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●天皇制06Ⅰ - (2006/04/05 (水) 11:31:39) の編集履歴(バックアップ)


●天皇制 ラインナップ

●天皇制


0306 皇室典範改正案:男系派、女系容認論に新たな攻勢 [毎日]

 女性・女系天皇を容認する皇室典範改正案の今国会提出見送りで、勢いづく男系維持派は、今秋の小泉純一郎首相退陣とともに女系容認論も「お蔵入り」させようと、新たな攻勢を掛けている。首相は女系容認を結論付けた有識者報告書を、次期政権に引き継ぎたい考えで、男系派との綱引きが続いている。

 「小泉首相が退陣した場合、報告書の扱いはどうなるのか」

 「一般論として審議会の結論について新大臣が別途の検討を始めることが出来ないわけではない。政治の判断だと思う」

 1日の衆議院予算委員会第一分科会。男系派の高鳥修一議員(自民)の質問に、安倍晋三官房長官が答えた。直前には柴田雅人内閣官房皇室典範改正準備室長が「法的な拘束力はないが、審議会の検討結果は新大臣の下でも政策立案に活用されることが通例」と答弁したが、高鳥氏が再質問し、安倍氏が一般論としては次の政権を縛らないことを言い添えた。事前に用意された想定問答の範囲内だったが、女系に慎重な安倍氏が官僚答弁に巧妙なタガをはめた形。

 男系派議員は「これで報告書の方針を変えてもよいという言質を取った」と解説。高鳥氏が2日、改正慎重派の日本会議国会議員懇談会の勉強会で、安倍答弁を引き合いに「今国会を乗り切れば報告書が効力を失うことになった」と報告すると、与野党約40人の出席議員からは拍手が起きた。

 一方、首相は最近、皇室典範に関して目立った言動を控えているが、内閣官房スタッフには「議論より理解することが大事だ。粛々と進めてくれ」と指示。自民党内閣部会の勉強会を粘り強く続け、女系容認論の浸透させたい意向は依然強い。

 しかし、女系反対の動きは国会外でも衰えていない。男系維持を求める神社関係者、研究者らは7日、武道館で「1万人集会」を開催。集会の目的を当初の改正案提出阻止から、政府に女系を断念させる方針に切り替え、首相に報告書を撤回させるよう国会議員に働きかける構えだ。【野口武則】


0305 憲法草案:天皇がGHQ案受け入れで幣原内閣を説得 [毎日]

 1946年2月の連合国軍総司令部(GHQ)の日本国憲法草案づくりで天皇に関する条項を担当したリチャード・プール氏(2月26日に86歳で死去)が、生前の1月26日と2月17日、米バージニア州の自宅で毎日新聞のインタビューに応じた。

 プール氏は「GHQの立場は、天皇を戦争犯罪で裁くのは誤りという点ではっきりしていた」と語った。日本政府がGHQ案を受け入れる際、昭和天皇が幣原内閣を説得する「重要な役割」を担ったとも強調した。

 プール氏は当時、26歳の海軍少尉。46年2月4日、民政局の「天皇・条約・授権規定小委員会」メンバーに起用され、象徴天皇制などの条項を起草した。草案は同13日に日本側に提示された。

 プール氏は、GHQ最高司令官のマッカーサー元帥には当初、憲法草案を作る意図はなかったが、日本側の案が不満足なものだったためGHQ案を作ったと説明。「天皇の権力が相当弱められたとしても、天皇の役割は占領に重要だった」と述べ、天皇制維持がGHQの確固とした方針だったと強調した。

 さらに、昭和天皇は日本政府案がGHQに採用されないと考えていたと指摘。当時、閣内でGHQ案受け入れをめぐり対立があったと述べたうえで、「天皇は草案が自らの権力を弱めることを知っていたが、受け入れるよう説得した」と語った。この経緯は、草案づくりの中心となったチャールズ・ケーディス氏(当時陸軍大佐で民政局次長、96年死去)から聞いたことを示唆した。

 日本側資料にはGHQ案について幣原内閣が受け入れを決め、天皇に拝謁(はいえつ)し了承を得たとの記述があるが、天皇の積極的な関与を裏付ける有力な証拠はない。プール氏の証言は、天皇制維持に向け、昭和天皇のイメージを対外的に好転させたかった当時のGHQの意図を反映したものとの見方がある。【松尾良、ワシントン及川正也】


0302 皇室典範報告書、次の政権拘束せず 安倍官房長官 [朝日]

2006年03月02日03時02分
 安倍官房長官は1日の衆院予算委員会分科会で、女性天皇や女系天皇の容認を盛り込んだ「皇室典範に関する有識者会議」の報告書について「法的な拘束力は持っていない。検討の結果は新大臣のもとでも政策立案に活用されることが通例だが、新大臣が別途の検討を始めることができないわけではない。政治家としての判断だ」と述べた。自民党の高鳥修一衆院議員が「次の首相の判断で、報告書が引き継がれないこともあるのか」と質問したことに答えたもので、一般論として次期政権を拘束しないとの認識を示したものとみられる。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0302/002.html

0224 英皇太子、自分は「反体制派」…元側近が証言 [読売]

 【ロンドン=森千春】英国でチャールズ皇太子の政治介入を巡る元側近の証言をきっかけに皇太子の資質を問う声が上がっている。

 この元側近は2002年まで皇太子の個人秘書だったマーク・ボランド氏。皇太子が大衆紙を相手取り個人的手記の掲載差し止めを求めた裁判で証言に立ち、「(皇太子は)しばしば自身を『政治的に優勢な意見に異をとなえる反体制派』と表現した」と暴露。また、皇太子について「政治的局面に進んで関与した」と証言した。皇太子は閣僚や国会議員らに手紙を送るなどして、自分の意見を伝えたという。

 英国の君主は政治介入しないのが伝統。皇太子の言動に厳しい視線が向けられている。フィナンシャル・タイムズ紙は24日付の社説で「皇太子は王室の存続にとって重大な脅威となった」と酷評。タイムズ紙も「立憲君主制を存続させてきた慣習に悪影響を与える」と批判した。

(2006年2月24日23時31分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060224i417.htm

0224 秋篠宮妃紀子さま、妊娠3か月目…宮内庁が正式発表 [読売]

 宮内庁は24日午前、秋篠宮妃紀子さま(39)が妊娠3か月目である、と発表した。

 9月下旬に宮内庁病院で出産される見通し。秋篠宮ご夫妻にとっては第3子で、天皇、皇后両陛下には4人目の孫となる。

 男子の場合、現行の皇室典範による皇位継承順位は、皇太子さま(46)、秋篠宮さま(40)に次ぐ第3位となる。

 午前11時から宮内庁内で記者会見した金沢一郎・皇室医務主管と主治医の中林正雄・愛育病院院長によると、紀子さまは1月下旬、つわりの症状があることなどから二女の佳子さま(11)出産の際の主治医だった中林院長に電話で連絡。今月7日に初めて超音波検査を受けられた。今週行われた2度目の検査で、順調な経過が確認されたという。

 男女の産み分けなどの医療行為について、金沢医務主管は「特別なことはしていない」と説明。「(ご夫妻は)お生まれになるまで、性別などは一切知りたくないとの考え」として、性別の事前検査は行わない方針を示した。

 同庁は初めて超音波検査を受けられた今月7日に、ご懐妊の兆候があると発表していた。同庁は24日、紀子さまの公務に関し、当面、式典などへの出席を取りやめられると発表した。

(2006年2月24日13時50分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060224i203.htm

0223 自民部会、皇室典範で「初会合」 [朝日]

2006年02月23日21時23分
 自民党内閣部会は23日、皇室典範を議題とする初めての会合を開いた。政府は、皇室典範改正案の今国会提出を見送る方針だが、木村勉部会長は「首相は法案提出見送りを明言しておらず、議論の行方を見定めて出す出さないを決めるスタンスだ」として、当面は小泉首相の私的諮問機関の有識者会議がまとめた報告書に基づいた勉強を続けることになった。

 会合では、甘利明政調会長代理が「改正案を今国会に提出する、しないを前提とせず、認識を深めていきたい」とあいさつ。報告書の内容に対し、「有識者会議の委員は最初から結論ありきで選ばれたのではないか」といった反対意見や、「(秋篠宮妃紀子さまの懐妊という)ご慶事だけにとらわれず、50年、100年先を考える必要がある」などの意見が出た。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0223/008.html

0223 宮内庁長官が週刊誌を批判、「ご懐妊」報道巡り [読売]

 宮内庁の羽毛田信吾長官は23日の定例会見で、秋篠宮妃紀子さまの懐妊などをめぐる最近の週刊誌記事について、「誤った事実や勝手な憶測に基づくものが見受けられ、誠に遺憾」と批判した。

 紀子さまの懐妊の背景には天皇陛下の意向があったなどとする記事を例に挙げて、「他の方のご意向のままに懐妊なさったかのような失礼な記事」と指摘。また、天皇、皇后両陛下が秋篠宮ご夫妻と頻繁に会われ、皇太子ご夫妻が孤立しているという記事については「憶測に基づいた意義付けで、ご一家の中にお気持ちの行き違いやわだかまりがあると印象づけようとしている」と述べた。

 宮内庁は今後、雑誌に対し「節度ある報道」を文書で求める方針。

(2006年2月23日20時44分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060223i513.htm

皇室典範:今国会改正 「賛成」39%、「反対」55% [毎日]

 毎日新聞は10、11の両日、全国世論調査(電話)を実施した。女性・女系天皇を容認する皇室典範改正について、秋篠宮妃紀子さまの出産前の今国会中に行うことへの賛否を尋ねたところ、賛成が39%、反対が55%だった。今国会での改正が見送られ、紀子さまが男子を出産した場合の改正に対しては52%の人が「必要がある」と答え、「必要がない」の41%をやや上回った。女性が天皇となることには78%、母方が天皇の血筋を継ぐ女系天皇に関しては65%が容認、昨年12月の調査に比べ減少したが、なお多数派を占めた。

 ◇本社世論調査 男子出産でも52%改正必要…女系天皇容認は65% 

 小泉純一郎首相は紀子さま懐妊を受けて改正案提出を断念した。今国会改正への賛否を男女別でみると、男性が賛成34%、反対59%で、女性は賛成42%、反対51%だった。

 内閣支持との関係を見ると、今国会改正に賛成と答えたのは支持層が44%、不支持層が31%。男子出産の場合の改正でも「必要ある」と答えたのは、支持層が57%で不支持層の46%を上回っており、小泉政権を支持する層には首相が強調している典範改正の必要性が浸透していることをうかがわせた。

 女性が天皇になることについては賛成78%、反対17%。昨年12月に比べ賛成が7ポイント減、反対が7ポイント増だったが、なお賛成が反対を大きく上回った。女系天皇に関しては「(現行の)男系(による継承)を維持するべきだ」と答えた人が29%(昨年12月比7ポイント増)だったのに対し「女系も認めるべきだ」が65%(同6ポイント減)で、やはり女系容認派が大勢のままだった。

 年齢別では、女性天皇容認は全年代で賛成が反対を大きく上回ったが、20、30代が賛成85%、反対13%なのに対し、70代以上が賛成65%、反対21%など、年代が上がるにつれて反対派が増える傾向がみられた。紀子さま男子出産の場合の改正をめぐっても、「必要ある」は20代が64%なのに対し、70代以上が26%。「必要ない」は20代の31%に比べ70代以上が59%に達するなど、年齢によるとらえ方の違いを浮き彫りにした。【犬飼直幸】


皇室:GHQが「在り方」提言か 学習院に英文資料 [毎日]

 皇室の在り方を提言した英文資料が、昭和天皇の人間宣言に関する資料などとともに学習院院史資料室に保存されていることが分かった。天皇に国民との直接的な触れ合いや音楽会鑑賞、英語学習などを勧めた記述がある。専門家は「戦後の天皇制を決定付けた昭和天皇の人間宣言に続き、連合国軍総司令部(GHQ)が皇室に具体的な行動様式などを示した文書の可能性が高い」と分析している。

 提言文書は、学習院院史資料室に保存されている人間宣言に関する一連の資料の一部。これらの資料は、学習院事務官を務め、宣言作成にかかわったとされる山梨勝之進・学習院院長(当時)の秘書役だった浅野長光氏が保管していたもので、死去後の92年に遺族が寄せた。

 3枚つづりで、表題に「Suggestions」(提言)とある。個条書きで、親は子供の健康や教育に責任を負うことを公式に示す▽温かな気持ちを示すため国民と直接触れ合う▽天皇一家の温かい関係を大衆に知らせる▽音楽奨励のための音楽会鑑賞▽英語の習得--など8項目にわたって提言している。

