まとめwiki ~ 「♀29匹のボックスに♂1匹を入れてみた」
12話 - 2号室への誘い
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f29m1
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――マリルリは、手持ちにいた頃の事を思い出していた。
トロピウス
「うえっ、えっ、ひぐっ! 『毒の無い草男に興味ないわ』なんて、ひ、、ひどいよぉ。……うわああー!!」
ヘラクロス
「なんだお前、まーたフラれたのか? そんなの忘れろ忘れろ!
大体なあ、女なんて自分勝手だわやかましいわ、ちょっとサボってたらすぐチクルし、ってトレーナーも言ってたぜ」
大体なあ、女なんて自分勝手だわやかましいわ、ちょっとサボってたらすぐチクルし、ってトレーナーも言ってたぜ」
マリルリ
「それってトレーナーの……というより人間の女の子の場合なんじゃあ?」
ヘラクロス
「わかってねーなー。人間も♀ポケも似たようなもんなんだよ」
トロピウス
「そんなこといって、ヘラクロスは強いし、カッコイイし、マリルリも女の子達からかわいいって言われてるし~。
きっと二人とも僕に内緒でモテモテなんだぁー!」
きっと二人とも僕に内緒でモテモテなんだぁー!」
ヘラクロス
「んなわけねーだろ。俺なんか脳筋虫って呼ばれてるんだぜ。相手になんてされねーよ」
マリルリ
「僕だって。女の子からかわいいって言われるのって、男としてはフクザツだよ?」
ヘラクロス
「俺達硬派な漢は女なんて必要ねえよ! 女がなんだ! 彼女持ちがどうした! モテなくて何が悪い!
別にひがみじゃねえからな。硬派だ! 俺達3人は硬派に生きようぜ!!」
別にひがみじゃねえからな。硬派だ! 俺達3人は硬派に生きようぜ!!」
ピチュー
「ちくしょう、あの耳長水野郎をなんとかしてシメる方法はないのかな……。まったくムカつく奴!!」
ブツブツとつぶやきながら物騒な事を考えているピチュー。ふと、何かの歌のようなものが聞こえてきた。
ピチュー
「ん? なんだ、またノクタスが鼻歌歌いながら歩いてんのか?」
歌は廊下の曲がり角の向こう側から聞こえてくる。気になったので、そっとのぞいてみると……
マリルリ
「いーとーしーさとーーせーつーなーさとーーここーろづよーさとー」
瀕死のコイキングのような目をしたマリルリが何かのメロディを口ずさんでいた。
ピチュー
「キモッ!! な、なんだあれ!?」
マリルリ
「は、はははは、あははははは。……母さん。まだ見ぬ母さん。
どうして僕はほろびのうたを覚えずに生まれてきたんでしょうか。父さんに文句を言うべきですか?」
どうして僕はほろびのうたを覚えずに生まれてきたんでしょうか。父さんに文句を言うべきですか?」
ピチュー
「……よし! 今度からあいつは耳長キモピザ水野郎だ」
あまりに不気味だったためにピチューはそのままマリルリを放置して去っていった。
その後、放心状態になっていたマリルリを発見したのは、壁の修理を終えたチャーレムだった。
その後、放心状態になっていたマリルリを発見したのは、壁の修理を終えたチャーレムだった。
チャーレム
「……なにやってんの、あんた?」
マリルリ
「お、おお……波導の勇者よ」
チャーレム
「もしもーし、大丈夫かーい?」
マリルリ
「フォースだ、フォースの力を信じるのだ……」
チャーレム
「だーめだこれ。……ッせぇーーーーーヤッ!」
チャーレムの右手に電気が集まり、かみなりパンチの要領でマリルリの頬を打つ。
二、三発食らわしたところでマリルリが気がついた。
二、三発食らわしたところでマリルリが気がついた。
マリルリ
「な、殴ったね。親父にも……。あ、レム、さん?」
チャーレム
「ようやく正気に戻ったかー。何? どしたの? なんかあった? 逆(ピー)でもされた?」
マリルリ
「ちょ、な、な、何を堂々とそんなこと言ってんですか!!」
唐突にキワドイ発言をしたチャーレムに顔を真っ赤にしながら反論する。だが、おかげで目は覚めた。
チャーレム
「冗談冗談♪ で、そんなことより何があったの?」
マリルリ
「それは、その……」
理由があまりに馬鹿馬鹿しすぎるため言いづらいが、それを上手くごまかす技量も話術も無いので、正直に話した。
チャーレム
「……つまり、要約するとフリーだと思ってた友人に先を越された、と。
一言いい? あんたアホでしょ」
一言いい? あんたアホでしょ」
マリルリ
