まとめwiki ~ 「♀29匹のボックスに♂1匹を入れてみた」
01話 - まともな彼と純粋な彼とフェロモンむんむんな彼女と怖がりな彼と雌雄同体の彼女らである彼らと僕
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f29m1
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「あー、もう金がないなぁ……。ちょっと稼がないと。
ちぱぁ、悪いけど少し待っててくれ」
ちぱぁ、悪いけど少し待っててくれ」
僕はパチリスのちぱぁ。
ある時は、ご主人様のために物を拾い、ある時は木を切り、ある時は真っ暗な洞窟を明るく照らしている。戦闘は見ているだけのことが多いけど。
僕のご主人様はああ見えてもポケモンリーグを制覇したことのある、偉大なトレーナーだ。また、ポケモンコレクターでもあり、珍しいポケモンを沢山持っているということでも有名だ。
ある時は、ご主人様のために物を拾い、ある時は木を切り、ある時は真っ暗な洞窟を明るく照らしている。戦闘は見ているだけのことが多いけど。
僕のご主人様はああ見えてもポケモンリーグを制覇したことのある、偉大なトレーナーだ。また、ポケモンコレクターでもあり、珍しいポケモンを沢山持っているということでも有名だ。
「じゃあ、僕はまたリーグに挑んでくるから。ちぱぁ、ゆっくりしていてくれ」
そんなわけで僕はボックス送りにされたのだ。
ご主人様にとって重要な対戦があるとき、僕はボックスに預けられた。
いつもはボックス1、2など簡素な名前がついているボックスに預けられているんだけど……、今回は違った。
そんなわけで僕はボックス送りにされたのだ。
ご主人様にとって重要な対戦があるとき、僕はボックスに預けられた。
いつもはボックス1、2など簡素な名前がついているボックスに預けられているんだけど……、今回は違った。
ボックスに送られた直後、僕はあたりを見回す。
なんだろう、この異様なまでの威圧感……。今まで入れられてきたボックスより明らかに広い。
雨が降ったと思ったらいきなり止んだり、そう思ったらいきなり晴れたり。
なんだろう、この異様なまでの威圧感……。今まで入れられてきたボックスより明らかに広い。
雨が降ったと思ったらいきなり止んだり、そう思ったらいきなり晴れたり。
大きくて怖そうなドラゴンが二匹、入り口のところに立っていた。
「あ……、初めまして」
僕がそう挨拶すると、その中の大きなピンクがかったドラゴンがのっしのっしと僕に近づいてくる。
この人(?)も、僕と同じご主人様の元のポケモンだ、危害は加えられないはず。
そうは思ってもあんなに大きくて威圧感のあるドラゴンだから、つい身構えてしまう。
「ガギャギャギャァッ! なんだ貴様」
大きなドラゴンが突然咆哮をあげる。僕は吹き飛ばされそうになる。
「あ……、やめて! 痛い痛い痛いいt……」
大きなドラゴンが僕の自慢のもふもふの尻尾を掴む。痛い!
この体格差だ、抵抗してもびくともするはずがないので必死で抗議をする。
「ぱるぱる、やめろ。その子は敵じゃない」
「なんだとォォォォッ!? すまんぐぎゅぐば、オレは勘違いしてたようだ!」
藍色のぐぎゅぐばと呼ばれたドラゴンがぱるぱると呼ばれたドラゴンをそう諌めると、僕の尻尾は彼の手から離された。僕は地面に叩きつけられる。
もっと優しく降ろしてよ、もう……。
「あ……、初めまして」
僕がそう挨拶すると、その中の大きなピンクがかったドラゴンがのっしのっしと僕に近づいてくる。
この人(?)も、僕と同じご主人様の元のポケモンだ、危害は加えられないはず。
そうは思ってもあんなに大きくて威圧感のあるドラゴンだから、つい身構えてしまう。
「ガギャギャギャァッ! なんだ貴様」
大きなドラゴンが突然咆哮をあげる。僕は吹き飛ばされそうになる。
「あ……、やめて! 痛い痛い痛いいt……」
大きなドラゴンが僕の自慢のもふもふの尻尾を掴む。痛い!