 文書は、宮内省(当時)など皇室側に提示されたのかどうかは不明だが、当時提言を受けたとみられる皇室の動きもあった。提言では、自分の子供たちと過ごす様子を写真で国民に見せることを勧めているが、人間宣言と同じ46年1月1日付新聞には、昭和天皇の「家族だんらん」の写真が掲載された。46年2月から始まった地方巡幸では、昭和天皇が国民に直接話しかけた。現在の皇室では、音楽鑑賞は一般行事になっている。

 一方で、現在の天皇、皇后両陛下は阪神大震災など大災害の被災地に積極的に出かけ国民らを激励しているが、提言では、被災地訪問について、「何か出来る立場なら別だが」としたうえで、「訪問しない方が良い」としている。【竹中拓実】

 ▽渡辺治・一橋大大学院教授(政治史)の話 初めて見る資料で非常に興味深い。当時、日本人が天皇の身ぶり手ぶりまで指示する文書を書く可能性は極めて少ない。占領政策遂行のため天皇の利用を考えていたGHQが「天皇の民主化」を求めていたことなどを考えると、GHQ作成とみて間違いないだろう。

 ◇「天皇の民主化」の指針、具体的な行動も示す

 昭和天皇の人間宣言は、当初から公表することを前提に作成作業が進められ、1946年の元日の新聞紙上に掲載された。提言は、連合国軍総司令部(GHQ)が作成し日本側(皇室など)に提示したものとすれば、本来は表に出てこない性格の文書だ。宣言とは文書の性格が異なり、資料的価値は高い。

 GHQは当時、占領政策を円滑に遂行するため天皇の利用を考えており、「天皇の民主化」を求めていたとされる。GHQのこうした政策に基づき、昭和天皇が自らの神格性を否定した人間宣言があった。提言は、それに続いて天皇や皇族の行動の具体的な在り方を示したものと考えると理解しやすい。

 提言の中で、国民との触れ合いについての項は興味深い。国民を激励する際、「その場にあった言葉遣いを」としたうえで、「不誠実、無関心と取られぬよう、いくつかの言い回しを用意しておくと良い」とまで細かく記している。

 提言内容と皇室の活動とを比較すると、被災地訪問など実際とは結びつかない点もある。皇室が素直に受け入れた提言内容もあるが、実際の行動の中で取捨選択していったということだろう。【竹中拓実】

 ◇「提言」全文の日本語訳は次の通り。

 1 親たちが自分の子供たちの健康、道徳観念、そして教育について責任を負うということを、天皇は一刻も早く公式に述べるべきだ。これらの問題を専門家に任せるのではなく、天皇は自らの役割として気を配るべきだ。

 《天皇と皇后は、自分たちの子供たちに、さまざまな知識を与えたり、しつけたりしている様子を写真に撮って(国民に見せて)も良いのではないか》

 2 天皇は、自らの自然な温かな気持ちを、身ぶりや手ぶりで示す機会を持つべきである。例えば、握手をしたり、人々と触れたりするのを避けてはならない。

 3 さまざまな人々の集団に対して、元気付ける言葉を掛ける際には、天皇は場所ごとに、それぞれに合った言葉遣いで話し掛けたら良い。

 《重複を避けるために、その場にふさわしい、いくつかの言い回しを用意しておくと良い。(言葉がいつも同じでは)不誠実、無関心な様子と受け取られる》

 4 時には、天皇は訪問先の人々に演説する時に、きちんとした日本語で話すべきだ。

 《そうしないと、天皇がくだけたことしか知らないのではとの特別な印象を国民に与えてしまうことになる》

 5 天皇と皇后、親王、内親王は、音楽を奨励するために、日本人音楽家のいくつかのコンサートを聴きに行くべきだ。

 《プログラムには、価値があるものならば、新しい曲も含めるべきだ》

 6 何か出来る立場であるならば別だが、例えば洪水被災者のような非常な苦境に置かれている人々のところは訪問しない方が良い。

 7 7人の天皇一家の人々の間の温かく称賛すべき関係を、大衆に知らせるべきだ。

 《だれでも、温かな関係をほほ笑ましく思う》

 8 天皇は、話すためではなく、雑誌の写真の説明を読むことが出来る程度は英語を学ぶべきだ。一般大衆は、天皇が語学を学んでいることを知るべきだ。

毎日新聞 2006年2月11日 3時00分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060211k0000m040158000c.html

皇室典範改正:国会提出、当面先送り 首相、慎重に議論 [毎日]

 小泉純一郎首相は8日夜、女性・女系天皇を容認する皇室典範改正について「政争の具にしないように注意しないといけない。慎重にと今まで言ってきたが、より慎重に議論して、できれば全会一致で改正されることが望ましい。皆、慎重に判断できるように議論できる場が必要じゃないか」と述べた。秋篠宮妃紀子さま懐妊を受け、政府が当初3月上旬に予定していた改正案の国会提出を当面先送りする一方、女性・女系容認を打ち出した「皇室典範に関する有識者会議」の報告書をもとに国会で各党が協議することへの期待感を表明したものとみられる。

 ◇全会一致の改正望ましい

 首相官邸で記者団の質問に答えた。首相は「提出するためにも、政争の具にならない配慮が必要だ。議論していけば常識的な線に落ち着く。だんだん望ましい形になる。やはり皇室典範の改正は必要だという議論に段々なっていくように、慎重に取り運ばなければならない」と、与野党での議論に期待を示した。

 首相は衆院予算委でも「各党で国会で議論をしていく場を作って、その結果を見てから」と発言していた。また、これまで成立の道筋については「大方の賛同を得られると思う」という言い方をしてきており、「全会一致」と明言したのは初めてだ。

 これに関連し、自民党の中川秀直政調会長は同日、党本部での記者会見で「党でも国会でもじっくりと議論をして。まだ会期はいっぱいあるから、時間は十分ある。政府の判断も見ながら、勉強は勉強で続けていくことが重要だ」と語った。

 中川氏は同日夕、皇室典範改正の取り扱いについて首相と協議した。

 また、政府高官も同日夕「首相は自民党内での議論とは言っていない。各党でと言っている。国会に議論の場を設けて議論して欲しい。紀子さまのご懐妊を静かに見守るのは誰も異論がないが、慶事と典範改正の議論とは別の話だ」と説明。法案提出についても「各党で判断した上でだ」と述べた。【伊藤智永】

毎日新聞 2006年2月9日 0時35分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060209k0000m010143000c.html

皇室典範改正:超党派の議員懇談会が反対決議を採択 [毎日]

 超党派の保守系議員でつくる「日本会議国会議員懇談会」(会長・平沼赳夫元経産相)は1日、東京都内で民間団体と集会を開き、政府が今国会での成立を目指す女性・女系天皇容認の皇室典範改正に反対する決議を採択した。約1200人(主催者側発表)が出席した集会には自民、民主、国民新党などから国会議員44人が参加、同会は慎重審議を求める議員の署名が173人に上ったと発表した。

 平沼会長はあいさつで「大切な皇室の問題で国会が二つに割れ、ぶざまなののしり合いになることは、やってはならない」と改正案の提出見送りを要求。郵政解散に反対した島村宜伸元農相も「改革の一環として強行するのは独裁政治。郵政民営化と混同しては納得できない」と小泉純一郎首相の手法を批判。民主党の中井洽・元法相は「3日に民主党も(反対派)議連を発足する。皇室のことを政争にするつもりはないが、本当に(改正案を)強行するなら、超党派で退陣を求めていく」と発言した。集会では「強引に改正すれば国民世論を分裂させる。慎重な検討を強く求める」との決議文を採択した。3月8日に日本武道館で大規模集会を開く。

 出席した44議員の内訳は自民29人、民主8人、国民新2人、無所属5人。先月の懇談会の総会とほぼ同じ人数で広がりは見せていない。署名は「拙速な改正に反対し、慎重審議を求める」との内容で、1月19日から賛同を募ったもの。氏名は公表していないが、内訳は、自民135人▽民主23人▽国民新5人▽無所属10人--。懇談会は引き続き署名を募り、近く首相に提出する。
【野口武則】
毎日新聞 2006年2月1日 20時00分 (最終更新時間 2月2日 0時49分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060202k0000m010103000c.html

紀子さまご懐妊「政界・皇室が混乱」 世界の主要紙報道 [朝日]

2006年02月08日23時11分
 秋篠宮妃紀子さまの懐妊について、世界の主要紙は8日までに、「日本政界と皇室を混乱に陥れた」(英紙タイムズ)などと報じた。特に皇室典範改正論議に注目して、「世界最古の男性支配の皇室」(米紙ワシントン・ポスト)の変化が遠のく可能性などを伝えた。

 英国では保守系の主要2紙が取り上げた。タイムズは国際面1ページを使って報道。メディア報道が先行したことから「典範改正を望む小泉首相の計画を台無しにする意図がうかがえる」と指摘。デーリー・テレグラフ紙は「予想外の事態によって、女帝を禁じている皇室典範の改正論議は複雑化する」と論じた。

 ワシントン・ポスト(電子版)は「皇室の扉を開く法案の成立は、突如としてそう確かなものではなくなった」。男児が誕生した場合、「勢いづいていた愛子さまの皇位継承を認める動きが沈静化する可能性がある」と指摘した。

 独紙フランクフルター・アルゲマイネは「典範改正論議をめぐる積極派と消極派の対立が過熱せざるを得ない。株式市場にも影響している状態だ」と報じた。

 仏フィガロ紙は、平沼赳夫元経産相の「愛子さまが青い目の男性と恋に落ち、そのお子様が天皇になられることは、断じてあってはならない」との発言を紹介。台湾の自由時報も「伝統を守ろうとする勢力にとって、新たな子供は救いの星となる」と伝えた。

 ロシア新聞は「保守的な政治家は皇太子に愛人を持つことさえ勧めていた」と、反対派の一部にあった「側室論」を紹介した。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0208/TKY200602080518.html

秋篠宮妃紀子さま:懐妊受け 皇室典範改正「慎重に議論」 [毎日]

 小泉純一郎首相は8日午前の衆院予算委員会で、秋篠宮妃紀子さまの懐妊を受け、女性・女系天皇を認める皇室典範改正の今国会提出について「こだわるとかこだわらないとかの問題ではない。政争にならないよう、慎重に各党で国会で議論をしていく場を作って、その結果を見てから判断されることではないか」と述べるにとどめ、明言を避けた。民主党の笹木竜三氏に答えた。

 首相は7日の同委員会で、改正案について「今国会中に皆さんの協力を得て成立するよう努力していきたい」と述べていた。紀子さまの懐妊で与党内にも慎重な意見があることなどを踏まえ、微妙に姿勢を変えた。

 首相はさらに、「改正は慎重に議論して誰もが望ましいという形で成立するのが望ましい。じっくりと時間をかけて慎重に審議してほしい」と述べ、慎重に対応する考えを強調した。【須藤孝】

毎日新聞 2006年2月8日 12時14分 (最終更新時間 2月8日 12時56分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060208k0000e010069000c.html

秋篠宮妃紀子さま:第3子懐妊 今年秋ごろに出産の見込み [毎日]

宮内庁は7日、秋篠宮妃紀子さま(39)に懐妊の兆候があると発表した。順調に出産すれば、秋篠宮家にとって長女眞子(まこ)さま(14)、二女佳子(かこ)さま(11)に次ぐ第3子となる。男子が生まれれば、皇室にとって秋篠宮さま(40)以来41年ぶりで、現行の皇室典範の皇位継承順位は皇太子さま、秋篠宮さまに次いで3番目になる。政府は今国会に女性・女系天皇を容認する皇室典範改正案を提出する予定だが、今後の改正論議に影響を与える可能性が出てきた。

 宮内庁の羽毛田信吾長官は7日午後9時から庁舎内で記者会見し、「本日、拝診(検診)の結果、秋篠宮妃紀子さまに、ご懐妊の兆候があることが分かりました」と発表した。また、秋篠宮さまが同日、天皇、皇后両陛下と皇太子ご夫妻に懐妊を電話で報告したことも明らかにした。両陛下と面会した羽毛田長官によると、両陛下は連絡を受け心より喜んだ様子だったという。

 関係者によると、紀子さまは妊娠6週目程度で経過は順調。今年秋ごろに出産の見込みという。誕生すれば、天皇、皇后両陛下にとって4人目の孫となる。宮内庁は懐妊により、紀子さまの今後の公務を見直すなどの作業を始めた。

