戦いに美学はいらない ◆Iku3M44SGw
「おい、俺の完璧なデッキとデュエルしろよ」
「なに? どういうことだ?」
「なに? どういうことだ?」
C-4の市街地で一人の中年男性と一人の少年が出会った。
その中年男性の容姿は2mを超す長身に筋肉隆々の身体、口元にはダンディなヒゲ。
上半身にはサスペンダー1本というまさにプロレスラーといった感じである。
男の名は『ファイナルファイト』。通称『FF』である。
上半身にはサスペンダー1本というまさにプロレスラーといった感じである。
男の名は『ファイナルファイト』。通称『FF』である。
一方の少年、赤いバンダナを着用しているくらいしか、特徴がない少年だ。
しかし、その手には何やらカードデッキが握られている。
少年の名は『ポケモンカードGB』。
しかし、その手には何やらカードデッキが握られている。
少年の名は『ポケモンカードGB』。
「俺には分かる、アンタは決闘者(デュエリスト)だ……戦いを求めている」
「いや、私は確かに『ファイナルファイト』という名前ではあるが、決してデュエリストではない」
「『ファイナルファイト』さんか……それがアンタの名前か。
俺の名は『ポケモンカードGB』。見て分かる通りのカードゲーマーだ。
さあ、ファイナルファイトさんよぉ……デュエルの時間だ!」
「いや、いきなりそんなことは言われてもなぁ……」
「いや、私は確かに『ファイナルファイト』という名前ではあるが、決してデュエリストではない」
「『ファイナルファイト』さんか……それがアンタの名前か。
俺の名は『ポケモンカードGB』。見て分かる通りのカードゲーマーだ。
さあ、ファイナルファイトさんよぉ……デュエルの時間だ!」
「いや、いきなりそんなことは言われてもなぁ……」
ポケモンカードGBはカードバトラー脳だった。
それもかなり廃人の部類に入るほどのレベルであった。
カードで戦って、勝てばどうになると思っているのだ。
そこで近くにいたファイナルファイトに勝負を仕掛けたのであった。
それもかなり廃人の部類に入るほどのレベルであった。
カードで戦って、勝てばどうになると思っているのだ。
そこで近くにいたファイナルファイトに勝負を仕掛けたのであった。
「すみません。たねポケモンがいませんでした。引き直します」
「………」
「………」
ポケモンカードGBはご丁寧に手札を開帳してきた。
全て同じカード黄色いエネルギーが7枚だった。
それから数回ポケモンカードGBは同じ行為を繰り返した。
全て同じカード黄色いエネルギーが7枚だった。
それから数回ポケモンカードGBは同じ行為を繰り返した。
「フハハッ! 遂に来たぞ!」
「何が、だ?」
「俺の引いたカードはこの『サンダーLV.68』だ」
「何が、だ?」
「俺の引いたカードはこの『サンダーLV.68』だ」
それは雷鳥の様な鳥が描かれたカードだった。
「このカードは雷エネルギーを3枚付けることによって『ビッグサンダー』を発動することができる!
この効果はこのカード以外の一体に、「弱点・抵抗力」に関係なく、70ダメージ。
ダメージを受ける相手は、敵・味方のいずれかが自動的に選ばれる……今いるのはアンタだけ!
つまり、当たるのはアンタだけだ! これが神の雷!! そして、俺こそがナンバーワーーン!!!」
この効果はこのカード以外の一体に、「弱点・抵抗力」に関係なく、70ダメージ。
ダメージを受ける相手は、敵・味方のいずれかが自動的に選ばれる……今いるのはアンタだけ!
つまり、当たるのはアンタだけだ! これが神の雷!! そして、俺こそがナンバーワーーン!!!」
右手の人差し指で天を差し、ポケモンカードGBは高々と叫ぶ。
「3分間だけ待とう! というか3分経たないと攻撃できないから、3分間待って!!」
「………」
「………」
1ターン=1分である。
どうやら、律儀にもこのポケモンカードGBは一分ごとにデッキからカードを引くようだ。
どうやら、律儀にもこのポケモンカードGBは一分ごとにデッキからカードを引くようだ。
「言っておくが、このデッキには『サンダーLV.68』1枚と雷エネルギーカード59枚で構成されたデッキだ!
