第10章 連携と連携の協奏曲
クムト・デューは引き続き赤いゾビマッチョと赤いゾビッポン、NKを戦わせていた。「かなりものになってきたな…そろそろ実戦に出せるか…」
AZA本部では、ゆびが自分の夢を説明していた。「間違いない…!あれは世界が滅びる夢だ!何か巨大な力がこの世界に迫ろうとしている!」「世界が滅びる…!?」デビが言った。「ゾビッポンの対策でも忙しいのに世界の滅亡なんて対策している時間はないだろ!」すしが言った。「まだ本当に起こると決まったわけじゃない、今はゾビッポンに集中しよう。」隊長Kが言った。
ゾビッポン帝国ではクムト・デューが帰還し、より強くなったゾビマッチョと赤いゾビッポンが現れていた。「両方四天王に恥じぬ実力に仕上がった。」ゾビソルダが口を出す「ほう…?四天王に恥じない、ねぇ…さっそく出撃させるぞ…もちろん俺も行き、実際はどうか見定めてやる…、マジーラ!アーチャ!おまえらも来い!」「「分かった!」」
強いゾビッポン反応が狭い範囲に集中して発生し、5人が駆け付けた。「あれは…!」
「腐食剣士…ゾビソルダ!」「腐食狩人ゾビアーチャ!」「腐食魔導士ゾビマジーラ!」「「「我ら!ゾビッポン四天王!」」」「四天王見習いー!ゾビマッチョー!」3人に続いてゾビマッチョも名乗りを上げる。その流れを受けた赤いゾビッポンからも何か言葉が漏れた。「オレ…るt、す…あkg…る」。よく聞きとれないが名乗りを上げているのだろうか。5VS5のバトルが幕を開ける。「あいつは…あの赤いやつは自分がやる!」ミキが言い出した。「ほんとにいけるの?」桃ぽよが訊いた。「異世界の自分はあの赤いゾビッポンと最初は戦ってもあとから仲良くなった…!きっと自分も!」ミキは赤いゾビッポンと向き合った。赤いゾビッポンもミキに目を向ける。「ゾビアーチャ!お前はゾビマッチョと組め!マジーラは俺の援護をしろ!」ゾビソルダが指示を出す。
「そっちが連携なら…!」AZAのミキ以外も素早く連携体制を整えた。アーチャ・マッチョのコンビをデビと桃ぽよ、ソルダ・マジーラのコンビをゆびとすしが迎え撃つ。
マッチョは近距離、アーチャは遠距離を得意とする。アーチャの想像以上にゾビマッチョの動きは良く、片方の隙を確実にもう片方がフォローする。それはデビと桃ぽよも変わらない。互いに一歩も譲らぬ攻防となった。「ワールドリクリエーション!」桃ぽよが地形を編集し、マッチョを遠ざけアーチャを近づけるように立ち回るがマッチョは規格外の力でその地形を破壊する。砕け散る地形はデビが超能力で敵にはじき返した。
「腐食剣咀腐…!」ゾビソルダが叫ぶと一筋の歪んだ剣が出現した。「マジーラ!久々にあれをやるぞ!」「オッケー!『ゾビェント』!」突風が咀腐に吹き付けられ、風の剣となった。「疾風咀腐!」咀腐の刀身から放たれた疾風がシャリユニットも雪玉も吹き飛ばし、思うように戦えない。「次はこれだよ!『ゾビストリーム』!」「流水咀腐!」豪雨の如き水流が、ゆびとすしに襲い掛かる!
ミキと赤いゾビッポンは向き合っていた。互いに手を出そうとしない。赤いゾビッポンにも何か思うところがあるのだろうか。それは短い時間だったが、二人にとっては限りなく長い時間のように感じられた。その間にも他の戦いは続いている。
ゾビッポン帝国ではその様子をゾビリーダが眺めていた。「戦いはほぼ互角…ここで私が加われば確実に押し勝てる!」そこにゾビホウが声をかける。「やつらをここで始末できるならこれ以上のことはない。」
「『ゾビボルト』!」「雷撃咀腐!」辺りが水浸しになったところで放たれた電撃はゆびとすしだけでなく遠くで戦っていた、デビと桃ぽよにも飛び火した。さらにそこに地面から新たなゾビッポンが現れた。「我こそはゾビッポン軍を統べる総指揮官!ゾビリーダ!」ゾビリーダが現れただけで周囲が異様な雰囲気に包まれた。「我がゾビフィールドの中ではお前らの力は落ちる…!」
ゾビッポンが次々に湧き出してくる。普段なら何ともなく倒せるゾビッポンすら苦戦する。その圧倒的な数でAZAの4人を追い詰める。
「クッ…ゾビッポンにやられるのか…」ゆびが言った。その時「KBTフィールド…!」ピンク色のフィールドがゾビフィールドに対抗するように広がっていく。「ちょっと体を動かしたくなってね。」現れたのは隊長K。杖からフィールドを展開し、ゾビフィールドを打ち消した。さらに…「BKBTレーヨン!」杖から放たれた光線が布のようになりゾビッポンたちをまとめて縛りあげた。
「まだまだ!KBTMMMM!」KBTフィールドから大量のエネルギー球が出現し、様々な形を取った。剣…槌…爆弾…様々な形のエネルギーがまとめて襲い掛かる。そして、その中の弓矢が隊長のもとに飛んできた。「SKBTスナイプ!」大量の矢が放たれ、気づけば四天王とゾビリーダ、そして赤いゾビッポンを残して一般のゾビッポンは全滅した。
「流石は隊長と言ったところか…」ゾビリーダが言った。「MBKBTタイム!」隊長Kの杖から青いビームが放たれ、四天王に向かう。ゾビマッチョだけが逃げ遅れ、ビームに直撃した。その瞬間、ゾビマッチョの動きが止まった。「マッチョの動きは封じた!」隊長が言う。
全員でゾビマッチョにかかろうとしたが、「『アゲインムーブ!』」ゾビマジーラが時止めを解除し、ゾビマッチョは危機を脱した。ゾビリーダが言う。「フン…さすがだなAZAの隊長。今回は退いてやる。」その声に合わせて他のゾビッポンも撤退していく。
結局赤いゾビッポンとミキは向き合っていただけで戦いが終わりになってしまった。6人もAZAに帰還した。だが、帰還先で見たのは驚くべき光景だった。
「赤い…ゾビッポン…!?」
そしてその赤いゾビッポンが元居た世界でも動きがあった。「ついに異次元へと旅立つ時だ!」タクミが残したディメンションホールメーカーが完全に修復されたのだ。このまま世界を支配したゾビッポンが異次元に侵略を始めてしまうのか!?
~第10章完~
次回予告! 「それが次元を超えるということ…」「この装置が…?」「俺の炎が燃える時…」 次回!「
次元を超えた絆」
最終更新:2021年02月13日 22:40