第7章 衝撃の0or6

寿司とゆびの謎の覚醒を桃ぽよは解析していた。「この力・・・ミキくんがリュウの力を借りた時に近いオーラが出てる・・・」「逆に言うとミキくんはリュウの力で既に覚醒と同等の状態に辿り着いていたのか・・・」デビが言う。そこに隊長Kも現れた。「みんな、ニュースだ!6人目のオーバーが間もなく合流する!」すしが笑いながら言う。「2人も覚醒して戦力が増えたのにさらに来るの?もう負けないじゃん。」ところがゆびは暗い声で言う。「いや・・・少しでも仲間は多い方がいいと思う・・・」その様子を見たミキが言った。「何かあったんですか?」ゆびは答えた「あの覚醒で僕は相手の攻撃を見抜ける能力を得た、しかしそれだけじゃない。軽い未来予知のようなものだと思ってたけどあの後からよく分からない夢を見るんだ・・・」「よく分からない夢?」「うん・・・本当に分からない・・・だけどあれはまるで世界が滅んだあとを見ているような・・・」「え?」全員の声が揃った。

ゾビッポン帝国では・・・「ゾビデータがやられただと?」ゾビリーダが言った。最後にゾビデータがデータを送ったことで帝国にもAZAの覚醒現象が知れていた。「やつらも着実に強くなっているということか・・・ここでまさか四天王に欠員が出るとは・・・」どうも赤いゾビッポンがゾビデータを焼き捨てた事までは把握していないらしい。「まだ策はあるのか?」ゾビホウが厳しい声で問い詰める。「ご心配なく、例の科学者があのゾビリンミラーマッチョのパーツを活かして欠員を埋めうる強力なゾビッポンを作っています。」「ほう・・・それなら安心だ。」「ゾビリーダ様!」「おおゾビアーチャ!」「私のこのターゲットバイザーにもゾビデータほどの精度ではないですが、データ収集機能がついています。奴らの覚醒状態のデータはまだサンプルが足りないでしょう。それに他の奴らが新たに覚醒するかもしれません。」「よし!ゾビアーチャお前に任せるぞ!」こうしてゾビアーチャは出撃した。

AZAもそれに合わせて出撃。本部には隊長が一人残っていた。「世界が滅んだ後・・・やはり"あの日"は来るのか・・・そろそろあれの出番か・・・」

ゾビアーチャと対峙するAZA。ゾビアーチャといえばかつて龍群地で戦い、敵わずに撤退した苦い思い出のある敵だ。「ゾビアーチャ!今度こそはお前を倒す!」「何度来ても同じだ!」

ゾビアーチャの弓が的確にAZAメンバーを打ち据える。AZAの全員が強くなっているとはいっても、ゾビアーチャも四天王の一角。決して簡単に行く相手ではない。「どうした!あの力を早く見せてみろ!」

まだこの前目覚めたばかりの力なので勝手が分からない。そもそもどうやれば発揮されるものなのかも分かっていない。きっかけがないといけないのだろうか。ゾビアーチャは安定した能力を持っている。確実に誰を狙えばいいかを分かっている。次に狙われているのはデビ!

三連矢がデビに迫るが、その時だった!矢の動きが止まる。そしてそれと同時にあの光が!デビが覚醒した。姿を消しては現れて、相手の矢を自在に操っている。「超能力!?」ゾビアーチャが言う。その光がきっかけで、すしとゆびも覚醒。ゆびが言った。「桃ぽよぉぉぉ」「?」桃ぽよに矢が飛んでくる。桃ぽよは全てメガンで撃ち落とした。連射力が明らかに前よりも高まっている。そしてその時、あの光が桃ぽよからも!「・・・」桃ぽよは一歩後ろに下がり、手をかざした。すると・・・「地形が!」桃ぽよの指揮に合わせて動く。まるでゲームの地形を編集するかのように地形が変化していく。