つまり、次に俺が引くカードは100パーセントの確率で……雷エネルギーカードだ」
「無茶苦茶だな……だが、何故わざわざそんなことを言う?」
「そんなのは俺の勝手だ。『自由』でいいんだよ! だからこそ楽しい!
戦い方も、デッキ構成も、ルールも、俺は俺が自分のやりたいようにやる!」
つまり、次に俺が引くカードは100パーセントの確率で……雷エネルギーカードだ」
「無茶苦茶だな……だが、何故わざわざそんなことを言う?」
「そんなのは俺の勝手だ。『自由』でいいんだよ! だからこそ楽しい!
戦い方も、デッキ構成も、ルールも、俺は俺が自分のやりたいようにやる!」
あまりにも無茶苦茶だが、なんだか納得させらてしまう。
しかし、ポケモンカードGBのその態度はファイナルファイトを目覚めさせるには十分であった。
しかし、ポケモンカードGBのその態度はファイナルファイトを目覚めさせるには十分であった。
「『自由』か……そうか。なら、私も自由に戦わせてもらおう……」
「――――悪いが1カウントだ――――」
「え?」
「え?」
そこから一瞬だった。
ポケモンカードGBの身体がファイナルファイトに吸い寄せられた。
いや、そこがファイナルファイトの制空権だった。
相手が自由に戦うというのなら、こちらも自由に戦わせてもらう。
悪いが三分もやれない。1カウントで終わりだ。
ポケモンカードGBの身体がファイナルファイトに吸い寄せられた。
いや、そこがファイナルファイトの制空権だった。
相手が自由に戦うというのなら、こちらも自由に戦わせてもらう。
悪いが三分もやれない。1カウントで終わりだ。
ファイナルファイトにがっちりと捕まれたポケモンカードGBは一瞬で脳天から地面に叩きつけられた。
俗にいう『スクリューパイルドライバー』と呼ばれるプロレス技が見事に決まった。
俗にいう『スクリューパイルドライバー』と呼ばれるプロレス技が見事に決まった。
「リアルファイトなんてやったことねぇよ……」
「少年よ、これは決闘(デュエル)ではない……君との『ファイナルファイト』だ。
だが、礼を言う……ありがとう、君のおかげで私の腹が決まったよ」
「…………そうかい」
「少年よ、これは決闘(デュエル)ではない……君との『ファイナルファイト』だ。
だが、礼を言う……ありがとう、君のおかげで私の腹が決まったよ」
「…………そうかい」
少年らしい満足気な笑みを浮かべて、ポケモンカードGBは息を引き取った。
【ポケモンカードGB 死亡】
地面にポケモンカードGBの遺体を埋葬して、ファイナルファイトは自身の支給品である拡声器のスイッチをいれた。
これから行うのは参加者たちへの宣戦布告である。
これから行うのは参加者たちへの宣戦布告である。
「私の名前は『ファイナルファイト』! 『最後の戦い』の名を持つ者である!
私はここで待つ! 決して逃げない! どんな相手であろうと相手になろうではないか!
さあ、戦おうではないか!! 君たちとの『最後の戦い』を!!!!!」
私はここで待つ! 決して逃げない! どんな相手であろうと相手になろうではないか!
さあ、戦おうではないか!! 君たちとの『最後の戦い』を!!!!!」
【C-4 市街地】
【ファイナルファイト】
【状態】健康
【装備】ゲームボーイ付き拡声器、【『サンダーLV.68』×1枚、『雷エネルギーカード』×59枚】のデッキ
【道具】支給品一式x2
【思考】
1:『戦う』
※外見はマイク・ハガーです。
【ファイナルファイト】
【状態】健康
【装備】ゲームボーイ付き拡声器、【『サンダーLV.68』×1枚、『雷エネルギーカード』×59枚】のデッキ
【道具】支給品一式x2
【思考】
1:『戦う』
※外見はマイク・ハガーです。