第七十八話:(二度目の)
そろそろ最上階のはずだ。
あそこにバルキーの死体が見える。
あそこで階段は終わりみたいだ。
E「!!」
一「みんな!!」
私達は駆け寄った。
一歩さん果てを話したのでミミは地面に着地し、目の前にある地獄絵図を目の当たりにした。
ミミは言葉を発したり動いたりも出来ないようだ。
だがそれよりも前に、私は進さんの元へ駆け寄った。
E「進さん!!」
進「・・・・・」
E「進さん!!」
進さんの背中には剣が突き刺さっていてとても生きているとは思えないような状態だった。
だがまだ血の輪が広がっている所をみると死んではいない。
私は更に呼びかけ続けた。
花「ペレンネ!!大丈夫!?しっかりして!!」
ペ「・・・ぅ・・・」
花「ペレンネ!!」
一「スピア・・・、いないの?」
ス「い、いるよ・・・」
一「どこ!?」
ス「こっち・・・」
一「そこか!待ってて!」
アイクの羽が散らばっている辺りを捜す。
剣と血が辺りに散っている。
一「アイク!スピア!」
ス「一歩くん・・・」
一「スピア!怪我はない!?」
ス「ボクは大丈夫・・・。だけど、アイクくんが・・・」
アイクの身体には剣が幾つも刺さっている。
一「酷い・・・。でも、死んではないみたい。まだ胸が動いてる。奇跡に近いけど・・・」
ミ「酷・・すぎるよ・・・」
進「・・・ぁ・・・」
E「進さん!!」
進「・・・E・・V・・・」
E「進さん、しっかり、しっかりしてください・・・」
進「・・・あぁ・・・ゴホッ」
進さんは口から血を吐いた。
E「進さん!」
進「へへ・・・まだ出る血があるか・・・」
E「何を・・・」
進「最後に・・・お前に会えて良かったよ・・・」
E「最後って!」
進「こんなになって・・・死なない訳無い・・・」
E「そんな事言ってたらホントに死んじゃいますよ!!そんな事言わないで下さい!!」
進「見たところ・・・歩美も未歩も・・・大怪我はしてないみたいだな・・・」
E「?」
進「二人に・・・伝えてくれ・・・先に逝っちまうけど・・・お前達と居れて・・・良かったって・・・」
E「自分で言って下さいそんな事!!」
進「EV・・・今度こそ無理だ・・・そんなに何度も奇跡なんて起きやしない・・・」
E「・・・・」
進「ゴメン・・・」
私は進さんに抱きつく。
バングルが触れ合い鈴のような音が鳴った。
進「・・・?」
俺の耳にEVが何か呟いているのが聞こえたような気がした。
…いや、気のせいだろう。死を間近にして幻聴が聞こえたらしい。
なんて言ったって、意味のわからない事を話してたんだから。
全部聞き取れた訳じゃないが、「半人半馬の賢者」、「ケイロン」という言葉が聞こえた気がした。
そんな意味のわからない事をEVが言うはず無い。
俺ももう終わりか・・・。
一「?これは・・・?」
花「光が・・・」
ミ「・・・みんな光ってる・・・」
その言葉を聞き、閉じかけた目で自分を見る。
光っている。
いつか見た光に近い。
そうだ、EVに告白したあの時の光。
進「・・・まさか・・・また奇跡が・・・?」
みれば俺の身体を貫いていた剣が消えている。
俺はゆっくりと立ち上がった。
進「ぐぅ・・・」
花「進くん!」
進「全快じゃないが・・・おそらく・・・また生きながらえた・・・」
そこで俺は目の前が真っ暗になって倒れた。
最終更新:2009年01月26日 10:51