この体格差だ、抵抗してもびくともするはずがないので必死で抗議をする。
「ぱるぱる、やめろ。その子は敵じゃない」
「なんだとォォォォッ!? すまんぐぎゅぐば、オレは勘違いしてたようだ!」
藍色のぐぎゅぐばと呼ばれたドラゴンがぱるぱると呼ばれたドラゴンをそう諌めると、僕の尻尾は彼の手から離された。僕は地面に叩きつけられる。
もっと優しく降ろしてよ、もう……。
「君は、今日からこのボックスに入るのか?」
ぐぎゅぐばが僕に問う。僕は恭しく答える。
「はい、僕はパチリスのちぱぁです。宜しくお願いします」
「そうか、私はディアルガのぐぎゅぐば。一応、時を司ると言われているよ」
「ぱるぱるぅ! ぱるぱるぅ! オレはパルキアのぱるぱる! オレは無敵だっ!!」
どうやら、ぐぎゅぐばは落ち着いた性格だけど、ぱるぱるはバk……。
「とりあえず奥に入れ、青白いの!」
「三歩あるけばなんとやら……。ああ、気にしないでくれ」
どうやら、もうぱるぱるは僕の名前を忘れているらしい。
言われたとおり、ぱるぱるとぐぎゅぐばの後を着いて奥へと進んでいく。
相変わらず、不安定な天候だ。雨が降ったり晴れたり、今は晴れている。
ぐぎゅぐばが僕に問う。僕は恭しく答える。
「はい、僕はパチリスのちぱぁです。宜しくお願いします」
「そうか、私はディアルガのぐぎゅぐば。一応、時を司ると言われているよ」
「ぱるぱるぅ! ぱるぱるぅ! オレはパルキアのぱるぱる! オレは無敵だっ!!」
どうやら、ぐぎゅぐばは落ち着いた性格だけど、ぱるぱるはバk……。
「とりあえず奥に入れ、青白いの!」
「三歩あるけばなんとやら……。ああ、気にしないでくれ」
どうやら、もうぱるぱるは僕の名前を忘れているらしい。
言われたとおり、ぱるぱるとぐぎゅぐばの後を着いて奥へと進んでいく。
相変わらず、不安定な天候だ。雨が降ったり晴れたり、今は晴れている。
「あら、かわいい新入りさんね~、よろしく~」
透き通った声がした方を振り向くと、バナナの皮を被ったような桃色のポケモンがいた。なんだか、とっても甘い香りがするポケモンだ。嗅覚のいい僕には少しきつい……。
「私はクレセリアのクリス。ハンサムな子とかわいい子は大好きよ~」
「そ、そうですか……」
なんだか、とても危険な感じがする……。ぐぎゅぐばが足早に僕を連れて行く。
ぱるぱるはというと早くも飽きてきたのか咆哮しまくっている。
透き通った声がした方を振り向くと、バナナの皮を被ったような桃色のポケモンがいた。なんだか、とっても甘い香りがするポケモンだ。嗅覚のいい僕には少しきつい……。
「私はクレセリアのクリス。ハンサムな子とかわいい子は大好きよ~」
「そ、そうですか……」
なんだか、とても危険な感じがする……。ぐぎゅぐばが足早に僕を連れて行く。
ぱるぱるはというと早くも飽きてきたのか咆哮しまくっている。
僕たちはさらに奥へ奥へと進んでいく。
「痛っ!」
突然、下から声がした。驚いて下を向くと、影だと思っていたものが実体化した。
「な、なななな何だお前! ここここここ……ここから、ででででで、ででデテイケっ……ってください! ここここここはみ、み皆の……ぼ、ボックスだ…… です……!」
出てきたのは真っ黒な体に白い髪のようなものが生えている青い目をした小柄なポケモン。小柄、というのはあくまでこのボックスでこれまでに出会ったポケモンでという意味で、僕よりは大分大きい。
偉そうなことを言ってる割には、内容が支離滅裂だし声は震えているし涙目だし。
「あ、僕は悪いものじゃないです。新入りでs……」