 秋篠宮さまは、両陛下の二男。紀子さまは学習院大教授・川嶋辰彦氏と和代さんの長女で、学習院大で同じサークル活動に参加し、90年6月29日に結婚した。秋篠宮さまは02年12月の会見で、第3子について「子どもたちが妹なり弟なりがいて、世話をしてあげたいという気持ちがあるような印象があります。今後のことはまた、相談をしながらということでしょうか」と語っていた。また、03年12月には湯浅利夫宮内庁長官(当時)が定例会見で「(秋篠宮ご夫妻に)3人目のご出産を強く希望したい」と発言したこともあった。

 皇位継承問題をめぐっては、小泉純一郎首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が昨年1月から議論を始め、同11月に女性・女系天皇を容認する報告をまとめ提出した。典範が報告に沿って改正されれば、皇位継承順位は皇太子ご夫妻の長女敬宮(としのみや)愛子さまが皇太子さまに次いで第2位。秋篠宮家の第3子は男子、女子にかかわらず継承順位は6番目となる。

 政府は3月上旬に改正案を提出する予定で準備を進めているが、寛仁(ともひと)親王殿下が女性・女系天皇に異論を唱えたり、与党内にも「(皇室の伝統である)男系男子で継承すべきだ」「議論が拙速だ」などの意見が相次いでいる。このため、紀子さまの出産まで改正案の提出を待つべきだとの議論が出てくる可能性がある。【遠山和彦】
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060208k0000m040079000c.html

「天皇制守るのが大事」女系天皇に山崎・加藤氏は賛成 [読売]

 自民党の山崎拓・前副総裁と加藤紘一・元幹事長は4日、山形県最上町でそろって講演し、皇室典範改正問題について、女性・女系天皇を認める改正に賛成する考えを表明した。

 山崎氏は「(男系を維持するには)恐ろしく無理なことをしなければいけない。それより天皇制を守ることが大事だ。今国会で成立させた方がいい」と述べた。

 加藤氏も「率直に議論すれば、皇室制度を守るにはこれ(女性・女系天皇を認めた「皇室典範に関する有識者会議」の報告書)しかないとなるのではないか」と述べた。ただ、改正案の国会提出時期については「急がずにまとめていけば小泉首相の案に落ち着くのではないか」として、今国会にこだわる必要はないとの考えを示した。

(2006年2月4日23時53分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060204i416.htm

皇室典範改正、法案提出阻止で一致…「民主有志の会」 [読売]

 民主党国会議員の有志による「皇室典範改正を慎重に考える会」の設立総会が3日、国会内で開かれ、法案提出阻止を当面の目標とすることで一致した。

 国会議員の出席者は衆院議員19人、参院議員4人だった。

 会長に選出された西岡武夫・元文相は、「小泉内閣が、なぜそんなに急ぐのか疑問だ。誤った方向に行かないよう、取り組んでいきたい」と述べた。

 総会では、ジャーナリストの櫻井よしこ氏が、小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」がまとめた女系天皇容認論に反対する講演を行い、出席した議員から賛同する意見が相次いだ。

 これとは別に、民主党の鳩山幹事長は記者会見で、「皇室典範の議論は、本格的な歴史観、国家観から議論することが重要だ。なぜ小泉政権の末期に急いでやらなければならないのか」と述べた。
(2006年2月3日22時30分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060203ia24.htm

今国会での皇室典範改正、自民各派から慎重論 [朝日]

2006年02月02日19時43分
 政府が今国会の法案提出・成立を目指す皇室典範改正案について、2日に開かれた自民党各派閥の総会などで慎重な対応を求める意見が相次いだ。一方、首相の出身派閥の森派では幹部が成立に向けて協力するよう求める意見が出た。

 高村正彦元外相は高村派総会で「天皇制は日本の歴史・伝統・文化の中枢にあり、男系で継承されてきた。大改革するには国民的な議論が必要で、今国会への改正案提出は慎重であってもらいたい」と述べた。

 伊吹派の例会では、派閥幹部がそろって「より慎重に議論されるべきだ」と表明。谷垣派総会でも「党議拘束をかけるべきでない」との意見が出た。

 約25人が出席した新人議員の皇室典範勉強会でも、「首相や幹事長に『国民の理解を得るために慎重に議論すべきだ』と申し入れよう」との意見が出て、半数以上が賛同したという。

 一方、森派では森前首相が内閣の方針に協力するよう促した。

 小泉首相は同日、記者団に「皇位の安定的な継承のためには早くやったほうがいいでしょう」と語り、あくまでも今国会での成立を目指す考えを強調した。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0202/008.html

皇室典範改正案、慎重審議求め与野党173人が署名 [読売]

 政府が今国会での成立を目指している女性・女系天皇を容認する皇室典範改正案について、与野党内で慎重論が広がってきた。

 超党派の国会議員でつくる「日本会議国会議員懇談会」(会長=平沼赳夫・元経済産業相)と、民間の「日本会議」(会長=三好達・元最高裁長官)、「皇室典範を考える会」(代表=渡部昇一・上智大名誉教授)は1日、東京・永田町の憲政記念館で「皇室典範の拙速な改定に反対する緊急集会」を開いた。

 皇室典範改正案について「強引に法改定に踏み切れば国民世論を分裂させ、天皇の地位すら揺るがしかねない」などとして、「拙速な国会上程に反対する」との決議を採択した。

 集会には、与野党の国会議員107人(本人出席44人、代理出席63人。うち自民党68人、民主党28人、国民新党4人、無所属7人)を含む約1200人が参加。

 また、皇室典範改正案の慎重審議を求める署名に、国会議員173人(自民党135人、民主党23人、国民新党5人、無所属10人)が応じたことも発表された。

 国会議員懇談会の平沼会長は「大切な皇室の問題で国会が二つに割れて、ぶざまなののしり合いをしてはならない。内閣に改正案を提出させないことが我々に課せられた責務だ」と訴えた。参加議員からは今国会への提出に反対する意見が相次いだ。

 小泉首相は、皇室典範改正案を今国会に提出する方針を表明しているが、慎重論がさらに強まれば、難しい対応を迫られそうだ。

(2006年2月1日23時34分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060201i416.htm

皇太子さま著書、英訳本に 留学時代の思い出 [共同]

 宮内庁の林田英樹東宮大夫は26日の定例記者会見で、皇太子さまが1993年に英国留学時代の思い出をまとめた著書「テムズとともに」の英訳本が今年1月から英国で発売されていることを明らかにした。
 英国の元駐日大使コータッチ氏が翻訳。序文で、皇太子さまは「オックスフォード大を離れ20年がたつが、当時のことを昨日のことのように思い出します」などとする英文を寄せている。
 皇太子さまは83年6月から2年4カ月間、オックスフォード大に留学。「テムズとともに」はその間の研究や日常生活をエッセー風にまとめ、初めて訪れたディスコでのエピソードなども盛り込んでいる。
URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=home&NWID=2006012601003185

皇室典範:女系天皇容認が柱の報告書 首相、改正に意欲 [毎日]

 小泉純一郎首相は26日夜、首相公邸で女性・女系天皇容認が柱の報告書をまとめた「皇室典範に関する有識者会議」のメンバーと会食し、「典範改正案を今国会に提出し、成立を期す」と述べ、改めて典範改正に意欲を示した。反対論の広がりに対しては「郵政の方が大変だった。国会で議論すれば国民の理解は深まる」と語った。

 一方、女性・女系容認に反対する民間研究者でつくる「皇室典範問題研究会」(代表・小堀桂一郎東京大名誉教授)は同日、男系継承維持のために皇籍離脱した旧宮家の男子を皇籍復帰させる特別法を定めるべきだとの提言を発表。自民党からは、伊吹文明元労相が伊吹派総会で「皇室そのもののご意見もまとまっていない。少し落ち着いてやったらいい」と指摘するなど慎重意見が相次ぎ、久間章生総務会長も記者団に「改正が今国会でないといけないという必然性はない」と語った。【野口武則】


皇室典範改正に反対決議 超党派の保守系議員 [共同]

 超党派の保守系議員でつくる「日本会議国会議員懇談会」(会長・平沼赳夫元経産相)は26日、国会内で総会を開き、政府が今国会に提出予定の女性・女系天皇を容認する皇室典範改正案への対応を協議、「拙速な改定に断固反対する」との決議を採択した。
 決議は「女系天皇がいったん誕生してしまえば、取り返しのつかないことになる」として男系天皇の維持の必要性を強調。「法案を強引に上程すれば、国論は分裂し、結果として日本国と日本国民の統合の象徴である天皇の存在の意義を損なう恐れがある」と指摘している。
URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2006012601000966

皇室典範改正案、首相が採決時の「党議拘束」言明 [読売]

 小泉首相は13日、首相官邸で記者団に、女性・女系天皇を容認する皇室典範改正案を20日からの通常国会に提出する方針について、「変わりない」と述べた。

 記者団が「自民党は採決で党議拘束をかけるべきか」と質問したのに対し、「それはそうだ」と答えた。

 一方、自民党の久間総務会長は13日、党本部で記者団に、「通常国会で提案しないといけない緊迫性はない」と、通常国会提出に慎重な姿勢を示した。

 党議拘束については、「政府・与党一体で決めた場合は、党議拘束に従って行動することは当然だ」と語った。

(2006年1月13日22時17分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060113ia22.htm


三笠宮寛仁さま発言、宮内庁が懸念表明…女性天皇問題 [読売]

 宮内庁の風岡典之次長は10日の定例会見で、三笠宮寛仁さまが月刊誌などの対談で女性・女系天皇の容認を打ち出した「皇室典範に関する有識者会議」の結論に繰り返し反対を表明されていることについて、「天皇陛下や皇族方は憲法上発言すべき立場になく、陛下は発言を控えられている。結果として政治的な意味合いを持つことにならないか心配」との懸念を表明した。

 寛仁さまの対談は、今月になって一部の月刊誌や新聞に相次いで掲載され、羽毛田信吾長官らが寛仁さまに「心配」を伝えたという。

(2006年1月10日23時37分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060110ic21.htm

皇室典範改正案:自民内に女性・女系天皇反対広がる [毎日]

 小泉純一郎首相が通常国会で成立を目指す女性・女系天皇容認のための皇室典範改正案に対し、自民党内に「男系で続いた皇室の歴史を変えるな」という強固な反対論が広がりつつある。政府案の提出阻止、一部修正、対案提出などあの手この手で「男系継承維持」を目指しており、「党議拘束になじまない」との意見も強い。展開によっては郵政民営化以上の党内亀裂を生みかねず、波乱含みだ。

 首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」は昨年11月、(1)女性・女系天皇の容認(2)皇位継承順位は生まれた順の長子優先--を打ち出した。千数百年も男系を維持してきた天皇制に、母方の血を引く女系を初めて認めたのがポイント。政府は2月中に改正案をまとめる方針で、成立すれば「日本の歴史上最大の改革」(研究者)とも指摘される。

 小泉首相は95年、初めて自民党総裁選に立候補した時から「女性が天皇になるのは悪くない。必ずしも男子直系にはこだわらない」と発言。一貫して女性天皇容認論で、通常国会での成立に自信を見せている。毎日新聞が昨年12月に実施した世論調査では「女系天皇容認」が71%に上るなど、「世論は味方だ」との読みもあるようだ。

 ところが同月15日、超党派の保守系議員で作る日本会議国会議員懇談会の会合で、会長の平沼赳夫元経産相は男系継承のための議員立法を表明。「小泉VS平沼」の対立は郵政民営化と同じ構図だが、懇談会は自民党を中心に約240人が参加、安倍晋三官房長官も役員で、「抵抗勢力」とひとくくりにしにくい。

 自民党新人議員の「小泉チルドレン」で作る「83会」でも「男系を変えたら天皇制が壊れる」といった意見が続出。弁護士の稲田朋美議員は、現行典範の「皇族」に旧宮家を類推適用し、男系男子を維持する私案を提唱するなど、男系維持派が勢いづいている。小泉首相に逆らう動きが続くと、党総裁選の行方にも影を落としかねない。

 主な反対意見は(1)女性女系天皇は認めるが、継承順位は男子優先(2)女性天皇は認めるが、女系は反対(3)現行の男系男子を維持--の三つ。継承者がいない現状を踏まえ、皇太子ご夫妻の長女敬宮愛子さまの即位だけは認める考えが大勢だ。ある男系維持派は「国民の多くは女性天皇と女系天皇の違いが分かっていない。事態の深刻さを知れば世論は変わる」と意気込む。【野口武則】

毎日新聞 2006年1月10日 19時45分 (最終更新時間 1月10日 21時25分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060111k0000m010085000c.html

