第1章 集え!オーバー戦士!
「ZB!出動!」
ここはAZAの本部。そのゾビッポン駆逐部隊の隊長Kがゾビッポンバスター(ZB)に出動の司令を出していた。
ZBは多くの隊員からなるが、中でも特殊な素質を秘めた戦士はオーバーと呼ばれ、チームの総括などを任されていた。
とはいえ、今ここにいるオーバーはただ一人。コロポロハボキィのゆびしかいない。彼の能力は箒を使った飛行、兎の如き跳躍力、雪玉やハンマーを生成して武器とする能力だ。
理論上、オーバーは彼のみではないが、その素質に気づくにはきっかけがいる。AZAは激化するゾビッポン帝国との戦いに備えてオーバーを探していたが、めぼしい発見はなかった。
「ぎょっぱー^、新たなオーバーは出てくるのかな?」飼っている魚のぎょっぱー^に問いかけるゆび。しかし、今は一人で戦うしかない。出動命令を聞いたゆびは隊員を率いて現場に直行した。
「フハハハハ!このノコギリゾッポン様の前に散るが良い!」
ゾッポン、ゾビッポン帝国が生み出す強化版ゾビッポンだ。このゾッポンはノコギリの力を宿されたらしい。一般ゾビッポンを率い、町中を切り裂いて暴れている。
ゾッポンの攻撃で絶えた人はゾビッポンになってしまう。一般ゾビッポンもゾビッポン液を使って同じことをする。しかし、変化してから時間が経っていなければゾッポンを撃破することで治療可能である。
「そこまでだ!ゾッポン!」
叫びが響き渡る。「お前がAZAのオーバーとやらか!」「そうだ!お前を倒す!スノーチョップハンマー!」雪玉を固め、それに大量の割り箸を刺して作られたハンマーを振るうゆび。ノコギリとぶつかり合い火花が飛び散る!「こいつやけに強い…!」「ハハハッ!ゾッポンも日々技術の進歩で強くなっているのだ!」
実力は拮抗、あるいはゾッポンが少し押している…?隊員たちは周りに湧き出した一般兵のゾビッポンの対処で手一杯。AZA、絶体絶命…!?その刹那、突如一人の人物が飛び出してきた!「僕も手伝います!」
突然の不意打ちに怯むゾッポン。「威勢だけは褒めてやるがオーバーでもないお前に何ができるかな!?」「そうだ!君は逃げろ!」「力がなくても手伝いくらいはできる!」意気込んで叫んだその時!突如その体が輝き出した!「ハッ…!これは僕がオーバーに覚醒した時と同じ…!まさか!」
光が止んだ時彼の手には爆弾が握られていた。「これで僕も戦えるのか…!やーっ!」ドカーン!その爆発力は強烈!ノコギリゾッポンの刃は一瞬で刃こぼれしていた。「クッ…!刃を研ぎ直したら必ずお前らに逆襲してやる!」そう捨て台詞を残すとゾッポンは地面に潜って逃げていった。
「すげえ!君!僕と一緒にAZAに来てくれないか!」「は、はい!」
〜AZA本部〜
「やっとオーバー二人目か」隊長Kが言う。「そういや名前を聞いてなかったね。君の名前は?」「デビって言います。」「デビくんか!よろしく!僕はゆび。こちらが隊長のKさん、そしてこの人が…」「私はメカニック。」「メカニックの桃ぽよ氏だ。」「紹介終わったしそろそろ新兵器完成するからもどっていい?」「あっ、どうぞ。」「新兵器をお楽しみに。」「よろしくお願いします!ところで隊長、あのゾビッポンは一体何者なんですか?」「まだ詳しく分かんないんだよね。少なくともインフラを支えていた時期のゾビッポンからは大幅に変異してることだけは間違いないけど。」「変異というと?」「さっきのやつがノコギリ型の組織を持っていたように、何か強大な技術力を身につけてああいう強化体が生まれるようになったのもそうだし…ゾビッポン液を使わずとも相手をゾビッポンにできるようになってるし…」
その時、隊員の一人から報告が入った。「大変です!ノコギリゾッポンがAZA本部に!」「そんなバカな…!とにかく向かってくれ!」「「了解!!」」
ノコギリゾッポンは本部周辺で暴れている。「どうやってここに来たんだ!」デビが問い詰める。「ノコギリは我が体の一部。簡単に再生できるというわけだ。逃げたふりをして後をつけさせてもらった!あそこに開発中の兵器のようなものがあるな…あれから破壊してやる!」ノコギリゾッポンはメカプラントに向かった。そこには…「桃ぽよ氏!危ない!」「え」
ノコギリゾッポンは桃ぽよ、そしてその周辺にある機械を狙って攻撃を仕掛けようとしたが…ピューン!その体を弾丸が貫いた。「ちょうど完成したメガンのテストするか。」「「メガン!?」」ゆびデビが同時に尋ねた。「これの弾丸には目がついてて敵を認識して追尾する。味方のデータとゾビッポンのデータを組み込んでるから誤射することはない。」桃ぽよはメガンを連射しながら解説する。「ふざけた名前のくせに強い…!」ノコギリゾッポンは追い詰められていた。
ゆびは気づいていた。メガンを撃ちながら桃ぽよの動きは良くなっていく。「まさか…桃ぽよ氏も…!」そのまさかだった。桃ぽよは輝き出し、その目には二色のモノクルのようなものが出現したのだ。
「これはメガチップ。」桃ぽよは懐から目の描かれたチップを取り出し、メガンに挿入。「hello メガチップ charge」メガンから音声が鳴りエネルギーがチャージされていく。「see you」メガンがそう言い放った時、桃ぽよは引き金を引いた。ピシューン!より強烈な弾丸が発射され、ノコギリゾッポンを吹っ飛ばした。「うわああああああああああ」キラン、ゾッポンは星となった。
ノコギリゾッポンの襲撃によってゾビッポンに変えられた人々が元に戻っていく。こうして今回の戦いは終わったのだ。
隊長も満足そうに笑っている。「今日から君たちはジャングルボマーデビとメガニック桃ぽよだ!共に戦おう!」 「はい!」「私はメガニック。」新たな仲間を見つけたAZAは気持ちを新たにゾビッポン対策に努めるのだった。
???「ノコギリゾッポンもやられたか…」「フッ、安心なさい我が新たな発明品を使えば…」
〜第1章完〜
次回予告
「巨大なゾッポン!?」「これがチームの力だ!」「僕も戦いたいです!」
最終更新:2020年11月23日 23:35