバーを預けたい。マーダーには渡せない。
2:◆7jHdbxmvfIと情報交換したい。
[備考]
※カセットアームは持っていません。ゆえにライダーマンの能力は一般人以上達人以下の戦闘能力です。
※外見は俳優・故 山口暁氏に酷似。
※カイザドライバーは『能力者』なら変身できます。それ以外は灰に。

【◆7jHdbxmvfI@漫画ロワ】
[状態]:健康
[装備]:イングラムM10(30/30)@漫画ロワ。
[道具]:支給品一式。
[思考]
基本:首謀者の思惑を外すべく、死者が一人でも減るように行動する 。
1:乗ってない人間を見つけ協力するなら仲間にする。
2:◆E1yyNEjdEcが協力するなら仲間にする。
3:襲ってきた人間に対しては一切の手加減をしない。
4:首謀者を倒す。
[備考]
※外見は漫画版バトルロワイアル・桐山和雄に酷似。
※◆E1yyNEjdEcとの共通の知り合いは◆TJ9qoWuqvAと◆ozOtJW9BFA(参加しているかは不明)です。

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