女性女系天皇容認の答申「重く受け止め法案」 安倍長官 [朝日]

2006年01月10日19時10分
 安倍官房長官は10日の記者会見で、政府が通常国会に提出する皇室典範改正案について「基本的に有識者会議の答申を重く受け止め、法案を作成していく」と述べ、女性・女系天皇を認めた小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」の報告書を尊重する考えを改めて示した。

 三笠宮寛仁さまが月刊誌「文芸春秋」2月号のインタビューで、報告書を「あまりに拙速」「皇室の伝統を破壊するような女系天皇という結論」と批判。安倍氏の発言はこれを踏まえた。

 また安倍氏は、改正案採決に対する自民党の党議拘束については「基本的に内閣提出法案についてはすべて党議拘束がかかっていた」と説明。自民党の片山虎之助参院幹事長も同日、「憲法に位置づけられた天皇制の根幹にかかわる法案に党議拘束をかけないのはおかしい」と語った。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0110/004.html

皇室典範、改正後直ちに適用 愛子さま、継承順2位に [朝日]

2006年01月05日09時56分
 政府が今月から始まる通常国会に提出する皇室典範改正案の概要が明らかになった。小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」がまとめた報告書を踏襲し、「女性・女系天皇」を認め、天皇直系の「第1子優先」で皇位を継承する。複数の政府関係者によると、改正案には、成立後、直ちに皇室に適用するとの規定が盛り込まれる。現状では敬宮愛子さまが父親の皇太子さまに次いで皇位継承順位2位になる。

 政府は改正案を3月中旬にも国会に提出する。これまで男系男子に限定してきた皇位継承資格を、「女性天皇」や、その血筋を引いた「女系天皇」にも拡大。天皇直系で、最初に生まれた「第1子」を優先する。女性天皇は歴代8人存在するが、女系天皇は過去に例がない。

 「皇籍離脱制度」を改め、女性皇族は結婚後も皇室にとどまる。皇族以外の男性も女性皇族との結婚で皇族入りする。「皇后」「皇太子妃」に相当する男性皇族の呼称を新たに定める。政府は「皇配(こうはい)」「皇婿(こうせい)」など複数の案を検討している。

 このほか、皇室に対する政府の経費負担について、原則として女性皇族は男性の半額と定めた皇室経済法を改正、男女同額に改める。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0105/002.html

会見で関連質問さえぎる 記者会が宮内庁に抗議 [共同]

 天皇陛下の誕生日に先立つ宮内記者会との会見で、宮内庁の高橋美佐男総務課長が「時間の都合」を理由に記者の関連質問をさえぎり、記者会は22日までに「会見を一方的に終了させた」などとする抗議文を総務課長に手渡した。
 会見は記者会が事前に質問を提出し、19日午後に皇居・宮殿で約20分間行われた。天皇陛下が事前質問に答えた後、2人の記者が関連質問を求めたところ、高橋課長が会見を打ち切った。
 宮内庁は総務課長名で「記者会との意思疎通を十分に図らず、思い違いをした。混乱を招いた」として謝罪し、関連質問を受けなかったことを前例としないなどとする文書を出した。羽毛田信吾長官も22日の定例会見で「行き違いがあったとはいえ、申し訳ないこと」と話した。
URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=soci&NWID=2005122301000039

サイパン訪問「心の重い旅でした」 天皇陛下が72歳に [毎日]

2005年12月23日07時19分
 天皇陛下は23日、72歳の誕生日を迎えた。これに先立ち、皇居・宮殿で記者会見した。初めての慰霊のための海外訪問となった6月のサイパン訪問については「心の重い旅でした」と振り返った。結婚して皇族の立場を離れた長女黒田清子さんについて「おかしいことで3人が笑うとき、ひときわ大きく笑っていた人がいなくなったことを2人で話し合っています」と、寂しさをのぞかせた。

 サイパン訪問について、当時島にいた在留邦人らの苦しみ、家族を失った人の悲しみに「いかばかりであったかと計り知れないものがあります」と思いを寄せた。

 歴史との接し方についても言及。「過去の歴史をその後の時代とともに、正しく理解しようと努めることは日本人自身にとって、また日本人が世界の人々と交わっていくうえにも極めて大切なことと思います」「過去の事実についての知識が正しく継承され、将来に生かされることを願っています」と述べた。

 清子さんについては「皇后はさぞ寂しく感じていることと思いますが、今までにも増して私のことを気遣ってくれています」と明かした。

 女性・女系天皇容認に向けて来春、政府が提出する見通しの皇室典範改正に関連して、皇室の伝統とその将来については「回答を控えようと思います」とした。

 療養中の雅子さまについては「徐々に快方に向かっていることは喜ばしく、一層の回復を待ち望んでいます」と述べた。
URL:http://www.asahi.com/national/update/1223/TKY200512220842.html

都知事大嘗祭参列、政教分離違反せず…最高裁判決 [読売]

 天皇即位に伴い1990年に行われた即位の礼と大嘗祭(だいじょうさい)に、当時の鈴木俊一・東京都知事が公金を使って参列したのは「政教分離を定めた憲法に違反する」として、都民34人が鈴木元知事と元幹部3人を相手取り、計約5120万円の返還を求めた住民訴訟の上告審判決が8日、最高裁第1小法廷であった。

 島田仁郎裁判長は「天皇の即位に祝意を表する目的で、社会的儀礼として皇室の伝統儀式に参加することは、憲法の政教分離規定に違反しない」と述べ、請求棄却の1、2審判決を支持し、上告を棄却した。原告側敗訴が確定した。

 即位の礼、大嘗祭を巡っては、違憲と主張する訴訟が全国で5件起こされたが、今回の判決ですべて原告側敗訴が確定した。

(2005年12月8日23時46分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051208ic28.htm

「日本は天皇中心の国」 自民・武部幹事長が会合で発言 [朝日]

2005年12月05日23時41分
 自民党の武部勤幹事長は5日、水戸市で開かれた会合であいさつし、「日本という国は天皇中心の国であります。中心がしっかりしているということと同時に、中心をみんなで支えていく。そういう国柄だと思います」と語った。00年に当時首相だった森喜朗氏が、会合で「日本は天皇を中心とする神の国」と発言。戦前に国家神道の傘下に入るのを拒んで弾圧された創価学会を支持母体とする公明党や、主権在民に抵触するとして問題視した野党などが反発した経緯がある。

 在職50年を迎えた同党の山口武平・茨城県議をたたえる中で述べたもので、「茨城県政発展の原動力は、中心にある山口先生がすばらしいということと同時に、みんなでもり立てる姿こそがそれ以上にすばらしい。これからの日本国もかくありたい」と続けた。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/1205/010.html

皇室典範改正準備室、内閣官房に設置 [朝日]

2005年12月01日20時52分
 政府は1日、内閣官房に「皇室典範改正準備室」を設置した。小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が11月24日にまとめた最終報告書を踏まえ、来年の通常国会に提出する皇室典範改正案の作成作業を担当する。

 準備室は、内閣官房や宮内庁審議官ら15人で構成。室長には柴田雅人内閣総務官、副室長には内閣審議官2人が就任した。改正案は、女性・女系天皇を認めたうえで、皇位継承順位は男女を区別せず「第1子優先」などとする内容を盛り込む見通しだ。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/1201/011.html

女性・女系天皇容認方針、学者や神社本庁が批判 [読売]

 学者らがつくる「皇室典範問題研究会」(代表=小堀桂一郎・東大名誉教授)は25日、首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」(座長=吉川弘之・元東大学長)がまとめた女性・女系天皇を認める報告書に関し、「皇室の伝統を破壊するものだ」と批判する声明を出した。

 神社本庁も同日、「男系継承の歴史的な重みは、制度的安定を主たる理由として軽々に退けられてはならない」とする矢田部正巳総長の談話を発表した。
(2005年11月25日22時1分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20051125ia22.htm

皇室典範:有識者会議が報告書 女性・女系天皇容認を柱に [毎日]


最終報告書を小泉首相に提出した皇室典範に関する有識者会議後、会見する吉川座長=首相官邸で24日午後7時13分、川田雅浩写す 小泉純一郎首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」(座長・吉川弘之元東京大学長)は24日、女性・女系天皇の容認を柱にした報告書をまとめ、首相に提出した。女性・女系容認は「社会の変化に対応しながら、多くの国民が支持する象徴天皇制の安定的継続を可能にするうえで大きな意義を有する」と結論づけた。報告書を受け、政府は来年の通常国会に皇室典範改正案を提出する。皇室の長い歴史の転換で国民の理解を深めることが課題になるうえ、政府・与党の一部には異論が残っており、調整は曲折も予想される。

 女性・女系容認以外では(1)皇位継承順位は直系優先で出生順の「長子優先」とする(2)皇室の範囲は天皇との世数を限定しない現行の「永世皇族制」を維持する(3)女性皇族は婚姻後も皇族にとどまり、配偶者や子孫も皇族となる--などを盛り込んだ。

 男系維持派が主張する1947年に皇籍離脱した11の旧宮家の皇籍復帰は「国民の理解と支持、安定性、伝統のいずれの視点から見ても問題点がある」と退けた。そのうえで、女性・女系容認について「男系男子限定に比べ、格段に安定的制度」と指摘。さらに「女性の社会進出も進み、性別による固定的な役割分担意識が弱まる傾向にある。積極的に受け入れ、支持する素地が形成されている」と記した。男系維持派からの批判に応える形で「幅広い国民の支持が得られる制度である限り、正統性が揺らぐことはない」とも主張した。

 皇室の範囲は永世皇族制維持を採用する一方、「その時々の状況に応じて、弾力的に皇籍離脱制度を運用し、皇族の規模を適正に保つことが適当」とも指摘した。【野口武則】

 ◆「皇室典範に関する有識者会議」の報告書骨子

 ・男系男子の皇位継承維持は極めて困難。

 ・旧皇族の皇籍復帰は国民の理解と支持、安定性、伝統の視点から問題。

 ・女性・女系天皇の容認は象徴天皇制度の安定的継続を可能にする。

 ・「長子優先」による皇位継承は制度として分かりやすく、優れている。

 ・天皇・皇族の子孫は世数を問わず皇族の身分を有する「永世皇族制」。

 ・女性皇族は婚姻後も皇族にとどまり、配偶者や子孫も皇族となる。

 ・女性天皇、女性皇族の配偶者の名称は今後の検討課題。






毎日新聞 2005年11月24日 20時22分 (最終更新時間 11月25日 0時28分)
msn.co.jp/shakai/koushitsu/news/20051125k0000m010086000c.html

皇室典範:97年から極秘検討会 内閣・宮内庁OBら [毎日]

 内閣や宮内庁のOBらによって皇室典範の改正を念頭にした極秘の検討会が、97年から開かれていたことが、政府関係者の証言などで24日明らかになった。メンバーは、内閣法制局や宮内庁、総理府(当時)の元幹部らで、天皇家の長女、紀宮さま(黒田清子さん)の即位のシミュレーションも行われた。政府関係者が皇位継承の危機的状態を背景に少なくとも8年も前から検討を始めていた実態が浮かんだ。

 会合は特別研究会や懇話会などの名前で、OBを集めて行われ、当時、宮内庁の鎌倉節長官や古川貞二郎官房副長官、大森政輔内閣法制局長官ら現役の政府関係者も参加したこともあったという。97年4月から始まり、皇位継承制度を重要な課題と位置づけ、法律・政治・歴史などの研究者を集めて月1回程度の割合で開いていた。

 大学教授らが資料を作成して持ち寄っての勉強会形式で、結果は、今回の有識者会議の資料としても活用された。有識者会議で座長代理を務めた元最高裁判事の園部逸夫氏も当時の研究者のメンバーの一人で、主に法律上の課題や法改正の方向をまとめる中心になっていたという。

 皇太子妃雅子さまの懐妊などがあり、研究会は3年近く開かれなかった時期もあったが、03年春から内閣の官房・法制局、宮内庁が公式検討に向けて準備を始め、女性天皇の配偶者に関する項目など具体的検討に入った。関係者の一人は「皇室制度の改正は、天皇家に直接かかわる話で、性質上、細心の注意を払って対応した」と極秘検討の理由を説明している。
毎日新聞 2005年11月25日 3時00分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20051125k0000m010172000c.html

皇室典範:反対派が旧宮家の皇籍復帰へ特別法制定要求へ [毎日]

