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第二十八話:俺達について来い

第二十八話:(俺達について来い)


ペ「進・・・、その姿は・・・」
進「この姿は“イグニス”。炎タイプだから火傷ももう痛くない。いやー、よかったよかった」

そのイグニスというポケモンは、炎のような色調の毛並みを持ち
長い尻尾の先は火がついていた。
頭には炎のような飾り毛がついている。

サ「あんた、まだ生きてたの?」
進「ああ、お前みたいなクズにやられて死ぬ事は、まず無いね!!」
サ「あたしがクズですって!?」
進「ああそうさ。信じないといけない物を信じないばかりか、その考えを他人に無理矢理押しつけるなんて、クズで済んだだけ良かったと思え。このバカタレが!!!」
サ「ば、バカタレって・・・。ふざけるんじゃないわよ!!!」
進「ふざけてんのはお前の方だ!!愛や恋なんて幻想だぁ?バカ言ってんじゃねーよ!!!それが幻想だったら、何にも信じられなくなるだろうが!!!」
サ「信じる物なんてない方がいい!!」
進「はん!そうか、そうゆう事言っちゃう?仕方ねえ、お前のそのねじ曲がった考え、ぶっ叩いて直してやる!!」
サ「あら?トラウマがあるんじゃなかった?」
進「そんなもん、なんでもねえや!行くぞクズ!!」
サ「誰がクズよ!!」(ボッ!)
進「はっ(サッ)お前の事だよこのクズ!」(ボッ!)
サ「おっと(サッ)こっちよ!!【火炎放射】!!」
進「(ゴォォォ!!!)おっとっと、ドライヤーでもかけてんのか?」
サ「何!?あたしの炎が効かない!?」
進「何でかわかるか?それはな、お前の攻撃は攻撃範囲が広すぎる。だから攻撃の際に目標がどうなっているかわからないからだ」
サ「どうゆうこと?」
進「ま!こうゆう事だ」(サッ)

ペ「な!?進が消えた!?」
歩「どこにいったの?」

サ「出てきなさい!!」
進「何言ってんだ?俺はここにいるぜ?」
サ「!!目の前に!?」
進「もう遅い!【フレイム・タン】!!」(ボッ!ブン!!)
サ「(ガッ!!)ぐはっ!」
進「まず一発!・・・あー、くそ、背筋に寒気が・・・」

歩・ペ(トラウマ改善出来てないし・・・)

サ「このぉ!!」(ゴォォォォ!!!!)
進「あらよっと(サッ)まだまだだな!」
サ「ここよ!!【電光石火】!!」(ヒュバッ!)
進「(ガッ!)イテ!お返し!!【電光石火】!」(ヒュン!)
サ「(ガッ!)うっ!」

ペ「覚えている技はほとんど同じか・・・、体力の勝負だな」
歩「・・・・」

それより私が気になるのは、ここまで大騒ぎしてるのに何で誰も来ないの?
さっきから炎も連発してるのに、火災報知器ならないし・・・。
というより、なんかあの二人、戦闘を楽しんでない?

進「(自分への)被害を最小限に抑えるか。さあ、良く見とけよサラ」(ヒュヒュヒュ!)
サ「影分身!?」
進「まだだ。俺の技の真骨頂はな・・・」(ボゥ・・・ ユラァ・・・)
歩・ペ・サ「!!?」

進の影分身が揺らめきだしただと?

進「【陽炎の舞】(かげろうのまい)」
サ「ど、どうなってるの?」
進「さっきお前の技を避けたのもこの技だ」(←エコーを付けて下さい)
サ「くそっ!どこ!?」

進の影分身の輪郭が、徐々にぼやけていって、何体あったかすらもう分からない。

進「さあ、どこに行ったかわかるかな?」
サ「そこよ!!!」(ゴォォォォ!!!)
進「ハズレだ。影分身にすら当たってないぞ」
サ「そこ!」(ボッ!)
進「またハズレだ。そろそろこっちからも行くか【フレイム・タン】」


ボッ! メラメラ・・・


歩「尻尾の火が大きく・・・」

サ「フン!バカね。目標が特定しやすくなっただけだわ」
進「なら攻撃してみろよ」
サ「言われなくてもやってやるわよ!!」(シュバ!)

(スカッ)

サ「な!?確かに当たったはず・・・」
進「確かに当たったぞ。影分身にな。攻撃開始!!」(ヒュン!)
サ「(ガッ!)くっ!」
進「どうだ?どこから攻撃がくるかわからないだろ?名付けて【シャドーフレイム】ってとこだ」

ペ「影から襲う炎か・・・」
歩「昔からああゆうの考えるの得意だったから」

進「さあ、どんどん行くぞ!」


ガッ!バシ!バキ!


サ「がっ!ぐはっ!うぐっ!」
進「・・・サラ、お前こう言ったよな?“信じる物なんてない方がいい”って。だけど、それじゃあお前の言ってる事とやってる事は矛盾してる」
サ「そんな事無い!」
進「そうか?なら何で犠牲者を出さないようにとか言って、こうやって攻撃してくる理由を言ってみろ」
サ「それはあたしみたいな人を、これ以上出さないようにするためよ」
進「その理由も言ってみな」
サ「・・・大切な人・・・、信じた人から裏切られて、悲しい思いを誰にもさせたくないから」
進「お前はどうしてそう思ったんだった?」
サ「大切な人を失って・・・、信じていた人から、裏切られたから・・・」
進「そうだろ?お前にも信じていた人や大切な人は居たんだ。お前は大切な人の事を、失った人を今も信じているからこうしている。それは他のみんなにあって今の自分にはないもの、それがその存在だったからだ。ただお前は嫉妬していたんだ。みんなはどんな形でも、大切な人や、信じられる人が居る。だけど自分にはもう居ない」
サ「・・・あんたに何がわかるって言うのよ!!一人で信じられる人の居ないこの悲しみが!!!」
進「ああそうだ。俺には何もわからない」(フッ:注 技を解除した音)
サ「このぉ!!!」(ゴォォォォォォ!!!!)
進「【フレイム・タン】!!」


パァン!!


サ「!!!」
進「俺には何もわからない。俺は完全に一人って訳じゃなかったからな。お前の心の傷はわからない。だけどな、お前が感じていた気持ちならわかる。孤独だった、悲しかった、悔しかった。そんな気持ちがお前にそんな事をさせていたんだ」
サ「・・・・」
進「俺達について来いよ。お前の心の傷は癒す事は出来ないかもしれないけど、俺達はお前を信じてやれる、そしてお前自身が信じられる仲間になれる。だから、俺達について来い」
サ「・・・仲間・・・」
進「ああ、仲間だ。こんな戦いや他の何ともない事でも“絆”は作れるんだ。今のお前には大切な人とか、信じられる人なんて考えられないかもしれない。だから“絆”を大切にしていこう」
サ「・・・うん・・・」


あたしの心の中にあったモヤモヤが、このポケモン、進の言葉で少し晴れた。
心の中に隠してあったあの時の気持ちは、完全に進に言い当てられた。
しかし辛いとも、苦しいとも思わなかった。
ただ、あたしの中で、いつか感じたような、暖かい気持ちでいっぱいになった。
この気持ちが今度は無くならないようにと、あたしは小さく祈った。


最終更新:2008年12月14日 15:38
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