第百十話:(忌まわしき身体)
ギャラルが斬りかかるとマドゥニスは剣でそれを受け止める。
その時に赤い火花が散る。
剣と剣がぶつかり合う音がしばらく続いた。
ギ「ちっ・・・」
ギャラルは押されていた。
剣での攻撃を弾く事が出来ない。
弾こうとすれば剣を斬られる。
マ「・・・先程の威勢はどこへ?」
ギ「っくそがぁ!!」(ヒュン!)
スパン!!
マ「!」
マドゥニスは深く斬りつけられた。
ギ「フン、これでどうだ?」
マ「・・・私が殺して欲しい理由を教えます」
ギ「?」
マ「・・・お見せしましょう、私の持つ忌まわしい力」
マドゥニスは傷口を手でなぞった。
すると、なぞったあとから傷が消えていた。
ギ「!」
マ「・・・私はEarth Killerにより、消して死ぬ事のない身体、消して傷つく事のない身体を与えられた」
進「消して死ぬ事のない身体だと!?」
マ「・・・この身体には既に血も流れていない。気付いているでしょう?斬られても血の一滴も出ていない」
ペ「バカな!そんな訳無い、そんな事になって生きていられる訳が・・・」
マ「それを可能にしているのは、私の守るマイト・コア」
リ「どこにあるんだ?」
マ「その台座の上の箱の中です。私はそれに触れる事は出来ない」
リズは駆け寄った。
リ「・・・なんだこれ・・・」
マ「その箱には三重の鍵がかかっています。早く開けないと私がそれを守る為に動かなければならなくなります」
歩「見せてみて」
見てみると箱の表面に私達が入ってきた扉と同じような鍵がかけられていた。
でも難易度はかなり高い。
動かせる回数が決まっていて三つの場所に繋げなければいけない。
歩「わ、私じゃちょっと無理・・・。兄ちゃん!」
進「・・・・」
歩「ちょっと!早く来てよ!」
進「マドゥニス、マイト・コアが無くなったらお前はどうなる?」
マ「・・・私はマイト・コアの力で生きている。無くなれば当然死にます」
進「・・・・」
歩「ちょっと!そんなのどうでも・・・」
進「どうでも良くない!」
進は怒鳴った。
本気で怒っている。
進「リズ!お前は人一人死んでも良いって言うのか?自分の集めた宝の中にたった一つ加えたいだけの理由で人が死んでも良いのか?」
リ「ワタシには関係ない。大体そいつは死にたいって言ってるんだ。別にかまわないだろ?」
進「死にたいなら死ねばいいって言う考えは俺には理解出来ない。死にたいぐらい落ち込んだならあとは上向きに進むしかないはずだ」
マ「・・・そう考えられる内は楽ですよ。でももうそうも考えられられない。わかりますか?私の苦しみが」
マドゥニスは剣の刀身を握りしめた。
剣はまだ赤熱しているのでジュッと焼ける音がする。
マ「・・・こうしても、傷は出来ない。ただ痛みがあるだけ。今まで何度も自分で死のうとした。でもそれは出来ない。一度は首を切り落とした事もあります。でも勝手に首が身体にくっつき傷も残らない」
サ「そんな・・・」
マ「二度と元に戻らないよう、腕をバラバラにしても、元通りにくっつき、内蔵をえぐり出そうがすぐに治癒する」
フ「そんな事まで・・・」
マ「私は生きてはいるが死んでいる。通常ならこんな苦痛耐えられない。でも私は耐えなければならない。逃げる事は出来ない。私が生きている限りは絶対に」
進「・・・くそ・・・」
進は地団駄を踏んだ。
マ「・・・貴方はどうして、私を殺させたくないんです?」
進「決まってる、殺したくない。どんな命だって大切なんだよ」
マ「・・・幾つもの命を奪った私でもですか?」
進「ああ、殺してしまったものはもう仕方ない。もう取り戻せないからな。それなら少しでも命を粗末にしなければ・・・」
マ「私は殺す為に作られた。そんな事もう出来ないんです」
進「・・・だが、お前だってきっと変われる。きっとそうだ。人を殺したりしないように・・・」
マ「・・・無理ですよ。私の身体は人を殺すようプログラムされている。平和な暮らしをしていようがいつかはまた人を殺す事になる」
進「・・・・」
マドゥニスは悔しそうな顔をする進を見てニコッと笑った。
マ「でも、私にそんな事を言ってくれるなんて、貴方は良い人ですね。どうか私を死なせて下さい。お願いします」
進「・・・ちくしょう!」
進は箱の所に来た。
数秒見てから進はパネルを動かして第一の鍵を開けた。
マ「・・・貴方」
ギ「あ?」
マ「私を食い止めて下さい。防衛機能であの方達を殺しに行くので」
ギ「ったく・・・、一言一言がめんどくせえな・・・」
進は二つ目の鍵に取りかかった。
最終更新:2009年02月01日 16:36