「ハッキリ言わないでよ」
チャーレム
「だぁーーって、どう考えてもアホな話なんだもん。男だったらいちいちそれくらいで凹むんじゃない!」
マリルリ
「はあ……」
チャーレム
「それにしても、なんでモテないのかねー。見た目もそれなりだし、むしろモテても良さそうなのに」
ああ、わかった! 錯乱すると電波になるからじゃない? 昨日もスタンド使いになってもんねー」
ああ、わかった! 錯乱すると電波になるからじゃない? 昨日もスタンド使いになってもんねー」
笑いながら一人納得しているが、恐らくその通りなのでマリルリは気まずそうにうつむくだけで反論できなかった。
チャーレム
「よしわかった! ここは、このまさえさんに任せなさい!」
マリルリ
「わわっ、ちょ、ちょっと、強すぎ……」
チャーレムに半ば引きずられる形でマリルリは彼女の部屋にやってきた。ドアには【2】と書いている。
チャーレム
「たっだいまー! マリルリ連れて来たよー」
ルージュラ
「お帰り~。
あらっ! まあまあまあ! 噂の新人君じゃないの~♪」
あらっ! まあまあまあ! 噂の新人君じゃないの~♪」
入ってすぐ、ルージュラがクルクルと回りながら出迎えてくれた。踊るように腰を降りながらこちらにウインクを飛ばす。
その妙な雰囲気に圧倒されてマリルリは一歩後ろに下がった。
その妙な雰囲気に圧倒されてマリルリは一歩後ろに下がった。
マリルリ
「こ、こんにちわ。初めまして……」
ルージュラ
「いやぁん♪ かわいい子ね~、お姉さん気に入っちゃった♪」
そう言ってルージュラはマリルリを抱きしめる。そして――
ルージュラ
「はい、サービス♪」
マリルリ
「え? いや、ちょっとおおおお!?」
ルージュラの あくまのキッス! いちげきひっさつ!
◇◆◇ ~らん♪ らん♪ らら♪ らん♪ らん♪ らん♪ らん♪ らん♪ らら♪ らん♪ ◇◆◇
(しばらく『風の谷のナウシカ』の例のメロディの頭に浮かべながらお待ちください)
(しばらく『風の谷のナウシカ』の例のメロディの頭に浮かべながらお待ちください)
ルージュラ
「あらん、サービスしすぎたかしらん♪」
チャーレム
「いやあー、相変わらずまさこ大胆だねえ」
マリルリ
「……レムさん。僕を励まし来たか、トドメ刺しに来たのか正直に答えてくれませんかね?」
チャーレム
「まあまあ、そんな遠い目をしないの。考えようによっちゃあフラグ発生だし儲けもんじゃん!」
マリルリ
「折っていいですか? むしろ精神が折れそうです」
ルージュラ
「うふん、恥ずかしがっちゃってかわいいわね~。
私はルージュラの『まさこ』よ。トレーナーが言うには何でもルージュラ伝統のニックネームなんですってね。そんな素敵な名前をもらえて光栄だわ」
私はルージュラの『まさこ』よ。トレーナーが言うには何でもルージュラ伝統のニックネームなんですってね。そんな素敵な名前をもらえて光栄だわ」
チャーレム
「トレーナーが適当に言ってるだけだけどね」
マリルリ
「へ、へえ~そうなんですか? そりゃあよかったですね……」
ルージュラ
「んもう♪ 照れちゃって。そんなに硬くならないでいいわよ」
チャーレム
「マリルリもビビリすぎだって、まさこはガチショタだから喰われやしないから。平気平気!」
マリルリ
「く、くわ!?」
ルージュラ
「ちょっとやーね! 年下好みなだけよ~。そりゃあ貴方がマリルリじゃなくてマリルとかルリリだったら喰……ムハッ! げふんげふん! ……オホホ、失礼。私もメロメロに首ったけだったかもね♪」
マリルリ
「すいません、急用を思い出したので帰ります」
チャーレム
「いやいや、シャレだから。たぶん!」
ルージュラ
「うふ♪」
マリルリ
「むしろちょっと用事作ってきます!」
急に背筋が恐ろしく寒くなったのは彼女が氷タイプというだけではなさそうだ。恐怖を感じて立ち去ろうとしたマリルリの前に冷たい粉雪をまとった風が渦巻く。その中から一体のポケモンが現れた。
ユキメノコ
「あんまり彼をからかうのは良くありませんわよ」
マリルリ
「やった! まともそうな人来た!!(あなたは?)」
本心と言葉が入れ替わってたような気がしたが、マリルリは気にしないことにした。
チャーレム
「言うねえ~。でも気をつけなよ? こいつはユキメノコの『まさよ』って言うんだけどさ、まさよも結構曲者だよ? なんたってあたしら三人、『二号室のかしまし娘』だからねっ♪」
ルージュラ
「古いわねぇ……。しかもあんたが勝手に名乗ってるだけじゃないの」