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これが私の全力だから

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匿名ユーザー

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これが私の全力だから ◆NIKUcB1AGw


市街地の一角に、張り詰めた空気が満ちる。
相対するのは、星のカービィとコロコロカービィ。
共にカービィシリーズの系譜に身を置きながら、戦う宿命を背負った二本のソフトだ。
二人は、共にまだ動かない。相手の出方をうかがっている状況だ。
戦いを見守る形になったスーパーデラックスも、固唾を呑んで二人に視線を送っている。
その空気は、とても第三者が割って入れるものではなかった。
だが、それでも割って入るのが空気の読めない男だ。

「あ?」
「え?」

コロコロカービィと星のカービィは、ほぼ同時に驚きの声をあげる。
突然、二人に向かって歩いてくる人物が現れたからだ。
その姿は、誰がどう見ても野球選手だった。

(すでに野球ゲームは全滅していたはず……。
 ということは、他のゲームが支給品か何かで姿を変えている?
 だが、何のためにそんなことを……)

コロコロカービィが考えを巡らす間にも男は歩を進め、二人のカービィの中間地点で止まる。
そして、おもむろに振りかぶった。
二人の警戒心が跳ね上がり、動こうとする。
その刹那、男は言った。

「今年は荷物を盗るね~ど!」
『は?』

意味不明の宣言に、二人の思考が一瞬停止する。
その時点で、すでに彼らは術中に落ちていた。
次の瞬間、男は凄まじい速度で二人の所持品を奪い取っていた。

「はっ!?」
「ちょ、え?」
「グエッヘッヘッヘ! 二人とも、ずいぶんと所持品を溜め込んでいたようだな!」

困惑する二人に対し、男は下品な笑いを響かせる。
そして、変装を解いた。
その素顔は、当然この男。桃鉄DXである。

「な、なんだ貴様は!」
「何だチミはってか! そうです! わたすが桃鉄DXです!」

動揺するコロコロカービィに、桃鉄DXはどや顔で答える。
別に桃鉄に志村けん要素はないが、ギャグキャラがああいう聞き方をされたらこう答えざるをえないというものだ。

「俺様はどちらの味方でもない! そしてどちらの敵でもない!
 ただ他人の邪魔ができればそれでいいんだー!」
「いや、そんな力強く宣言されても、意味わからないんですけど!?」

星のカービィも、かなり困惑している。

「とりあえず邪魔はもうできたので、俺様は満足だ!
 後は二人で自由に決着をつけるがいい!」
「いや、その前に盗ったもの返せよ!」
「お前は何を言ってるんだ。返したら盗った意味が無いだろうが」
「たしかにそうだけど!」

何を言っても、桃鉄DXには立て板に水。
まるで状況が変化しない。

「ええい! こうなれば実力行使だー!」

しびれを切らし、コロコロカービィは桃鉄DXに向かって転がり出す。
だが、桃鉄DXはうろたえない。彼には、絶対の防御手段があるのだから。

「貴様にもボンビラスの世界を見せてやろうかぁー!」
「何をわけのわからないことを!」

微動だにしない桃鉄DXに、コロコロカービィが激突する。
しかし、桃鉄DXは平然としていた。

「どういうことだ!」
「グエッヘッヘッヘ! 俺様はたった今、お前に取り憑いた!
 そして俺様は、取り憑いた相手からの攻撃を無効にする能力を持つ!」
「なんだそれは! そんな反則的な能力、許されるのか!」
「許されるも何も、現にこうして存在してるのだから仕方ないだろう」
「ぐうう……!」

怒りのやり場がなく、頭をかきむしるコロコロカービィ。
その肩を、星のカービィが叩く。

「星のカービィ……」
「コロコロカービィ、あなたの気持ちはわかるわ。
 私も決死の覚悟で挑もうとした戦いに水を差されて、正直イラッとしてる。
 でも、こんなことをしていても不毛だわ。
 このままこの人のペースに乗せられてぐだぐだになるよりは、決着を優先すべきだと思うの」
「そうだそうだ、さっさと戦え」
「あなたは黙ってなさい」

美貌を歪めてにらんでくる星のカービィに対し、桃鉄DXはやれやれとばかりに肩をすくめてみせる。
その態度に改めて神経を逆なでされる星のカービィだったが、本人の言うとおり相手にするだけ無駄というもの。
グッと感情を抑え、会話を打ち切るのだった。


◆ ◆ ◆


星のカービィとコロコロカービィは、改めて対峙する。
一度は霧散した緊張感が、再びその場に広がっていった。
この状況はまるで、「刹那の見切り」のようだ。
スーパーデラックスはそんなことを思いながら、戦況を分析する。

(桃鉄DX……。あのおっさんに持ち物を全部奪われて、お互い頼れるのは肉体のみ……。
 だがフィジカルを比較すれば、ただの成人女性にすぎない星のカービィ姉ちゃんより
 転がることで力を増すコロコロカービィの方が有利……。
 姉ちゃんが勝つ策はあるのか……?)

