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ゼロの邂逅 第1話 前編
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ストーリー
| ぅ、ううん…… あれ……わたし……? | |
| 少女 | |
| (襲ってきたクリーチャーから 逃げて、それから……あれ?) | |
| 少女 | |
| いつまで床に倒れている つもりですか | |
| ??? | |
| あっ、えっ!? ご、ごめんなさい……! | |
| 少女 | |
| あ、あれ……? このお洋服は…… 私、いつの間に……? | |
| 少女 | |
| 気絶している間にあつらえました | |
| ??? | |
| あのような貧相な姿は 見るに堪えませんから | |
| ??? | |
| すごくきれい…… まるで、自分じゃないみたい | |
| 少女 | |
| あんなに血だらけだったのに 怪我まで治ってる…… 髪も……ガサガサだったのに…… | |
| 少女 | |
| ここがおとぎ話に聞いていた 天国なのかしら? 貴方は神さま? | |
| 少女 | |
| 神、ですか…… それもいいでしょう | |
| ??? | |
| 私はウェディング 「祝」の名を冠する者 | |
| ウェディング | |
| 残念ですが、ここは現実ですよ あなたは生きています | |
| ウェディング | |
| ウェディング様…… あっ、わ、私はカノン…… えっと、ありがとう、ございます | |
| カノン | |
| カノン まずは、この度の働きに 感謝します | |
| ウェディング | |
| 働き……? あ、あの、働きって…… 一体、何のことなのかしら? | |
| カノン | |
| ……自覚がないのですか? | |
| ウェディング | |
| 他ならぬあなた自身が我らの 世界の門を開き、本来この世界に 存在しえぬ私を顕現させたのです | |
| ウェディング | |
| 私が、ウェディング様を……? そんな…… | |
| カノン | |
| そんな……どうして!! | |
| カノン | |
| どうして今更になって……! クリーチャーに追われたり 食べられそうになった時も…… | |
| カノン | |
| 私に良くしてくれた村の人達が 戦争の犠牲になった時にも そんな事できなかったのに……! | |
| カノン | |
| なんで…… なんで、私一人になってから こんな力が……! | |
| カノン | |
| もう、遅すぎるのだわ…… 私には……何もない…… | |
| カノン | |
| (この子の絶望が、私を……) | |
| ウェディング | |
| そこまでです 顔をあげなさい、カノン | |
| ウェディング | |
| 私は、すべてをゼロに還し 争いのない世界を創るために あなたの願いに応えました | |
| ウェディング | |
| 争いのない、世界…… 本当にそんなことが 実現できるの……? | |
| カノン | |
| 我らの力があれば造作もないこと | |
| ウェディング | |
| ですが、そのためには 我らを顕現させられる あなたの力が必要です | |
| ウェディング | |
| 更なるゼニスをこの地に 降臨させなさい それがあなたの使命 | |
| ウェディング | |
| ゼニスの使徒として あなたが、この世界を変えるのです | |
| ウェディング | |
| わ、私が…… でも、ただの人間で…… この力も…… | |
| カノン | |
| あなたが、まだ使徒として 未熟なのは分かっています | |
| ウェディング | |
| それでも……あなたが必要なのです カノン、世界をゼロに還すため 力を貸してください | |
| ウェディング | |
| 私があなたを導きましょう ゼニスの祝福を受け入れるのです | |
| ウェディング | |
| 我らゼニスの祝福の印 使徒としての証である…… トライストーンを | |
| ウェディング | |
| これがあれば きっとあなたは力を制御し 正しく扱うことができるでしょう | |
| ウェディング | |
| 世界を、ゼロに還す…… | |
| カノン | |
| ……わかったのだわ ウェディング様…… どうか私を祝福してほしいのだわ | |
| カノン | |
| 私が物心ついたときには お父さんもお母さんも居なかった | |
| カノン | |
| 人間なんか塵にも等しいこの世界 そんな中で、私は一人で 生きてきた…… | |
| カノン | |
| 強いクリーチャー達は争い ばかりで、その度に住む場所も 失くして逃げてきた…… | |
| カノン | |
| 私に優しくしてくれる方達も 居たけれど、みんな理不尽に 殺されて…… | |
| カノン | |
| 今だって、そうやって逃げてきた ばかりなのだわ | |
| カノン | |
| 私みたいな弱い存在が今日まで 生きてこられたのが不思議だった けれど、これも神さまの思し召し | |
| カノン | |
| きっと、今日という日を迎えて 神さまの使徒になるためなのね | |
| カノン | |
| 今までずっと必要とされて こなかった私を必要としてくれる 貴方の使徒に…… | |
| カノン | |
| ウェディング様 私の力を、争いのない世界の ために使って欲しいのだわ | |
| カノン | |
| ……よい心がけです ならば、このウェディングが あなたを祝福しましょう | |
| ウェディング | |
| さあ、受け入れなさい | |
| ウェディング | |
| これが…… | |
| カノン | |
| …………? トライストーンの支配が 拒絶された? | |
| ウェディング | |
| いえ、これは…… | |
| ウェディング | |
| ……にゃ、にゃ | |
| ??? | |
| ……ニャリー! | |
| ??? | |
| ……え? え? こ、この子は……? | |
| カノン | |
| ……馬鹿な トライストーンが自律して 動き出した……? | |
| ウェディング | |
| しかもこれは、自らの意思を 持っているとでも…… | |
| ウェディング | |
| わ、わわっ…… あ、あんまり暴れないで 欲しいのだわ! | |
| カノン | |
| (まさか、彼女との接触が トライストーンに変化を もたらした?) | |
| ウェディング | |
| あっ、ウェディング様の方に…… | |
| カノン | |
| え、は……? コ、コラ! 何のつもりですか……! | |
| ウェディング | |
| キキキ! 図体だけだな! 鈍いニャリ! | |
| ??? | |
| せっかく自由になったんだ 好きにさせてもらうニャリ!! | |
| ??? | |
| ただでさえ想定外の事態だと いうのに、これ以上私の支配を 乱されるのは不愉快ですね…… | |
| ウェディング | |
| トライストーン、ふざけた真似は そこまでです……! | |
| ウェディング |