言いかけたところで、出て行けといったポケモンは再び影となる。
「痛っ!」
突然、下から声がした。驚いて下を向くと、影だと思っていたものが実体化した。
「な、なななな何だお前! ここここここ……ここから、ででででで、ででデテイケっ……ってください! ここここここはみ、み皆の……ぼ、ボックスだ…… です……!」
出てきたのは真っ黒な体に白い髪のようなものが生えている青い目をした小柄なポケモン。小柄、というのはあくまでこのボックスでこれまでに出会ったポケモンでという意味で、僕よりは大分大きい。
偉そうなことを言ってる割には、内容が支離滅裂だし声は震えているし涙目だし。
「あ、僕は悪いものじゃないです。新入りでs……」
言いかけたところで、出て行けといったポケモンは再び影となる。
ぱるぱるは「臆病者め! オレの勝利でぱるぅ!」と叫んでいる。
ああ、やっぱり彼はばk…… いや、純粋すぎるくらい純粋なんだな。
興奮すると語尾に「ぱるぅ!」とつくらしい。見掛けによらずなんともかわいらしい。
ああ、やっぱり彼はばk…… いや、純粋すぎるくらい純粋なんだな。
興奮すると語尾に「ぱるぅ!」とつくらしい。見掛けによらずなんともかわいらしい。
ぐぎゅぐばが僕に説明をしてくれる。
「彼は、ダークライという種族だ。通称だーくん。ああ見えても重度の臆病だ」
「そうなんですか……」
ポケモンは見かけによらず、とはよく言ったものだ。
また、痛っ! という声が聞こえた気がしたが、とりあえず先に進む。
「彼は、ダークライという種族だ。通称だーくん。ああ見えても重度の臆病だ」
「そうなんですか……」
ポケモンは見かけによらず、とはよく言ったものだ。
また、痛っ! という声が聞こえた気がしたが、とりあえず先に進む。
天気は、いつの間にか雨になっていた。この異常な天候の理由はすぐに分かることとなる。
進んでいくと、シャチのような青いポケモンと怪獣そのものの赤いポケモンがいた。
「あらぁ~ん、新入りさんなのかしら。よ・ろ・し・く・ね。私はカイオーガのカイオウよん。雨を降らせることが特技なのよ、うふふ」
「私はグラードンのグランよ~。カイオウは雨を降らせるけど、私は晴らせることができるのよん。かわいいリスさん、よろしくねん」
「ウオォォオォォォ! 相変わらず! 気持ち悪いな! 貴様ら!」
「あ~ら、ぱるぱる君、照れなくてもいいのよ~」
……。天候の変化は、このなんとも不気味な彼らが原因らしい。
進んでいくと、シャチのような青いポケモンと怪獣そのものの赤いポケモンがいた。
「あらぁ~ん、新入りさんなのかしら。よ・ろ・し・く・ね。私はカイオーガのカイオウよん。雨を降らせることが特技なのよ、うふふ」
「私はグラードンのグランよ~。カイオウは雨を降らせるけど、私は晴らせることができるのよん。かわいいリスさん、よろしくねん」
「ウオォォオォォォ! 相変わらず! 気持ち悪いな! 貴様ら!」
「あ~ら、ぱるぱる君、照れなくてもいいのよ~」
……。天候の変化は、このなんとも不気味な彼らが原因らしい。
今のところ、まともなのはぐぎゅぐばしかいない。
純粋すぎるぐらい純粋なぱるぱる。
フェロモンムンムンのクリス。
異常なまでに臆病なだーくん。
そして、明らかに性別不明の意味を取り違えているであろうカイオウとグラン。
純粋すぎるぐらい純粋なぱるぱる。
フェロモンムンムンのクリス。
異常なまでに臆病なだーくん。
そして、明らかに性別不明の意味を取り違えているであろうカイオウとグラン。
まだ少ししか案内されていないけれど、ここが色々な意味で恐ろしいところだというのはよく分かった。