第九十五話:(神の金庫)
明らかに機嫌悪くギャラルは移動していた。
どこに行くのか聞きたかったが今聞いたら間違いなく火に油を注ぐ。
仕方なく震えるEVをなだめながらギャラルの目的地に着くまで待った。
数分後・・・
私達は海辺の辺りに降りた。
ギャラルの機嫌が直っているのかわからなかったがどこに来たのか聞いた。
ギ「ここはナギナタ海岸。この時期ならカモになる奴が大勢いる」
私は顔をしかめたがギャラルはどこ吹く風で歩き始めた。
逃げる訳にはいかない、ギャラルに殺される人が居るかもしれないなら止めないと。
また大地を抱擁しているEVを引っ張りギャラルの後に付いていった。
海岸線を長いこと移動していると、海に乗り出した崖の下にたくさんのポケモン達が集まっている場所を発見した。
ギ「あった。ここで一仕事するか」
ギャラルはその中に進んでいった。
無論私達もギャラルを追いかけて中に入る。
大きい小さい、水に炎、多くの種族のポケモン達が対立することなく集まっている。
色んな情報が行き交い、そこはかなり賑わっている。
歩「何なのここ?」
ギ「トレジャーハンターとか何とかのたまり場だ。神の金庫なんて呼ばれてる。ここにはこのご時世に宝探しで一山当てようとしてる連中が大勢いる」
E「男のロマンって奴ですか?」
ギ「オレに聞くな、オレはそんなもんに興味はない」
まあ、男のロマンとEVは言ったが女の人も結構いる。
ギャラルはどんどん進んでいき、外側よりもっと盛り上がっている所にやってきた。
即席の闘技場らしい。
歩「あんたまさか・・・」
ギ「そのまさかだ。ここなら殺されようが何しようが誰も文句は言わない。外野は手出し出来ないしな」
歩「・・・・」
今既に勝負が行われている。
ニューラが一人に対してゴローニャゴーリキーの強面二人組。
一見するとニューラが不利だ。
ギ「・・・・」
ギャラルはニューラを少し見ると、外野を押しのけて前に進んだ。
私達も踏まれそうになりながら他のポケモン達の足下を通りギャラルを追う。
よく見えないのでギャラルの頭に乗った。
特に引きずり降ろそうとかしてこないのでそのまま戦っているのを見る。
ニューラはジリジリと後ずさりしてギャラルのいるすぐそばまで来た。
赤い耳に付けている剣の形のピアスがよく見えた。
ギ「焦らしたり手加減してやることはない、さっさと潰せ」
ギャラルが言うとニューラが一瞬だけギャラルを見た。
「こっちにはこっちなりの戦い方がある」
ニューラは円を描くように移動を始める。
声を聞いてわかったが女性らしい。
歩「あの人不利なんじゃない?」
ギ「どうかな。タイプだけで見るもんじゃない、戦いに真に必要なのは、経験、戦いのスキル、冷静な判断力、それと力だ」
ギャラルは“力”を強調して言った。
その時遂にニューラが動いた。
素早く飛び出すと、ゴローニャの顔面を冷凍パンチで殴り、ゴーリキーのあごにアッパーを決める。
その一撃で二人組は倒れた。
周りに歓声が湧く。
ちょうど私達の後ろでドゴームが叫んだので私は気絶しかかった。
ニューラは観客を見回している。
そしてギャラルに目を留め、勝ち誇ったようにニヤリと笑う。
その時、ゴローニャが起きあがりニューラを羽交い締めにした。
「!誰がワタシを抱きしめて良いなんて言ったよ?」
さも不快そうな顔をするとゴローニャを睨み付ける。
その瞬間、ゴローニャの体が凍り付き始めた。
完全にゴローニャは凍結し、ニューラはするりと抜け出した。
「誰かこの置物要るか?コートかけにちょうど良いぞ」
周りから笑いが起こる。
正直私とEVは笑える冗談ではないと思った。
「次、誰かワタシに挑戦したい奴はいるか?いないなら賞品はワタシが頂くぞ?」
ギ「オレが相手になる」
ギャラルが言った。
あのニューラが今度のターゲットか。
歩「殺させない。私もやるわ」
E「本気ですか!?」
歩「誰も殺させやしない」
私とギャラルはステージに入る。
「なんだお前等?ザングースにイーブイ、見たこと無い連中だな」
ギ「今日はちょっくら仕事に来たんでな。オレはトレジャーハンターじゃない」
歩「私も」
「・・・まあ、なんでも良い。行くぜ」
ニューラが突っ込んできた。
最終更新:2009年01月25日 22:13