サイドンはドスン、ドスン、と歩み寄る。
イーブイやコラッタが逃げ惑うなか、コウヘイは必死に考える。
皆を助けたい。この花畑を守りたい。
ポケモンがいないけど、どうすればいいか、と。
しかし、考える暇などなかった。
サイドンはコウヘイに気づいたらしく、コウヘイに牙を向ける。
「く・・・!!」
コウヘイは大人の頭大の大きな石をサイドン目掛けて投げる。
それはサイドンの口に命中。
「おっしゃあ!」
コウヘイは喜んだ。そして、木の枝を持ちビュンビュン、と振り回す。
しかし、悶えたのは一秒だけ。
強靭な顎の力でそれを噛み砕く。
「ウソ・・・。」
コウヘイの健闘は無駄相応だった。
さらにサイドンは本気で怒り出す。
赤い血走った獣の眼をコウヘイに向ける。
そして、太い足でコウヘイに“とっしん”してくる。
「ヤバイ・・・!!」
コウヘイはさすがに最期を察したのか目を瞑る。
その時、木の上から少女が降りてくる。
アオイだった。
「危ない!フシギちゃん!“くさむすび”!」
ボールから出たフシギバナは、サイドンの足元に草を巻きつける。
サイドンは転んだ後悶える。
しかし、がっちりした草がそれを許さなかった。
「コウヘイ!危なかったわね!これ!ボールよ!」
アオイはコウヘイにボールつきのベルトを渡す。
「じいさんに預けてたはずなのに・・・。」
アオイは重苦しい表情で、
「修行は一旦中止だって・・・。」
「何でだ?」
アオイは涙を目に浮かべながら、
「あいつら、一週間も待たなかった!孤児院を・・・。孤児院を・・・!!ブルドーザーや、ゴーリキーで壊し始めたの!」
アオイの言葉にコウヘイは耳を疑う。
「マジ・・・?」
そんな抜けたことを言うコウヘイの胸をドン、と叩くアオイ。
「マジよ!さらにあいつら、孤児院の子供を・・・。売り飛ばすって言うのよ!!」
コウヘイは真っ青になって
「一週間待ってやるって・・・。まさか、俺の居ない時間帯を調べる為に・・・。」
アオイはぐしっ、と涙を拭いて、
「行こう!皆を助けに!」
アオイはフシギバナをボールにしまう。
もう一つのモンスターボールを取り出す。
「行くのよ!リューりん!」
出て来たのはハクリュー。
「乗って!コウヘイ!急いで!リューりん!」
アオイとコウヘイはハクリューの背中に乗って
ある場所へ目指す。
そこは遊園地計画を進めている社長の居る会社。
バクタス社へ。
ちなみに、サイドンはワケが分からずキョトンとしていたし、ほったらかしのままだった。
最終更新:2009年05月03日 12:58