摂備事件
摂備事件(せつびじけん)とは、
大阪国の外交上の失態を直接のきっかけとして、
吉備王国と大阪国との関係が極度に悪化し、戦争にまで発展した事件のことで、編集者が大阪国の首都所在地の旧国名である「摂津」と吉備王国の名から勝手に名付けたものである。
背景
大阪国は、旧来「大阪都」という名前であり、
日本連邦の構成国であった。しかし、この地域で独立の気運が高まってきたため、大阪都は日本連邦と交渉して、最終的には独立を得るに至った。独立当初の国名は「大阪都」のままだったが、しばらく後に、独立をアピールすることなどの目的により、現在の名前である「大阪国」に改名した。しかしながら、諸般の事情により、大阪国の国防は依然として、日本連邦に依存する状況が続いた。
しかし、このような状態は、日本連邦が大阪国に対して、4000万EDの債務を負ったことにより、一変することになる。日本に借金の返済能力があることは確認されたものの、4000万EDという大金を貸したことは、大阪国にとって大きな意味を持つものであった。またこの直後には大阪国も軍備を持ち、国防面での日本連邦からの自立も果たしたという実感を、大阪国は得ることとなった。
これらの一連の出来事により大きな自信をつけた大阪国は、それ以降、次第に外交の場で強気の態度を取り始め、遂には西太平洋条約機構の首脳会議において、日本連邦を挑発するような発言を繰り返し、「アメリカに頼っても良いんだぞ」といった趣旨の発言までするに至った。西太平洋条約機構の他の加盟国は、これを看過できない事態だと考えて、遂に吉備王国が、大阪国の横柄な外交態度を非難する声明を発表し、日本連邦の連邦下位国になるか吉備と戦争をするか選ぶよう最後通牒を行なった。
これを受けて大阪国は、吉備王国との外交交渉を開始する。
二国間会談
199X年X月X日、大阪国と吉備王国は、公開の首脳会談を開いた。しかし、ここでも大阪国は、強気な態度を取り続けた。
以下は、会談の内容を要約したり、箇所によっては分かりやすく補ったりしたものである。
吉備は大阪を横暴と言ったが、私は日本に急に具体的な額も言わずに金をくれと言われて、一般的な額が分からないから出せるだけ出したまでだ。
日本が借金を踏み倒したならそれで態度を硬化させるのは分かるが、彼の国は返済の意思を示しているし、私も返済させると保証している。それはかねがね言ってきたはずだ。
それは分かっているが、それでもきちんと返済されるかどうか不安であることは分かって貰えるはずだ。また、普段から日本の態度は正直言ってザルいと、我が国は認識している。
ここで大阪国が、公式な外交の場で普段の日本の態度を「ザルい」と表現したことで、このやりとりを見ていた諸外国は驚愕した様子であった。
気持ちは分かるが、貴国の態度も問題だ。現に長らく軍備を持たず、日本に国防面で依存していただろう。日本がいなければ、我が国が貴国を侵略していてもおかしくなかった。
日本が「大阪の土地を守っているのは誰だと言うのだ」と言ったから言い返したに過ぎない。我が国も日本が国防を担ってくれていることには感謝している。そうでなければ、金を貸すことなどない。
利子を500万EDもつけて貸したのだから、貴国にとっても利益がなかったわけではないはずだ。
さらに、貴国は首脳会議の場で、某欧米国家も引き合いに出したではないか。
ここで、吉備王国は大阪国による「アメリカに頼っても良いんだぞ」という趣旨の発言を引き合いに出した。前述の通り、大阪国は正式な首脳会議の場だという自覚なしにこの発言を行なっていたため、最初は吉備王国が何を言っているのか分からなかった様子である。
首脳会議で欧米国家を引き合いに出す時点で、アジアにとっては脅威と言える。そのため、吉備による侵略を受けて、日本による保護の恩恵を思い知るか、外交権を日本連邦に譲って連邦下位国になるか、選んで貰いたい。
しかし、偉そうに言われて腹が立つのは当然ではないだろうか。国防を担って貰っているのは確かだが、同時に我が国は日本に金を貸している立場なのだ。我が国は日本に守って貰っているだけで、日本の奴隷ではない。
奴隷でないからこそ、500万EDもの利子をつけて金を貸しているのだろう。それで奴隷などと、あたかも搾取されているかのような言い方をするとは、一体どういうつもりなのだ。
500万という利子が多いのか少ないかは分かりかねるため、別途修正を行うつもりではある。そのうえ、日本には返済が無理なら期限を伸ばすつもりだと伝えてあるのだ。
そもそも借金のことで最後通牒を行なっているわけではない。外交の場における掌返しと外患誘致を問うているのだ。
掌返しと言うが、我が国としては返済期限なども日本の都合の良いようにするつもりでほぼ全ての財産を投げ打って、国防を担って貰っている恩を返すつもりで金を貸しているのに、「守ってやっているんだぞ」などと言われると、腹が立つのは当たり前だろう。
例えば貴国が日本に金をくれと唐突に言われて、全財産を投げ打つことができるのか?我が国としてはそれなりに義理を通しているつもりだ。
吉備の場合は国防面では完全に自立しているのだから、そもそも日本の言うことを聞く必要はない。大阪は軍備を持たないという方針を取った以上、生殺与奪を握られているのだから恭順すべきではないか。軍備を持たないというのは、そういうことだ。
以前我が国が軍備を持たないという路線を取ったのは事実だが、そもそも先程貴国の方から、軍備を持った方が良いといっていたはずだ。我が国としても日本の態度には不安を感じているから、最低限の軍備を持つことにした。
それで一気に態度を変えるのは、いかがなものだろうか。
単にこれまでの日本に対する不満が爆発しただけだ。
しかし、さらに某欧米国家を味方につけようとしただろう。
あれは申し訳ないと思っている。冗談のつもりだった。
我々はその件について責任を問うている。
冗談を言っただけで滅びるか従うか求めるのは酷過ぎると思うが。
一旦そのようなことを言ってしまった以上、貴国が某欧米国家を引き込まないかどうか、確証が持てない。
だから滅びるか恭順しろと言うのか?
滅びるといっても、吉備に侵略されるだけだ。再起することはできる。
我が国は戦争をなるべくしたくはない。それを理解して言っているのか。
それは理解している。あくまでも、日本の保護の有難みを実感していただきたいのだ。日本のおかげで戦争に巻き込まれなかったことを、肌で感じていただこう。
よろしい。ならば戦争だ。
これらのように、両国の会談は決裂し、大阪国と吉備王国が戦争状態に入ることが確実となった。
戦争
最終更新:2021年03月24日 14:58