第九十八話:(黒薔薇)
ちょうどその時、リズが目を覚ました。
リ「う・・・」
E「大丈夫ですか?」
リ「・・・?お前は・・・?ここはどこだ・・・?」
ギ「鎬山(しのぎやま)の麓だ」
リ「!ギャラル・・・。そうか、ワタシが負けて・・・」
リズは一瞬考えると、はっと気付いてギャラルに聞いた。
リ「お宝!ワタシと戦って勝ったならお宝があるはずだ!どこだよ!?」
ギ「宝なんてもんにオレは興味ないね」
リ「はぁ!?ふざけるなよ!じゃあなんでワタシとあそこで戦った!!宝が欲しいんじゃないなら何を望んでたんだよ!」
ギ「お前の命」
リ「!・・・言ってることが矛盾してるぞ。戦ってた時にはワタシを殺したくないって言ってた」
ギ「それも本当だ。だがお前の命を取ろうとしてたのも事実、なぜならそれがオレの仕事だからだ」
私は遂にそこで聞いた。
歩「仕事仕事って言うけどギャラルの仕事って何なの?殺し屋?」
ギ「違う、金なんかの為に人を殺すか。正確に言えばオレが本当に必要としてるのは魂だ」
E「魂・・・」
ギ「生きている全てのものに魂はある。オレは魂を得たい奴を殺すことで魂を身体から追い出してる。それがオレの仕事だ」
E「なんでそんな仕事を?」
ギ「・・・時が来ればわかるだろう、お前達にもいずれ降りかかる災難だ。オレは出来るだけ長生きしたい。殺しちまった奴の分までな」
歩「あんたがそんな事言うなんてね」
リ「・・・よくわからないが、結局お宝はないって事だし得るものもホントに何もない!全く・・・、時間の無駄だ、帰らせてもらうよ」
ヒュッ! ドスッ!!
リ「!」
ギ「そうはいかねえな。リズ」
ギャラルはリズの腕を鷲掴みし、自分の目の前まで引き寄せた。
ギ「オレは宝なんぞ煮興味はないが、磨く前の原石・・・、それもとびきり上玉になれる素質を持った原石になら興味はある」
リ「はぁ!?」
ギ「お前には才能がある。一目見てわかった。お前の魂はその才能で輝いてたんだ。だがそんな奴を殺してしまうのは惜しい、オレは強い奴が増えれば増える程気分が良い。だからお前を生かした」
リ「何が言いたいんだよ?」
ギ「オレが、お前を磨いてやる」
ギャラルはニヤリと笑う。
リズは目を細めて睨んだ。
ギ「お前を強くしてやるよ。何もかも、オレの技術を叩き込んでやる。まあさすがに・・・、“無限の可能性”を与える訳にはいかないが、そんなもの無くても十分お前は強くなれる」
リ「ワタシは良いと言った覚えはない」
ギ「お前に選択権はない。お前はオレに生かされた、死にたくなければオレに従え」
リ「私は一人が好きなんだ。お前達となれ合っていくのはゴメンだよ」
ギ「じゃあ死ぬか?」
リ「それは・・・」
ギ「死にたくないだろ?オレだって殺したくない。だが仕事をやめにしてまで生かしておいたお前がオレを裏切るなら報復が必要だ」
リ「・・・・」
リズに反抗出来る余地がない。
リ「・・・わかった、だけど、ワタシのルールを少し言うからね」
ギ「オレが呑めないルールは無しだ」
リ「まず一つ、ワタシが宝を探す時お前も協力する」
ギ「呑もう」
リ「二つ、無論ワタシの本業のトレジャーハントをやらせろ。これがないと最初のルールも意味がない」
ギ「・・・ま、良いだろう」
リ「三つ、ルールが守れなかったら即、ワタシは出て行く。有無は言わせない」
ギ「これは易々と承諾出来ないな」
リ「・・・まあいい。じゃあ手始めにトレジャーハントだ」
ギ「な!?早速かよ!」
リ「当然だ。鎬山の近くにまで来たことだしな」
ギ「・・・・」
歩「楽しそうね」
E「私達も行きます」
お宝のロマンは男も女も追いたくなるものよ♪
最終更新:2009年01月25日 22:25