デッシュはウロウロと部屋の中を歩き回っていた。
今は吉報を待つしかない。しかし、ジッとしているのは嫌だった。
仲間たちが
ゾーマと死闘を繰り広げている時に、のうのうと時間を潰していてもいいのか。
しかし、もう自分にできることはない。それが現実だ。
結果、何にもならないと知りながら、こうして歩き続けている……
「そこの青年、少しは落ち着いてはどうかね」
不意に声を掛けられてデッシュは振り向いた。
そこには柱にもたれかかって座り込んでいる老人がいる。
よく見ると、身なりは良く堂々とした態度は身分の高さを窺わせる。
しかし同時に自己主張をしないため、今まで誰も気に止めていなかった。
知らぬ間に、ただそこにいる者として受け入れられていた。
そんな老人から声を掛けられてデッシュはやや不意を突かれた。
思わず言い返す。
「わかってるけどさ、ただ待つのが辛いんだよ」
「しかし君が動いていてはそこの少女も気が気ではないじゃろう。
まずは座ってみてはどうかね」
確かに、
リディアは不安そうにしている。
そうだった。できることがただ一つある、それはリディアを保護することだけだ。
こんな時だからこそ年長者として、この少女を安心させないといけない。
デッシュは座った。老人の座っている場所と、リディアが座っている場所の中間に。
座って………さて、何をしよう。
話はつい先程やった。自分は種切れだし、少女はあまり記憶がはっきりしていない。
黙って待っているのも気が滅入る。ならば……
「なあ、あんたまだ話をしてなかったよな」
「わしの話を聞きたいのかね?」
「ああ。良かったら何か聞かせてくれ」
老人、
ゼニスはふむ、と頷いた。
何かを考えているような、何も考えていないような……
つまりは、何だか良くわからない仕種の後、答えた。
「よいじゃろ。少々長くなるが」
「この際好都合だ。リディアもいいだろ?」
話を振られて、慌てて頷くリディア。
そんな少女を見ながら、ゼニスは口を開く。
「では、ある物語を語ろう。ある一つの夢から始まった物語を……」
【デッシュ 所持品:アサシンダガー
加速装置 裁きの杖 首輪×5】
【リディア(魔法使用不可) 所持品:なし】
【ゼニス 所持品:
アンブレラ 羽帽子?】
行動方針:待機、ゼニスの話を聞く】
※チョコボがいます
最終更新:2011年07月14日 23:12