 「皇室典範に関する有識者会議」が女性・女系天皇を容認する報告書を小泉純一郎首相に提出したのを受け、男系男子による皇位継承の維持を求めるグループ「皇室典範問題研究会」の小堀桂一郎代表(東京大名誉教授)らが25日午前、東京・永田町の憲政記念館で記者会見し、1947年に皇籍離脱した11の旧宮家の皇籍復帰を可能にする特別法の制定を求めていく考えを表明した。

 小堀氏らは報告書について「有史以来の伝統を破壊する。皇位継承の安定化どころか、皇室の正統性の根幹を揺るがすものだ」と批判。「最後は政治力だ。真正保守の心を持つ人に訴えかけていきたい」と述べた。【衛藤達生】
毎日新聞 2005年11月25日 11時59分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20051125k0000e010051000c.html

天皇陛下、プーチン露大統領と会見 [読売]

 天皇陛下は22日昼、皇居・宮殿「竹の間」で、ロシアのプーチン大統領と約25分間、会見された。

 宮内庁によると、プーチン大統領は黒田清子さんの結婚について祝意を伝え、陛下は、大統領が清子さんにお祝いとして置物を贈ったことへの感謝の言葉を述べられた。

 今年は日露修好150周年に当たり、「日露間で色々な交流が盛んになってうれしく思います」と陛下が述べられると、大統領は「今回の訪日に経済界が大変な関心を示してくれて有益な意見交換が出来ました」と応じた。

(2005年11月22日13時47分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051122ic07.htm

皇位継承は長子優先で一致…皇室典範会議 [読売]

 小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」(座長=吉川弘之・元東大学長)は21日の第16回会合で、皇室典範の改正に関する報告書の概要を決めた。女性・女系天皇を認めるとともに、皇位継承順位は、男女を問わず出生順に決まる「長子優先」とすることで一致した。女性皇族が結婚後も皇室に残り、宮家を創設できるようにすることも決めた。24日に小泉首相に報告書を提出する。これを受け、政府は来年の通常国会に皇室典範の改正案を提出し、成立を目指す方針だ。

 吉川座長は21日の会合後の記者会見で、皇位継承順位を「長子優先」とする理由について、「国民が、(長子を)将来の天皇として、幼少のころから期待を込めて見守ることができる。安定性も優れている」と述べた。最後まで検討対象になっていた「兄弟姉妹間での男子優先」案に関しては、「(女子が先に生まれた場合)皇位継承者が不確定な期間が長くなる。不安定な制度は好ましくない」と結論づけた。

 有識者会議の結論通りに皇室典範が改正された場合、皇太子ご夫妻の長女の愛子さまの皇位継承順位は、皇太子さまに次いで2位となる。

 また、現在は、女性皇族が一般男子と結婚した場合、皇籍を離脱しなければならないと定めているが、有識者会議は、結婚後も皇室に残ることを認めた。皇位継承者を安定的に確保するのが目的だ。女性皇族と結婚した男性も皇族となるとした。

 天皇の姉妹や子、孫にあたる内親王には、本人の意思に基づく皇籍離脱は認めない。ただ、皇族が増えることで皇族費の増加が懸念されることから、皇室会議が、内親王の皇籍離脱を決めることはできる。
(2005年11月22日1時34分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20051121it14.htm

内親王の宮家創設容認、皇室典範会議が最終調整 [読売]

 小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」(座長=吉川弘之・元東大学長)は19日、皇族の範囲について、女性皇族のうち、天皇の姉妹や娘、孫にあたる「内親王」に限り、皇籍離脱を認めず、結婚後は宮家を創設できるようにする方向で最終調整に入った。

 内親王や親王妃らを除く女性皇族である「女王」についても、結婚後、皇籍を離脱しないことを認める見通しだ。

 有識者会議は、男系男子に限定していた皇位継承資格者を女性皇族に拡大し、女性・女系天皇を容認する考えで一致。皇位継承順位は男女を問わず、長子優先とする方針を固めている。21日の第16回会合で、内親王の宮家創設容認も確認する見通しだ。今月中に最終報告をまとめ、小泉首相に提出する。

 現行の皇室典範は、皇族の子孫はすべて皇族とする「永世皇族制」を採用している。15歳以上の内親王と王、女王は自らの意思で皇籍離脱が可能と規定。さらに、内親王、女王を問わず、女性皇族は一般男性と結婚した場合、皇室を離れなければならないと定めている。

 今回、有識者会議が女性天皇を容認したことで、女性皇族は皇位継承のために、結婚後も皇室に残る必要が出てきた。しかし、すべての女性皇族が皇室に残り、宮家を創設した場合、皇族費増加の懸念があった。

 このため、有識者会議は女性皇族のうち、内親王は必ず皇族に残る一方、女王は自らの意思がある場合には皇籍離脱できる制度とすべきだとの考えで大筋一致した。これにより、皇籍離脱の要件に関して、内親王は、天皇の弟や息子、男孫である親王と同じ立場となる見込みだ。また、女王も王(親王以外の男性皇族)に準じることになる。
(2005年11月20日9時19分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20051120i203.htm

女性・女系天皇に反対 超党派議員が安倍長官に決議文 [朝日]

2005年11月16日21時10分
 超党派の保守系国会議員でつくる「日本会議国会議員懇談会」(238人)の平沼赳夫会長は16日、首相官邸で安倍官房長官に会い、「皇位継承問題は国家重要事項であり、慎重な審議と国民の納得が図られるべきである」とする決議文を渡した。小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が女性・女系天皇の容認を最終答申に盛り込むことに反発した格好だ。

 決議文は、今月下旬に答申を出す有識者会議の議論を「国民の理解を超える拙速さ」と批判。平沼氏は面会後、記者団に、「万世一系の男系は125代続いて大事にしないといけない。40、50年の知識の中で変えるべきではない」と述べた。同氏によると、安倍長官は「確かに預かった」と述べたという。日本会議によると、安倍長官や麻生外相、中川農水相は国会議員懇談会に参加している。平沼氏は「同じ考えだから、我々の決議の容認に理解をいただければと思う」と語った。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/1116/012.html

黒田清子さんの皇籍離脱手続き完了 [読売]

 結婚して民間人となった黒田清子さんについて、宮内庁は16日午後、皇室典範の規定に基づき、皇室の戸籍である「皇統譜」に、皇族の身分を離れたことを登録した。

 手続きは同庁書陵部で行われ、皇統譜のうち天皇、皇后以外の皇族の戸籍「皇族譜」に、「清子内親王」が黒田慶樹さんと15日に結婚して皇族の身分を離れ、官報でも告示したことを文語体で記入、羽毛田信吾長官と田林均書陵部長が署名した。これで同庁として皇籍離脱に関する手続きを完了した。

(2005年11月16日22時0分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051116i413.htm

紀宮さまと黒田慶樹さん、ご結婚 [読売]

天皇家の長女、紀宮清子(さやこ)さま(36)と、東京都職員の黒田慶樹(よしき)さん(40)の結婚式が15日午前11時過ぎから、天皇、皇后両陛下も出席されて、東京・内幸町の帝国ホテルで神式で行われた。

 伊勢神宮の北白川道久大宮司が斎主(さいしゅ)を務め、お二人は固めの杯を交わし、黒田さんが誓いの言葉を読み上げた。

 皇女の結婚は45年ぶり。正午前、宮内庁職員が新居がある区役所に婚姻届を出し、紀宮さまは皇族の身分を離れて民間人の「黒田清子さん」となった。

 紀宮さまは皇室の正装とされる純白のロングドレス、黒田さんはモーニング姿で式に。新郎新婦の意向で媒酌人は置かず、新婦側は両陛下や皇太子ご夫妻を始め皇族方や元皇族ら計23人、新郎側は母の寿美子さん(70)ら親族8人が参列した。

 式が行われたのはホテル2階の「蘭(らん)の間」。皇室の慣例により、新婦側が正面に向かって右手の上座につき、非公開で進んだ。

 宮内庁によると、杯を交わした新郎新婦は、皇室の祖神「天照大神(あまてらすおおみかみ)」を祭った特設の祭壇に玉ぐしをささげて拝礼し、黒田さんが、夫婦相和し、相助け、苦楽を共にする旨の誓詞を述べ、夫婦として結ばれた。黒田夫妻となった新郎新婦は下座の席に移り、参列者全員で親族固めの杯を交わし、式は25分で終了した。

 式後、両陛下は新郎新婦のお礼のあいさつ、皇族方からお祝いのあいさつを受け、ホテル内の写真スタジオで出席者全員での記念撮影に臨まれた。午後は、公務のあと、皇居・宮殿で小泉首相ら三権の長らのお祝いを受けられる。

 結婚式に先立って、皇居・御所では、午前9時50分から黒田家の使者が紀宮さまを迎える「入第(じゅだい)の儀」が行われた。紀宮さまは宮殿の東庭で宮内庁職員や皇宮護衛官計560人の見送りを受け、帝国ホテルに向かわれた。警視庁によると、皇居外苑などの沿道に約6000人が出て結婚をお祝いした。

 午後は2時から新郎新婦の記者会見、4時から両陛下も出席されて同ホテル内で披露宴が行われる。
(2005年11月15日14時54分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051115it04.htm

ご結婚祝う一般記帳、開門直前140人が列 [読売]

 紀宮さまと黒田慶樹さんの結婚を祝う一般記帳が、15日午前10時半から皇居内で行われた。

 出入り口となった坂下門前には朝から人が並び始め、開門直前には約140人が列をつくった。宮内庁の庁舎前に設けられた記帳所には、その後も沿道で紀宮さまを見送った人々らが加わり、1時間で2170人が訪れた。

 午前9時ごろから並んでいた千葉県八街市の農業稲子のぶさん(68)は、「天皇陛下にとって末のお子さまの結婚を心からお祝いしたい」。帝国ホテルに向かう紀宮さまの車列を見送った後、夫婦で記帳に訪れた東京都昭島市の小谷茂さん(76)は、「紀宮さまは内親王としてこれまでしっかりと皇室を支えてこられた。山階鳥類研究所など民間の施設でも仕事をされてきたので、皇室を出ても幸せな家庭を立派に築かれるはずです」と話していた。

(2005年11月15日12時31分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051115i103.htm

皇位継承:女系天皇前提に「長子優先」提案 有識者会議 [毎日]

 小泉純一郎首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」は7日、首相官邸で第15回会合を開き、吉川弘之座長(元東京大学長)が、女性・女系天皇容認を前提に、皇位継承順位を「長子優先」とし、現行の「永世皇族制」を維持する方向を強く打ち出した「たたき台」を示した。同会議はこれを基に意見集約を図り、今月末に最終報告をまとめる。 

 皇位継承順位をめぐっては、男女にかかわらず出生順に順位が決まる長子優先案と「兄弟姉妹の中で男子優先」案が主要な選択肢として示されていたが、たたき台は、早期の「帝王教育」がしやすい長子優先案に力点を置いた。これまでの同会議の議論で男子優先案は、現行制度には近い半面、女子が先に生まれても弟ができると継承順位が逆転するため安定性に欠けるとされ、この日の会合でも、長子優先案が大勢を占めた。

 一方、たたき台は皇族の範囲について、天皇との世数を限定しない永世皇族制が望ましいと提案。女性・女系天皇を認めるためには、女性皇族が結婚後も皇族にとどまるよう制度改正する必要があるとしている。

 吉川座長の提案に対し明確な反論はなく、最終報告の骨格は固まったが、「国民が納得できる説明が必要」との立場から、意見集約は行わず、文案調整を続けることになった。

 有識者会議は同日で今月末の最終報告決定前の公式会議を終了。今後は、吉川座長が各委員から個別に意見を聴き、非公式会議を重ねて最終報告をまとめる。【野口武則】  ◇   ◇

 「皇室典範に関する有識者会議」の吉川弘之座長は7日、寛仁親王殿下が同会議の「女性・女系天皇容認」方針にエッセーで疑問を投げかけたことについて、首相官邸で記者団に対し、「それによってどうということはない」と語り、最終報告の取りまとめに向けた議論に影響はないとの認識を示した。小泉純一郎首相も同日夜、記者団に「個人個人の発言は発言として、そういう点も踏まえて議論しているわけですから」と述べ、有識者会議の結論を尊重する考えを示した。【中田卓二】 

毎日新聞 2005年11月7日 21時19分 (最終更新時間 11月8日 4時38分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20051108k0000m010100000c.html

両陛下、天皇賞を初めてご観戦へ…30日に東京競馬場 [読売]

