エピソード・みんあつ戦線:その1

みんあつ戦線…正式には「みんなあつまれ!バトロイ大会!」と呼ばれるバトロイの一つである。
しかし、そのタイトルとは裏腹に、Mr・Hがこのバトロイを「みんあつ戦線」と呼ぶには理由がある。

「家族や友達などいろいろ楽しむために作られたバトロイ」と言う言葉とは裏腹に、このバトロイの利用者の一部と管理者はある種のバーバリズムを持つ者たちであった。ゆえに彼らをよく思わない利用者に対し彼らは不正な行為をしばしば働き、時には予告なしでキャラ抹消すら行われていた。
限定戦争、火星戦線における「マージナル」のような存在に等しいのではないかという疑問を持った国際戦争公はバトロイ運営委員会経由でMr・H軍にみんあつ戦線への戦力派遣を打診、報酬に関してモメつつもこれを承諾した…


みんあつ戦線にしかれた鉄道網、しかし、この地が戦線と呼ばれるだけあって、武装列車ぐらいしかここを通る列車は存在しない。
Mr・H軍のバーチャロイドパイロット「木村真由那」は自身の愛機である第三世代型バーチャロイド「ライデン」に乗り込み、線路をたどっていた。
すでにいくつかの物資集積所と思わしき施設を撃滅し、その先にある巨大な物資集積所…いや、もはや巨大貨物ターミナルへと向かっていた。


偵察衛星とのデータリンクで得た情報では現在目的地には東京メトロ10119Fを改修した武装列車と東急8640Fを改修した武装列車が停車していた。
他の武装列車は別の路線を走っているのだろう。
「…これはチャンスですね」
真由那のライデンが持つ連装型ビームランチャー「フラット・ランチャー」からビームが発射され、東急8640Fを改修した武装列車に着弾する。
これが狼煙だ。真由那はライデンのスラスターのスロットルを全開にし、巨大貨物ターミナルへ吶喊する。
武装列車から放たれる砲撃に耐えつつ、手ごろなコンテナの陰に身を隠し、グランド・ナパームの投擲とフラット・ランチャーによる砲撃で武装列車に損害を与えていく。
しかしいつまでもコンテナの陰に隠れるのも不可能だ。貨物輸送用のコンテナでは数度の砲撃で遮蔽物として機能しなくなる。
ならば、覚悟を決めるしかない。幸いライデンの装甲はVアーマーがない分第二世代型より薄いが、それでも重戦闘用として十分だ。
「行きます!」
隠れていたコンテナから飛び出し、そのままブーストをかけて東京メトロ10119Fを改修した武装列車をフラット・ランチャーを数発撃ち込み、そのまま殴打で運転席を破壊し、沈黙させると、そのままの勢いで東急8640Fを改修した武装列車の運転席をマニピュレーターで叩き潰し、沈黙させた。
そのとき、貨物ターミナルの事務施設から攻撃が飛んできた。かろうじて回避に成功し、そのまま攻撃が飛んできた施設へと移動する。
攻撃をしてきたのがこの施設の主…そしてこの武装列車を率いる武装勢力「特急マイドリーム」だろう。
「特急マイドリーム…ここで仕留めます!」
ライデンを加速させ、特急マイドリームへ吶喊する。攻撃は装甲で受け止める。ライデンの装甲はヤワではないのだから。
縮む距離、激しさを増す攻撃、それでもなおライデンは突き進む。
「とった…!!沈めぇ!!」
フラット・ランチャーを数発撃ち込み、その砲身で特急マイドリームを空に打ち上げる。そして上空に向けてライデンの特徴的な武装が「花開く」。
「バイナリー・ロータスッ!!発射!」
真由那の叫び声とともに放たれたレーザーは特急マイドリームを包み込み、断末魔すら残さず、消し炭にした。
「任務完了…敵戦力の撃滅に成功…っと」



「………ふう、疲れた…ふぁ…」
真由那はライデンのコクピットの中で欠伸をしていた。彼女の任務もこれで終了だ。輸送部隊との合流ポイントまで、敵に遭遇しないルートで移動していた。
「合流ポイントで三谷澤くんと交代したら…やっと家でごろごろ出来る…しばらく任務には出たくないよー…」

END


最終更新:2018年06月24日 16:52