「何が勇者よ!あんただってレナ姉ちゃんを殺したじゃないの!」
「人殺しの仲間なんだろ!殺されて当然じゃないか!」
バーバラとソロの舌戦が続く中、ソロの様子がおかしい。
震える手で剣を構えてはいるものの、ゆらゆらと姿勢が安定せず、心ここにあらずと、
いった感じだ。
さらにバーバラの口撃は続く。
「人殺しはそっちでしょう!レナ姉ちゃんは何にも悪い事してないのに!最低よ!」
その一言でソロは崩れた。
「ああああっ~わあああああ」
剣こそ手放さなかったが、その場にへたりこみ泣きじゃくるソロ。
それを見てすかさず動こうとしたバーバラだが、
テリーがソロをかばうように立ちはだかる。
今、攻撃すればソロを倒すことは出来るかもしれない…しかし魔法を使えばテリーにも当たってしまう。
「どうしたんだよ!早くやっつけてよ!」
なら強引にテリーをあいつから引き離すか、いやそれもこの状況では難しい。
下手に格闘戦を挑んでも、結局テリーに手傷をおわせてしまう
可能性が高い。
それに背後はクレバス…劣勢の場合の逃げ場は無い。
だったら…。
「出なおすしかないわね…今は」
結局、退くことを選択したバーバラ、だが背後はクレバスだ、どうする?
と、そこで彼女は意外な行動に出た、なんと彼女はバク転の容量でそのまま背後へとジャンプしたのだ。
しかし着地すべき地面は、はるか数百メートル下だ。と彼女がジャンプの頂点に達したときだった。
「イオラ!」
バーバラは前もって準備していた呪文を、ここぞとばかりに氷壁に叩きつける。爆発が起こり空中にいるバーバラの身体は木の葉のように宙を舞う、そう、爆発のエネルギーを利用してバーバラは強引にクレバスを飛び越えたのだ、
いや飛び越えるというより、弾き飛ばされたというべきであろうか。
こうして何とか窮地を脱したバーバラは、すり傷と打ち身の痛みに悶えながらも、なんとか起きあがる、
これで追いかけてこられれば終わりだ。
だが、どうやらその気配は存在しない、あきらめてくれたようだ。
しかしだからといって安心してもいられない、そう状況は以前とほとんど変わっていないのだ。
「どうしたらいいの…どうしたら…」
よろよろと歩きながら自問自答するバーバラ、その時、夕刻の放送が始まった。
一方、頭を抱え悲しげに唸っていたソロだったが、テリーの言葉でようやく我に返り始めていた。
「しっかりしてよ、勇者があんな悪い奴らの言葉を聞いてどうするんだよ」
「だけど…僕は取り返しのつかない事をしてしまったのかも…」
「ちがうよ、ソロは騙されているんだ、なんにも悪くなんか無いよ」
その言葉でソロは涙に濡れた顔を上げる。
「本当だね…僕は間違っていないよね?悪いのはあいつらなんだよね?」
テリーは意識していなかったが、そのやりとりは無垢な若者を洗脳する誘導尋問の響きがあった。
そしてその甘言は、不安定なソロの心にいとも容易く入りこんでいった。
「僕は、絶対に裏切ったりなんかするもんか!だから、いっしょに悪いやつらをやっつけようよ」
「うん…うん」
未だに見えぬ瞳からぽろぽろと涙を流し、テリーにすがりつくソロ。
「僕は絶対に勇者でなくっちゃいけないんだ…、正しくなくっちゃいけないんだ…
だってそれが僕の全てだから…勇者じゃない僕なんて、僕じゃないんだ」
ぶつぶつと呟き続けるソロ、そんな彼の髪を撫でてやりながらテリーも囁く。
「安心していいよ…僕がそばにいるから」
【テリー 所持品:なし
基本行動方針:
謎の剣士の敵(
ティナ)を取る】
【ソロ(暗闇もしくは失明) 所持品:
エンハンスソード イリーナの会員証
スーツケース核爆弾
第一行動方針:悪い奴を倒すor勇者になる
最終行動方針:
デスピサロ打倒(現在もその気があるかは不明)
【現在位置:中央西よりの山地の南にある平原】
【バーバラ(負傷)
所持品:
果物ナイフ ホイミンの核 ペンダント
メイジマッシャー
第一行動方針:テリーを救う
第二行動方針:レナの遺言を果たす
第三行動方針:仲間の捜索】
【現在位置:中央西よりの山地の南にある平原】
最終更新:2011年07月18日 07:07