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第百話:気分は日本晴れ!

第百話:(気分は日本晴れ!)


わたし達は部屋に戻ってきた。
みんなはそれとなく部屋に散らばって感づかれないようにする。

未「良い?練習通りやれば良いんだからね」
キ「うん・・・」

とりあえず姉ちゃんの真似をしてキリクと寄り添う。
そしてそのままわざとらしく兄ちゃんの前を通り過ぎる。
ちょっとだけ振り返って反応を見たが、無視されている。

未「ダメか・・・(小声)」
キ「もっとそれっぽい感じがあった方が?(小声)」
未「どうするの?(小声)」
キ「イチャついてみせるとか・・・(小声)」
未「了解(小声)」

わたしとキリクはいかにもカップルのようにイチャついて見せた。
まあ要するに、抱きついてみるとかそう言った類。
兄ちゃんを元に戻す為とはいえわたしも良くやるなぁ・・・。

進「・・・・」(チラリ)

キ「反応あり(小声)」
未「戻りそう?(小声)」
キ「それはまだ・・・。でももう一押しで変わりそう(小声)」
未「もう一押し出来ないよ(小声)」
キ「最後の手段がある(小声)」
未「どうするの?(小声)」
キ「・・・でもやめといた方が良い(小声)」
未「良いからやろう(小声)」
キ「・・・後悔するかも(小声)」
未「良いから!(小声)」
キ「・・・じゃ、目を瞑って(小声)」

言われた通り目を瞑る。


チュッ


未「!」

唇に感触があった。
驚いて目を開けるとゼロ距離の所にキリクがいた。
離れようと思ったが思い直した。
今ここで離れたら全てパーだ。
何とかこわばる頬を元に戻し、あたかもラブラブでキスした風を装う。


バタッ


何か倒れる音がした。
音のした方を見ると兄ちゃんが倒れている。
急いで唇をキリクから離す。

未「兄ちゃん!?」
キ「ちょっとやりすぎたかな・・・」
未「当然でしょいきなりキスだなんて!」

他のみんなが兄ちゃんに駆け寄り介抱している。
わたしも兄ちゃんの様子を見ようとした。

キ「待って」
未「何よ!?兄ちゃんが・・・」
キ「大丈夫だよ、みんながいる。ちょっと聞いて欲しい」
未「早くして!」

わたしは兄ちゃんの容態を確認したいのに・・・。
その時キリクがわたしを抱きしめた。

未「ちょっ!?兄ちゃんもう見てないよ!」
キ「違う、誰かに見て欲しいんじゃない。こうしたいんだよ」
未「はぁ?」
キ「聞いて欲しい事って言うのは・・・」

キリクはそこで少し言いよどんだ。

キ「・・・好きです」
未「それだけ・・・。え・・・?」
キ「未歩さん、自分は・・・、未歩さんのこと、好きです」

頭の中が真っ白になった。
え?キリク今わたしに好きって言った?

キ「最初に出会った時から、可愛い娘だなって、ずっと思ってた。お手伝いしたいって言ってみんなについて来たのもホントは未歩さんと一緒にいたかったから・・・」
未「え?で、でも・・・」
キ「今回もホントは良いチャンスだと思った。だから・・・、だから言う。未歩さん、自分とで良ければ、付き合って下さい」

天気は霰、冷たい性格のはず。
だけど今はとてもそんな様子はない。

未「・・・な、何でもするって言ったけど・・・、これは・・・」
キ「そんなのじゃない、自分はそんな卑怯な事したくない。それとは関係なくて、未歩さんが本当に良いんなら・・・」

キリク、なんてしおらしい・・・。
わたしの答えは決まった。

未「・・・良いよ。キリク」
キ「ホントに?」
未「うん、なんだかちょっと気持ちの整理が出来てないけど、キリクとなら・・・」
キ「・・・ハハッ!気分は【日本晴れ】!」

外の天気ががらっと一変し、部屋に陽光が差した。
キリクは本当に嬉しそうで、思わず笑顔になった。


最終更新:2009年01月25日 22:30
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