「クッ!」ゾビアーチャの矢はことごとくせり出す壁に阻まれる。さらに超能力で飛び回るデビが爆弾を投げ込むため、ゾビアーチャの取る術はなくなっていく。

「こうなれば!デラ細胞発動!」ゾビアーチャのデラ細胞が発動し、巨大化した。「AZAマシン出動要請!」「応答がない!?」隊長の応答がない。「隊長!隊長!」

「ここにいるよ!」声がした方向を見るとそこには隊長Kがいた。「隊長!?まさか、まさか6人目って・・・」デビが訊いた。「そう・・・いや0人目と言った方がいいかもしれないね。」「0人目?つまり隊長は僕よりも前に・・・」ゆびが言った。「そういうこと、というわけであいつを止めるよ。AZAマシンコードナンバー0・・・『マンボウ-K』!発進!!」

すると、空を泳ぐように巨大なマンボウ型マシンが現れた。「全員乗りこめ!」マンボウの口から巨大なラバーカップのようなものが出てきた。6人全員がそれに引っつき、マンボウ-Kに乗り込んだ。

巨大化したゾビアーチャと桃ぽよ以外のAZA隊員4人の声が揃った「なんだこのマシンは!」隊長Kが説明する。「これはAZAマシンコードナンバー0、つまり桃ぽよくんが来てAZAマシンを開発しはじめるよりも先に別に作ってたんだ。」桃ぽよが説明を加えた。「自分はこれを見て他のマシンを作りたくなった。」

「なんだか知らんが関係ない!喰らえ!」ゾビアーチャの矢が放たれる。「Kクリーン!」隊長が叫ぶと先ほどのラバーカップが再び出現。全ての矢を吸着した。「こんどはこっちの番だ!Kバーニング!」マンボウの口から炎の輪が放たれた。

ゾビアーチャはそれらを確実に回避していくが、それこそ隊長の狙いだった。「Kカッター!」先ほどの炎の輪よりも格段に速いカッターが放たれ、ゾビアーチャを切り裂いた。「クッ・・・!ならばこれで・・・ゾビポ・ディザスターアロー!!」

赤い光を纏った矢がマンボウ-Kに迫る!「Kアイス!」マンボウ-Kが冷気を纏う!冷気で矢の勢いを止め、被害を抑えた。

「さて、煩わしいしそろそろ終わらせる?」隊長Kが提案。「このマンボウ-Kは乗っている全員のオーバーの力を一点に凝縮させて、攻撃できる!エネルギーを注ぐぞ!」

マンボウ-Kの口に6人分のエネルギーがチャージされる。巨大なエネルギー球が放たれ、ゾビアーチャに襲い掛かる。「グハアアアアアアアア!!!」ゾビアーチャが叫びを上げた。なんとか一命は取り留めたようだが・・・「チィっ!ここは退くか!」ゾビアーチャはデラ細胞の効果を切り、元の大きさに戻って逃げていった。「うーん、逃がしたかー。」

本部に戻った5人と隊長。隊長は「マンボウ-Kを調整する」といってガレージに行った。残った5人の話題は隊長のことで持ち切りだった。「まさか隊長がオーバーだったなんて」ミキが言った。「そういや結局隊長は何が使えるんだ・・・?」すしが言った。「結局マンボウ呼んだだけで技とかは使わなかったしね。」ゆびが言った。

その頃隊長は再び誰かと通信している。「あいつも倒しきれない威力じゃまだまだやな。」「まあ全員まだまだ強くなるだろうし、マンボウ-Kも調整を重ねればどうにかなるでしょ。そっちもちゃんとやってね、ぞびぽん。」「今はその呼び方ややこしいのでは?それはそうとこっちも色々重ねれば『あの日』には間に合うと思う。」「なら安心だね」

帝国ではゾビアーチャがバイザーのデータを反映していた。「案の定残り二人も覚醒しました。おまけにやつらの隊長もオーバーだったようで・・・」その時「ま・・・まさか・・・この者は・・・」「エンペゾビラー様!?」なんと普段は会話を聞いているだけで滅多に話をしないエンペゾビラーが口を開いたのだ!」ゾビホウが言った「どうしたのですか!エンペゾビラー様!」エンペゾビラーが答える「確証はないが、私はこの者に妙に覚えがある・・・何故だ・・・?」

~第7章完~

次回予告! 「これが異次元・・・!」「ついに完成や!」「・・・」 次回!「開く異次元、現る五人目
最終更新:2020年12月14日 23:30