激しい剣戟が聞こえる。
レオンハルトの疾風のごとき剣の鋭さに
リバストはかつてない高揚感に襲われていた。
リバストもまたそれに相応しい激しい突きを繰り出す。
レオンハルトもまたリバストの未だ見たことのない剣裁きに惚れ込んでいた。
幾度となる剣同士のぶつかり合い。
戦士双方に疲れの色は見えない。
またとない好敵手に出会えた喜びか。
時が経つにつれその剣の鋭さは増し、二人の辺りには光が満ちているように感じられた。
リバストが飛翔すると思えば地を駆け、
レオンハルトが切り払いが来ると思えば諸手突きが繰り出される。
舞踏を舞っているが如く二人の剣戟は美しかった。
そして再び二人の戦士の影が重なる…
「…名前は。」
「リバストだ。」
「俺はレオンハルトだ。」
「…いい、名前だな。」
「…ああ。」
次の瞬間レオンハルトが見たのは天空。
自分が倒れていることを知る。
胸に手を当てる。
血が出ている。これはおそらく心臓に達しているのだろうな…
ああ。負けたのだな。
「…お前の勝ちだ…」
「……」
「…お前のすべてが見えたような気がする。…お前にも見えただろう。俺のすべてが。」
「…ああ」
「…ふふ。俺たちは不器用だな。このような形でしか分かり合えないとはな。」
「…ああ」
「…俺の人生の中で一番楽しかった。そして、一番心が晴れたときだ。」
「…もうしゃべるな。」
「いいんだ。
裏切りと死に塗れた俺にとっては…」
時が一瞬止まる。
「天に昇らん思いだ…」
レオンハルトの目が閉じる。
リバストは空を仰ぐ。
…空に一番近い。そんな場所へ彼を埋葬しよう。リバストは物言わぬレオンハルトの体を背負い無言でベクタを離れて行った…
【リバスト 所持品:
まどろみの剣 銅の剣
第一行動方針:レオンハルトの埋葬】
【現在位置:ベクタ入り口】
【レオンハルト 死亡】
【残り 70人】
最終更新:2011年07月18日 01:58