ハンドアウト
平和な世界、平和な街。しかし、裏切りの世界の中では、指先一つで破壊される危うい平和。
当たり前に過ごしている理由を、問い詰めると狂気に果てる。
UGNとも、FHとも属さぬ奇怪な集団が繰り広げる悲劇。
彼らの語る理想論は、新たな闘いの幕開けを告げる。
ダブルクロス” Demographic regulation”
人を裁くのが人であるはずがない。
PC1 三津中 蓮見 幸福感/不信感
マイナーながらも、各所で見受けられる思想家。その彼女の人気はまあまあだ。
でも、そんな彼女の名前がジャームから出てくるって?
PC2 “叢雲” 傾倒/不安
叢雲と呼ばれる、強力なオーヴァードが行動をしているという情報を手に入れる。
もちろん、それは悪意のある物だ。止めるべきだろう。
PC3 謎の女性 尊敬/猜疑心
目の前で大きな事故が起きた。突然の出来事に驚く人、叫ぶ人、興味を持つ人。人。
その中に、やけに冷静で冷たい女性を見る。
シナリオ内容
他地区の救援要請を請け、戦場へ赴く新条梢。
戦闘そのものは支障なく終えたが、死ぬ間際のジャームからは三津中蓮見の名前が出る。
彼女はただの現代社会に批判的な意見を出す物書きだったはず。それが、なぜ?
そのことを心に止め、彼女は帰還することにした。
それと同じあたり、K市でバス暴走事故が起きた。
その現場に居合わせた斉藤伊織は、バスを止めようとこっそりエフェクトを使う。が、その力を持ってしてもそのバスは止まらない。やむなく、周りも気付くくらいの力でバスを氷漬けにし、無理やり止める。
バス自体は乗客が全員避難したあたりで爆発したので、氷があったという証拠は何とか消えた。しかし、バスが暴走していた要因は、ただの故障ではなく、オーヴァードの力。じゃなけりゃ簡単に止まる。
ワーディングを張って確かめると、案の定というか、伊織以外のオーヴァードが居た。彼女は自信を山中美知子と名乗る。
"ゲゼルシャフト"。そう名乗る集団が居る。
元はFHセルであったが、FHを離脱、自分たちの目的のために邁進する集団。その目的は大きな被害をもたらす可能性がある。
ゲゼルシャフトの調査に赴いていた零だが、何者かの襲撃を受け再起不能に。
何とか逃げだせたものの、調査を続行することができなくなった。
その調査の引き継ぎを、羣四季という女性が行うことになった。
山中は、ただその場に居合わせただけだと言う。
斉藤は、そうですか、はい。だけどオーヴァードですよね? と答える。
UGNに所属せず、また、オーヴァードの力を使用せずに平穏を生き、戦闘を絶対に行わない。そういった平和主義の組合、『エルクレストカンパニー』に所属している。
山中はそう答え、怪しいものではないと言う。斉藤は「ソレは分かったから事情聴取だー」ということでUGNに来てもらうように頼む。
山中は渋ったが、身の潔白のためということで来てもらった。
その行く途中、新条とも合流する。新城は山中の姿を見て三津中と同じ顔と言うことに気付く。
…嘘をついている? そんな考えが頭によぎる。不安は止まらない。
羣は、零から情報を引き継ぎに黒手会というFHセルに向かう。そこで、一通りの情報を洗い出し、再び集め始めた。
ゲゼルシャフトの目的。叢雲の秘策。それは、一握りの優れた人間が残り、他のすべては抹殺すると言う選民思想。複製体に自分の意識を移し、肉体的な死を乗り越えて永遠に存在するという技法。
考え自体はありきたりながらも、単体の戦闘力から、侮れないことを想い、自分と黒手会のみでは無理と判断。零と関係の深くなっている場所に向かった。
山中を調べれば調べるほど、怪しい点が出てくる。何しろ、エルクレストカンパニーのパンフレットには虚偽がある。それは「古いのを持っていた」といい、ごまかそうとする。エルクレストカンパニーに山中の名前はあるが、三津中の名前もある。この山中と名乗る女性は何者か。
実際にエルクレストカンパニーが集まると言う場所で調べる、ということにした斉藤と新条。そして身の潔白なら~と、しぶしぶ承諾する山中。
向かった先で、案の定襲われた。だがしかし、これですべてがつながることになる。
先で調べ、出てきた情報。ゲゼルシャフトという組織。選民思想の強いその組織の構成員、そのトップと一緒に写る三津中の写真。
K市支部に移り、作戦を練る斉藤と新条。帰って来た時に分かったことだが、UGN全体に"叢雲"と名乗る強力な元FHエージェントが何かを計画しているということが伝わっており、そのことについて作戦を立てようとしていた。
そこに羣が現れ、叢雲の情報と、エルクレスト=ゲゼルシャフトの情報を統合し、決定づける。
そして、その拠点を探し出すことにした。
東北の山中にあったその拠点。奥には複製体の研究施設があった。とりあえず破壊。
他にも構成員がたくさん。とりあえず戦闘。
その騒ぎの中、一行は叢雲と出会う。
叢雲は語る。
地球の資源を奪いあい、人間同士でも奪い合う。これの要因は、ひとえに60億と増えすぎたことに起因すると言う。
故に、私がこの世界のために、救済の措置を取る。と。
叢雲と雌雄を決する。が、散り際に彼はその意識を彼方に飛ばした。…このままでは、叢雲は再び蘇り同じ事態を引き起こすだろう。
拠点をくまなく探すと、秘密の通路を発見。そこから逃亡しようとする三津中の姿、手には大きなトランクを抱えていた。
三津中は衰弱しており、気配などから出産を行っていたことを悟る斉藤。
組織は壊滅し、自身も囲まれていること。叢雲も倒されたことを知り、消沈する三津中。そのまま捕縛を試みる新城と斉藤。
羣は「UGNがそいつをどうしようと勝手だが、それだけは見逃せない」とトランクを破壊する。
その中には、3つのケース。そして、ケース一つ一つに入った小さな生命の始まり。生き物とはまだ呼べぬ、受精卵。
ソレらが破壊され、絶叫し、うなだれる三津中。ソレらが三津中の何を示すものだったのか。
だが、すぐに三津中はしゃべりだす。「過去も、お前たちがそうしてくれたから私は逃げのびることができた」身体は三津中だが、意識は叢雲。
意識を移した叢雲は最後の力を振り絞り逃走。ゲゼルシャフトは壊滅したが、再び戻る予兆を残しつつ、事件は終息した。
第九話の感想があればこちらへどうぞ。
最終更新:2011年01月25日 21:43