1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/21(日) 16:31:33.00 ID:ZZcFPSUd0
茜父「それじゃあ、行ってくるよ。茜」
茜父「それじゃあ、行ってくるよ。茜」
茜「いつ…帰ってくるの? お父さん」
茜父「今回はすぐ帰ってくるよ」
茜「前もそう言ってなかなか帰ってこなかった…」
茜父「ははっ…、そうだったかな…? でも今回は本当にすぐ帰ってくるよ」
茜「茜の誕生日までに帰ってくる?」
茜父「ああ、もちろんだとも」
茜「絶対だよ!」
茜父「約束するよ。だからお母さんと良い子にして待っててくれるかい?」
茜「うん!」
茜母「あなた…」
茜父「すまない…キミには心配ばかりかけるね…」
茜母「いえ…いいんです…。傭兵の妻となったときから覚悟はできています…」
茜母「でも…、せめてこの子には日本のちゃんとした教育を受けさせてあげたいって」
茜母「そう思うんです…」
茜母「地雷を気にしないで歩ける道を…歩かせてやりたいんです…」
茜父「今まで幾多もの戦地を駆け巡ってきた…」
茜父「でも、今回の仕事が終わったら日本に帰ろうと思うんだ」
茜母「ほ、本当ですか!?」
茜父「ああ。今回の雇い主は日本のコトブキという企業でね。報酬の支払の羽振りもいいんだよ」
茜父「今までの蓄えと合わせれば、日本で小さな店くらいは持てるだろう」
茜母「それじゃあ……!!」
茜父「こんな紛争ばかりの国でしか生きられない僕によく付いてきてくれたね」
茜父「茜は僕たちの生まれ故郷。美しい四季のある日本で育てよう」
茜母「あぁ…あなた…」
茜父「ところで茜。本当に誕生日プレゼントはこのユーフォニアムでいいのかい?」
茜「うん! お父さんのゆーふぉにゃむ!」
茜父「しかし、これは……。まぁいいか。楽器として使えないって訳でもないし」
茜父「この仕事が終わればコレも必要なくなるだろう」
茜父「でも、今回の任務に必要になるかもしれないから今は持っていくけど」
茜父「父さんが帰ってきたらこのユーフォニアムは茜のものだ」
茜「わーい!」
茜父「じゃあ、行ってきます。良い子にしてるんだよ」
茜「いってらっしゃい!」
数日後、私の望み通り、誕生日のプレゼントに父のユーフォニアムを貰えた
でも…そのユーフォニアムは血だらけで、父だけが帰ってこなかった
でも…そのユーフォニアムは血だらけで、父だけが帰ってこなかった
────
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────────────
────────
────────────
「茜…起きなさい…茜…」
茜「う…、うう~ん…」
茜母「おはよう」
茜「あ……、おはよう、お母さん」
茜母「もうすぐ着陸よ」
茜「ここが…お父さんとお母さんの生まれた国…」
茜母「そう…日本よ…」
茜「……」
茜母「茜…ごめんね…」
茜「ううん、お母さん」
茜「私、絶対にやり遂げてみせるから…」
茜「お父さんの────」
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平沢家
憂「おね~ちゃ~ん! 早く起きないと朝食べる時間なくなっちゃうよ~!」
唯「う~ん……むにゃむにゃ……」
憂「お姉ちゃん! 朝ごはん抜きだったらお昼まで持たないでしょ?」
唯「わたふぃ~、いくら食べても~太らないから~、……むにゃむにゃ……」
憂「もう! 夢の中でいくら食べてもお腹は膨れないよ!」
・ ・ ・ ・ ・
憂「はい、お姉ちゃん。トーストにバターとジャム塗ったよ」
唯「ありがとう憂♪」
『……それでは続いてのニュースです
中東のテロリスト組織がインターネット上で日本の琴吹インダストリー社に対し
テロの予告を出した事に関して、政府は今朝早くに伝家の宝刀である遺憾の意を表明
大臣は「遺憾の意が出れば全てが収まる」と話しておりこれ以上の問題は起きないとして
早々に事態の収拾がついたとの見解を────』
中東のテロリスト組織がインターネット上で日本の琴吹インダストリー社に対し
テロの予告を出した事に関して、政府は今朝早くに伝家の宝刀である遺憾の意を表明
