ギィ、ギィ、ガラ、ガラ。
馬車がいかにも壊れそうな音を立てて走っていく。
リュウトが空を見上げると、もうたくさんの星が輝いていた。
ギッ、という音と共に馬車は大きく揺れて、止まる。
タツヤがフライゴンをモンスターボールにしまうと、馬車の中の三人に声をかける。
「ふー・・・。結構、走ったな・・・。今夜はここらで野宿を・・・。」
タツヤがそう言いかけたとき、向こうの方で火が灯ってるのを見つける。
「火だ!もしかしたら、村があるのかもしれないぞ!」
タツヤが嬉しそうに言うと、走り出す。
「あ、待てよ!父ちゃん!」
ユウタも、タツヤの後を追いかける。
ミミも、リュウトもその後をついていく。
歩いて三分ぐらいのところに、小さな村があった。
「助かったぜ。あそこで、寝床を貸して貰おうぜ。」
タツヤの案にみんな賛成した。
みんなで村に入る。
「オイ。ちょっと、いいか?」
タツヤが村の娘に声をかける。
「あ、あの、今はそれどころじゃないんで・・・。ごめんなさい。」
娘は申し訳なさそうに言うと、その場を去る。
「何かあったのかな・・?」
リュウトは首を傾げる。
その時。村の長らしい老婆がリュウト達四人に声をかける。
「お前達・・・。ライコウ様の目を知らないかい?」
「ライコウ様の目・・・?」
ユウタは不思議そうにたずねる。
「ああ。こないだ、ライコウ様の右目を、泥棒にとられてしまってな・・・。」
「それで、探してたって、ワケか・・・。」
タツヤは長老の言いたい事が分かったらしい。
リュウトはハッとする。
そして、今日の戦利品をポケットから出す。
「あ、あの・・・。これがなんだか、わかりますか?」
リュウトはギャラドスに貰った物を手のひらに乗せる。
村の長老は驚きの目で、それを見る。
「そ、それがライコウ様の目じゃ!!アンタ、これを何処で・・・。」
長老の問いかけに、リュウトは
「ギャラドスが、くれたんですよ。」
と返す。
長老は驚いたような、呆れたような顔をして、リュウトを見る。
だが、すぐに顔を元に戻すと、
「それを、ライコウ様に返してやって、くれないか?」
と言った。
リュウトはコクリ、と頷く。
そして、ライコウの像に近づく。
リュウトは石をライコウの右目にはめる。
パチン、と小さな音と共に、石は目に嵌った。
「ピッタリだ・・・。」
そう思ったときだった。
ゴゴゴゴゴ・・・、凄い唸りと同時に地震が起きる。
「わっ!地震だ!!」
リュウトはすぐ、ライコウの像から離れる。
地震が収まって、空を見ると、
大きな塔が聳え立っている。
長老は驚いた顔をする。
「あ、あれは願いの塔!!異世界から人間が現れると、この地に出現するという・・・。まさか、坊や。アンタが・・・。」
リュウトはハイ。そうです。と重苦しそうに返事をする。
「行っておいで。きっと、願いの塔の精霊様が待ってるはずだよ。」
長老はニッコリ笑って言う。
「行って来い!」
タツヤも言う。
「リュウト、気を付けてね。」
とユウタ。
「頑張ってね。リュウトならきっとできる。」
とミミ。
「うん!」
リュウトは願いの塔に入る。
「待ってて、父さん!今、助け出すからね!」
そう言って、階段を昇っていく。
最終更新:2008年11月29日 19:45