「なるほど、君の言うことはわかった」
パパスは
ヘンリーの説明を受けて一つ肯いた。
彼が、ラインハットのヘンリー王子だということ。
王妃の奸計でヘンリーと息子のとんぬらは奴隷になり、自分は死んだということ。
8年後、逃亡に成功して自由の身になり、ヘンリーはラインハットに帰ったこと。
息子には妻と同じ、魔物を仲間にする才能があり、共に旅を続けたこと。
旅の果てに、自分の本当の身分を知り、グランバニア王に即位したこと。
20年の時間を語るヘンリーの言葉を、パパスは否定する事が出来なかった。
話は整合性が取れていたし、なにより、自分しか知らないこと…
正確にはそれが誰かに知れるのは自分が死んだ時だけのことも、彼は知っている。
彼の言葉は真実だ。ならば……
「私と君の時間は違う、と言う事か」
「そうとしか考えられない。あんたの時間はどこから始まっているんだ?」
パパスはフム、と唸ると、
「ヘンリー王子…つまり君に部屋から追い出されて、とんぬらに様子を見てきてくれと頼んだ。
とんぬらが戻るのを待っていたのだが…」
「俺は
隠し通路から部屋を抜け出していた。そこでならず者に攫われたんだ」
パパスは軽く溜息を付く。やはり聞いていてあまり気持ちのいいことではないのだろう。
「ともあれ、私にとっては未来の事だ。ここから生きのびてからでも、遅くはあるまい。
それで、君はこれからどうするつもりかね?」
ヘンリーは、ようやく自分がココで、何をしているのか思い出した。
パパスを見る。引き締まった体躯、揺るぎない姿。
殺せるのか、これを?
ヘンリーの脳裏に、自分を助けに来たパパスの姿が浮かぶ。
牢をこじ開け、父の自分への思いの丈を語ろうとした、男の姿が。
もしも、が許されるなら。それは二度と繰り返してはならない光景だった。
自分は、パパスの死が無駄ではない事を証明するために、苦しい奴隷生活を生き抜いた。
その思いは絶望しそうになったとき、自分を奮い立たせる最後の命綱だったのだ。
それなのに、俺は殺せるのか?この、男を。
ヘンリーは、深く考えた。そして大きく深呼吸をして、決めた。
「俺は、次の世界でも
参加者を殺す」
「………!」
パパスの表情が一瞬で厳つくなる。
それが逆にヘンリーの覚悟を完了させた。
「妻の
マリアが死んだ。理不尽に殺された。それが悔しくて殺しまくった。
殺しても何もならない、そんな事わかっていても。もう、続けるしかない」
パパスは強烈な威圧感とともにヘンリーを睨みつける。
「腑に落ちんな。何故私に宣言する」
「あんただからさ。俺の命はあんたに救われたものだ。だからもう一度あんたに預ける。
ここで殺すも良し、抵抗はしない。見逃したなら、次からはあんただろうと殺す」
「………」
それだけ言うと、ヘンリーは
旅の扉に向かって足を踏み出した。
ゆっくりとゆっくりと。パパスが駆ければ一瞬で立ち塞がれる、そんな遅さで。
「そうそう、昨日とんぬらに会ったが…あいつならすぐに殺すことを選ぶだろうよ。
あいつは何が最良で、どうすれば後悔しないか、よくわかってる奴だからな。
親父のあんたはどうする」
【パパス 所持品:
アイスブランド
第一行動方針:ヘンリーを見逃す?殺す?
第二行動方針:旅の扉の前でギリギリまで待つ
第三行動方針:
バッツと双子を捜す、
スコールを殺す
最終行動方針:ゲームを抜ける】
【
トーマス 所持品:
薬草×10 鉄の爪 手紙 碁石(20個くらい)
第一行動方針:パパスについていこうと思っている
基本行動方針:生き残る
最終行動方針:トム爺さんの息子に一言伝える】
【現在位置:ロンダルキアの洞窟6F・旅の扉前】
最終更新:2011年07月18日 00:42