正気じゃない

「ねぇ。ホイミンさん見つけたらどうするの?」
店の商品を物色しながらルーキーライアンに聞いてみた。
「・・・」
「・・・」
「ねえ、もしかしてナニも考えてなかったの?」
「…いや、まあ、その、、、」
ルーキーはため息をついた。確かに彼にしてみたら放って置けないんだろうし。
「この町には戻ってくるだろうけど、ぼく、またどつかれるのはいやだよ」
たぶん、ライアン一人で接触する分には問題ないと思う。問題は、その時周りにいる
人だれでも殺そうとする事だろう。その時ライアンが止める事ができるだろうか?
確かめて見るためにまた死ぬ思いをする覚悟はまだない。
時間はまだ余裕がある。旅の扉はちょうどこの建物の正面の広場にある。
なんとなく窓から外を見て……。ルーキーは硬直した。
いままでなぜ気がつかなかったのだろう。眼帯はさっき外して道具袋にいれてある。
アレをつけていると目が疲れるからだったのだが。
そこには先程屋敷で見つけたゾンビがいた。しかしルーキーが硬直したのはそのためではない。
彼女といっしょにいたターバンの男のせいだ。
一目見てわかった。この独特の雰囲気。間違い無い。彼は魔物使いだ。
ルーキーはどうしようか迷った。ライアンはこの事にきづいていない。
向こうには、先程のゾンビがいる。それに今にも旅の扉に入ってしまいそうだ。
かける言葉が見つからない。ヘンな事を言ったらこっちを攻撃してくるか、
迷わず扉にとびこむだろう。ああ、だめ、なんとかしなきゃ、、、
助けをもとめてライアンの方を振り向く。しかし、そこにライアンの姿は無かった。
不意に外からライアンの声が響く。
「そこの青年!逃げるでござるよ!そいつは正気でないんでござる!!」
正気じゃないのはおまえだおっさん。さっきから黙っているだけだと思ってたけど、
先に気付いて問答無用でとびかかってったとは。気持ちはわからんでもないが、最悪だ。
その声に反応して、相手のゾンビがライアンに迫りくる。
もうどうしようもない。ルーキーはあわてて表に出て、叫んだ。
『やめて(ろ)、敵じゃない』
ルーキーととんぬらの声は、見事に唱和した。

「すいません。うちの人がヘンな事して」
「いや、止められなかったぼくのほうも悪いんだから」
「本当にすまなかったでござる」
「気にしないで下さい。慣れてますから」
広場の真ん中で三人は互いに謝りまくっていた。無防備な事この上ないが。
「あなたは魔物使いなんですか?」
ルーキーはとんぬらの隣にいるアイラを見て言った。
「うん。この人はソコの屋敷で見つけたんだ」
「しかし、彼女はモンスターじゃないでござるよ」
「こんな状態だしなぁ。原因がよくわからないし。」
なるほど。明るい所だと指輪が目立たないもんな。
「たぶんこの指輪のせいだと……」
ルーキーは絶句した。通りの向こうからホイミンが近づいてくる。
まだホイミンの事は説明していない。それにたぶん彼はかなり強い。
止める事を考えて戦いながら作戦を決めるなんてほぼ不可能だ。
そこまで考えたが、さらに状況は悪化した。
ホイミンのだいぶ後ろいる人が魔法をうってきたのだ。あの術式は、たぶんイオナズン。
いまから扉にとびこんでも間に合わない。ライアンととんぬらの位置からでは死角になっていて
二人とも気付いていない。ダメだ。いまから呪文を唱えても間に合わない。

ルーキーが死を覚悟した時、アイラがとんぬらの剣をぶんどり、その剣を振りかざした!
一瞬後、耳をつんざく音と暴力的な光が広場を破壊した。しかしなぜか爆発はこちらには
届かなかった。三人ともナニが起こったのかわからなかった。ただ呆然とアイラの方を見ている。
アイラはそんな三人を掴み、旅の扉へとびこんだ。

【ライアン 所持品:フライパン×2
 第一行動方針:ホイミンを説得する】
 基本行動方針:来る者は拒まず、去るものは追わず。】
【ルーキー 所持品:スナイパーアイブーメラン
 第一行動方針:ホイミンを説得する】
【現在位置:新フィールドへ】

とんぬら 所持品:さざなみの剣
 第一行動方針:パパスと会う
 第二行動方針:クーパーアニーを助ける】
【アイラ(ゾンビ) 所持品:チェス板、駒 死者の指輪 マンイーター
 第一行動方針:ゾンビ状態中はとんぬらについていく。死者の指輪が外れたら???】
【現在位置:新フィールドへ】


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最終更新:2011年07月18日 02:33
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