修行少年~第六話~
コウヘイは汗をダラダラ流して、昇っていく。
今日の修行は、崖昇り。
しかし、誰の手も借りずに、一人で昇る。
話は遡る事、三十分前・・・。
クロノスは自慢の髭を撫でながら、
「今日の修行は崖登りじゃ。」
コウヘイは目を皿のようにする。
「崖昇り・・・?」
持っていた杖の先端をコウヘイの前に突き出す。
「ただし!お主一人でじゃ!」
コウヘイは驚く。
「俺一人で?」
クロノスは頷き終わると、コウヘイの腰のモンスターボールを、一つ残らず取っていく。
「ホレ、これは必需品じゃ。」
そういって緑色のリュックを放り投げる。
中にはハンマー、ピッケル、崖登り用の杭、
登山用のワイヤー、最低限の食料と水・・・。
「じゃ、ワシは上で待ってるぞ。」
そう言って、崖の上へ・・・。
さて、話を戻し・・・。
「ゼェ、ハァ・・・。あーしんどい。」
石の突き出た場所で座りこむ。
幾度と無くきつい旅をしたコウヘイも、流石に弱音を吐く。
水を一口飲んで、しばしの休憩。
コウヘイは空を見て考える。
「俺が頑張らなきゃ、孤児院は潰れる・・・。こうしちゃいられないな。」
んー、と伸びをし、立ち上がる。
そして、リュックからワイヤーを取り出す。
「よし!あの石だ!」
コウヘイはワイヤーをブンブン振り回す。
ガキッという音と共に、先端の鍵爪が引っかかる。
「おっしゃあ!」
昇ろうとして、石から足を踏み外した瞬間、
ボコッという嫌な音と一緒に、石とワイヤーが外れる。
「え!?」
コウヘイの顔は血の気が引く。
そして、コウヘイは谷底へ落ちていった。
最終更新:2009年02月26日 16:48