大臣は「遺憾の意が出れば全てが収まる」と話しておりこれ以上の問題は起きないとして
早々に事態の収拾がついたとの見解を────』
憂「……」
唯「遺憾の意かぁ~…日本の遺憾の意ってかなり強力だって聞くから大丈夫そうだね」
憂「お、お姉ちゃん……」
唯「ん?なぁに?」
憂「琴吹インダストリーって言ったら、紬さんの家の会社だよ?」
唯「ええっ!? そうなの!?」
学校
斎藤「いってらっしゃいませ、お嬢様」
紬「い、いってきます…」
「「「「「いってらっしゃいませ! 紬お嬢様!!」」」」」
生徒A「な、なになに!? 黒塗りの車がいっぱい……!!」
生徒B「それに全身黒ずくめの人も大勢……」
ざわ…ざわ…
紬「さ、斎藤。もういいから…」
斎藤「お嬢様、もしなにかありましたらこの斎藤、すぐに飛んでお嬢様の盾となりますゆえ…」
「自分、紬お嬢様のために死ねるのなら本望です!!」
「わたくしも! この命、紬お嬢様にお捧げいたします!!」
「紬お嬢様のためなら火の中、水の中 核融合炉の中ッ!!」
「紬お嬢様!! この汚らしい豚めを踏んでください!!」
「「「「「「お嬢様!! お嬢様!!」」」」」」
紬「は、早く帰りなさーーーい!!」
紬「はぁ……」
和「なんだか大変ね。ムギ」
紬「あ、和ちゃん。おはよう」
和「おはよう。やっぱり今朝のニュース…」
紬「ええ…、本当にウチの会社が脅されてるみたいなの」
和「それって…」
紬「ああ、でも心配しないで。上層部の見解だと、今ウチの会社、急に海外進出を始めてて」
紬「それに反応した海外の同業者が裏で手を回してテロ組織に資金を提供して脅しているって…」
紬「おおよそ、そんな展開だろうって話だから」
和「マフィアのやりかたよね」
紬「ポッと出にいきなり自分の商売荒らされたらそうなっちゃうのもわかるわ」
和(この子も相当肝っ玉が座ってるわね…)
紬「それに…テロをするったって多民族国家ならまだしも
この日本だったら実行犯なんてすごく目立つと思うの」
この日本だったら実行犯なんてすごく目立つと思うの」
紬「きっと中東の方の人だと思うし…」
和「まぁね、武器の持ち込みすらも厳しいんじゃないかしら」
紬「うん。きっと大丈夫」
和「ええ、そうね」
紬「だから、私平気ですって言ったのに。お父様ったら護衛を付けるって…」
紬「なにもあんなに大袈裟にしなくったって…。私恥ずかしい…」
和「ま、まぁ親が子を心配するのは仕方ないことだと思うけど…」
和(でも、確かにあれはやりすぎよね…)
紬「しかも、学校の中の安全を徹底するのに私専用の用心棒も頼んだって…
流石にそれはお断りしたんだけど」
流石にそれはお断りしたんだけど」
和「へ、へぇ~……」
律「だからさ~…」
澪「うんうん…」
黒服軍団 ゾロゾロ……
澪「!?」
律「な!? なんだなんだ!!」
澪「ひ、ひぇ~~~!!」
律「おい澪! シッカリしろ!!」
律「黒ずくめ集団もいったいなんの用なんだよ!!」
澪「き、きっとあの時のアリだ……」ガクブル
律「あ、アリ!?」
澪「小学校の時、律がふざけて蟻の巣を埋めた…あの時の仕返しにきたんだ!!」
律「み、澪!?」
澪「人間の姿となって長年の恨みを晴らすためにやってきた……」
澪「お、お助け~~~!!」ガクブル
律(そう言えば、昨日澪に同じようなパニック映画の話をしたっけ……)
澪「あの時、私も明確には律の蛮行を止めようとはしなかった……」
澪「だから、私も一緒に食べられるんだ……!!」
澪「短い人生だった…せめて律と一緒に逝けるのが幸いだ……」
律「落ち着け澪!!」
紬「大丈夫よ澪ちゃん!!」
律「ムギ!!」
紬「ほら、御覧なさい! あなた達のせいで怯える人もいるのよ!!」
「「「「「申し訳ございません、紬お嬢様!!」」」」」
和「大丈夫よ澪。この人達はあなたを食べたりなんかしないわ」
澪「そ、そうか…冷静になって考えればそれもそうだな…」
和「ほんと、澪のような考え方する人なんて滅多に……」
唯「うわっ!! あ、アリが人間になって集団で攻めてきたーー!!!」
唯「小学生のときジョウロで洪水起こしてごめんなさ~~い!!」ビエ~~~ン!!
