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三浦茜まとめ@wiki

vdxg0氏

最終更新:

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だれでも歓迎! 編集
296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/19(金) 15:46:54.69 ID:+L0/vdxg0
やっと規制解けたー!!
暇だったんで規制中に書いた茜視点の小説うpするぜい!

 プロローグ

 その日の私はお腹を空かせていた。
 だから急いで購買部へ駆けて、あんパンとクリームパン、それから焼きそばパンをそれぞれ三つずつ買った。
今すぐにでも食べたかったけど、歩きながら食べるのは行儀が悪いから駄目だってパパに言われていた。
でもどうしても食べたい。教室に戻るまでなんて待ってられない。
どこか食べる場所はないか、と目を泳がせているとそこには音楽室があった。
「……ここなら誰もいないし、少しくらいならいいよね」
 誰に言うわけでもなく、自分に言い聞かせて私はノブに手を掛けた。
 そして、あの音が聞こえてきたのだ。

 ――ジャーン、ジャンジャン、ジャーン。

 私の頭の中のものを全て掻っ攫うかのように全てを持っていく。
 決していい音ではなかった。だけど、どこか落ち着く。乱暴な音だったけど、私は好きだと思った。
「まだかな、まだかな」
 同時にその音はギターであることも分かった。
 そして演奏していたのはふんわりとした髪の女の子だった。
 私は転校してきたばかりなので、その子が同学年であるのかすら分からない。
「……何を待っているんだろう?」
 その子は窓際に腰掛け、まだかなー、と言ってはギターを鳴らす。ひたすら誰かを何かを待っている様子だった。
「――まさか!」
 そう、私は気づいてしまった。女の子は遠い目で空を見上げている。
「――宇宙人だ。宇宙人と交信しているんだ……」
 その昔、パパが言っていたことを思い出した。


298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/19(金) 15:47:56.56 ID:+L0/vdxg0
『茜、宇宙人は信じるか?』
『うんっ。信じる! でもどうしたら会えるの?』
『さあ、パパにも分からないよ。でもパパが東南アジアへ派遣されたときに聞いたことがあるんだ。
現地の人が言うには、宇宙人は音で会話するそうだ。だから、こちらがやさしく音を奏でれば、向こうも音で返してくれる。
民族音楽が伝統として残っているのは宇宙人と交信するためだって言い伝えもあるんだ。
茜も大きくなったら音楽を始めてごらん。もしかすると宇宙人と会話出来るかも知れないぞ』
『うんっ、やってみるー。そしたらパパにも聞かせてあげるね』
『ははっ。楽しみにしてるよ、茜』

 それから私は母の薦めでユーフォニアムにチャレンジしたが、宇宙人とは交信できないまま、
一度コンクールで入賞しただけで終わってしまった。そこで私は諦めてしまったのだ。
 あの女の子は宇宙人と交信できるのだろうか。本当に宇宙人と交信できるのだろうか。
 好奇心が私を掻き回し、扉の向こうの真意を確かめようと身を乗り出す。
 大きな体を隠すのに精一杯だった。
 だから抱えていたパンを落としてしまった。
「誰!? りっちゃん? 澪ちゃん?」
 女の子が気づいて私へと近づいてくる。
 だめだ、見つかってしまう。
「紬ちゃんかな? それともあずにゃん?」
 パンを拾おうとして二個、三個と落ちていく。
 焦ってしまって旨く拾えない。
「もおー、遅いよー。わたし寂しかったんだからー。あれ?」

300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/19(金) 15:48:36.47 ID:+L0/vdxg0
 勢いよく扉は開かれる。
 が、そこには誰もいない。
 私は逃げ出していた。
 パンを落としながら階段を駆け下り、廊下の壁に背を預ける。
 上の方からは女の子の戸惑う声が聞こえていた。
「あれー? おかしいなー。誰かいると思ったのに……ん?」
 女の子が何かに気づいた。
「うわー、パンだー! たっくさんあるー。きっとさわちゃん先生の差し入れだねー。
ううっ、ありがとう、先生! 今日の部活頑張るよ」
 そんな声が聞こえた後、音楽室の扉は閉まる。いや、そこは音楽室ではなかった。
小さい文字で『軽音楽部』と書いてあったのだ。
揺れる札を見て私はため息を吐く。
「……ああっ……私の……パン……」
 追い打ちをかけるようにぎゅるるる~と放課後の廊下へ響いた。
 お腹は一杯にならなかったけど、私は見てしまった。
 あの子は宇宙人と交信していた!

「……私も軽音楽部へ入れば宇宙人と交信できるようになるのかな」

 なんでだろう。もう音楽はやめたはずなのに。宇宙人との交信は諦めたはずなのに。
 聞こえてくる音を聞いていると私の心の奥にずしりと大きく響いてくる。
 私はいつの間にかユーフォニアムの指使いを思い出そうとしていた。
「うん、まだ覚えてる!」

 この決意が、私を大きく変えることになるとは、今はまだ、誰も知らない。

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