 天皇、皇后両陛下は30日、東京・府中市の東京競馬場で「第132回天皇賞」を観戦される。1937年の天皇賞レース開始以来、天皇の観戦は初めて。

 いわゆる「天覧競馬」も大正以降では初めてとなる。

 両陛下の天皇賞観戦は当初、日本中央競馬会(JRA)の創立50年を記念して、昨年10月に予定されていた。しかし、新潟県中越地震が発生したため、被災者の心情などに配慮して1年後の今回に延期された。陛下は皇太子時代の87年にもご夫妻で天皇賞をご覧になっているが、即位後は観戦の機会がなかった。

 天皇賞の歴史は、1905年、明治天皇から贈られた御紋付の鉢をかけて創設されたエンペラーズカップにさかのぼる。現在の優勝盾である御紋付盾は戦後の47年に皇室から授与された。「天皇賞」として贈られたものではなかったが、55年に宮内庁が天皇賞と呼称することを許可した。

 明治天皇は競馬の奨励に熱心で、競馬場にも足しげく訪れたが、大正天皇と昭和天皇の競馬観戦は皇太子時代までで、即位後はなかったという。

          ◇

 天皇杯や皇后杯は、競馬の天皇賞のほか、19のスポーツ団体に授与されている。

 このうち、天皇杯や皇后杯が優勝都道府県に贈られる秋季国体については、毎年、両陛下が開会式に出席。これ以外にも両陛下は、ほぼ1年に1団体のペースで、優勝者・チームに杯が贈られる大会を観戦しており、昨年は全日本体操選手権の会場に足を運ばれた。

 杯は団体からの申請に応じ、宮内庁が競技の普及度などを審査して授与している。戦後間もない時期に与えられた団体がほとんどだが、95年には全日本なぎなた連盟に皇后杯が授与されている。また、天皇杯はスポーツのほか、農水省などが主催する農林水産祭でも贈られている。

 一方、大相撲の「天皇賜杯」は、摂政時代の昭和天皇から授与された資金を基に日本相撲協会が作製、27年から使用している。大相撲も年に1度の両陛下の観戦が恒例となっている。
(2005年10月30日1時22分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051029i212.htm

女性・女系天皇容認で一致 皇室典範改正案を提出へ [朝日]

2005年10月26日00時03分
 小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」は25日、女性が天皇になることや、母方だけに天皇の血筋を引く女系天皇を容認することを全会一致で決めた。皇位継承順位は男女を問わない「第1子優先」の方向で集約し、11月末に報告書を首相に答申する。小泉首相は25日、天皇を「男系男子」に限る皇室典範の改正案を来年の通常国会に提出する考えを表明した。女性・女系天皇が認められれば、皇太子さまの長女の敬宮愛子さまも皇位継承資格を得ることになる。

 小泉首相は25日夜、皇室典範改正案の来年の通常国会への提出について「その方向で準備を進めています」と、首相官邸で記者団に答えた。自民党の武部勤幹事長も同日、「皇位継承問題についての結論が得られたことを歓迎したい」とするコメントを発表。「次期通常国会で皇室典範の改正がなされる見通しとのことであり、全会一致での成立を目指したい」とした。

 同会議後に記者会見した吉川弘之座長は、皇位継承問題について「女子・女系への拡大という結論でまとまった」と説明。その理由について「(天皇の)後継者が現実に少なく、現行の典範では必ず将来後継者不足が生じる」としたうえで、「男系男子が守れなくなったときに女性の登場を待つしかない」と語った。

 同会議は、後継者を拡大するため、旧皇族からの復帰や養子を取ることも検討した。だが、吉川座長は「皇室制度の歴史から見て、現代でどう受け入れられるかを議論したが、ほとんど可能性がないとの結論に達した」と述べた。

 同会議は、今後皇位継承順位と皇族の範囲について意見を集約する。会見で吉川座長は継承順位について「第1子優先」と「兄弟姉妹の中で男子優先」の2案のどちらかを選択する考えを表明したが、会議は既に皇位継承順位の変動が少なく、国民の理解が得られやすい第1子優先案で集約する方針を固めている。

 女性の皇族が結婚すると皇族の身分を離れる現行制度の見直しも検討する。結婚後も皇室にとどまるようにするほか、夫や子供も皇族とするための皇室典範改正を認める方針だ。

 吉川座長は、最終報告について「まとめるまで1カ月くらいかかる。内容は全員一致で決める」と説明。11月7日に会議を開くほか、座長が各委員を個別に回って意見を集約するという。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/1025/018.html

皇室典範改正、慎重審議求め声明 女系天皇反対の学者ら [朝日]

2005年10月21日19時18分
 首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が、母方だけ天皇の血筋に属する女系天皇も容認する方針を固めたと伝えられるなか、これに反対する学者、文化人が21日、「皇室典範を考える会」(代表=渡部昇一・上智大名誉教授)を結成し、慎重審議を求める声明を発表した。6日に会見した小堀桂一郎・東大名誉教授らの「皇室典範問題研究会」とも連携して、今後、集会を開き関係方面に働きかけていくという。

 声明は「(男系継承という)有史以来の皇室の伝統を継承し守っていく姿勢こそが大前提」とし、国民の理解が深まるまで慎重に審議するよう求めている。

 会に名を連ねたのは渡部氏のほか国語学者萩野貞樹、評論家屋山太郎、元労働団体役員宇佐美忠信、評論家岡崎久彦、作家工藤美代子、評論家田久保忠衛、国際政治学者中西輝政、埼玉大教授長谷川三千子、数学者藤原正彦の各氏。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/1021/009.html

皇位継承は第1子優先 有識者会議 [朝日]

2005年10月21日08時02分
 小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が、皇位継承順位について、男女を問わない「第1子優先」とし、女性が天皇になることや母方だけに天皇の血筋を引く女系天皇を容認するとの方針を固めた。こうした方針をとれば、皇位継承の資格者が増え、順位の変動が少ないことを考慮した。25日から意見集約に入り、11月末に報告書をまとめ、首相に答申する。政府は世論の動向を見極めながら、皇室典範の改正を目指す。

 5日の前回会議までの協議では、女性・女系天皇を認めたうえで、継承順位を巡って(1)第1子優先(2)兄弟姉妹の中で男子優先――の2案が選択肢として浮上した。このうち、最初に子どもが生まれた時点で皇位継承者が決まる第1子優先案の方が安定性が高く、国民にわかりやすいと判断した。

 第1子優先案が採用されると、現状にあてはめれば、皇太子さまの長女の敬宮愛子さまが皇位継承者になる。しかし、6日に学者グループが、敗戦直後に皇籍離脱した旧皇族の復帰を求める「緊急声明」を出すなど、世論には「男系男子」の維持を求める声もある。

 有識者会議は25日から始まる意見集約で、こうした世論の動向も慎重に見極める方針だ。委員の間では「男子が生まれれば世論も変わるかもしれない」との議論もある。

 吉川弘之座長は5日の記者会見で「国民の代表という意識で議論してきた。改めて国民の意見を聴くことは考えていない」と発言。政府も改めて世論調査などは行わない予定だ。ただ、政府高官の一人は「歴史的に重い、大変難しい問題」と話しており、今後の世論の動向次第では、皇室典範の改正案の提出時期は当初予定の来年の通常国会より遅れる可能性もある。

 有識者会議は、皇室に40年間男子が誕生せず、天皇制維持が難しくなってきた状況を背景に今年1月に発足。男系男子維持、女性・女系天皇容認の二つの考え方を柱に検討を重ねてきた。女性・女系天皇を容認しながら、継承順位では男子を優先する「男子優先」「男系男子優先」などの案も検討してきた。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/1021/004.html

皇室典範有識者会議に学者らが反発 緊急声明を発表 [朝日]

2005年10月06日23時39分
 小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」(吉川弘之座長)の議論が女性・女系天皇を容認する方向で進んでいることに反発する学者らが6日記者会見し、敗戦直後に皇籍離脱した旧皇族の復帰によって男系継承を守るよう求める「緊急声明」を発表した。

 会見したのは小堀桂一郎・東大名誉教授、小田村四郎・前拓殖大総長、八木秀次・高崎経済大助教授ら。声明は、男系男子による皇位継承を「有史以来の不動の伝統」と強調。「有識者会議が旧皇族の復籍案について十分に検討することなく『国民の理解が得られにくい』などの判断のもとに排除することは暴挙というほかない」としている。

 また、有識者会議の吉川座長が会見で、「皇族の意向を聴いたり国民の意見を改めて聴く考えはない」と語ったことや、政府関係者が「政治家に介入させない」などと述べたと伝えられていることについて「このような傲慢(ごうまん)不遜(ふそん)な姿勢は速やかに正されなければならない」と批判した。

 小堀氏らは、「男系継承という至高の皇室伝統の大転換が安易に行われようとしていることは黙過できない」として「皇室典範問題研究会」を結成し、各方面に働きかけていくとしている。
URL:http://www.asahi.com/national/update/1006/TKY200510060327.html

女性天皇容認なら、女性皇族も宮家創設…皇室典範会議 [読売]

 小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」(座長=吉川弘之・元東大学長)は5日の第13回会合で、女性天皇を容認した場合の女性の皇族について、結婚後も皇室にとどまり、宮家の創設を認めることで一致した。

 皇位継承資格者を安定的に確保するには、天皇の直系か傍系かに関係なく、すべての女性皇族が皇室に残る必要があると判断した。女性皇族と結婚した男性と、その子孫も皇族に加える方針だ。

 会議はテーマ別の検討を終え、次回25日から意見集約に入る。11月末をめどに報告書をまとめる予定だ。

 現行の皇室典範は、皇族の子孫はすべて皇族とする「永世皇族制」を原則とする一方、女性皇族が一般男性と結婚した場合、皇室を離れることを定めている。宮家は男性皇族のみが創設する。

 女性皇族が結婚後も皇室にとどまる場合、皇族の増加に伴う予算増が懸念される。この点については、本人の意思による皇籍離脱を認めるとともに、皇族や首相らで作る皇室会議で皇族数を抑制することも可能とする方向だ。

 現在の天皇・皇族は23人で、うち女性は16人を占めている。
(2005年10月6日0時54分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051005it15.htm

皇位継承順位、集中的に議論 有識者会議 [朝日]

2005年09月29日21時26分
 皇室典範に関する有識者会議は29日、首相官邸で12回目の会合を開き、女性天皇や母方だけに天皇家の血筋をひく女系天皇を容認する案と、現行の男系男子を維持する案の双方の「皇位継承順位」を集中的に議論した。吉川弘之座長は会合後の記者会見で次回10月5日に「皇族の範囲」を議論した後、最終的な意見集約に入る考えを示した。

 女性天皇や女系天皇を容認する場合の継承順位は(1)長子優先(2)兄弟姉妹間で男子優先(3)男子優先(4)男系男子優先――の四類型に分けて議論した。

 このうち「男子優先」「男系男子優先」には、傍系男子の継承順位が直系女子よりも上になるため、「親子の世襲が自然だ」「順位が逆転する」などの指摘が出た。「兄弟姉妹間で男子優先」には「男子が後から誕生すると順位が逆転する」「皇位継承者が定まらず不安定」との指摘があった。吉川氏は会見で「長子優先」について「男性の天皇の方が国民になじむという点をどう考えるか」との課題を挙げた。

 一方、男系男子を維持し、旧皇族やその子孫を復帰させる案については「恣意的(しいてき)に継承順位が決まる」との問題点を確認した。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0929/008.html

警察・マスコミ・右翼への抗議声明 [ウェブより]

