第3章 健気に咲いたゾビの花


「一体あれは何だったんだ…」AZAは謎の龍の戦士の話題で持ちきりである。「水を使ってた。」とすしが言うとデビゆび桃ぽよはそれぞれ「僕が見たやつは雷を操ってました。」「炎の剣を振り回してた。」「あいつは闇。」どうやらさまざまな属性を操れるらしい。「仲間にできたら心強いよなー」とこぼすゆび。「あ、これかな?」隊長Kが突如声を上げる。「「「「これって何ですか?」」」」「見てくれ。古代の文献を調べたらそれっぽい記述があったよ。何でも龍群地という場所にある影ケ原に伝説の龍がいて、その龍に選ばれたものは戦う力を得るらしい。ただ言い伝えにあるのは水の力だけだから他は選ばれた人本人の技なのかもしれないね。」

「「「「やば」」」」四人が口を揃える。「え?俺属性っぽいの雪玉しか使えないのに?その人は自分だけで3つもあるの?やばない?」「仲間にできたら強そうだなー。シャリと水の合わせ技で…」「ゾビッポン反応あり!ゾビッポン反応あり!」ブザーが鳴り響く。「龍群地の調査はまた今度だな。」

反応のある場所に向かうとそこにはゾッポンが!「待っていたぞAZA!我が名はプラントゾッポン!」なるほど、体からさまざまな花やキノコが生えている。いずれもゾビッポンの顔が浮かび上がっていて不気味だ。「咲き乱れよ!ゾビポプラント!」そう言って体を揺らすと大量の花粉を舞い散らせている。メガニックの力で分析した桃ぽよが叫ぶ。「花粉を吸うな!ゾビッポンになるぞ!」元々ゾビッポン液の対策で防護マスクは標準装備、隊員も含め全員が装着した。だが、一般市民はそうではない。次々にゾビッポンと化していく。「何としても倒して止めるぞ!」すしがシャリをバリアにしながら言う。

ところが…?「こんなもんだな!」と言うとプラントゾッポンはプラントゾッポンは地面に潜って消えた。「え?」爆弾を投げつけたところだったデビは困惑。爆弾は虚無をめがけて爆発した。

全員が基地に帰還。「一体何をしにきたんだ…?」隊長が街のマップ画面を確認している。桃ぽよはマスクについた花粉を集めて分析していた。

残りの三人は街を見回っていたのだが…「謎の植物が繁殖しています!」デビが突如本部に通信を入れた。他二人からも同様の連絡が来るのにさほど時間はかからなかった。分析を進めながら桃ぽよが言う、「この花粉には種子の機能もあるらしい。ゾビッポンの遺伝子があるからかなり過酷でも生きてるみたい。」

ゾビッポン帝国では笑い声が響いていた。「フハハハハ!これで世界はゾビッポンとなる!!」ゾビホウが笑う。「流石だなゾビリーダ!」あの幹部はゾビリーダと言うらしい。そのゾビリーダが答える。「ゾビッポン軍提督たるこの私の作戦に狂いはございません。ノコギリゾッポンおよびデラゾッポンを始めとする多くのゾッポンが取ってきたデータを常に活用し、作戦をより確実なものとしています。」

プラントゾッポンは各地に現れる。3人はそれぞれ分担時には順番に休憩をはさみながらも備えているが、相手の逃げ足は速い。最初の反応で出会えたのが奇跡的だ。ゾビッポンは増え、謎の植物も力を増していた。そして、AZA本部でも防護マスクやスーツについた花粉が開花し始めていた。桃ぽよが解析を進めている。「大きく分けて5種類。チューリップみたいなやつ、冠みたいなやつ、キノコ型、ゲームで見たやつ、寒冷地に特化したやつ。大きな違いはないけど細部の遺伝子が違うからどんな環境でもどれか一種は生き残るようになってるのかな。とはいえ全て基礎はゾビッポンだから共通弱点はあると思うけど。」

