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守るべき人

雨は相変わらず止む様子はなく、地面をたたきつけるような音があたりを鳴り響いていた。
ベクタの防具屋に、少し雨に濡れた四人がいる。

四人の表情はいずれも険しかったり、不安そうであったり、決してよいものとはいえなかった。
それも当然といえば当然かもしれない。
なにしろ、話があまりに急であったから。特に、ファリスにとって。

ロックとファリスは最初、新しい1人の少女の存在に驚いていたが、
すぐにアモスよりわけを聞かされてとりあえずは納得をした。
すると、やや興奮気味に少女は早口でファリスを捲したてた。
最初はなにを言っているのかわからなかったが、何回も説明し、落ち着いてくるうちに、
その内容を理解しはじめた。そしてそれは、ファリスを当惑させるには十分なものであったのだ。

「・・・つまりなんだ、あんたは水の巫女で、俺たちクリスタルの戦士の位置がわかる、と」
「ええ、そういうことです。」

ファリスは不信感を隠せない様子だったが、それでも熱心にエリアの話に聞き込んでいる様子であった。
なにしろ彼女の話が本当ならば、妹のレナやバッツとの合流の手だてがつくことになる。
そこへ思案しているファリスをよそに、今まで黙っていたロックが口を挟んだ。

「あのさあ・・・こんなこと聞いていいのかわからないけど・・・」
「なんでしょうか?」
「・・・・・・クリスタル・・・って、なに?」
「・・・・・・実は、私も知りたかった。」
「「・・・え?」」

ファリスとエリアは顔を見合わせた。

「クリスタルを・・・知らない?
「あーっと、その、まあ、なんだ、うん」
「・・・やはり、住んでる世界が違うようだな・・・」
「そのようですね・・・」

もっとも、ファリスとエリアも違うのだが、当然今の二人にとってそのようなことはどうでもよく、
とりあえず基礎知識となることをロックとアモスに教えた。
二人ともこういったことはあまり得意ではないらしく、とても拙い説明であったが。

「わかったようなわからんような・・・。でまあ、お前はその火のクリスタルっていうやつに導かれし戦士、ってところなのか?」
「・・・そうだな。」
「で、彼女が水の巫女で・・・他にもクリスタルの戦士って奴の場所がわかるんだよな?」
「はい、そうです。」
「・・・なあ、その話は・・・本当なのか?」
「もちろんです!・・・信じてくださらないのですか?」
「いや、そういうわけじゃない・・・」

ファリスは口を噤み、暫く何か考える素振りをしたあと、尋ねた。

「俺は今まで、水のクリスタルに巫女がいるなんて話は聞いたことがない。」
「それは・・・恐らく、私とあなたもまた、住んでいた世界が違うからだと思います。
 ですが、同じようにクリスタルを主とした世界であったのでしょう。」
「それとひとつ。あんたは、水、風、土の居場所をいってくれたが、
 俺の仲間の、その土の戦士って奴は、このゲームには参加していない。」

それを聞いたとき、エリアの顔がぱっと明るくなった。

「そうなんですか!?ならきっと、その方は・・・私の・・・知っている人・・・」
「・・・なるほど・・・な。」

ファリスは剣を握り、立ち上がった。

「ファリス・・・?」
「・・・北に、水を感じるといっていたな・・・多分、俺の妹のレナだ。
 南にいるのはバッツだと思う。・・・合流する。しなくちゃならない。
 ロック、アモス、世話になった。それと・・・エリア、といったな。ありがとう。」

簡潔にそれだけいうと、ファリスは防具屋を出ていこうとした。

「お、おい、ちょっと待てよ!妹さんと探すの、協力するっていったじゃないか!」
「・・・迷惑はかけられない」
「・・・このまま1人でつっこんで、放送で名前を呼ばれる方が迷惑だ。」
「・・・・・・」

ファリスが振り返る。アモスはさすがに些か不謹慎であったと感じたのか、下を向いて頭を掻いていた。

「・・・それに、そのクリスタルというのも興味深いしな・・・」

取り繕うようにそういうと、それっきりアモスは何も言わなくなった。
そこへ、落ち着いた、透き通った声が聞こえた。

「ファリスさん・・・彼らと合流するのには、私の力が必要ではないでしょうか。」
「・・・それは、そうだが・・・」
「私は、私のためにもお願いしているんです。会いたいですよ・・・別世界の、クリスタルの戦士たちに・・・
 あなたがたは、その中でも光の戦士のようですが・・・。」
「・・・・・・ああ・・・」

ファリスの肩の力がふっとぬけた。

「・・・決まりだな。」
ロックが悪戯っぽくにやっと笑う。
「すまない・・・」

四人は、豪雨の中北に向かって歩き出した。
暫く雨宿りをしてからの方がいいとアモスは提案していたのだが、
ファリスの様子を見るとそういうわけにもいかない。
居ても立ってもいられないらしく、とにかく忙しなく動いている。
仕方なく、四人は北へと行ったのだ。

「ファリスさん・・・その、レナさんとバッツさんに、合流してからでいいんです・・・
 もしよければ・・・土の・・・戦士とも、合流を図っていただけないでしょうか・・・」
「・・・ああ。」
ファリスは聞こえているのかどうかわからないような返事だったが、
それでもきっと、会うことになるだろうとエリアは確信に近いものを感じていた。

「しかし・・・4人くらいならまだいいが・・・。これ以上人数が増えると、行動しにくくなるな・・・。」
アモっさん、そういうことはいうもんじゃないだろう?」

そういいながら、ロックはふと思った。
ファリスは、大切な人のためにこんなにまで必死になっている。
多分、エリアもそうなんだろう。
自分はどうだろうか。
自分にも、いたのではなかったか・・・守るべき人が。

「・・・・・・」
ロックはなんとなしに立ち止まってベクタの城を一瞥し、再び歩き出した。

――俺は、本当にここでこんなことをしていていいのだろうか

そんな一抹の想いが、ロックの脳裏を過ぎっていた。

【アモス 所持品:妖剣かまいたち 水1,5リットル 小型のミスリルシールド
 第一行動方針:レナの捜索】
【エリア 所持品:ミスリルナイフ 加速装置
 第一行動方針:クリスタルの戦士との合流
 基本行動方針:できることをやる】
【ファリス@忍者(アビリティ:とんずら)
 所持品:食料2ヶ月20日強分&毒薬 吹雪の剣 水1,5リットル×2 小型のミスリルシールド
 第一行動方針:レナとの合流
 基本行動方針:レナの捜索】
【ロック 所持品:神秘の鎧 クイックシルバー 小型のミスリルシールド フィアーの書×7
 第一行動方針:とりあえずは共に行動する】
【現在位置:ベクタ→北へ】
※レナの居場所はエリアによりわかります


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最終更新:2011年07月18日 07:02
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