 侵略戦争を「聖戦」と美化し、戦死者を「英霊」として賛美している「侵略神社」である靖国神社。8月15日、この靖国神社への議員や都知事による参拝などの「追悼」儀礼に抗議活動した人々の中から逮捕者が出た。私たちはまずこの弾圧に抗議する。また、逮捕された4名の仲間たちの拘留が延長されるという事態も決して許されない暴挙である。
 『毎日新聞』(8月16日)の「靖国周辺などで活動家ら8人逮捕」の見出し記事は、こう書いている。
 「警視庁は15日、靖国神社(千代田区)周辺などで、過激派活動家6人と右翼構成員2人の計8人を、公務執行妨害などの疑いで現行犯逮捕した」
 「また、右翼構成員2人は午後2時ごろ、文京区内で開かれた反天皇制を主張する過激派らの集会に対して街宣した際、警備中の機動隊員の左足を殴るなどした疑い」
 ここでいう「反天皇制を主張する過激派らの集会」とは私たちの「敗戦60年の靖国と天皇制を問う8・15集会」のことである。なんという記事であろう。
 『読売新聞』(8月16日)の方は、こうである。
 「警視庁は警察官を殴るなどした計8人(極左活動家6人、右翼団体構成員2人)を公務執行妨害などの現行犯で逮捕した」
 「また、文京区本郷で開かれた参拝反対の市民集会会場近くで、集会に抗議する街宣活動をしていた右翼団体の構成員2人が、機動隊員の左足を鉄パイプで殴るなどした」
 私たちの集会をこちらは「市民集会」と呼んでいるからよい、などと主張したいわけではない。
 両方に共通する「反天皇制を主張する者、靖国参拝に抗議する者=過激派、極左」というレッテル。このレッテルを根拠とした国家権力による民衆の権利(抗議行動)を踏みにじる行いを正当化し、あたりまえの抗議行動(集会やデモなど)に暴力的に介入してくる右翼と私たちを同列にならべて、取り締まられて当然といった感じのトーン。このことが問題なのである。
 公安(政治)警察が常用する言葉を、そのままたれ流して恥じないマスコミのこの姿勢に私たちは強い怒りを感ずる。
 政府への批判や行動は、憲法で保障された私たちのあたりまえの権利行使である。だいたいマスコミは、権力の横暴を広く人々に知らせ、チェックするというのが本来の任務ではないか。抗議を力で押さえこもうという警察の弾圧体制への批判はまったくなく、批判している私たちに剥き出しの暴力を行使し脅迫している右翼と、あたりまえの抗議行動をしている人々の行動を同じ性格のものと断ずるマスコミ。
 私たちは、警察による弾圧、そしてそれを正当化するマスコミ報道、さらに右翼の暴力的介入、これらにまとめて強く抗議する。
 8月22日
 敗戦60年の靖国と天皇制を問う8・15集会実行委員会

皇室典範会議:論点整理を決定 女性天皇案など提示 [毎日]

 「女性天皇」の是非などを検討している小泉純一郎首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」(座長・吉川弘之元東京大学長)は26日、首相官邸で第10回会合を開き、皇位継承問題に関する論点整理を決定した。現行の皇位継承資格者の要件のうち、「男系男子」が今後の議論の焦点と明記。具体的には「天皇の近親の皇族による継承が自然」として女性天皇を容認する考え方のほか、男系男子による継承を維持しつつ、養子縁組などで資格者を増やす方策を検討課題にあげた。

 論点整理は「安定的な皇位継承は国家の基本にかかわる。現行の皇室典範を前提にすると、早晩、資格者が不在となるおそれがある」と指摘、資格者拡大の必要性を示した。そのうえで(1)国民の理解と支持を得られる(2)伝統を踏まえる(3)制度として安定している--の3条件が検討の「基本的視点」と定めた。

 皇位継承順位については資格者拡大の方策を定めたうえで検討する方針を明記。女性天皇容認の場合には(1)天皇直系の長子を優先(2)天皇直系で兄弟姉妹間では男子優先(3)直系よりも男子を優先--の3案をあげ、男系男子による継承の場合は、基本的に現行の継承順位が維持される、との見方を示した。

 同会議は8月31日の次回会合から今秋の最終報告に向けた議論を本格化させる。吉川座長は会合後の記者会見で「いろいろな要素を慎重に議論していきたい」と述べた。【中田卓二】

 ◆「皇室典範に関する有識者会議」の論点整理の骨子

 ・国民の理解と支持、伝統、制度としての安定の3条件が基本的視点

 ・皇位継承資格者の要件は「皇統に属する」「皇族の身分を有する」は当然の要請。「嫡出」は維持が適当。「男系男子」をどう考えるかが論点

 ・女性天皇・女系天皇を認める場合、長子優先、兄弟姉妹間で男子優先、男子優先が考えられる

 ・皇族の範囲は、皇位継承資格者、皇位継承順位の検討結果に応じ、具体的内容や皇族の規模を適正に保つための仕組みをどうするかが主な論点

毎日新聞 2005年7月26日 21時09分 (最終更新時間 7月27日 1時30分)
TITLE:MSN-Mainichi INTERACTIVE その他
DATE:2005/07/27 09:42
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20050727k0000m010123000c.html


「海の日」の由来 [ウェブより]

昭和16年07月20日第1回「海の記念日」「7月20日」は、明治天皇が明治9年東北ご巡幸の帰途、灯台視察船 明治丸 で、青森から函館を経て横浜にご安着された日に由来。
TITLE:財団法人 日本海事広報協会 [海の日]
DATE:2005/07/20 00:30
URL:http://www.kaijipr.or.jp/day/index.html


皇室典範:女性天皇念頭に皇位継承資格を拡大 有識者会議 [毎日]

 女性天皇の是非など皇位継承問題を議論している小泉純一郎首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」(座長・吉川弘之元東京大学長)が、近く取りまとめる論点整理の概要が19日、明らかになった。今秋に作成する最終報告のたたき台となるもので、「皇位継承資格者を将来も確保するためには資格者の拡大が必要」との前提に立ち、継承資格に関して見直しを行う必要があるとの立場を打ち出している。そのうえで、女性天皇を念頭に天皇との血縁が近い皇族による継承を優先するか、男系男子による継承を維持しつつ、養子縁組なども用いて資格者を拡大するかを、今後の議論の焦点として提示している。

 論点整理はこれまで8回の会合での議論や、8人の有識者からのヒアリングを踏まえ、吉川座長を中心にまとめた。20日の第9回会合で調整し、26日に正式に決定する。

 論点整理はまず「象徴天皇制は日本の最も基本的な制度で、安定的な皇位の継承は国家の基本にかかわる」と規定。現行の皇室典範のままでは皇位継承資格者が不在になることが懸念されると指摘しつつ、安定的な皇位の継承を可能にする皇位継承制度の検討が、同会議の責務としている。

 さらに、最終報告に向け「安定的な制度確立」の観点に加え、(1)国民の理解と支持が得られる制度(2)古来の伝統を踏まえた制度--の2点にも留意し、議論を進める考えを示した。

 焦点の皇位継承資格の見直しをめぐっては、現行制度の(1)皇統に属する(2)嫡出である(3)男系男子である(4)皇族である--の4要件のうち、事実上「男系男子」のみが議論の対象になると指摘。皇統に属する皇族女子や女系皇族、あるいは一般国民の中の「皇統に属する嫡出の男系男子」の該当者を養子縁組や、婚姻などで新たに皇位継承資格者に加える考え方を列挙した。

 これにより、女性天皇容認か、男系男子による継承を維持し、1947年に皇籍離脱した旧11宮家の「皇室復帰」に道を開くか、大別すると2パターンの可能性に正式に言及したことになる。しかし、それぞれの論拠を並べるにとどめ、ヒアリングで取り上げられた問題点も挙げ、方向性を示すには至らなかった。

 一方、皇位継承順位については継承資格者に関する議論を踏まえ、(1)直系優先(2)男子優先(3)長子優先--などの検討を行う方針を示した。皇族の範囲をめぐっては、継承資格者、継承順位を決めたうえで検討する考えを示した。

 ◇ことば…皇室典範

 皇位継承、皇族の範囲など皇室に関する事項を定めた法律。大日本帝国憲法下の旧皇室典範の廃止にともない、1947年に施行された。憲法の「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」(第2条)との規定を踏まえ、第1条で「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と定め、女性天皇を認めていない。ほかにも、「天皇及び皇族は、養子をすることができない」(第9条)「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」(第12条)などの規定で皇位継承資格を限定している。

 ◇主な論点

 皇室典範に関する有識者会議のこれまでの会合に基づき19日明らかになった主な論点は次の通り。

 皇位継承資格者を拡大するために、現在の制度を見直すべきかどうかは、男系男子に限定している要件をどうするかという判断に帰着される。そのために考えられる方法としては、「男系男子を維持しつつ、1947年に皇籍を離れた旧皇族の男系男子を対象に現在の皇族との養子縁組や婚姻を認める」か「男系男子を見直し皇族女子や女系皇族も認める」との問題になる。

 「男系男子維持」を主張する考えの主な理由としては、皇位は男系で継承されてきた伝統を重んじることや、かつて皇族の身分を持っていた人たちの養子縁組は不自然ではないことなどが挙げられる。しかし、この考え方には、皇籍を離れて約60年もたつ人たちを皇族とすることに国民の理解が得られ難いといった意見や、非嫡出子の継承がなければいずれ男系男子維持では困難になるとの問題点が指摘された。

 一方、「女性皇族を認める」考えの主な理由としては、天皇が象徴としての役割を果たすためには女性であっても問題はないことや、国民の意識で男系男子に限る考え方は薄くなっていることなどがあった。しかし、この考えにも、女性天皇については体力面で公務遂行の負担が大きすぎないかといった問題点や、女性では国民統合の力が足りないのではとの意見があった。

 皇位継承順位の見直しについては、皇位継承資格をどうするかによって前提が異なるが、継承資格を皇族女子や女系の皇族に拡大する場合、長子優先、兄弟姉妹間での男子優先、男子優先の考え方がある。一方、男系男子維持とした場合には、基本的には現行の継承順位を維持する。

 いずれにしても、継承順位の決定は、▽制度的に決まるものであって恣意(しい)的な判断が加わらない▽なるべく早い時期に確定する▽頻繁に皇位継承がなく、在位期間が長くなるもの▽分かりやすいもので、子が親よりも上位になったりしないもの--を前提に今後、議論していく。

 ◇解説◇

 19日明らかになった「皇室典範に関する有識者会議」の論点整理の概要は、今年1月下旬に始まった議論やヒアリングの内容を「中立的な立場」(政府筋)でまとめたものだけに、焦点の女性天皇容認に向けた方向性を具体的に示したものではない。ただ、検討の前提として「現在の皇室の構成では皇位継承資格者が不在になる可能性がある」と指摘している。今回の論点整理は「女性天皇容認」に向け論議の土俵を整えたと言え、地ならし的性格を持つのは間違いなさそうだ。

 有識者会議は当初、7~8月は会合を開かず、吉川弘之座長以下10人のメンバーがそれぞれ「独自の勉強・研究、考え方の整理」をしたうえで、9月から今秋の最終報告取りまとめに向け、最終調整に入る日程を描いていた。しかし、政府内からも「国家の基本にかかわる事柄の議論が『密室化』するのは好ましくない」といった指摘が出たことから、今月20日と26日の議論を経て論点整理を公表する方針に転換した。

 政府筋は「論点整理は最終報告に向けたたたき台であり、色はついていない。各メンバーがこれをもとに議論を深めるとともに、文書として公表することで、国民的な議論が盛り上がることを期待している」と語り、オープンな議論を演出したい狙いがうかがえる。

 会議はさらに、来月も中下旬に2回の会合を検討しており、別の政府関係者は「秋口に最終報告を出す際に『いきなり結論を出してきた』などという批判が起きないような手続きを踏む必要がある」とも指摘する。郵政民営化関連法案の参院採決など政治日程に波乱要因もはらむ中で、首相官邸サイドは結論を集約するタイミングを計っているようだ。
毎日新聞 2005年7月20日 3時00分
TITLE:MSN-Mainichi INTERACTIVE 話題
DATE:2005/07/19 19:19
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20050720k0000m040171000c.html


天皇、皇后両陛下:戦没殉職船員遺族の集いに出席

 戦没殉職船員遺族の集い(日本殉職船員顕彰会主催)が4日、天皇、皇后両陛下を招いて、東京都内で開かれた。戦後60年を機に開かれた集いには、約300人の遺族が参加。両陛下は式典後に、遺族と懇談した。
 同顕彰会によると、太平洋戦争中、徴用された民間の商船や漁船約7000隻が米軍の攻撃などで沈没、約6万人が死亡している。顕彰会は毎年、慰霊祭を行ってきたが、今年初めて遺族の集いを開催した。遺族会会長の堀田明道さん(77)=横浜市=は44年11月に商船の機関士だった兄を失った。堀田さんは「戦後60年が経過し、関係者も高齢化し戦没船員のことも記憶が薄れつつある。悲惨な歴史をどう継承していくかが大きな課題です」と話した。【遠山和彦】
毎日新聞 2005年7月4日 11時37分
TITLE:MSN-Mainichi INTERACTIVE 皇室
DATE:2005/07/04 11:54
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/koushitsu/news/20050704k0000e040046000c.html

皇室典範に関する有識者会議(第8回)議事次第(H17.6.30)


天皇、皇后両陛下:サイパン訪問、体験談に耳を傾ける

 【サイパン大久保和夫】天皇、皇后両陛下は27日午後(日本時間同)、太平洋戦争の激戦地で、米国自治領北マリアナ連邦のサイパン島に到着した。宿泊先のホテルで、先に現地入りした日本の戦友会や遺族会のメンバー41人から戦闘当時の話などを聞いた。

