信じがたい話

リディアちゃん、たくさん獲れたわよ」
アリーナは満面の笑みで両手一杯に魚を抱えている
それを受けてリディアもまた笑顔で答える。
「だったら、これから薪を取りにいきましょう」

出会ってから2人は夜通し歩きながら色々なことを語り合った、生い立ち、家族、仲間・・・・・・・
そして話が尽きる頃にはお互いのわだかまりはすっかり消えてしまっていた。

笑顔で朝食の準備をする二人の姿は、ここが戦場であることを忘れてしまいそうな光景だった。
が・・・・薪を抱えて戻って来たとき、2人の表情が怪訝なものに変わる
魚が何匹か足りない・・・・・・・

まさか、『乗った奴』が潜んでいるのか、慌てて戦闘体勢を取る2人だが
アリーナが何かに気がついたようだ・・・・・リディアにそっと指で教える
アリーナの指の先、そこの茂みにわずかだが派手な装飾のついた帽子が覗いていた

抜き足差し足でそっとアリーナは茂みへと近づいていく
一方リディアは考え事をしている、あの帽子の色合い・・・何処かで・・・・・
「えいっ!!」

アリーナがかわいらしい掛け声と同時に足下の石を帽子めがけて蹴りつける
石は見事に帽子に命中する。と、同時に・・・・・・
「うわあぁぁぁぁぁぁ~」
手に生魚を握った男が茂みの中から飛び出し、そしてアリーナの目の前で・・・・派手に転んだ。

「すっ・・・・すいませんっ、おお、腹が空いていてそれで・・・ごめんなさい殺さないで!!」
その豪奢な外見から言ってどこかの王族だろう、いかにも人のいいお坊ちゃん、という感じだ
何と言っていいのか分からず困惑するアリーナの後ろでリディアが叫ぶ

「あっ!ギルバート
「リっ、リディアさ~ん」
ようやく見知った顔を見つけて、安心しきったギルバートはリディアに抱きついて
人目をはばからずに泣きじゃくる気持ちはわからないでもないが、大の男が少女にすがりつくその様子は
アリーナにとってはかなりこっけいなものに映った。

「余程怖い思いをしたのね・・・・・・・」
そう呟くのがやっとだった、その呟きをギルバートは耳聡く聞きつける。
「そうなんです!ほんの2時間ほど前ですけど・・・・・・・」

そこからの彼の話はアリーナにとってはおよそ信じがたいものだった
まさかソロがミネアを・・・・・
しかし、ギルバートの話も嘘とは思えなかった。

彼が持っていたカチューシャ(少女が雷撃を受けた際、彼の足下に飛んできたのだという)は
間違い無くミネアのものだったし、上位呪文であるライデインは勇者の血統に連なるものしか使えないはずだ。
「で・・・その後はどうなったの?」
「分かりません・・・・・眠り込んでしまって、あの少年が雷撃を放ってからのことは何も」
申し訳無さ気にギルバートはアリーナに頭を下げる。

(ソロがこのゲームに・・・・・でも、どうして?何があったの・・・・・・)
アリーナは青ざめた表情で自らの肩を抱き震えている
そんなアリーナをリディアとギルバートはただ心配そうに見守っているしかなかった。

【ギルバート 所持武器:クイックシルバー
 第一行動方針:朝食
 基本行動方針:ひたすら隠れる】
【アリーナ 所持品:イオの書×4 リフレクトリング
 第一行動方針:ソロを探す】
【リディア(混乱気味) 所持品:フィアーの書×7
 第一行動方針:仲間を探す
 第二行動方針:ソロを探す】
【現在位置:岬の洞窟北東の茂み】


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最終更新:2011年07月17日 22:07
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