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猫耳ローブ

ぴちょん…ぴちょん…ぴちっ!
「ひ…!」
首筋に落ちてきた水滴に、導師は驚いて肩をすくめた。
思わず辺りを見回してから、ほっとため息をついた。そのため息と一緒に愚痴が口から滑り出てくる。
「なんでこんな海の近くに洞窟なんて作るのさ…湿気ててローブはぐっしょりだしカビ臭いし…。」
海の近く…岬の洞窟地下二階。導師は旅の扉をくぐるべく、意を決して移動していた。
「そもそもなんで僕がこんな所にいるんだろ?何も僕まで呼ばなくても…。」
愚痴を続けながら、導師は旅の扉を探す。
…その、猫耳付きの真っ白なローブがこの上なく目立つことに全く気づかずに。

数刻後。
「うわぁ…。」
導師は、目の前で淡い蒼に輝く旅の扉を見て感嘆の呟きを漏らした。
少年特有の好奇心に満ちたキラキラした瞳が、目一杯見開かれている。その幻想的な輝きを見るために。
綺麗な蒼だった。こんな蒼はこれまでたった一度しか見たことがない。浮遊大陸から初めて出たときの、海の色。不純物のない海の蒼。
(あ…早く入らなきゃ。)
急がなければ、首輪が爆発してしまう。導師は旅の扉に飛び込むべく一歩足を踏み出した。


ひゅん!
そのとたんに響きわたる風切り音。いきなり頭を引っ張られて導師は仰向けに倒れ伏した。
「ったたた…!」
導師は倒れた勢いを利用して立ち上がる。旅の扉を挟んで向こう側。ピエロメイクの派手な男が弓を構えているのが見えた。
「あ、危ないじゃないかぁ!」
放たれた矢が掠めた頭を押さえながら、導師が怒鳴った。
その時に気づいた。ローブの猫耳が片方、千切れてしまっている!
「こらぁ!気に入ってたんだぞっ!」
再び怒鳴って、天罰の杖を振り上げる。たちまち起こった旋風が、ピエロ男の服を浅く切り裂いた。
元々闘う気はない。導師はその隙に、さっさと旅の扉へと飛び込んだ。
目の前が幻想的な蒼一色に染まり、上下の感覚が無くなって…。
             こつんっ!
その蒼の輝きに感動する暇もなく、頭に何かがぶつかった。何かが落ちてきた。それを慌てて手に取ってみれば、何とも禍々しい黄金の腕輪だ。
「なんかあぶなそー…。」
導師はつぶやいて、それをザックに入れる。何となく、捨てるのはもったいなかったから。

役立たずの弓と矢をザックに放り込みながら、ピエロ男…ケフカは舌打ちした。
どうも、この武器はうまく扱えない。次からは魔法を使って確実にしとめるか…。
しかし痛いミスだった。あの杖の魔力のせいで、あの腕輪を落としてしまったのだ。
…まあいい。あの腕輪は有り余る時間を使って解析した。施設さえ整っていれば複製も可能だろう。
「…ヒョッヒョッヒョッヒョッ…。」
ケフカは不気味に笑いながら、旅の扉に飛び込んだ。

【導師
 所持品:天罰の杖、黄金の腕輪
 基本行動方針:なるべく動かない。戦闘は避ける】
【現在位置:新フィールドへ】

【ケフカ
 所持品:弓と毒矢(49本)と解毒剤
 第一行動方針:施設の整ったところで首輪を複製】
【現在位置:新フィールドへ】


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最終更新:2011年07月17日 12:37
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