第6章 鮮血の敵と覚醒の時
その日、町は炎に包まれていた。ゾビッポン反応のあった場所にAZAのメンバーが向かう。
そこには二体のゾビッポンがいた。「やっと現れたな!」「・・・」
(赤いゾビッポン!?まさか!!)リュウが言った。「何だお前たち!」ゆびが言った。「我が名はゾビッポン四天王が一人。腐食管理人ゾビデータ!貴様らのデータは全て我が手中にある!」「・・・」「そしてこいつは・・・分からないだろ?私も分からない。つい最近生まれたばかりの変異種だ。行け!」
その変異種、赤いゾビッポンは炎を纏って突進してきた。5人は回避し、素早く臨戦態勢を取った。しかし、向かって行ったのは4人だけだった。
「どうしたんだ!ミキくん!」すしが声をかけた。「何故だ・・・僕はあいつと戦いたくない。あの赤いゾビッポンとは・・・戦ってはいけない気がする・・・」ミキはためらっていた。「そんなこと言ってる場合じゃないけど・・・だったら二手に分かれよう。ゆび&すしで赤いのを、残り3人であの眼鏡をやる!」桃ぽよが素早く提案し、更に続けた「あの赤いのは氷が弱点!雪玉が効くはず・・・!」
すしとゆびが攻撃を加えようとした。しかし、ほとんど回避される。辛うじて1、2発当たったかどうかだ。それと同時にデビミキ桃ぽよもゾビデータに攻撃を全てかわされていた。「ハハハハハ!無駄だ!私はその名の通り、貴様らのデータを全て管理している!とっくに解析済だ・・・そのデータは赤いそいつにも組み込んでいる!お前らがいかに攻撃の幅を広げようと、その結論は予測済みだ!もっともそいつには完全にインプットはできなかったようだが・・・」
赤いゾビッポンの攻撃、炎は激しさを増す。ゆびの雪玉が辛うじて何発も通るが、その炎は収まらない。「・・・」燃え盛る火炎が二人を襲う!吹っ飛ばされた先には他の3人が!巻き込まれた5人はまとめてダウン。「うわああああ!」
「もはやお前らに勝ち目はない・・・」ゾビデータと赤いゾビッポンが迫る。ゾビデータのゴーグルの左右にエネルギーが充填される。赤いゾビッポンもトドメに向けて火力を高めていく。「やはり四天王にはまだ敵わないのか・・・」
ゴーグルからのレーザーと赤いゾビッポンの炎が連続で放たれ、回避不能の雨あられのごとく降り注ぐ。
もはやここまでか・・・そう思ったその時!「右ぃぃぃぃ、左ぃぃぃぃ」。全員無意識的にその声の通りに動いた。「左ぃぃぃぃ、上ぇぇぇぇ」響きつづける声の通りに動き続け、雨が止んだ頃には全員が生還していた。「馬鹿な!あの雨を避け切った!?」ゾビデータは困惑していた。「今の声って・・・」ミキが言った。「うん・・・間違いない・・・」すしも答えた。ゆびから光が放たれる。「こ、この光は!?」光がおさまった時、ゆびの目つきは変わっていた。「上ぇぇぇぇ」その時!下からゾビッポンが大量に這い出てきた!全員その声に従って避けた。
その時!さらに同じ光が走る!「「「「すし!」」」」突如として周囲に巨大な塊が現れた!「あれは・・・!刺身!?」シャリユニットの中に刺身が混ざっている。刺身が飛び交い、ゾビデータを襲う。
「馬鹿な!こんなのは私のデータにないぞ!」ゾビデータは上手く避けようとするが、かわしきれない。おまけに「左ぃぃぃぃ、右ぃぃぃぃ」ゆびの指示が入りようやくかわせそうだったものも命中。「何故だ・・・!こんなのは知らない!知らないぞぉぉぉぉぉぉぉ!」ゾビデータはあっという間にダウン。
「クッ・・・せめて今のデータを送信・・・!さあ、やれ!赤いz・・・」ボオオオオオオオオオオ「・・・」なんと!赤いゾビッポンはゾビデータに火炎を放つ。「馬鹿!やめろ!ああ!デラ細胞も焼けこげるー!!!」ゾビデータは燃え尽きた。
「・・・」赤いゾビッポンは無言で帰還していった。「何だったんだ・・・あいつらもこの二人も・・・」桃ぽよが言った。ゆびとすしはまだ異様なオーラが残っている。「それにミキくんもどうしたんだろう。あの赤いゾビッポンと何か・・・」デビが言う。ミキの目はどこか曇っていた。
本部では隊長が一人で呟いていた。「こんなに早く二人も"覚醒"したか・・・これをきっかけに後の二人も・・・思ったよりも順調だな・・・そろそろあれの試運転でもする時か・・・」
~第6章完~
次回予告! 「何度来ても同じだ!」「まさか6人目って・・・」「AZAマシンコードナンバー0・・・」 次回!「
衝撃の0or6」
最終更新:2020年12月13日 10:57