「カービィ…今度こそ君の歴史は終わる。」
Point1 違和感
ある日、カービィがいつものように寝ているとき事は起こった。カービィを見てもみんなの反応がいつもと違う。そう、まるでプププランドに来たばかりの時のよう。しかし、のんきなカービィはサプライズの準備かも!などと気にしていなかった。
カービィはまだ知らない、このちょっとの違和感が重大な事態を引き起こすことを…
Point2 バタモンの策略
日に日にカービィに対する住民の反応は悪くなっていった。さすがのカービィもこれには不穏な空気を覚え始め、プププランドを巡っていると…「もう遅いよ。」聞き覚えのある声がする。
「バタモン!」カービィの前に現れたのは、カービィにそっくりな見た目をしたバタモン。これまで何度かそっくりなカービィに難癖をつけては戦ってきた。「今回ばかりは僕の勝ちだよカービィ。」「一体何のこと?ぼくまだ戦ってもないのに」「ふふふ、もう無意味だから教えてあげちゃおう!なんと、この国の絶対に分からない場所に秘密兵器BTM-327をセットしたのだ!」カービィはきょとんとしている。「この秘密兵器によって今歴史は入れ替わろうとしている…そう!僕と君の存在がね!」カービィはいまいち意味が分かっていないようだ。「あいかわらずのんびりした顔しちゃってー分かりやすくいうとね、みんなは僕をカービィだと思い始める。」「!」カービィもようやく事の重大さを理解したようだった。「そしてあと1分でそれが完全になる!」バタモンは誇らしげに言った。「1分であれを見つけて壊すなんてできるはずがない!万が一見つけたとしてもあの兵器は破壊できない!終わりだね。」そう言い終わるとほぼ同時にプププランド全土が一瞬緑の光に包まれて軽く揺れた。
Point3 偽物の歴史
気がつくとバタモンは消えていた。カービィがプププランドの町に戻ると、そこにはみんなの中心で仲良くしているバタモンの姿があった。カービィが声をかけても、相手にされない。カービィは少し物悲しくなったが、ポジティブな性分がカービィのいいところ。一人くらいは自分を覚えているだろうとプププランド中を探した。一人も覚えていなかった。ただ一人、彼を除いては…
Point4-A 大王とピンクだま
デデデ大王はカービィと城で話していた。「ふん、とりあえず部下のワドルディたちはオレ様の知り合いということでごまかせたな。さて、このままならバタモンの承認欲求が満たされるだけだが、これ以上何かを企んでいるなら早めに止めるべきだ。まあ、オレ様がいればもう安心だがな!」「うーん、でもバタモンは絶対に壊せないって言ってたよ。メタナイトも呼ぼうよ!」「あいつがそんな簡単にお前を信じるか?」「えー、メタナイトもデデデ大王なら信じてくれるよ。バディファイターズタワーでの連携とかすごかったじゃん!」「…まああいつを除け者にすると後で何を言われるか分からないからな…。」デデデは城の通信機を手に取った。
Point4-B 騎士とピンクだま
戦艦ハルバードからプププランドを見下ろすカービィとメタナイト。メタナイトの部下たちはカービィを警戒していた。「カービィ。住民から君の記憶を奪ったバタモンというのはあれか。メタナイトはギャラクシアでちやほやされるバタモンを指した。「流石にこの人数ではそう簡単には説得できまい。大王や彼の部下のワドルディの力を借りて素早く元手を叩いた方が良いだろう。」戦艦ハルバードはデデデ城に降り立った。
Point4-C 親友とピンクだま
バンダナワドルディはデデデ大王とメタナイトに何度も頭を下げていた。「信じられないかもしれませんけど!カービィはかつて僕たちの友達で…」メタナイトが止めた。「そこまで言うなら…カービィとやら!その剣を取れ!」メタナイトが剣を放り投げ、カービィの目前に突き刺さった。「君が私に攻撃を当てられたなら信じよう。」カービィは迷いなく剣を取り、メタナイトとぶつかり合う!「あんまり城を壊すなよ!」デデデが叫んだ。カービィとメタナイトはかなり拮抗したが、「きりあげスラッシュ!」カービィの一撃が決まった。「ほう。なかなかの実力…これなら信じられる。」メタナイトが言った。デデデも続ける。「言っておくがオレ様はお前を信じきったわけではない。あくまでもバンダナワドルディとメタナイトを信じるだけだ。」
Point5 ばったもんの栄光
こうしてデデデ大王・メタナイト・バンダナワドルディと合流したカービィは、3人と共にクラウディパークに向かっていた。なんでもその雲の奥から異様な音がするとの噂が相次いだのだ。細かい雲がたくさん流れ、雲の壁がそびえたった場所。その壁の一点に隠し通路があった。その先に巨大な機械があり、大量のバタモンが湧き出していた。
「あーあ、見つかっちゃったかー」バタモンが言った。「昔からここにはたくさんバタモンがいてね…これを作動させるのには最適だったんだ。」「バタモンって…たくさんいたんだ!」カービィが言う。リーダー格のバタモンがカービィたちの方を指すと大量のバタモンがいっせいに襲い掛かってきた。しかし、単体ではそこまで強くない。あっさりとバタモンたちは倒されていった。追い詰められたリーダーバタモン。しかし、その口には不敵な笑みが。メタナイトが問い詰める「何がおかしい!?」リーダーバタモンは何も答えずに叫んだ!「BTM-327、エネルギー逆流!」その瞬間、全てのその場に倒れたバタモンが吸収されていった。さらにリーダー格のバタモンも吸収し、BTM-327の機械的なパーツも有機的に変化していく。「短い間だったけど、僕をカービィとして見てくれた住民からもらった思いが今!ここに!」バタモンの声が響く。周囲を光が覆いつくす。そしてその光が止んだ時目の前にいたのは…
もはやバタモンの形を留めない、異形の怪物だった。
最終更新:2022年01月05日 12:34