エピソード・みんあつ戦線:その2

みんあつ戦線の最前線より離れ、他の地域との境界線に近いエリア、そこに存在する飛行場に着陸していた輸送機「レイディバード」と木村真由那が乗るライデンが合流した。

「やるじゃねぇか、真由那」
ライデンをレイディバードのハンガーに固定し、コクピットから降りた真由那を三谷澤都築が出迎えた
すでに三谷澤はパイロットスーツを着込み、搭乗機であるテムジン747Hの準備が出来次第出撃するようだ。
「三谷澤くん、準備万端ですね」
「おうよ、真由那が敵勢力の一つの頭をぶっ潰したって聞いてな。でっかい戦果じゃねぇか」
「今までの戦いからしたら楽な話ですよ」
「そうだよなぁ…っと、そろそろ俺は出るぜ」
「武運を期待します」
「ははは、んじゃ、行って来るぜ!」

三谷澤はテムジン747Hのコクピットに乗り込み、機体の立ち上げシーケンスを行う。
「さーって、お仕事っと」
ハンガーのロックが解除され、レイディバードのカタパルトへとテムジン747Hを歩かせる。
この輸送機「レイディバード」は搭載機の射出カタパルトを持っており、機動兵器の母艦としての機能も有している。言い方を変えれば大型の戦略戦術輸送機サイズでありながら小規模部隊の母艦として運用できるのである。

「テムジン747H、三谷澤都築、出撃する!」
カタパルトからテムジン747Hが勢いよく飛び出し、みんあつ戦線の最前線へ向けて飛翔していった…



テムジン747Hのコクピット内で三谷澤は真由那から渡されたタブレット端末を見ていた。
タブレットにはターゲット…すでに真由那の手で撃破された「特急マイドリーム」の顔写真には「DISPOSED」(始末済)と書き込まれている。
他には何人かの顔写真があり、三谷澤はその中の一人「NNC」の顔写真をタップし、標的として表示させた。
「…ま、こいつらに恨みはねぇけど、仕事だからな」
三谷澤の独り言はそのままコクピットに掻き消えた。



みんあつ戦線にも雨が降る。それも熱帯系の地域につき物のスコールだ。
「ついてねぇぜ…!!バーチャロイドと言えども、この雨じゃあ油断してると流されちまう!!」
それでも襲ってくる敵は居る。しかもスコールの影響で視界は最悪、レーダー頼りの「計器操縦」ならぬ「計器戦闘」だ。
敵も同一条件、しかしバーチャロイドの場合、ダッシュ機動時のブースト炎が目立つ。
しかもさらに足場も悪く、うかつにジャンプ機動も出来ず、二次元的な回避機動でよけるしかない。
今はそれで何とかなっている、だが、敵に高機動の機動兵器が居る場合は?まずこの雨の中では足場は悪いから機動力は落ちる。
だが問題は撃ち合いだ。足場がさらに悪くなるかもしれない。
「ったく、最悪…だなっ!!」
足元をウロチョロする戦車を軽く跳び越しつつ、三谷澤はいったんこの場からの離脱を選択した。

まだ狩りは始まったばかり、ここで消耗するのは避けるべきだから…

END


最終更新:2018年07月06日 14:29