第4章 四天王登場!伝説を追いかけて


「ここが龍群地…。」デビがつぶやく。聖水を撒いたことで街にはしばらくゾビッポンは湧かない。その合間を縫って4人は謎の龍の戦士と関わりがあるという龍群地の調査に赴いていた。「影ケ原はあったみたいだね。」ゆびが指さした。

その頃ゾビッポン帝国ではゾビリーダが何者かを呼び出していた。「ゾビアーチャ!ゾビアーチャはいるか!」「ハッ!腐食狩人ゾビアーチャここに!」「お前には龍群地という場所の調査をしてもらう。場所はここだ。お前の狩人の目なら、どんな隠された古跡の謎も見つけ出せるだろう。」「フフッ…!流石ゾビリーダ様、この私にそのような任務を与えていただけるとはお目が高い。必ずやかの戦士の秘密を見つけ出して見せましょう…」

「この石碑は・・・」桃ぽよが分析する。「この地、影ケ原に偉大なる龍眠る。」読みあげはじめた。「読めるの?」寿司が訪ねた。「私はメガニック。」一言答え、再び読み始める。「その龍、名を潮頭龍という。龍に選ばれし者。火の剣を振るい、龍と心体を一つにして平静を乱すものを払わん。」「つまりあの人はこの龍に選ばれたのか・・・。」ゆびが言ったその時。

「まさか貴様らも来ていたとはな!」声が響く。「「「「誰だ!」」」」4人が同時に振り返った先には弓矢を持ったゾビッポンが。「なんだ?今度はユミヤゾッポンってとこかー?」とデビ。「フン!私はゾッポンとは違う!そしてゾッポンよりも遥かに上位の存在!ゾビッポン四天王が一人、腐食狩人ゾビアーチャ!」「ゾビッポン四天王!?」「ああ!ゾビッポンの中でも精鋭揃いだ。」「精鋭だろうとなんだろうとこのシャリで貫いてやる!」すしがシャリを槍の形に変えて飛ばしたのをきっかけにメガン・雪玉・爆弾も同時に撃ち込まれた。ところが、「遅い!」その一言が終わる頃には全てが矢で撃ち落とされていた。「そんな・・・!ならこれで!」シャリを剣にして切りかかるすしに桃ぽよが言う「待て!あれはただのゾビッポンじゃない!考えなしで飛び込むな!」忠告は、遅かった。ゾビアーチャは弓を巧みに操り剣戟をいなすと、逆に攻勢に出た。「この程度のものに負けていたとは・・・ゾッポンもまだまだ改良の余地があるようだな!」弓を振るった衝撃で全員が吹き飛ばされる。

「終わりだ。」ゾビアーチャが弓を構えた「偉大なるゾビッポン帝国に反逆せし者どもよ!我が矢でまとめて葬ってやる!地獄で仲良く暮らすのだな!!」矢が放たれる。もはや回避する術はない。もう終わりか・・・誰もが確信していたその時!青い光が現れ、4人を包み込みその姿を消した。ゾビアーチャの研ぎ澄まされた目はその光の中に見えた顔を見逃さない。「馬鹿な・・・!あの顔は・・・!」

4人が目覚めたのは暗い洞穴の中だった。「目が覚めたようですね。」声が聞こえた。「私は天声ミキ。あなた方は龍を探しに来たのでしょう。」「何故わかる?」桃ぽよが訊く。「あなた方は前にゾビッポンが沸いた時に戦っていた人でしょう。」「ということは、あの龍の戦士の拠り所となっているのは・・・」「そう私です。」(ミキよ・・・その者たちと話をさせよ・・・)「なんだ今の声!」ゆびがいう。「私に宿る龍があなた方と話をしたいようです。」そういうとミキはあの龍の戦士に変化した。「我が名は潮頭龍。この者は我に拠り所として選ばれた。」龍の声は威厳があった。「ミキは記憶がところどころ欠けているのだ。これまで我がミキを見てきた。この前ついに戦士として戦えそうになって初陣を飾ったというわけだ。さて、ここまで来たからには知っているだろう。私は世界の平静、均衡を保つもの。ゾビッポンの侵略が進めばゾビッポンの支配こそが均衡とみなされることもあろう。私は君たちの戦いを密かに見てきた。先ほどの戦いの様子ではゾビッポンに味方した方が早く均衡が訪れるか・・・?」「待ってください!」デビが言う。「何を待つことがある。元はと言えばお前たちが道具として利用していたものに反逆されたのだぞ。確かにゾビッポンのやり方は強引だが、決して賛同できないものではない・・・。」4人は何も言い返せなかった。「それでも我に力を貸してほしいと欲すのならば・・・お前たちがそれに相応しい存在だと示して見せよ!!」

龍の戦士は激しい水流を放った。ゆびとすしのシールドを重ね合わせてなんとか防ぐ。その隙をついて、メガンと爆弾の同時攻撃が行われた。「遅い!」龍は素早く水流を止め飛び上がる。その姿は人型でも、動きは龍の如く、素早いだけめにいどこか荘厳で引き込まれるような動きだった。動きに惑わされた4人は何度も味方に攻撃を打ち込みそうになる。「この程度のものか!」龍はますます荒れ狂う。

「バラバラに攻撃してもかわされる!」「息を合わせるぞ!」4人は一度動きを止め、後ろに下がった。「どうした!もう諦めたか!」4人は答えない。龍の動きに集中していた。次の瞬間素早くすしはシャリで壁を展開して龍の動きを封じる。そこをメガンが狙い撃つ。メガンに引きつけられた龍を、ゆびが弾き飛ばしたデビの爆弾が仕留める!三段構成の攻撃で龍の動きを封じたのだ!

龍のオーラがミキから消えて声が聞こえた。「フハハハハ!面白い!お前たちの連携、統率、しかと目に焼き付けさせて頂いた!そのような統率を持つものにこそ世界を保っていてもらいたいものだ…!」「じゃあ龍さんは!」すしが問う。「ああ!我もお前たちと共に戦おう!そして、私もお前たちと対等な存在として戦いたい。これからは私のことはリュウと気軽に呼んでくれ。」「「「「よろしく!リュウ!!」」」」

その頃ゾビアーチャは帝国に戻って報告をしていた。「かの龍の戦士はおそらくやつらにつくものと思われます。」ゾビホウは「分かってはいたが…やはり奴は我らの敵となる存在であったか…。」「それよりも!」ゾビアーチャは声を荒げた。「その龍が拠り所としている者。その顔が問題なのです。あの顔は間違いない…!このゾビッポン帝国建国戦争の際に最後の最後まで抵抗してきたあの男なのです!」ゾビリーダが反応した。「何だと!?死んではいまいと思っていたが…まさか龍となっていたとは!」ゾビホウも続ける「確か突如光の中へ消えたのだったか…あの時も敵となり今また敵として立ちはだかるとは…!」「その男についてですが…」新たな声がした。「「「ゾビマジーラ!」」」「いかにも腐食魔導士ゾビマジーラここに。」「何かあったのか!?」「いや、奴の家に残されていた謎の機械の実態が掴めてきたのでご報告を…」

〜4章完〜

次回予告!
「異次元の扉だと!?」「何だあの巨大兵器!?」「目には目を…巨人には巨人を…!」
次回!「兵器襲来!AZA巨人ここに降り立つ!
最終更新:2020年12月05日 12:26