襲撃が重なるうちにそのマークが地図に埋まり、そしてある時ゆびが気づいた「これZになってない?」そうプラントゾッポンはZを上と下から交互に書く形で街を襲撃していたのだ。連絡を受け、デビとすしはZの中心部へと向かった。それとほぼ同時に・・・「何!?先回りされただと!」敵は現れた。即座にすしが「我がシャリよ!大いなる鎖となり敵を捕らえよ。シャリバインド!」シャリユニットが鎖のように飛び、ゾッポンを縛り付ける。「クッ・・・!」このゾッポンは植物の繁殖に特化しているのか戦闘能力はあまりないらしい。あっという間に動けなくなってしまった、かと思われたその時!「ゾビマズの胞子!」突然花粉とは別の粉が噴射された。その粉は小さなゾビッポンと化し、シャリバインドの細かい隙間を縫って解除してしまった!「シャリバインドが破られた!?」「どうやら本気でお前たちは潰す必要があるらしいな!喰らえ!ファイアアイスコンチェルト!!」炎と氷を同時に噴射。その二つは融合し、冷熱どちらともとれぬ光線となって襲い掛かる!「シャーリーディフェンス!!」シャリが盾となるが長くは持ちそうもない。「こいつ!植物の力を操れるのか!」デビが言う。「いかにも!炎と氷はゾビポモドキとゾビエソウ、胞子はゾビマズダケの力だ!そしてこのゾュビップ、花言葉は腐敗。さあこの花粉がお前たちの武器も腐敗させる!ゾュビポレン!!」花粉が槍の形を為して飛んでくる!「盾が持たない!」

ガキーン!次の瞬間花粉の槍は凍りついていた。「「!?」」「おまたせー。」ゆびが高密度の雪玉で凍らせたのだ!「チッ…邪魔が入ったか…!ならばこれならどうだ!ゾビポバナの力!!冠の濁流!」ゾビッポン液の大波が襲いかかる!「シャーリーディフェンス!」「ゆきだまウォール!」シャリの盾と雪玉の壁が重なり合う時、さらなる強固な壁となる…!力を増した盾は濁流を止めるにとどまらず浄化して跳ね返すに至った!いくらプラントといえどもこの激流には抗えない。止んだ頃にはプラントゾッポンは跡形も無くなっていた。

プラントゾッポンにより直接ゾビッポンとなった人は戻っていくが、ゾビッポン植物は生えたまま。このままでは、ゾビッポン化は収まらない。「どうするこれ?」「一つずつむしるには数が多いし…」相談していた三人の元に雨が降ってきた。「えっ?予報では晴れ…」と空を見上げるとそこにはメガンビーが飛んでいる。「ゾビッポン植物の共通の弱点となる聖水を合成できたから降らせとくよー。あの植物の撲滅にとどまらずしばらくゾビッポンはここらには湧いてこられないと思う。」桃ぽよからの通信だ。「これずっと撒いとけばいいのでは」すしが問う。「これ作るのが大変だからいつでもは無理。あと、仮にできてもあっちの科学力なら十分対策してくると思うよ。」「楽にはいかないんだなー。」

かくしてゾビッポン植物を巡る戦いは幕を閉じた。帝国では…「あいつら…!特殊聖水を町中に撒きやがって!しばらく外には出られないな!」ゾビリーダが憤慨するのをゾビホウがなだめた。「逆にこの機会を利用するのだ。私はある文献を見つけた。龍群地という場所についてだ。おそらく前に我々の邪魔をした龍の戦士と関係がある。調査するのだ!」「かしこまりました!では我が軍の誇るゾビッポン四天王が一人、ゾビアーチャを送ります。やつの目は何者をも逃がさない…!」

〜第3章完〜

次回予告 「ここが龍群地…」「貴様らは我が力を手にするに相応しいかな?」「ゾビッポン四天王が一人!ゾビアーチャ!ここに見参!」


+ コメント欄
名前:
コメント:

すべてのコメントを見る
最終更新:2020年11月24日 22:43