憂「お、お姉ちゃん!?」
和「……いたわ。それもとても身近に……」
・ ・ ・ ・ ・
唯「なぁんだ~…。私てっきり食べられちゃうかと思ったよ~」
澪「そんな訳ないだろ。まったく、唯にも困ったもんだな~」
律「……おい」
梓「おはようございます。先輩方」
唯「あ! あずにゃ~ん!!」
憂「おはよう、梓ちゃん」
梓「うん、おはよう憂…って朝っぱらから抱きつかないでください唯先輩!」
唯「よいではないか~」
梓「も~~…。ところで校門の前で黒い集団が学校を覗いていたんですけど…」
紬「…ごめんさない」
梓「?」
・ ・ ・ ・ ・
梓「じゃあ、今朝のニュースの琴吹インダストリーって
やっぱりムギ先輩の家のことだったんですね」
やっぱりムギ先輩の家のことだったんですね」
紬「騒がしくしちゃって…ごめんね」
梓「いえ、でも本当に大丈夫なんですか?」
紬「日本に居る限りは安全だと思うわ」
澪「でも、用心に越したことは…」
律「もし何かあったら私が守る!! 部長だし!!」
唯「私も!! お菓子食べたいし!!」
梓「唯先輩……」
唯「じ、冗談だよ~」
紬「うふふ、ありがとう。頼りにしてるわ」
澪「でも、本当にテロリストが現れたら…」
和「そんなに心配しなくても日本は安全よ澪」
澪「和がそう言うのなら…」
放課後
律「結局いつもと変わらないな」
梓「本当にテロが起こっても困りますけどね」
紬「言ったでしょ、大丈夫って」
澪「か、乾パンとか用意しなくても大丈夫かな…」
律「災害じゃないんだから…」
唯「イチゴ味の乾パンとかないかな~」
律「お前はそれ以前の問題だな…」
梓「あ、忘れるところでした」
唯「なに? イチゴ味の乾パンあずにゃんが持ってるの?」
梓「いえ…、そうじゃなくって。今日ウチのクラスに転校生が来たんですよ」
梓「なんでも、今まで海外を転々としてて、日本に来たのは初めてだって言ってました」
梓「それで、軽音部のこと話したら興味があるから一度見てみたいって」
律「本当か!? 思わぬところで新入部員がっ!!」
澪「でも、ずっと外国暮らしで日本は初めてって…言葉通じるのか…?」
唯「OH! ハラキリ! フジヤマ!」
律「ゲイシャ! テムプラ!」
紬「フタナリ! フジョシ!」
梓「なんでも親は日本人で、普通に日本語は話しますよ」
澪「へ~」
梓「明日にでも連れてきていいですかね?」
澪「うん、いいんじゃないか」
唯「ナイストゥーミーチュー!」
律「ウェルカム! ケーオンブー!」
紬「レッツレズビアン!」
澪「はぁ~……」
澪「お前らそのノリで逃げられたらどうするんだよ~」
律「冗談だって。明日は部長らしくビシッ!っとするよ~」
唯「どんな子なのかな~。楽しみだな~」
紬「明日は飛びっ切りいいお菓子と紅茶を用意しなきゃ」
唯「わ~い!」
澪「唯が喜んでどうする…」
唯「え…でへへ…」
澪「まったく…」
澪「で、どんな子だった?」
梓「結構大人しめで、唯先輩や律先輩とは正反対のような感じでしたね」
澪「そうか…きっと苦労してたんだな…」
律「なんだ~? それじゃ~まるで私たちが苦労知らずみたいな言い方じゃないか!」
唯「発言の撤回を要求する!」
澪「もう、鬱陶しいなぁ~」
梓「名前は三浦茜ちゃんっていうんです」
翌日 放課後
唯「お出迎え準備OK!」
紬「お茶とお菓子も準備万端よ」
律「よし! 梓、いつでも入ってきてもらっていいぞ!!」
澪「その心意気は買おう……」
澪「でも、なんでメイド服なんて着てるんだ!」
律「もてなしの精神だよ~」
澪「そんなんだから、梓しか新入部員が入ってこなかったんだろ…」
梓「ほら、そんなに怖がらないで、入ってきておいで」
茜「し、失礼します…」
律「よーーーこそーーー!!!!」
唯「かんげいーーー!!!!」
紬「いたしますわーーー!!!!」
茜 ビクッ!!
