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第九十四話:カモ

第九十四話:(カモ)


ギャラルと私達は剣に乗って空を飛んでいた。
この剣は一体どんな仕組みになっているのかギャラルに聞いてみる。

ギ「さあな。“無限の可能性”を秘めてるとだけ言っておこうか」

聞かなきゃ良かった。
EVが震えながら私にしがみついているので身じろぎも出来ない。
この状態があとどのくらい続くのかギャラルに聞く。

ギ「オレの運次第だ。早ければあと一分、遅ければ一時間以上」
E「い、一時間!?そんな・・・」
ギ「嫌なら降りろ」
E「嫌ですよ!!」

EVは半泣きで叫んだ。
ギャラルはそれを見て鼻で笑うと遥か上空の地点から地面を眺めた。

ギ「・・・運が良かったらしい」
歩「え?」
ギ「ちょうど良いカモを見つけた」

その言葉と共に急降下した。
EVの悲鳴が結構遠くまで響いた。
EV・サウンズ、名前の通り。

歩「カモってなに?」
ギ「オレの仕事の相手になってくれる奴だ」
歩「?」

ギャラルと私達は原っぱに降りた。
EVは大地を抱きしめる。
ギャラルは迷うことなく一直線に進んだ。
逃げることも出来るが、何をするのか知りたくて私はギャラルに付いていった。
EVも私についてくる。

ギ「おい、そこのガキ」
「え?はい?」

ギャラルから声をかけられたのはロコンだった。
まだ小さい、子供のようだ。
そのロコンはギャラルを見て警戒するように少し毛を逆立てた。

ギ「・・・やっぱり何かあるみたいだな」
「何が・・・、ですか・・・?」
ギ「お前、どんな力を持ってる?」
「!」

ロコンは耳を伏せつつも毛を逆立てた。

ギ「ま、何が出来るかは問題じゃない。オレが欲しいのはお前の命。理解したか?」
歩「!ギャラル!あんた何いってるの!?こんな子供まで殺す気!?」
ギ「それがオレの仕事だ」

ギャラルは無表情に言うとロコンに近づく。
ロコンもそれに合わせて後ずさりしていく。
私はEVの時と同じくギャラルの前に立ちふさがった。

ギ「邪魔だ、退け」
歩「退かない。こんな子供を目の前で殺されてたまるもんですか」
ギ「オレだってやりたくてやってる訳じゃねえよ」

ギャラルはそう言うと私を押しのけて剣を出した。

ギ「悪いな。死んでくれ」
「っ・・・」
歩「ダメ!!」(バッ!)


ドゴッ!!


ギ「ぐおぁっ!!」

ギャラルは私から体当たりされると吹っ飛んだ。
あの時と同じような力だ。

歩「絶対に殺させないから。私の前では誰も殺させやしない」
ギ「ちっ・・・」

ギャラルは多数の剣を出してきたが、思い直したのか全て消した。

ギ「ったく・・・、今回だけだぞ」
歩「全部止めてみせる」
ギ「・・・ガキ、もう用は無い。失せろ」
「・・・・」

ロコンはちょっと走ると私の方を振り返った。

「ありがとうございました。えっと・・・」
歩「歩美よ。お礼は良いから」
「はい・・・」

ギャラルはまた移動するらしい。
もの凄い形相で睨まれたので反抗も出来ず私とEVは付いていった。


最終更新:2009年01月25日 22:07
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