 予定を20分オーバーし30分に及んだ懇談の最後に、天皇陛下は「明日はこの地域の戦闘で亡くなられた人々や遺族をしのびつつ、世界の平和を祈り、慰霊碑に心してお参りしたいと思います」と出席者らに語りかけた。

 羽田空港を出発する際の行事で、天皇陛下は「海外の地において、改めて、先の大戦によって命を失ったすべての人々を追悼し、遺族の歩んできた苦難の道をしのび、世界の平和を祈りたいと思います」とあいさつし、今回の訪問への思いを述べた。

 28日は日本政府が建てた慰霊碑のほか、米国や現地住民の慰霊碑にも花を手向ける。多くの日本人が身を投げた断がい「バンザイ・クリフ」と「スーサイド・クリフ」も訪れる。敬老センターで現地のお年寄りと懇談した後、同日夜、帰国する。

 ◇住民たち「訪問楽しみに」

 日本政府サイドから「慰霊目的の訪問なので歓迎は質素に」との意向が伝えられたため、現地では大がかりな歓迎セレモニーは自粛された。住民からは両陛下の訪問を好意的に受け止める声が多く聞かれた。両陛下が宿泊するホテルから訪問先となる島北部への幹線道路は27日夜から立ち入り禁止となるなど厳重な警戒体制が敷かれた。

 日系人と結婚しサイパンに住んで19年というトモエ・タカイさん(62)は「81歳の夫はサイパンで日本語の教育を受け、今でも教育勅語を覚えています。夫にとっては天皇陛下は神様の存在です」と語った。サイパンのビーチで観光案内をしているヌルハク・ムラさん(39)は「天皇訪問を楽しみにしていた。これが呼び水になって日本の観光客も、よりたくさん来てほしい」と話した。

 ◇予定をオーバーし懇談

 両陛下が宿泊するホテルで行われた懇談には、訪問に合わせて島を訪れた遺族会や戦友会メンバーら41人が出席した。会場に入ってきた時に軽くほほ笑んでいた両陛下は、時折うなずき、次第にやや緊張した表情になって遺族らの話に聴き入った。

 「日本遺族会」理事の勝間周作さん(67)=さいたま市=は、陸軍1等兵だった父(当時33歳)を失った。6歳の時だった。父の手がかりを求めて、73、75年の政府の遺骨収集に同行。「集めた遺骨は、どれも父親のように思えてなりませんでした」と振り返る。

 勝間さんは28日、91歳になる母親の写真を持って両陛下の慰霊に立ち会う。懇談後「『全国の夫を戦争で亡くした妻は頑張っております』とお伝えしたところ、皇后さまは『よろしくお伝えください』とおっしゃいました」と感激した様子だった。

 「愛知マリアナ献水会」からは、村瀬範晃会長(68)=名古屋市=が出席した。団体は、水に苦しんで死亡した兵士が多かったことから、戦地に故郷の水を供えようと名付けられた。日本兵だった父親を失った村瀬さんは「水が欲しいと言いながら死んでいった人を慰霊し、そうした体験を後世に伝えたいと活動している、と両陛下に話すと『本当にご苦労様です』と言っていただいた」と話した。

 懇談の最後に、天皇陛下は「サイパンの地で皆さんの話やさまざまな体験談を聞かせていただいてうれしく思います」と述べた後、28日の慰霊について「心してお参りしたいと思います」と語った。

毎日新聞 2005年6月27日 21時48分


TITLE:MSN-Mainichi INTERACTIVE 皇室
DATE:2005/06/27 08:52
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/koushitsu/news/20050628k0000m040103000c.html


「昭和の日」成立に抗議し、その廃止を求める

 昭和天皇の誕生日である四月二九日を「みどりの日」から「昭和の日」に、五月四日の「国民の休日」を「みどりの日」にそれぞれ変更する改「正」祝日法が、五月一三日、賛成多数で可決、二〇〇七年から施行されることになった。
 この「昭和の日」制定に私たちは抗議する。日本政府はこの半世紀の間に、天皇神話に基づいた紀元節復活を意味する「建国記念の日」を制定し、天皇の在位期間を一つの時代として命名する「元号法」、戦争と天皇賛美のシンボルである「日の丸・君が代」を「国旗・国歌」とする「国旗及び国歌に関する法律」、そして今回の「昭和の日」を制定した。日本が天皇制の国であることを日常的に認識させ、天皇制を押しつけるための装置を、政府は一つひとつ積み上げてきているのだ。
 この「昭和の日」は、廃案となった過去二回の法案と同じ「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」がその意義であるという。
 私たちは、この法案が国会に上程されるたびに少なくない数の個人や団体と共同で反対の声をあげてきた。「激動の日々」と称される侵略戦争と植民地支配の時代の最高責任者であった「昭和天皇」はもちろん、「復興」の象徴すなわち、戦争責任をまったくとらずに延命し、アメリカの意向に沿った戦後国家(日米安保体制)づくりや今日の戦争国家日本への道を準備した象徴天皇制下の「昭和天皇」をも、賛美しその誕生日を祝う気などはないと。
 昭和天皇裕仁が、60年前に敗戦を迎えたあの侵略戦争とアジアへの植民地および占領支配の最高責任者であったことは歴史的事実である。そして戦後、その戦争責任をとらないまま、「象徴天皇」として延命し、朝鮮戦争やベトナム戦争に便乗して、多くの人々の死と生活破壊の上になされた「復興」の象徴となったのだ。
 いま日本政府がなすべきことは、「昭和」を記念することではまったくなく、アジア諸国に対する近代日本の侵略の歴史と真摯に向き合い、隠していた歴史の真相をあますことなく明らかにし、その事実の重さを深く認識し、戦争被害者に謝罪と補償を行うことであり、その最高責任者、すなわち天皇に責任をとらせ、天皇制という制度を廃止することである。私たちのこういった主張はまったく無視され、「昭和の日」は賛成多数で成立した。それどころが事態は「昭和天皇記念館」がつくられるところまで来ている。
 私たちはこれからも繰り返し抗議し、主張する。侵略戦争と植民地支配、「高度成長」という名の経済侵略を全面展開した天皇裕仁の年号「昭和」を冠した祝日はまっぴらである。アジアの人々と連帯し、共に生きる努力とは対極にある、この「昭和の日」の廃止を求める。

2005年5月
 反「昭和の日」プロジェクトアジア平和連合(APA)ジャパン、アジア連帯講座、新しい反安保行動をつくる実行委第9期、海老名解放教育研究協議会、押しつけないで!「日の丸・君が代」おびひろ・とかち親の集い、改憲と天皇制の戦争責任を問う4.29集会実行委員会、神奈川教育労働問題研究会、かながわ平和憲法を守る会、関西共同行動、京都「天皇制を問う」講座実行委員会、北九州がっこうユニオン・うい、北九州ココロ裁判原告団、憲法勉強会ベアテの会、国連・憲法問題研究会、「心に刻む集会」.四国、参戦と天皇制に反対する連続行動、山谷労働者福祉会館活動委員会、市民運動ネットワーク長崎、市民自治を創る会(札幌)、市民の意見30の会・東京、自由大好き!市民の会(佐賀)、「昭和天皇記念館」建設阻止団、女性と天皇制研究会、人権平和浜松、セルフ・エスティーム・リンケージ、戦争への道に反対する真宗者の会、戦争への道を許さない女たちの会(札幌)、戦争なんて認めない!市民運動大集会(札幌)、超ぴんち!福岡、天皇制に問題あり!福岡連絡会、天皇制を考える広島ネットワーク、日韓民衆連帯全国ネットワーク、日本基督教団九州教区伝道センター平和・人権部門、日本基督教団兵庫教区天皇制問題特設委員会、派兵チェック編集委員会、反戦反天皇制労働者ネットワーク、反天皇制運動連絡会、はんてんの会(反天皇制連続講座実行委員会)神戸、ピースサイクル全国ネットワーク、ピース・チェーン・リアクション、ピープルズ・プラン研究所、広島瀬戸内新聞、「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会、「日の丸・君が代による人権侵害」市民オンブズパーソン(大阪)、「日の丸・君が代」の強制に反対する市民運動ネットワーク、「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会、「日の丸・君が代」はいらない! くにたち・一橋ネット、福岡地区合同労働組合、不戦へのネットワーク、仏教徒非戦の会・福岡、プライバシーアクション札幌、へいわとふくしを見つめる会、平和をあきらめない人々のネットワーク・福岡、明治大学駿台文学会、靖国解体企画、靖国参拝違憲「福岡判決」を活かす会、有事法制反対ピースアクション、許すな!憲法改悪・市民連絡会、「ゆるすな戦争!香川の会」、「歴史は消せない!」みんなの会(香川)、VAWW-NETジャパン【62団体】
 および反天皇制運動全国交流会(第35回)参加者・団体一同

天皇のサイパン「慰霊の旅」を許すな!

 天皇・皇后は6月27、28日にサイパン(米国自治領北マリアナ諸島)を訪問する。
 天皇アキヒトは皇太子時代から「日本人が忘れてはならない日」として、広島、長崎への原爆投下の日、沖縄戦終結の日、終戦記念日をあげていたという。戦後50年に当たる95年夏、天皇は広島、長崎、沖縄に「慰霊の旅」をおこなったが、そのしめくくりは東京で、大空襲による犠牲者を慰霊した。今回のサイパン訪問にあたって、天皇は「今日わが国が享受している平和と繁栄が、多くの人々の犠牲の上に築かれていることを深く心に刻み」「この戦いに連なる全ての死者の冥福を祈り、遺族の悲しみを忘れることなく」、「これら四地域にとどまらず、広く日本各地、また遠い異郷にあって」倒れた日本人とその遺族への思いを表すことが平和の原点であると述べた。
 1914年以来の日本のサイパンを含む太平洋諸国占領と植民地支配への謝罪はどこにもなく、あくまで異郷に倒れた日本人将兵・殖民者への「慰霊」である。
 天皇アキヒトが「忘れてはならない」とする4つの日はすべて、戦前の天皇制日本国家の侵略戦争責任(加害性)を隠蔽し、被害性のみを押し出すとともに、天皇制存続の合理化をはかるという歴史の偽造に貫かれている。
 1945年2月14日、元首相の近衛文麿はもはや敗戦は必至であり、最も憂うペきことは敗戦にともなって共産主義革命が起こることであるから、速やかに戦争を終結した方がよいとする「上奏文」を提出した。しかし、天皇ヒロヒトは「もう一度戦果をあげてからでないと中々話は難しいと思ふ」として、近衛の進言を退けた。
 45年3月下旬から始まる沖縄戦は米軍に「出血」を強いることによって「天皇制護持」の和平条件を獲得するために強要された戦闘であり、8月の広島・長崎への原爆投下は政府がポツダム宣言では「天皇制護持」が明確でないとして「黙殺」した結果であった。沖縄人民15万人、広島・長崎市民(強制連行された朝鮮人・中国人らを含む)43万人の生命は、単なる戦争犠牲ではなく日本支配階級の「天皇制護持」のためにまったく無駄に奪われたのだ。天皇アキヒトはこうした犠牲を謝罪するどころか、むしろ「天皇制護持のためによくぞ死んでくれた」とばかりに賞賛する。その上に立って、8月15日の「終戦」は天皇ヒロヒトのポツダム宣言受諾の「聖断」によってなしとげられたという。「日本人が忘れてはならない日」とは、日本人民が天皇制護持のために自ら進んで犠牲となり、ヒロヒトによって戦争の悲惨から救われ、こぞって戦後の象徴天皇制を受け入れたという歴史の偽造であり、アキヒトは傲慢にも「天皇制への感謝を忘れてはならない日」として人民に強要している。
 天皇ヒロヒトが死に追いやったアジア人民2000万人への戦争・戦後責任を取ることなく、日本人戦没者への慰霊が平和の原点だという天皇アキヒトの認識と、歴代日本政府の戦争・戦後責任への居直りの上に立って、靖国神社参拝は平和への決意を新たにするためだという首相・小泉の認識はまったく同じである。中国・韓国・アジア人民の激しい日本批判はこのような歴史認識に向けられており、その批判はそれらを許している日本人民にも向けられている。現在の日本政府・独占資本のアジア・太平洋諸国侵略に反対する闘いとともに、その根底に改めて天皇制日本国家の戦争・戦後責任追及を据え、天皇のサイパン「慰霊の旅」に反対しよう。それは、侵略戦争国家化・改憲攻撃と闘うための、反天皇制と反戦を結合した闘いである。
反戦反天皇制労働者ネットワーク

昭和天皇 「米軍駐留継続が必要」米公文書で判明

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