澪「だから怖がってるだろーーー!!!」
・ ・ ・ ・ ・
茜「は、はじ、はじめまふぃて…三浦茜でふ…」
梓「お、落ち着いて」
茜「ほ、本日はお日柄もよく…絶好のドラム缶風呂日和で…!!」
澪「なに言ってるの…?」
紬「はい、この紅茶飲んで落ち着いて」
茜「は、はひ…」ゴクッ
茜「……おいしい」
紬「よかった」ニコッ
茜「……」じ~~~っ
紬「なに? 私の顔になにか付いてる?」
茜「……ま、眉毛」
紬「やだ、眉毛はみんなに付いてるじゃない。面白い子ね」ウフフ
唯澪律梓 ドキドキドキドキ…
茜(この眉毛…間違いない…彼女が琴吹紬…)
・ ・ ・ ・ ・
唯「へ~、じゃあずっと海外にいたんだ~」
茜「は、はい…親がそういう仕事してて…」
唯「私の親もしょっちゅう仕事で海外に行ってるんだ~」
茜「そ、そうなんですか…」
律「仕事ってなに?」
茜「傭兵です」
澪「よ、傭兵!?」
茜「はい、紛争があるところ、父はどこにでも駆けつけました」
梓「世界って広いんだ…」
律「まさか、唯の親も傭兵だなんて…」
唯「まっさか~。お父さんはね……」
唯「あれ? そういえば、お父さんって何の仕事してるんだっけ?」
澪「おいおい、親の仕事も知らないのか…」
梓「時々、唯先輩が本気で心配になるときがあります…」
唯「家に帰ったら憂に聞いてみよう…」
紬「じゃあ、お父様は今も戦地で活躍を?」
茜「あ、あの…父は10年ほど前に死にました…」
紬「えっ!?」
茜「中東で…テロリストの手で殺されたって…聞きました…」
紬「そ、そうだったの…」
律(お、重い……)
澪 ブルブル…
律「ん? どうした澪?」
澪「三浦さん!! 何か困った事があるならいつでも言ってね!!」
唯「うわぁ! ビックリした!」
澪「私…いくらでも協力するからっ!!」
律「なんかスイッチ入っちゃったな…」
茜「あ、ありがとうございます。でも…私は大丈夫ですから…」
茜「母も元気ですし、特に困ったこと…ありません…から」
澪「なんて健気な…」ウルウル
律「と、ところでさ~軽音部に興味あるってことは何か楽器を?」
茜「は、はい…今日は持ってきてませんけど、明日持ってきます」
律「そっか~。楽しみにしてるよん♪」
茜「憧れます…」
律「え?」
茜「その…おでこ…」
律「そ、そんなの初めて言われた……」
茜「私が以前住んでた国では、女の人がそこまでおでこ出すだなんて考えられなくて…」
茜「えっと…だから、私、憧れてるんです。おでこ出すの…」
律「へ、へ~…」
唯「じゃあ、あだ名はデビちゃんで決定だね!!」
梓「なんでですか!?」
唯「いつかデコビッチって言われるように、願いを込めてデビちゃん!!」
梓(無理やりだな~……)
唯「よろしくね、デビちゃん!」
茜「は、はい…よろしくお願いします」
梓「嫌だったら言った方がいいよ?」
茜「うれしい…///」
梓「そ、そう? それならいいんだけど…」
茜「ところで、日本は凄いですね」
茜「こんな濁った水も普通に飲めるなんて…しかもなんだか甘くておいしいし…」
茜「本当だったらこんな濁った水飲んだらお腹壊します…」
茜「でも、私の住んでた国ではそんな水でも飲まなきゃ死んでしまうので…」
紬「あ、あのね…これは紅茶っていって別に濁ってる訳じゃ…」
茜「!? ご、ごめんなさいっ! 私、すっごく無知で…。羞恥心……」
紬「い、いいのよ。そんなに謝らなくたって(羞恥心?)」
茜「それに…この甘くてふわふわした物も初めて食べました」
唯「ケーキって言うんだよ!」
茜「そうですか…お母さんにも食べさせてやりたい…」
澪「三浦さん、私のケーキあげるよ。持って帰ってお母さんに…」
茜「いいんですか!? 大事な食料じゃないんですか!? 餓死しませんか!?」
