第四十一話:(壁の中)
私達はあの血の広場のすぐそこで進達を待っていた。
歩「遅い・・・」
ペ「進達は何してるんだ?」
ス「ふわぁぁぁぁ・・・」
一「もう夜だね」
ミ「暗いのやだよぉ・・・」
花「じゃあ火でも熾しましょうか。あの三人が迷ってるんなら目印にもなるし」
一「薪拾ってきます」
花「お願い。さあ、みんなも行って」
ス「は~い・・・」
未「眠そうだね」
ス「はしゃぎすぎた・・・」
未「あのテンションならこうもなるか」
進・・・
進「うぉぉぉぉぉ!!!!」(ダダダダダダ!!!)
「待たんかいこのチビ助!!」(ゴゴゴゴゴ!!!)
進「誰が待つかぁぁぁぁ!!!」(ダダダダダダ!!!)
さっきから逃げ続けている。
イグニスになったのは失敗だった。
煙幕張って撒こうかと思ったのに関係無しに突っ込んでくる。
何とか走りで逃げている。足は速くないが小回りが利くので曲がりの多いこの穴では結構逃げ切れる。
それでも四、五回転けてすぐ背後にイワークがいる。昔から俺は不幸だ。
だがしかーし!ここでやられてたまるか!!
この危機的状況を乗り越えて颯爽と帰還した時にEVに告白。
ん~、良いんじゃない?これならEVも落ちるだろ。でもその前にコイツから逃げ切らねば・・・。
「チビ助!!いい加減におとなしゅうせい!!」(ゴゴゴゴゴゴ!!!)
進「やかましいわこの石頭!!お前が諦めろ!!!」(ダダダダダダ!!!)
「ぬがぁぁぁ!!!チビのくせに生意気な!!頭来たわ!!【岩雪崩】じゃあ!!」(ガラガラガラ!!)
進「!!うぉぉぉぉ!!!!」
EV達の所・・・
E「出口・・・、無いですね・・・」
サ「進・・・大丈夫かな・・・?」
E「サラさん、今はここから脱出する事が最優先です」
サ「あ、ああ・・・ゴメン・・・」
ズズゥゥゥゥン・・・・
E「!?この音は・・・?」
サ「どこか崩れたのかしら・・・?」
E「急ぎましょう。ここは危険です」
サ「ええ・・・」
‥‥‥。
それからは無言だった。
EVと会話する話題も見つからないし、
痛みも酷いし疲れたしで会話の気力もない。
それにしても何なんだろ?
鼓動も元に戻ったしクラクラもしなくなった。
そして進が無事なのか凄く気になる。
これって一体何?
どうゆう事なの?この感覚は?
‥‥‥。
会話がないこの状況、結構気まずいです。
でもサラさんは痛みで歯を食いしばってるし、
今話しかけたらいけないような気もします。
さっきのあの感覚が疼くような感じで残っている。
でもそこまで強くもない。
あの感覚は一体何?
サ「・・・?あ、出口じゃない?・・・」
E「え?・・・あ、本当だ!出口です!」
私達は急いで(サラさんはゆっくりと)出口に近づきました。
E「この位なら出られますね」
サ「あとは進が来てくれれば・・・」
E「サラさん、もう出ましょう」
サ「でも進が・・・」
E「サラさんを無事に歩美さん達の所まで送るのが私の任務です。進さんからお願いされたんですから」
サ「・・・わかったわ・・・ゴホッ!」
サラさんと一緒に歩美さん達を捜す。
時間がかかるかと思いましたが、たき火があったのですぐに見つかりました。
E「歩美さ~ん!」
歩「?・・・EV!どこ行ってたのよ!」
E「色々と・・・」
歩「はぁ?」
未「サラ!」
サ「未歩ちゃん・・・」
未「もう!心配してたんだから!」
サ「ゴメンね・・・ゴホッゴホッ!!」
未「!?サラ!?」
サ「ああ・・・えっとね・・・あたし・・・骨折っちゃってるみたいだから・・・」
未「ええ!?か、花歩ちゃん!!」
花「?」
未「サラが骨折ってるって!」
花「!!大変!サラ、こっちに来なさい」
サ「ええ・・・」(フラッ)
ペ「おおっと、大丈夫か?歩美、サラを手伝おう」
歩「ええ」
未「サラ・・・」
ミ「EV姉、スー兄は?」
E「今から私が捜しに行く」
ミ「わたしも行こうか?」
E「ううん、ミミはここにいて」
ミ「?わかった」
E「すぐ帰ってくるから誰にも言わないでいいよ」
ミ「は~い」
…なんで誰にも言わないでなんて言ったんだろう・・・。
でもいいや、早く進さんを捜さないと。
心配です・・・。いくら進さんとはいえイワークに追われちゃ・・・。
…何を考えてるんだEV!!進さんは大丈夫!大丈夫です!
さっきの出口の所に来た。中は思っていたより暗い。
E「・・・進さん、今行きます!」
そして中に入り進さんを捜す。
あっちにこっちに行ってみても進さんは見あたらない。
E「進さん・・・、どこに・・・」
移動していると行き止まりに当たった。
E「引き返さなきゃ・・・。?」
あれ?この壁なんだか周りと違う・・・。
…!
E「あ、あれは・・・、進さんの尻尾・・・」
壁から進さんの尻尾が飛び出ている。
イグニスになった時には尻尾の先に炎が付いていたのに、
今は消えてしまってピクリとも動かない。
E「ど、どうしよう・・・」
ええっと・・・、どうしようどうしよう・・・。
ああ!!落ち着いてEV!!えっとまずは・・・。
E「進さんを掘り出さないと!進さん待ってて下さい!!」
私は進さんの尻尾の周りの土を掘り始めた。
最終更新:2008年12月14日 17:02