スーパーデラックスの心配をよそに、二人はにらみ合いを続ける。
そのまま、時間だけが過ぎていく。
まるでこの状態が永遠に続くかのような錯覚をギャラリーが抱き始めた、その時。
「!」の代わりを果たすかのように、一枚の木の葉がその場に降ってきた。

木の葉が、地面に落ちる。
二人が、同時に駆け出す。

「もらったぁぁぁぁ!」

先手を取ったのは、コロコロカービィ。
体を丸めて、星のカービィにぶつかっていく。
距離が短いのでさほど威力は出ないが、一般女性準拠の身体能力でしかない星のカービィをダウンさせるには充分。
後は一方的に攻撃できる。コロコロカービィはそう考えていた。
だが彼は、重要なことを見落としていた。

ぼよん

柔軟なクッションが、コロコロカービィの体当たりを受け止める。
そう、星のカービィの肉体は単なる一般女性ではない。グラビアアイドルっぽい女性である。

「バカな……!」

バランスを崩したコロコロカービィの体は、強烈な吸引力に引き寄せられる。
星のカービィの吸い込みだ。
だが星のカービィの目的は、コロコロカービィを飲み込むことではない。
あくまで密着することだ。
コロコロカービィの体が眼前まで来たところで星のカービィは吸い込みをやめ、彼を捉える。

「うああああ!!」

後はもう、策も能力も関係ない。
星のカービィは全身全霊の力でコロコロカービィを投げ、アスファルトに叩きつけた。

「が……は……」

コロコロカービィは、動けない。
ゲームソフト同士が火花を散らすこの場において、あまりにも地味で泥臭い。
されどたしかに全力を尽くした戦いが、ここに終わった。

【C-3 市街地】

【星のカービィ】
【状態】疲労(中)、ダメージ(小)
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
1:勝った……
2:スーパーデラックスを助ける、はずだったけど……
3:今までの償いの為に戦う
※外見はほしのあきに似た女性です。
※「飲み込んだ相手の能力をコピーする」能力を持っています。

【コロコロカービィ】
【状態】憎しみ、疲労(小)、ダメージ(大)
【装備】なし
【道具】ピカチュウ
【思考】
1:殺し合いに優勝し、続編の『コロコロカービィ2』を誕生させる
2:負けた……
3:新作や続編を作られるゲーム達が憎い
※外見は丸々とした体型の巨漢の男です。
※身体を丸めて転がることで超スピードでの移動が可能で、さらに跳ね上がることで周囲にいる者を跳ね上げて転ばせることができます。
 転がるスピードと破壊力は連続して転がり続けることにより上がっていきます

【とっとこハム太郎2】
【状態】ダメージ(中)
【装備】なし
【道具】支給品一式、ハム語辞書@とっとこハム太郎2
【思考】
1:仲間を集める
2:ゼルダの伝説 夢をみる島DXを止める
※外見は5歳くらいの男の子です
※とっとこハム太郎2内で出てきたハム語以外の言葉をしゃべることができません

【星のカービィスーパーデラックス】
【状態】疲労(小)、ダメージ(中)
【装備】『全てを0にする』能力の☆
【道具】なし
【思考】
1:参加者を主催本部へ連れて行く

【スーパー桃太郎電鉄DX】
【状態】ダメージ(中)、手が臭い、コロコロカービィにとりつき中
【装備】サイコロ×10
【道具】支給品一式×9、不明支給品×5、ピッピにんぎょう@ポケットモンスター緑、桃鉄のカード(各種)
スーパーゲームボーイから奪ったゲームボーイカセット、ゲームボーイ付き拡声器
【『サンダーLV.68』×1枚、『雷エネルギーカード』×59枚】のデッキ
モンスターボール(ピッピ)、コピーのもとDX(プラズマ)@星のカービィスーパーデラックス
斧、す~ぱ~ぷよぷよの☆、サバイバルキッズの☆、サンリオタイムネット未来&過去編のミックス☆、「ワープスターを操る能力」の☆
【思考】
1:主催たちを邪魔する
2:『立ち上がれ! 対主催!』
3:道具欄がえらいことになった
※外見はキングボンビーの格好をした小太りのおっさんです。
※取り憑いた相手からの攻撃を無効化できます
 対象は原則として一人です
※スリの銀次への変身が可能になりました。(他にも変身が可能かどうかは不明です)
※スーパーゲームボーイから奪ったゲームボーイカセットを星のカービィのコピー能力に利用できるかもと考えています


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