澪「だ、大丈夫だよ。家に帰ったらちゃんと食べ物あるから」
梓「よかったら私のも持って帰って」
茜「中野さん…!!」
梓「もう、梓でいいって言ったでしょ?」
律「しゃ~ない、私のもど~ぞ」
茜「おでこさん…」
律「田井中律ね……」
紬「私も、ケーキとドライアイス付きの箱を用意するわね」
唯「わ、私も……食べかけだけど……どうぞ…」
澪「おいおい…」
茜「みなさん…ありがとうございます」
茜「日本は社会が豊かなだけじゃなくて、人の心も豊かなんですね」
プ~ン… チャポン
唯「あっ…デビちゃんの紅茶に虫が…」
紬「ちょっと待ってて、すぐ取り替えるから…」
茜 グビグビグビ……
澪「ああーーー!! 飲んじゃった…!?」
律「お、おい!すぐに吐き出せ!!」
梓「茜!? 大丈夫!?」
茜「えっ? 大丈夫…だけど…」
茜「むしろ、虫だって貴重なタンパク源だから…この機会を逃すかって勢いで飲んだけど…
もしかしてダメだった…?」
もしかしてダメだった…?」
律(さ、サバイバルな子だ…)
・ ・ ・ ・ ・
茜「あの…私、もうそろそろ…」
唯「なんで? まだ部活終了の時間じゃないよ?」
茜「購買のお昼の売れ残りが気になってて…
もし破棄するんだったら早いうちに貰っておこうかなって…」
もし破棄するんだったら早いうちに貰っておこうかなって…」
梓「そこまで!?」
茜「さすがに毎日草や虫だけだったらキツイかな…って」
澪「どんな生活を!?」
茜「だから…今日は失礼します!!」ダッ!!
紬「ああっ! 茜ちゃん!?」
律「行っちゃった……」
紬「す、すごい子ね…」
澪「そうだな…」
・ ・ ・ ・ ・
澪「よ~し、今日はこの辺にしとくか~」
唯「あっ!? デビちゃんカバン忘れてるよ!」
律「本当だ。でもケーキはしっかりと持って帰ってるな…」
梓「家まで届けてあげましょうか?」
律「でも、住所知らないぜ?」
紬「先生に聞いてみたらどうかしら?」
澪「そうだな、じゃあ職員室まで行くか」
────
────────
────────────
────────
────────────
律「なぁ?澪。本当にココで合ってんの?」
澪「先生に聞いた住所が間違ってなければココなんだけど…」
梓「でもココって……」
唯「公園…だよね…?」
紬「公園に住んでるだなんて素敵!!」
澪「もしかしたら、公園の敷地内に家を建てたとか…」
律「でも、そんなもの見当たらないけど」
唯「ねぇ、あの人に聞いてみようよ」
律「そうだな。すみませ~ん!!」
茜「……あ」
梓「あ、いた」
澪「本当にココなんだな…」
唯「ヤッホー、デビちゃん」
茜「こ、こんにちは。よくうちがわかりましたね」
澪「うん。先生に聞いたんだ」
紬「はい、これ。茜ちゃんのカバン」
茜「あっ…。すみませんわざわざ届けていただいて…」
茜「…さっきみたいな濁った水とかなくって…何もお構いできませんが…
よかったら上がっていってください」
よかったら上がっていってください」
律「う、うん…おじゃまします(って言ったほうがいいのかな…?)」
梓(普通の公園だよね…まさかこの公園の持ち主とか!? 実は意外とお金持ち!?)
唯「さっきから何してたの~?」
茜「草むしりです。勝手にこの公園で住まわせてもらってるので…
せめて綺麗にしとこうかな…と」
せめて綺麗にしとこうかな…と」
梓「……」
唯「へ~。偉いね~」
茜「いえ…元々好きなんです…草むしり…」
澪「ああ…そうなんだ…」
茜「あの…草って意外と根っこが長かったりするんです
地面から出てるのがコレっぽっちなのに、根っこがこんなに!?
ってことがしょっちゅうで、そのギャップに驚かされたり」
地面から出てるのがコレっぽっちなのに、根っこがこんなに!?
