第九十六話:(出世魚)
ギ「よっ」(サッ)
歩「っと」(ヒョイ)
私とギャラルは攻撃をかわした。
なかなか速かったが身長の差があったので避けやすかった。
「なかなかやるみたいじゃないか」
ギ「そうかもな」
歩「・・・・」
「お前、名前はなんて言うんだ?」
ギ「名前を聞くなら自分から名乗れ」
「・・・ワタシはリズ・カトエラ・シャルルート。黒薔薇のリズだ」
ギ「黒薔薇ねぇ?ククク・・・。オレの名はギャラル。ギャラル・ホルン・ミーミルだ」
リ「おかしな名前だな」
リズはクスクスと笑った。
私は別に名前を聞かれてないので何も言わない。
ギ「・・・お前、この試合降りてくれないか?」
リ「なんだって?」
ギ「勝負は見えてる。それにだ・・・」
ギャラルは顔の前で握り拳を作った。
ギ「お前を殺したくない」
歩「!」
ギャラルが何を言っているのか一瞬わからなかった。
殺しに来たのに殺したく無いだなんて・・・。
でもふざけている様子は微塵もない。
真顔でリズを見据えている。
リ「・・・ふざけるなよ?ワタシに試合を降りろだと?冗談じゃない、今まで勝ち抜いてきて大量のお宝がワタシのものになるかもしれないんだ、降りてたまるか!」
ギ「一つ言っておくがお前を殺すことなんて造作もない。現状況でオレはお前を四通りのやり方で二秒以内に殺せる」
その言葉は明らかにリズの気に障ったようだ。
リズはさっきよりも速く飛びかかった。
ギ「遅い。それに力もない」(サッ)
リ「黙れ!」(ヒュッ!)
ガシッ!
リ「!!」
ギャラルは引っ掻こうとしたリズの手を掴んだ。
そしてその手をしげしげと眺める。
ギ「やっぱり爪に毒を塗ってるみたいだな。幼稚な手だ」
リ「放せ!!」
ギ「やる気満々なのはかまわんが、オレは勘弁だ」(ヒュッ!)
ドゴッ!!
リ「ぐはっ・・・」(ガクッ)
リズはギャラルから腹を殴られ気絶した。
また周りから歓声が上がる。
私は結局何もしなかったが、それならそれで良い。
私の目的は戦う事じゃなくてギャラルが誰か殺そうとするのを止めることだから。
E「ギャラルさん、彼女を殺す気はないみたいですね?」
歩「ええ、何でかはわからないんだけど・・・」
ギャラルはその頃誰も挑む人が居ないか確認してからステージから出てきた。
賞品を渡されるらしいがギャラルは要らないらしい。
賞品は宝石や金貨に銀貨、その他色々な宝物がたくさん。
誰もが夢に見るような光景だ。
ギ「賞品は要らない。さっきの女、黒薔薇のリズをよこせ」
私とEVはギャラルをまじまじと見た。
何でリズを要求するのか意味がわからない。
聞いてみた。
ギ「ただの雑魚には興味ないが出世魚には興味があるんでな」
要領を得ないが、とにかくリズの何かに興味があるんだろう。
私には関係ない話だが。
最終更新:2009年01月25日 22:17