ってことがしょっちゅうで、そのギャップに驚かされたり」
茜「なんとか根っこを千切らずに引っこ抜いたり
逆に根っこだけ残すとまた生えてきたりするのが逞しいなって思ったり」
逆に根っこだけ残すとまた生えてきたりするのが逞しいなって思ったり」
茜「だから、草むしり…すごく楽しいです…ずっと、一人でやってます…」
澪(なんだろう…すごく泣きたい…)
茜「す、すみません…こんなとこで話し込んじゃって」
茜「あのすべり台が私の部屋なので、どうぞ自由に寛いでください」
紬「まぁ! すべり台のお部屋なんて素敵!! 憧れるわ~!」
律(ムギが言うと皮肉にしか聞こえないよ…)
唯「ところで、デビちゃんなんで古代ローマ時代みたいな布1枚の格好なの?」
澪(唯…そこはあえてみんなツッコまなかったんだ…きっと…)
茜「あの…ちゃんとした服って学校の制服しか持ってなくって」
茜「普段の生活で制服着てたらすぐに汚れちゃうので…」
茜「でも、布だったら私はなんでもいいんです」
唯「へ~っ、そうなんだ~」
茜「ごめんなさい」
唯「ううん。カッコイイよ!!」
茜「えっ…」
唯「私も部屋着はデビちゃんみたいにしようかな~」
律「やめとけ…」
・ ・ ・ ・ ・
律「そ~ら! 行くぞ~!!」スイ~ッ
澪「おい!押すな律! 危ないだろ!?」
紬「あはははは~♪」スイ~ッ
唯「あずにゃんは私と一緒にアベックすべり台に挑戦ね」
梓「なんですかそれ!?」
・ ・ ・ ・ ・
律「ふぃ~っ、すべり台ではしゃぐなんて何年ぶりかな~?」
澪「い、意外と盛り上がったな…」
紬「みんなで一緒にすべり台するの夢だったの♪」
梓「でもさすがにすべり台に住むっていうのは…」
唯「なんで~?楽しいじゃん!!」
梓「いや…楽しいとかっていう問題じゃ…」
澪「三浦さん、よかったらウチに泊まりにきてもいいよ」
茜「あ、あの…茜でいいです…」
澪「そ、そう?」
茜「はい…」
律「じゃあ、澪んちの次は私んちにおいでよ茜」
唯「あ! いいね~。かわりばんこにお泊り?」
茜「お気持ちはうれしいんですが、私、屋根や壁があるところってあまり落ち着かなくて…」
茜「昼間はまだいいんですけど、夜寝るときは爆撃で瓦礫に埋まると怖いので…」
茜「それに夜襲があってもすぐに逃げれるって利点もあるんです…野宿には…」
澪「いや…日本は平和だから大丈夫だよ」
茜「はい…わかってはいるんですけど、どうしても無理なんです」
澪「そ、そっか…まぁ、無理強いはよくないからな…」
唯「毎日がキャンプなんだね!」
紬「すごいわ!」
律「お前ら、絶対その大変さをわかってないだろ…」
唯「あ! でもお風呂とかどうするの?」
茜「そこにあるドラム缶に水を汲んで…幸いそこの水道から水はタダで手に入るので」
梓「ま、まさか…!!」
茜「うん。薪をくべてお風呂を沸かすの…ダメ…かな?」
澪「そ、外でか!?」
茜「一応そこの入り口からは死角になる所で目立たないようにはしてるんですけど…」
茜「堂々としてれば意外と見られないものですよ」
律「確かに…裸で堂々としてたら逆に見ちゃいけないような気がするもんな」
梓「っていうか、きっと触れたくないんでしょうね。なにか面倒に巻き込まれない内に」
紬「よかったらウチのお風呂に『みんなで』入りに来てもらってもいいのよっ!!!」
唯「わ~い! ムギちゃんちのお風呂って広そ~」
澪「なんでそんなに必死なんだムギ?」
・ ・ ・ ・ ・
茜「あの…みなさん喉渇きませんか?」
律「う~ん…そういえば」
茜「私、水汲んできますね」
澪「ああ…別にいいよ。そんな気を使わなくても」
茜「でも…。じゃあ、せめて食べれる虫捕まえてきます!」
梓「茜! 私たちには少しハードルが高いかもっ!!」
律「せめて食べられる草にしといてくれ!!」
茜「ちょっと待っててください。探してきますから!」
澪「あ、あの…あんまりがんばらなくてもいいよ~…」
茜「きゃ~~~~~~っ!!!」
律「な、なんだ!? どうした!!」
紬「茜ちゃん!!」
梓「何があったの!?」
茜「ば、ばばば、……」
唯「ば?」
茜「バッタが出たーーーー!!!!」
紬「茜ちゃん、バッタが苦手なの?」
茜「ば、バッタが私たちの農作物を…悪魔の使い…」ガクブル
澪「ああ、蝗害か…」
唯「こうがい?」
澪「テレビなんかで見たこと無いか? 辺り一面にバッタが大量に飛び交って…」
澪「って…自分で言ってて気分悪くなってきた…」
梓「草も農作物も全部食べちゃうんですよね…」
茜「怖い…バッタ…怖い…」ガクブル
唯「デビちゃんをいじめる奴めっ!! シッシ!!」
バッタ ピョ~ン
唯「もう大丈夫だよ、デビちゃん」
律「しっかし、怖がり方が尋常じゃないな…」
紬「それほど辛い思いをしたのね…」
澪「茜。日本で蝗害が起こることなんてないから安心しろ」
茜「ほ、本当…ですか…?」
紬「ええ。大量発生する条件が整いにくいと言われているわ」
茜「そうですか…、すみません、取り乱して…」
紬「いいのよ茜ちゃん、誰にだって苦手なものがあるんだから」
・ ・ ・ ・ ・
茜「ごめんなさい……。結局、虫を捕まえることができませんでした…」
澪「き、気にするな!」
律「そうそう、むしろ良かったっていうか…」
茜「でも、学校で私はおよばれしたにもかかわらず。 恩知らずなヤツです…」
梓「茜……」
茜「せめてそこの蛇口からお水を飲んでいってください…」
澪「あ、ありがとう…」
唯「デビちゃん。購買で余り物貰えなかったの?」
茜「はい…今日は全部売り切れてたみたいで…」
紬「じゃあ、今日のご飯は…」
茜「いただいたケーキがあるのでカロリーには困らないと思います」
茜「生きるだけなら、一週間は水だけで余裕ですね」
澪「い、一週間……」
紬「でも、それじゃ…」
茜「母が食料を調達してくれてると思うので」
茜母「茜、今帰ったわよ」
茜「あ、お母さん」
茜母「あら? みなさんは?」
茜「学校の…お、お友達…」
茜母「あらそうなの? 初めまして茜の母です」
軽音部一同「こんにちは~」
茜「お母さん、こちらの琴吹先輩から…ケーキをいただいたの…」
茜母「まぁ! ケーキなんてもうずいぶんと食べてないわ」
茜母「よろしいの?」
紬「はい、どうぞお召し上がりください」
茜母「それじゃあ、お返しに今日は晩ご飯食べて行ってもらおうかしら?」
茜「今日は何捕ってきたの?」
茜母「今日はそこの河原の茂みから……ほら!」
茜「うわぁ! 美味しそうなヘビ!! ご馳走だね!! 早速火を起こすよ」
澪「へ、、、、ヘビッ!! う~~~ん……」バタンキュー
律「み、澪っ!?」
茜母「あら? そちらのお嬢さんはどうなさったの?」
梓「いえっ、その…うわっ…! こっちにヘビを向けないでください…!!」
紬「あの…私たちは今日はこの辺で…(さすがにヘビは食べられないわ…)」
唯「き、今日は憂がハンバーグ作るって言ってたからなぁ~…」
律「私も…澪を家に送ってやらないといけないし…」
茜母「カエルもあるけど?」
軽音部一同「し、失礼しますっ!!」ダーーーッ!!
茜母「残念ね~……」
・ ・ ・ ・ ・
茜「ごちそうさまでした」
茜母「明日は近くの小学校で鶏でも捕ってこようかしら…」
茜「鶏肉ってカエルの肉に似てるんでしょ?」
茜母「ええ、そうね…お母さんも日本にいた頃はよく食べたものよ」
茜「私カエル大好きだから、きっと鶏もおいしいよね」
茜母「ところで茜。さっきの琴吹さんって…」
茜「うん…今回のターゲットになってる人」
茜母「どう?大丈夫そう?」
茜「大丈夫よ、お母さん」
茜母「そう…あなたなら大丈夫だとは思うけど…」
茜「失敗はしないわ…」
茜母「そうよね…やっとあの人の仇を討つことができるんですもの…」
茜「うん…お父さんの…無念を晴らす……!!」
茜「この…お父さんのユーフォニアムでっ……!!」
つづき
つづき